JPH04328810A - トランス及びその製造方法、及び抵抗溶接装置 - Google Patents

トランス及びその製造方法、及び抵抗溶接装置

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JPH04328810A
JPH04328810A JP3125371A JP12537191A JPH04328810A JP H04328810 A JPH04328810 A JP H04328810A JP 3125371 A JP3125371 A JP 3125371A JP 12537191 A JP12537191 A JP 12537191A JP H04328810 A JPH04328810 A JP H04328810A
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iron core
coil
transformer
welding
core body
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Ryoda Sato
佐藤 亮拿
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はトランス及びその製造
方法、並びに抵抗溶接装置に関し、特にトランスの小型
,軽量化、高効率化や製造作業の簡略化等、さらに抵抗
溶接装置の溶接能力の改善に関するものであり、具体的
には、例えばその1次及び2次コイル間の静電容量を大
きくした、きわめて力率がよく電流の立ち上がり特性が
急峻な高効率の電源トランスとして重宝なもので、特に
接着剤を介したアルミニウム材のスポット溶接、一般の
アーク溶接、さらには精密モータ,振動機,光熱機器等
の電源トランスとして卓効のあるトランスに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】トランスは、共通の磁気回路とこれと鎖
交する複数個のコイルとからなり、所定のコイルに交流
入力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成し
て所定のコイルから交流電力を出力する機器である。具
体的には上記共通の磁気回路は鉄芯であり、これには1
次コイル及び2次コイルが装着されており、該1次コイ
ルに交流電圧を印加し、2次コイルに負荷を接続すると
、負荷には1次及び2次コイルの巻き数に比例した電圧
が印加される。
【0003】図22(a) ,(b) は従来のトラン
スの構造例を示し、ここでは、上下に分離可能なE,E
形鉄芯を有するトランスを例に挙げている。図において
、610はその中央脚610aにコイルを装着するタイ
プのセンターコア鉄芯であり、分割可能なE形上鉄芯部
601とE形下鉄芯部602から構成されており、鉄芯
の中心脚610aに1次コイル及び2次コイルを組み合
わせてなるコイル組立体640が装着されている。各鉄
芯部601,602はE形形状の薄鉄板601a,60
2aを積層した構造となっており、これらの上下のE形
鉄芯部601,602は、図22(b) に示すように
圧接固定具620により組立保持されている。
【0004】すなわちここでは上記圧接固定具620と
して、上下、左右のアングル部材621a〜624a,
621b〜624bを溶接により接合してなる四角形の
一対の保持フレーム620a,620bを用い、これら
の各保持フレームにより上記上下のE形鉄芯部601,
602をその両側から薄鉄板の重合わせ方向に挟持し、
各保持フレーム620a,620bの四隅に形成したボ
ルト挿通穴625a,625bにボルト631aを挿通
し、これにナット631bを螺合して、上下のE型鉄芯
部601,602を圧接固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のトランスは以上
のように構成されているので、トランスには鉄芯本体の
他に鉄芯を圧接保持する圧接固定具が必要であり、トラ
ンス全体が嵩高くなってしまう。またトランスの製造で
は、圧接固定具620を鉄芯に装着する、つまり一対の
保持フレーム620a,620bにより上下の鉄芯部6
01,602を挟持し、さらに該保持フレームにボルト
を挿通し、これにナットを螺合して締めつけるという煩
雑な作業があり、従来のトランスの製造は手間暇のかか
るものであった。
【0006】またトランスは、特に強電関係の各種電気
機器の電源装置には必要不可欠のものであり、例えばス
ポット溶接等の抵抗溶接装置では、電力会社の柱上トラ
