JPH0433262Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、小物を収納した収納体を複数順次取
り出し可能に収容する小物用包装容器に関し、と
くにパンテイストツキング等の小物繊維製品の包
装に用いて好適な小物用包装容器に関する。

［従来の技術］ 小物繊維製品、とくに女性用小物繊維製品であ
るパンテイストツキングやシヨーツ等は、一般
に、プラスチツクフイルムで包装され、個装状態
であるいはフイルムで包装したものを連接した状
態で販売されることが多い。

しかしながら、上記のような包装形態では、個
装の場合には、たんす等に収納した場合ばらばら
になりがちで使用に不便である。また、フイルム
個装状態のままでは、女性にとつては人目につく
場所に置きづらく、たんす等に収納すれば比較的
頻繁な取り出しが面倒である。さらに、フイルム
個装状態のままではギフト品等になり難いが、ギ
フト品等の形態を整えるため複数のフイルム個装
品を単に箱体に収納するだけでは、使用の都度箱
体全体を開閉して一つ一つ個装品を取り出さねば
ならず、使用取り出し時の不便さが残る。

また、フイルムで包装したものを連接した状態
のものにおいては、使用の都度一つ一つ切り離さ
なければならないので個装品に比べて使用上の不
便さがある。

なお、本考案に関連して、洗たく後等の複数の
ストツキングを整理、収納するケースとして、実
開昭62−35518号公報開示の収納ケースが知られ
ているが、一つのストツキング取り出し時にもケ
ース全体を開閉しなければならないので、整理は
できるものの使用上極めて不便である。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、上述の如き従来の包装形態に
おける不便さに着目し、複数の個装品を、一つ一
つの取り出しが簡便で使用に極めて便利に収納で
き、かつ取り出し時の操作量が必要最小限です
み、しかもギフト品等として好適な形態を確保し
得る小物用包装容器を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ この目的に沿う本考案の小物繊維製品用包装容
器は、小物を収納する直方体形状の収納体と、 該収納体を複数一列に互いに隣接させた配列状
態で収納し、上面が開放した箱体からなり、内面
に、前記配列された収納体の配列ピツチと実質的
に同一の配列ピツチを有し自身の弾性をもつて箱
体内方に突出可能で該突出により一方向に各収納
体と係合可能な複数の係合片を備えた内箱と、 該内箱を出し入れ自在に収納し、前記配列され
た収納体の配列ピツチと実質的に同一の配設ピツ
チを有し前記内箱に形成された内箱出し入れ方向
に延びる長穴を通して自身の弾性をもつて内箱内
に突出可能でかつ該突出により前記内箱引き出し
方向後方側から内箱内の収納体を係止可能な複数
の係止片を備えた外箱とから成る。

上記各部位は、好ましくは、比較的腰のある紙
やプラスチツクフイルムあるいはプラスチツクシ
ート等から構成される。複数の収納体には、それ
ぞれ、たとえばパンテイストツキング、シヨー
ツ、ハンカチ等の小物繊維製品が１つづつ収納さ
れる。

［作用］ このような小物用包装容器においては、複数一
列に配列される収納体を収納した内箱が外箱から
引き出されるとき、内箱内面に設けられた係合片
が各収納体の後方面に係合され、該係合により、
収納されている収納体は内箱の引き出し動作に伴
つて内箱との相対位置関係を保ちながら引き出さ
れる。少なくとも収納体一つ分以上内箱が外箱か
ら引き出されれば、最前端の収納体が内箱から取
り出され得る。この収納体を取り出した後、内箱
を再び外箱内に入れるとき、収納体の後方面が外
箱内面に設けられた係止片に係止され、各収納体
の引き出し方向奥方に向けての移動が阻止されて
内箱のみが外箱内に押し込められる。したがつて
収納されている各収納体と内箱とは引き出し方向
に相対移動し、収納されている各収納体が内箱に
対し一ピツチ分前方（引き出し方向）に送られ
る。この送りにより、内箱前端側に、最終収納体
になるまで常に収納体を位置させることができ、
一個づつの使用される収納体の取り出しに対し、
内箱を実質的に収納体一個分だけ引き出せばすむ
ようになり、常に必要最小限の操作量でよいこと
になる。