ンス、または自家用の高圧受電トランスを介して、スポ
ット溶接等の専用トランスを設備し、スポット溶接作業
をしていたが、スポット溶接においては変圧器の1次側
に投入される1次入力に対し、2次側に得られる出力は
平均して40パーセント程度であり、電力変換効率も好
ましいものではなかった。
【0007】これは、このような抵抗溶接機では、通常
単相の交流電力を使用し、通電時の入力皮相電力が大き
く、低力率の負荷となっているためであり、力率の改善
策がいろいろと考えられている。その一つにコンデンサ
放電式溶接機がある。これは、交流電源を整流器で整流
して直流とし、該直流電流によりコンデンサを充電し、
その充電電荷を溶接変圧器の1次側に放電させて、2次
側に瞬間的に発生する大電流を利用するもので、電源容
量の小さい箇所に適している。
【0008】しかしながらこのようなコンデンサ放電式
溶接機も厚板の溶接のように比較的長時間(0.5 秒
間程度)の溶接電流を必要とするものには適さず、また
溶接面が油や埃で汚れている場合や、表面に荒れのある
被溶接部材では、スポット溶接等が困難であった。また
アルミ板を何枚か重ねてスポット溶接したり、被溶接部
材の溶接面に水の浸入を防ぐためのシーラ剤等を塗布し
たままでスポット溶接したりすることはできないという
不便さもあった。さらに溶接部分が脆く、スポット溶接
処理した部材を機械装置の振動の激しい部分に用いると
、外れがでるという問題もあった。このため例えば飛行
機の翼部分の溶接等、特に高い信頼性が要求される部材
の溶接には、作業性のよいスポット溶接を用いることは
できず、手間暇のかかる鋲かしめにより、つまり図23
(a) 及び図23(b) に示すように接合するアル
ミ板801,802の鋲挿入穴803に鋲804を挿入
し、該鋲の頭部804aを変形させて2枚のアルミ板を
接合していた。しかしこの場合は鋲804を装着する穴
803から亀裂810が発生し(図23(c) )、こ
の部分が破損すると大事故につながるという問題があっ
た。
【0009】本発明は上述した従来の問題点に鑑みてな
されたもので、磁束の漏れをなくして電力変換効率を向
上でき、しかも小型,軽量でコンパクトな構造のトラン
スを得ることを目的とする。
【0010】また本発明は、分割型の鉄芯の圧接固定を
簡単に行うことができ、これによりトランスを作業性よ
く製造することができるトランスの製造方法を得ること
を目的とする。
【0011】また本発明は、無効電流を低減して、溶接
部分の加熱溶融に寄与する溶接電流を増大でき、これに
よりその溶接部表面に多少の絶縁皮膜がある被溶接部材
を溶接する場合、あるいは被溶接部材を何枚か重ね合わ
せて溶接する場合であっても、その溶接部分を充分に加
熱溶融して、振動に強い強固な溶接を行うことができる
抵抗溶接装置を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るトランス
は、その内部に上面が開口したドーナツ状空間を有し、
かつ中心部にネジ挿通穴を有する鉄芯本体と、該鉄芯本
体のドーナツ状空間内に装着され、1次コイル及び2次
コイルを組み合わせてなるリング状のコイル組立体と、
上記鉄芯本体上面に載置され、上記鉄芯本体とともに磁
路を形成する、中心部にネジ挿通穴を有する鉄芯蓋材と
、上記鉄芯本体及び鉄芯蓋材のネジ挿通穴に挿通された
ボルト部材,及び該ボルト部材の先端に螺合されたナッ
ト部材を有し、該鉄芯蓋材を鉄芯本体に固着する蓋固着
手段とを備えたものである。
【0013】またこの発明は、上記トランスにおいて、
放射状に延びる複数の帯状体あるいは線状体を有する締
付部材を、鉄芯蓋材の上面側及び鉄芯本体の下面側にそ
れぞれ設け、上記上下の対向する帯状体あるいは線状体
の先端をそれぞれ締付ジョイント部材により接続し、こ
れらの締つけ部材により上記鉄芯本体と鉄芯蓋材とを締
めつけ保持するようにしたものである。
【0014】この発明に係るトランスの製造方法は、そ
の内部に上面が開口したドーナツ状空間を有し、かつ中
心部にネジ挿通穴を有する鉄芯本体、および上記鉄芯本
体上面に載置され、上記鉄芯本体とともに磁路を形成す
る、中心部にネジ挿通穴を有する鉄芯蓋材を、それぞれ
粉末状フェライトを成形して形成するとともに、上記鉄
芯本体のドーナツ状空間に、1次コイル及び2次コイル
を組み合わせてなるリング状のコイル組立体を嵌め込む
とともに、各コイルの端部をコイル取出し口から取りし
、上記鉄芯本体上に上記鉄芯蓋材を被せ、鉄芯本体と鉄
芯蓋材のボルト挿通穴にボルト部材を挿通しこれにナッ
ト部材を螺合して上記鉄芯本体に鉄芯蓋材を締め付け固
着するようにしたものである。
【0015】またこの発明に係る抵抗溶接装置は、その
電源装置の変圧器として、上記構造のトランスを用い、
そのリング状コイル組立体の2次コイルを、上記1次コ
イル及び2次コイル間の静電容量により変圧器の誘導リ
アクタンス成分が相殺されるよう、上記鉄芯本体の中央
柱体の回りに平角銅線を多層に巻回した構造とし、出力
電圧の発生と同時に急峻に立ち上がる溶接電流を上記溶
接電極に印加するようにしたものである。
【0016】またこの発明は、上記抵抗溶接装置におい
て、上記溶接電極として、近接して配置された2組の上
下一対の溶接電極を備えるとともに、各組の溶接電極に
対してそれぞれ上記トランスを備え、各組の上下の溶接
電極とこれらに対応する変圧器の2次コイルとを、溶接
初期に、隣接する上側の溶接電極同士間及び下側の溶接
電極同士間でそれぞれ上側の被溶接部材及び下側の被溶
接部材を介して電流が流れることが可能なように結線し
たものである。
【0017】またこの発明は、上記抵抗溶接装置におい
て、変圧器の入力側に、3相交流の供給を各相ごとに点
弧制御する位相制御回路を設け、該変圧器はその単相鉄
芯の1次側に3つの1次コイルを、2次側に単相コイル
を巻回し、上記3つの1次コイルをそれぞれ該位相制御
回路を介して3相交流電源の各相に接続した構成とし、
上記位相制御回路により3相交流電源の各相を位相制御
して上記2次コイルに単相交流を出力するようにしたも
のである。
【0018】
【作用】この発明においては、変圧器の鉄芯を、ドーナ
ツ状空間を有する鉄芯本体と、該鉄芯本体とともに磁路
を形成する鉄芯蓋材とから構成し、上記鉄芯本体のドー
ナツ状空間内にコイル組立体を装着し、鉄芯本体及び鉄
芯蓋材の中心部を貫通するボルト及びナット部材により
これらを固着保持するようにしたから、コイルの周囲全
体が鉄芯により囲まれることとなる。これによりコイル
によって発生した磁束の漏れがなくなるとともに、磁路
が短くなって磁気抵抗が低減し、変圧器の電力変換効率
を大幅に向上することができる。
【0019】また上記トランスにおいて、放射状に延び
る複数の帯状体あるいは線状体を有する締付部材を、鉄
芯蓋材の上面側及び鉄芯本体の下面側にそれぞれ配置し
、上記上下の対向する帯状体あるいは線状体の先端をそ
れぞれ締付ジョイント部材により接続し、これらの締付
け部材により上記鉄芯蓋材及び鉄芯本体を締めつけ保持
するようにしたので、鉄芯蓋材の周辺部での浮き上がり
を防止でき、これによってさらに磁束の漏れを低減する
ことができる。
【0020】またこの発明においては、ドーナツ状空間
を有する鉄芯本体及びこれとともに磁路を形成する鉄芯
蓋材を粉末フェライトを固めて形成し、上記鉄芯本体の
ドーナツ状空間に、1次コイル及び2次コイルを組み合
わせてなるリング状のコイル組立体を嵌め込むとともに
、各コイルの端部をそれぞれ上記鉄芯本体のコイル取出
し口から取り出し、上記鉄芯本体上に蓋部材を被せ、上
記鉄芯本体と鉄芯蓋材の中央部をボルト,ナット部材に
より締付け固定するようにしたので、分割型鉄芯の圧接
保持をボルト及びナット部材のみで行うことができ、従
来のように鉄芯を保持フレームで挟持し、さらに該保持
フレームをボルト,ナットにより締めつけて鉄芯を固定
保持するという煩雑な作業をなくすことができ、この結
果トランスを作業性よく製造することができる。
【0021】さらにこの発明においては、抵抗溶接装置
の電源装置の変圧器として、上記構造のトランスを用い
、コイル組立体の2次コイルを、上記1次コイル及び2
次コイル間の静電容量により変圧器の誘導リアクタンス
成分が相殺されるよう、上記鉄芯本体の中央柱体の回り
に平角銅線を多層に巻回した構造とし、出力電圧の発生
と同時に急峻に立ち上がる溶接電流を上記抵抗溶接装置
の溶接電極に印加するようにしたので、変圧器の出力電
圧の発生と同時に、溶接電極に挟持された被溶接部材に
は立ち上がりの急峻な大電流が流れることとなり、これ
によって被溶接部材の表面に多少の絶縁皮膜があっても
、あるいは被溶接部材が何枚か重ね合わせてあっても、
その溶接部分を充分加熱溶融して、振動に強い強固な溶
接を行うことができる。
【0022】またこの発明においては、上記溶接電極と
して、2組の上下一対の溶接電極を近接して配置すると
ともに、各組の溶接電極に対してそれぞれ上記変圧器を
備え、隣接する各組の上側の溶接電極同士間及び下側の
溶接電極同士間でそれぞれ上側の被溶接部材及び下側の
被溶接部材を介して電流が流れることが可能なように結
線したので、被溶接部材間に絶縁性皮膜等が介在する場
合でも、隣接する溶接電極間に流れる電流の発熱作用に
より上記絶縁性皮膜を溶融あるいは炭化して上下の溶接