また、小物は収納体に収納され、該収納体がさ
らに内箱、外箱内に収納されるから、通常時は小
物自身は完全に箱体で覆われることになる。つま
り箱体内に収容しつつ、上述の如く個々の収納体
が極めて簡単に取り出される。さらに、上述の順
送り構造は、通常の包装容器にはない構造である
から、十分に興味を惹くものとなり、ギフト品等
としても好適なものとなる。

［実施例］ 以下に、本考案の望ましい実施例を、図面を参
照して説明する。

第１図ないし第６図は、本考案の一実施例に係
る小物用包装容器を示しており、小物繊維製品用
包装容器に本考案を適用したものを示している。
第２図において、１は小物繊維製品としてのパン
テイストツキングを示しており、パンテイストツ
キング１は、直接あるいはフイルム等（図示略）
で密封包装された状態で収納体２内に一足づつ収
納されている。収納体２は、比較的腰のある紙、
プラスチツクフイルム、プラスチツクシート等の
材料から構成されており、いずれかの面が開閉自
在な蓋を構成する直方体形状に形成されている。

第１図において、３は内箱、４は外箱を示して
おり、内箱３は外箱４に引き出し自在に収納され
る。内箱３は、第３図に示すように、上面が解放
した箱体からなり、内箱３内には、収納体２が一
列に互に隣接した配列状態にて収納されている。
本実施例では収納体２を５個収納（５連）できる
ようにしたが、この数は適当でよい。

内箱３の両内側面側には、収納配列された複数
の収納体２の配列ピツチと実質的に同一の配設ピ
ツチで係合片５が設けられている。この係合片５
は、本実施例では、内箱３構成部材を両内側面に
折り返すことによつて構成され、自由状態では第
５図に示すように内箱３内方に突出する弾性をも
つている。収納体２が収納された状態では、概略
収納体２の両外側面に押圧されて内箱３の両内側
壁に密着し、実質的に内箱３の内壁面を構成する
ようになつている。そして係合片５が内箱３内方
に自身の弾性をもつて突出した状態では、その引
出し方向前端縁５ａが、引出し方向直前方にある
収納体２の後方面に係合できるようになつてい
る。この係合片５の数は、内箱３の後方側から、
少なくとも内箱３内に配列される収納体２の数−
２個設けられることが好ましい。

内箱３の底壁３ａには、該内箱３引出し方向に
延びる長穴６が形成されている。長穴６は、内箱
３の引出し方向後端から、少くとも最前列の収納
体２の下面位置まで延びている。そして、長穴６
に連ねて、内箱３の後壁３ｂには切欠き７が形成
されており、該切欠き７を後述の係止片が通過可
能となつている。

内箱３を出し入れ自在に収納する外箱４は、第
４図に示すように、その後面部および前面部が開
放端に形成されている。外箱４の内部底面には、
内箱３の出し入れ方向に、内箱３内に配列される
収納体２の配列ピツチと実質的に同一の配設ピツ
チをもつて、係止片８が設けられている。各係止
片８は、自由状態では第６図に示すように上方に
突出する弾性をもつており、内箱３の長穴６を通
して内箱３内に突出できるようになつている。内
箱３内の係止片８に相当する位置に収納体２が在
る場合には、該収納体２によつて上方から押圧さ
れ実質的に外箱４の内底面を形成するようになつ
ている。この係止片２は、外箱４構成部材をその
底面部で一部折り返すことによつて構成してもよ
く、別の材料で構成してそれを外箱４内底面に接
着等で接合するようにしてもよい。係止片８の引
出し方向前端縁８ａは、係止片８突出状態にて、
内箱３とともに収納体２が外箱４内に収納移動さ
れる際、対応する直前方の収納体２の後方面を係
止できるようになつている。この係止片８の数
は、外箱４後端側から、少なくとも、内箱３内に
収納される収納体２の数−１個設けられる。

上記のように構成された包装容器においては、
内箱３内に５個の収納体２が一列に配列されて収
納され、該内箱３が外箱４の後方端から挿入され
る（第１図矢印Ａ方向）。このとき、外箱４内の
係止片８は、内箱３の下面および内箱３内の収納
体２下面によつて上方から下方に向けて押圧され
るので、外箱４の内底面に沿つて寝た状態となつ
ている。また、内箱３の両内側面上にある係合片
５も、収納される各収納体２側面によつて押圧さ
れ、内箱３の両内側面に沿つた状態にある。