電極間を導通可能な状態とし、これにより抵抗溶接を行
うことができる。
【0023】さらにこの発明においては、上記抵抗溶接
装置の変圧器の鉄芯を単相鉄芯とするとともに、該単相
鉄芯の1次側に3相の1次コイルを、2次側に単相の2
次コイルを巻回装着し、3相交流を位相制御回路により
位相制御して上記3相の1次コイルに供給し、上記2次
コイルに単相交流を出力するようにしたので、3相交流
の各相の位相を制御することによって、3倍周波で鋸歯
状波の単相出力と同等な合成波形を得ることができ、こ
れによってトランスの2次側に該合成波形よりなる単相
出力を生じさせることができる。また位相の制御によっ
て、得られる出力波形をスポット溶接に好適な波形とす
ることができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明する
。図1は本発明の一実施例によるトランスの説明図であ
り、図1(a) は外観斜視図、図1(b) はそのI
b−Ib線断面図であり、図2は上記トランスの分解斜
視図である。図において、1は外形アップル形状の鉄芯
100を有するトランスで、該鉄芯100は、鉄芯本体
10と、鉄芯蓋材20とからなり、上記鉄芯本体10は
、略円柱状体をその内部にその中心軸と同芯のドーナツ
状空間12ができるようくり抜いたような形状,別の言
い方をすれば、上面が開口したドーナツ状空間12を有
するような形状を有し、かつ、その中心柱体10aにネ
ジ挿通穴11を、側壁10bの所要箇所に2次コイル取
出し口13及び1次コイル取出し口14を有するもので
ある。また、上記鉄芯蓋材20は、中央部にネジ挿通穴
21を有する略円錐台形状に形成されたもので、上記鉄
芯本体上面に載置され、上記鉄芯本体10とともに磁路
を形成するものである。また上記該鉄芯本体10のドー
ナツ状空間12内には、1次コイル及び2次コイルを組
み合わせてなる円筒状のコイル組立体30が配設されて
おり、上記鉄芯本体10及び鉄芯蓋材20は、それぞれ
のネジ挿通穴11,21に挿通されたボルト51、及び
該ボルト51の先端に螺合されたナット52により締付
け保持されている。なおこのナット52は図4(b) 
に示すように表面側に締め着け工具を装着するための6
角ナット部52aを有している。
【0025】図3は上記コイル組立体30の構造を説明
するための分解斜視図、図4(a) はコイル組立体3
0の断面構造を拡大して示す図であり、上記コイル組立
体30は、図に示すように平角銅線31aを上下方向に
は重ねて一重に巻回してなる第1の2次コイル31と、
その外側に細い銅線32aを複数回巻回してなる第1の
1次コイル32と、さらにその外側に平角銅線33aを
上下方向には重ねて一重に巻回してなる第2の2次コイ
ル33と、最外周に細い銅線34aを複数回巻回してな
る第2の1次コイル34と、各コイル間に挿入装着され
た絶縁性フィルム材35,36,37から構成されてお
り、上記各コイル及び絶縁性フィルム材は1つに束ねて
全体に絶縁性テープ38を巻き付けて縛ってある。また
ここで、上記各コイルを構成する平角銅線31a,33
a及び銅線32a,34はそれぞれ絶縁性皮膜31a1
 ,33a1 及び32a1 ,34a1 によりコー
ティングされている。
【0026】また上記第1の1次コイル32の巻終り3
2a2 と第2の1次コイルの巻始め34a1 とはコ
イル組立体30内部で接続され、これらの1次コイルは
直列接続となっており、また第1の1次コイル32の巻
始め32a1 と第2の1次コイル34の巻終り34a
2 はそれぞれ1次コイルの取出し口14から外部に導
出されている。一方第1及び第2の2次コイル31,3
3の巻始め31a1 ,33a1 及び巻終り31a2
 ,33a2 はそれぞれ2次コイル取出し口13から
外部に導出されている。なお、ここで35a,36a,
37aはそれぞれ絶縁性フィルム材の上下端部に形成し
た、2次コイルを外部に逃がすための凹状部、32a,
34aはそれぞれ1次コイル32,34の上下周端部の
一部に形成した1次コイルを逃がすための凹状部である
【0027】このような構成のトランス1では、上記第
1の1次コイルの巻始め端32a1 と第2の1次コイ
ルの巻終り端34a2 に交流電力を印加すると、電磁
誘導作用により1次側入力が変成されて、第1,第2の
2次コイルの巻始め端31a1 ,33a1 及び巻終
り端31a2 ,33a2 には、1次及び2次コイル
の巻き数比に応じた2次側出力が発生する。
【0028】次に上記トランスの製造方法について説明
する。まず、上記鉄芯本体10及び鉄芯蓋材20を、そ
れぞれ所定の型枠にフェライト粉末を充填し、焼結処理
することにより成形する。一方、コイル組立体30につ
いては、平角銅線を1重に巻いて形成した第1の2次コ
イル31の外側に、上記第1の1次コイル32、第2の
2次コイル33、及び第2の1次コイル34をそれぞれ
絶縁性フィルム材35,36,37を介して順次装着し
、最後に上記各コイルを1まとめにして全体に絶縁テー
プ38を巻付けて上記コイル組立体30を形成する。 そして上記鉄芯本体10のドーナツ状空間12内に、該
コイル組立体30を嵌め込み装着する。この際、各2次
コイル31,33の巻始め及び巻終わり31a1 ,3
1a2 、33a1 、33a2 を2次コイル取出し
口13から外部へ取り出し、第1の1次コイル32の巻
始め32a1 と第2の2次コイルの巻終り34a2 
を1次コイル取出し口14から取り出す。その後、上記
鉄芯蓋材20を上記鉄芯本体10上に載置し、それらの
ボルト挿通穴21及び11に締付ボルト51を挿通し、
その先端に締付ナット52を螺合し、ソケットレンチ等
でこれを締つけて上記鉄芯蓋材20を鉄芯本体10に締
めつけ固定し、トランス1を完成する。
【0029】このように本実施例では、トランス1の鉄
芯100を、ドーナツ状空間12を有する鉄芯本体10
と、該鉄芯本体10とともに磁路を形成する鉄芯部材2
0とから構成し、上記鉄芯本体10のドーナツ状空間1
2内にコイル組立体30を装着し、鉄芯本体10及び鉄
芯蓋材20の中央部を貫通するボルト51及びナット5
2によりこれらを固着保持するようにしたので、コイル
の周囲全体が鉄芯により囲まれることとなる。これによ
りコイルによって発生した磁束はすべて鉄芯内で磁路を
形成することとなって磁束の漏れがなくなるとともに、
磁路がきわめて短くなって磁気抵抗が低減し、変圧器の
電力変換効率を大きく向上することができる。またコイ
ルの周囲全体に磁路が形成されるため、アップル形鉄芯
の周壁部分を薄くすることができ、その軽量化を図るこ
とができる。またこのように小型軽量であるため、作業
ロボットへの搭載も容易であり、ロボット作業用電源と
しても有効である。
【0030】また2次コイル31,33を上記鉄芯本体
10の中央柱体10aの回りに平角銅線を多層に巻回し
た構造としているため、上記1次コイル及び2次コイル
間の静電容量により変圧器の誘導リアクタンス成分が相
殺されることとなり、変圧器の出力電圧の発生と同時に
直ちに急峻に立ち上がる出力電流を負荷に供給すること
ができ、力率を大きく改善できる。
【0031】また分割タイプの鉄芯の圧接保持をボルト
51及びナット52のみで行うことができ、従来のよう
に鉄芯を保持フレームで挟持し、さらに該保持フレーム
をボルト,ナットにより締めつけて鉄芯を固定保持する
という煩雑な作業をなくすことができる。この結果トラ
ンスを作業性よく製造することができる。
【0032】さらに上記コイル取出し口14,13をシ
ール部材で塞ぐとともに、鉄芯蓋材20と鉄芯本体10
との接合面をシール処理することにより、本トランスは
粉塵中や水中でも使用可能となる。また海中等で使用す
る場合は、鉄芯本体10及び鉄芯蓋材20に防錆処理を
施すとよい。
【0033】次に本発明の第2の実施例を説明する。図
5は第2の実施例によるトランスの説明図で、図5(a
) は斜視図、図5(b) はそのIII b−III
 b線断面図であり、図6は上記トランスの分解斜視図
である。図において上記第1実施例と同一符号は同一の
ものを示し、ここでは、上記第1実施例の構成に加えて
、上記鉄芯本体10及び鉄芯蓋材20を1組の締付け部
材40a及び40bにより締付け固定している点のみ上
記実施例と異なっている。すなわち上記締付け部材40
a、40bはそれぞれ、リング部材41a,41bと、
一端が該リング部材に取付けられ、放射状に広がる3つ
のステンレス製ベルト部材42a1 〜42a3 ,4
2b1 〜42b3 とを有する。上記各ベルト部材4
2a1 〜42a3 の他端には係合片43a1 〜4
3a3 が、またベルト部材42b1 〜42b3 の
他端には係合部材43b1 〜43b3 が取付けられ
ている。
【0034】上記係合片43aは、図7(a) に示す
ようにベルト取付部431aと、雄ネジ部432aとか
らなり、ベルト取付部431aにはベルト挿通用長穴4
31aが形成されており、ここにベルト部材42aの他
端が挿入され折り返されており、その折り返し部421
がこれに対向する部分に固定ピン422により固着され
ている。また上記係合部材43bは、図7(b) に示
すようにベルト取付部431bと、雌ネジ部432bと
からなり、ベルト取付部432bの一端側にはベルト挿