上記収納状態から、内箱３を前方に、実質的に
収納体２一個分引出すと、露出した収納体２は取
り出し可能な状態になる。取り出しは、上方から
手でつまみ出してもよいし、内箱３下面にある長
穴６を通して指で収納体２を押し上げて取り出す
ようにしてもよい。

上記内箱３を収納体２一個分以上引き出した状
態では、最奥部にある外箱４の係止片８は、収納
体２に当接せずフリー状態になるので、自身の弾
性で第６図に示したように長穴６を通して上方に
突出する。最前端の収納体２を取り出して、その
部分が空間となつた状態で、内箱３が再び外箱４
内に戻される。この戻し過程においては、上記上
方に突出した最奥端の係止片８の前端縁８ａが最
後列収納体２の後方端に当接し、さらに内箱３が
押し込まれると、上記前端縁８ａが最後列の収納
体２を係止してその移動を阻止する。一列に配列
された残り４つの収納体２は、互に隣接している
ので、最後列の収納体２の移動が阻止されること
により全収納体２の移動が阻止され、内箱３のみ
が押し込まれる。したがつて各収納体２と内箱３
との間には出し入れ方向に相対運動が生じ、内箱
３が外箱４内に全部収納された状態では残りの４
つの収納体２は内箱３に対し収納体２一個分前方
に移動している。つまり内箱３の前端側から残り
４つの収納体２が一列に配列される。そしてその
ときの内箱３最後端側は、収納体２一個分空間状
態となる。空間状態になると、それまで側方に押
圧されていた内箱３両内側面の係合片５がフリー
状態となり、内箱３内方に突出する。この状態か
ら再び内箱３を収納体２一個分引き出すと、上記
突出した最後端の係合片５が直前方にある収納体
２の後面に係合して、全収納体２を内箱３と一体
的に引き出し方向に移動させる。したがつて、引
き出された内箱３の最前端には、再び第１図のよ
うな状態で収納体２が現われる。

上記一連の動作が、収納体２を一個取り出す毎
に行われ、各係止片８の働きにより内箱３の収納
体２が自動的に収納体２一個分づつ順に前方に送
られ、送られた収納体２が各係合片５の働きによ
り内箱３とともに常に最前端に現れるように引き
出される。

なお、上記実施例では、小物としてパンテイス
トツキングを例に挙げたが、これに限らずシヨー
ツ、ハンカチ等他の小物繊維製品でもよく、さら
に、石けん等他の品物であつてもよい。

［考案の効果］ したがつて本考案によるときは、収納体を収納
し係合片を有する内箱を、係止片を有する外箱に
対し必要最小限の操作量だけ引き出すだけで、収
納された収納体を常に内箱の引き出し端側に自動
的に位置させることができ、収納体を一個づつご
く簡単に取り出すことができるという効果が得ら
れる。

また、各収納体は個装品の形態をとつている
が、各収納体は内箱および外箱内に完全に収納さ
れるので、個装品の使用上の便利さを活かしつ
つ、各個装品がばらばらにならないようにし、し
かも取り出し時以外は外部に露出しないようにす
ることができる。

さらに使用時の収納体順送り機構が含まれてい
るため、使用上のおもしろみもあり、ギフト品と
して好適な包装形態を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る小物用包装容
器の斜視図、第２図は第１図の一個の収納体の斜
視図、第３図は第１図の内箱の透視斜視図、第４
図は第１図の外箱の透視斜視図、第５図は第３図
の−線に沿う横断面図、第６図は第４図の
−線に沿う横断面図、である。 １……小物としてのパンテイストツキング、２
……収納体、３……内箱、４……外箱、５……係
合片、６……長穴、８……係止片。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 小物を収納する直方体形状の収納体と、 該収納体を複数一列に互いに隣接させた配列状
   態で収納し、上面が解放した箱体からなり、内面
   に、前記配列された収納体の配列ピツチと実質的
   に同一の配設ピツチを有し自身の弾性をもつて箱
   体内方に突出可能で該突出により一方向に各収納
   体と係合可能な複数の係合片を備えた内箱と、 該内箱を出し入れ自在に収納し、前記配列され
   た収納体の配列ピツチと実質的に同一の配設ピツ
   チを有し前記内箱に形成された内箱出し入れ方向
   に延びる長穴を通して自身の弾性をもつて内箱内
   に突出可能でかつ該突出により前記内箱引き出し
   方向後方側から内箱内の収納体を係止可能な複数
   の係止片を備えた外箱と、 からなる小物用包装容器。