通用長穴433bが形成されており、ここに上記と同様
にしてベルト部材42bの他端が固定ピン422により
固着されている。ベルト取付部432bの他端側には係
合凹部433が形成されている。また雌ネジ部432b
の先端には係合突起434が形成されており、これが上
記ベルト取付部432bの係合凹部433に回転可能に
係合している。そして雌ネジ部432b内部には上記係
合片43aの雄ネジ部432aが螺合可能な雌ネジ部が
形成されており、雌ネジ部の外周にはナット部435が
形成されている。
【0035】なお上記リング部材41a及び41bとベ
ルト部材との接続は、図7(d) に示すように、上記
ベルト部材と係合片あるいは係合部材との接続と同様、
ベルト部材42a1 の一端をリング部材41aに挿入
して折り返し、その折り返し部411をこれに対向する
部分に固定ピン412により固定することにより行って
いる。
【0036】また本実施例のトランスの製造は、上記第
1実施例のトランスの製造において、締付ボルト51及
び締付ナット52により上記鉄芯蓋材20を鉄芯本体1
0に締めつけ固定した後、さらにこれらを締付け部材4
0a,40bにより締付け固定する点が上記実施例と異
なっている。すなわちボルト51及びナット52の装着
後、上記締付け部材40aを鉄芯蓋材20上に、締付け
部材40bを鉄芯本体10の底面側にそれぞれのベルト
部材42a1 〜42a3 ,42b1 〜42b3 
の位置が同一となるよう配置し、蓋側のベルト部材42
aの係合片の雄ネジ部を鉄芯本体側ベルト部材42bの
係合部材の雌ネジ部に螺合して蓋部材と鉄芯本体とを締
付ける。
【0037】このように本実施例では、上記鉄芯本体1
0および鉄芯蓋材20にベルト部材40a,40bを装
着して、該ベルト部材により上記鉄芯本体10と鉄芯蓋
材20とを締め付け固定するようにしたので、上記実施
例の効果に加えて、鉄芯蓋部材20の周縁部の浮き上が
りを防止することができ、磁束の漏れを完全になくして
さらにトランスの電力変換効率を高めることができる効
果がある。
【0038】なお、上記実施例では、締付け部材として
、ベルトによるものを示したが、ベルトの代わりにワイ
ヤを用いてもよく、この場合は鉄芯本体及び鉄芯蓋部材
の表面にワイヤを収容するための溝を設けるとよい。
【0039】また、上記各実施例では、コイル組立体の
1次コイルには銅線を用いたが、これは帯状銅板であっ
てもよく、この場合コイル間の短絡を招くことなく、コ
イル間の絶縁膜を薄くでき、これにより線積率を増大す
ることができる。以下上記コイル組立体の変形例として
、このように1次コイルに帯状銅板を用いた例を説明す
る。
【0040】図8は上記コイル組立体の第1変形例を説
明するための図、図9はその細部の構造を示す図であり
、図中230はコイル組立体で、ここでは5つの1次コ
イル210と4つの2次コイル220とを図8(e) 
に示すように交互に重ね合わせ、全体を絶縁テープ23
1により被覆した構造としている。上記1次コイル21
0は、図8(c) に示すように巻き方向の異なる2つ
のコイル巻回体211a,211bを上下に積み重ね、
各コイル巻回体内側のコイル巻始め部211a1 ,2
11b1 を圧着あるいは半田付け等で接続し、全体を
絶縁テープ212により被覆してなるもので、このよう
に2つのコイル巻回体を組み合わせることにより1次コ
イル両端部211a2,211b2 がコイル外周に位
置するようにしている。
【0041】また上記コイル巻回体211a,211b
は、図9(b) に示すように帯状銅板211が半径方
向に重ねて巻回されており、各周の帯状銅板は絶縁材2
13aにより絶縁され、また上下のコイル巻回体間も絶
縁材213bにより絶縁されている。そして上下に積み
重ねられた5つの1次コイル210は、それぞれ上側の
コイルの下側巻回体端部211a2 と下側のコイルの
上側巻回体端部211b2 とを圧着あるいは半田付け
等により接合して直列接続とし、最上位置の1次コイル
210の上側巻回体端部211a2 と最下位置の1次
コイル210の下側巻回体端部211b2 とを図8(
a) に示すように被覆テープ231の外部に導出し、
これらを1次入力の印加端子としている。
【0042】また2次コイル220には、図8(d) 
に示すように円形の銅板をくり抜いて中央孔部220a
を形成するとともに、これに続いて両端辺部220cと
220dとの間にスリット部220bを有するように形
成してなる銅板を用いている。また220eは上記2次
コイル端辺部220c,220dに形成された結線用孔
で、ここでは、図9(a) ,(b) に示すように上
下に積み重ねられた銅板2次コイル220の左,右の端
辺部220c,220dに、上下の端辺部間に導電性ス
ペーサ232を挟んでそれぞれボルト233を挿通し、
これにナット234を螺合して4つの銅板2次コイル2
20をすべて並列に接続している。
【0043】このような構造のコイル組立体230では
、1次コイルとして帯状導体を半径方向に重ね合わせて
巻回した構造のコイル巻回体を用いているので、1次コ
イル自身にも静電容量が発生し、2次側出力の進相化を
図ることができる効果がある。
【0044】図10〜図12は上記コイル組立体の第2
変形例を説明するための図であり、図10は全体構成及
び一部断面を、図11及び図12はそれぞれ2次コイル
及び1次コイルの構造を示している。図中330は2次
コイル320及び1次コイル310を組み合わせてなる
コイル組立体で、該2次コイル320は、図11(b)
に示すように、平角銅線331aを下方に向かって螺旋
状に巻回してなる第1コイル巻回体321と、引き続き
その下端から上方に向かって螺旋状にかつ該巻回体32
1と同一旋回方向に巻回してなり、上記巻回体321の
外周に位置する第2コイル巻回体322と、さらに続け
て第1コイル巻回体と同様上端から下方に向けて螺旋状
に巻回してなり、上記第2コイル巻回体322の外周に
位置する第3コイル巻回体323と、引き続きその下端
から上方に向かって第2コイル巻回体と同様に巻回して
なり、上記第3コイル巻回体323の外周に位置する第
4コイル巻回体324とからなっている。ここで上記平
角銅線331aには銅板芯線331a1 を絶縁皮膜3
31a2 で被覆したものを用いている。
【0045】ここで、330a1 は2次コイル320
の巻始め,つまり第1コイル巻回体321の巻始めであ
り、330a2 は2次コイル320の巻終り,つまり
第4コイル巻回体324の巻終りであり、それぞれ2次
側出力端子として、コイル組立体330を被覆する絶縁
テープ335の外部に導出されている。また330b1
 は第1及び第2コイル巻回体321,322の接続部
、330b2 は第2及び第3コイル巻回体322,3
23の接続部、330b3 は第3及び第4コイル巻回
体323,324の接続部である。
【0046】そして上記2次コイル用の内外のコイル巻
回体321と322、322と323、及び323と3
24の間には、それぞれ1次コイル用の薄い平角銅線3
10aを巻回した第1〜第3コイル巻回体311〜31
3が絶縁皮膜330c1 〜330c3 を介して装着
されており、これらは直列に接続されて1次コイル31
0を構成している。すなわち上記1次コイル用の第1コ
イル巻回体311は、図12(a) ,(b) に示す
ように、平角銅線310aを下方に向かって螺旋状に巻
回してなる内側螺旋状部311aと、引き続きその下端
から上方に向かって螺旋状にかつ上記と同一旋回方向に
、絶縁膜311cを介して第1螺旋状体311aの外周
面に密着するよう巻回してなる外側螺旋状部311bと
から構成されている。ここで311a3 は上記コイル
巻回体下部に位置する、内側及び外側螺旋状部の接続部
、311a1 及び311a2 は1次コイルの巻始め
及び巻終りである。
【0047】また上記第2,第3コイル巻回体312,
313も第1コイル巻回体311と全く同一構造となっ
ており、312a,312b,312c及び313a,
313b,313cは第2及び第3コイル巻回体の内,
外側螺旋状部,これらの間の絶縁膜、312a1 〜3
12a3 及び313a1 〜313a3 は、第2及
び第3コイル巻回体の巻始め,巻終り,内外の螺旋状部
の接続部であり、第1コイル巻回体311の巻終り31
1a2 と第2コイル巻回体312の巻始め312a1
 、さらに第2コイル巻回体312の巻終り312a2
 と第3コイル巻回体313の巻始め313a1 とは
それぞれ螺旋状部上端部で接続されており、第1コイル
巻回体311の巻始め311a1 と第3コイル巻回体
313の巻終り313a2 とは1次側入力端子として
コイル組立体330の絶縁テープ335の外部に導出さ
れている。
【0048】このような構造のコイル組立体330につ
いても上記第1変形例のコイル組立体と同様、2次出力
の進相効果があり、さらに1次コイルに銅板を用いてい
るため、1次コイルの銅線を用いた場合に比べて2次コ
イルと1次コイルとの間の絶縁膜を薄くでき、コイルに
用いた銅線の占積率を増大できる。
【0049】さらに図13(a) 〜(e) は上記コ
イル組立体の第3変形例を説明するための図であり、図
中730はコイル組立体で、コイル本体700の外表面
を絶縁テープ730aにより被覆した構造となっており
、上記コイル本体700は、絶縁性の筒状体701に、
1次及び2次コイルを構成する第1,第2の導電性フィ
ルム体710,720を、第2の導電性フィルム体72
0が内側になるよう巻付けてなるものである。上記第1
の導電性フィルム体710は帯状絶縁性フィルム711
の表面に8本の細い帯状導体層712a〜712hを、
また上記第2の導電性フィルム体720は帯状絶縁性フ
ィルム721の表面に4本の細い帯状導体層722a〜
722dをストライプ状に印刷して構成されている。こ
こで上記各導電性フィルム体710,720の先端部(
巻始め部)及び後端部(巻終り部)は、それぞれ図13
(e) ,(d) に示すように2分割され、上下に折
り返されており、710S1 ,710S2 及び71
0E1 ,710E2 はそれぞれ上記第1の導電性フ
ィルム体710の巻始め側の上,下折返し部、及び巻終
り側の上,下折返し部、720S1 ,720S2 及
び720E1,720E2 はそれぞれ上記第2の導電
性フィルム体720の巻始め側の上,下折返し部、及び
巻終り側の上,下折返し部である。なお上記第1,第2
の導電性フィルム体710,720の導体印刷側表面は
、図13(f),(g) に示すように絶縁性皮膜71
3,723によりコーティングしてもよい。
【0050】このような構成の第3変形例においても上
記第2変形例と同様、2次側出力の進相効果とともに、
1次コイル及び2次コイル間の絶縁皮膜の膜厚を低減し
てコイルに用いた銅線の占積率の向上を図ることができ
る。
【0051】このように上述した本発明のトランスは、
2次側負荷電流を進相する効果があるので、本件出願人
がすでに出願しているスポット溶接装置(平成3年4月
4日付出願)の電源装置に用いることもできる。
【0052】以下本発明の第3の実施例として、電源装
置として第1実施例のトランスを用いたスポット溶接装
置について説明する。図14(a) は上記スポット溶
接装置の構成を示す概略図であり、図において、100
Sはスポット溶接装置で、単相交流電源101、その出
力を変圧する変圧器1及び上記単相交流電源と変圧器1
との間に挿入されたオン・オフスイッチ回路102から
なる電源部120と、一対の溶接電極110及び該溶接
電極に挟持された被溶接部材111からなるスポット溶
接部130とから構成されている。ここで、上記変圧器
1には、上記第1実施例のトランスを用いており、上記
変圧器1の1次コイル124は、上記トランスの第1,
第2の1次コイル32,34を直列接続したもの、2次
コイル123は上記トランスの第1,第2の2次コイル
31,33を並列接続したものである。
【0053】次に作用効果について説明する。まず、図
14(b) に示すように一対の溶接電極110により
、被溶接材料111を圧接挟持し、スイッチ回路102
をオンする。すると交流電源101の交流出力が上記変
圧器1の1次コイル124に印加され、2次コイル12
3には電磁誘導の原理により1次及び2次コイルの巻き
数比に応じた電圧が発生する。これにより2次側の電圧
が上記一対の溶接電極110に印加され、図14(c)
 に示すように溶接電流Iが被溶接部材111に流れ、
その際発生する熱により電極の圧接部分Aが加熱溶融さ
れて接合される。
【0054】このような構成のトランスを用いたスポッ
ト溶接装置では、2つの2次コイルのそれぞれを平角銅
線を螺旋状に巻いて1つの銅板層を形成し、しかもこれ
らの銅板層を互いに重合わせて配置して、1次コイルと
2次コイルとの間に生ずる静電容量により変圧器の誘導
リアクタンス成分が相殺されるようにしているため、溶
接電流を進相化することができる。つまり従来は図15
に示すように溶接電流I2 の位相は、変圧器の誘導リ
アクタンス成分のために出力電圧V0 に対し遅れてお
り、また立ち上がりが緩慢であったのに対し、本実施例
では溶接電流I1 は変圧器の出力電圧V0 の発生と
同時に急峻に立ち上がり、溶接電極に挟持された被溶接
部材には立ち上がりの急峻な大電流I1 が流れること
となる。
【0055】また上記トランスは、1次コイル及び2次
コイルの周囲はすべて鉄芯で囲まれた構造となっている
ため、コイルによって発生した磁束の漏れがなくなると
ともに、磁路が短くなって磁気抵抗が小さくなり、ロス
の少ない鉄芯が得られる。
【0056】この結果被溶接部材の溶接部分は効率よく
充分加熱溶融され、振動に強い強固なスポット溶接がで
きる。具体的には被溶接部材の溶接面に油や埃が付着し
ていても、溶接面が多少荒れていても問題なく溶接でき
、従来溶接の前処理として行っていたアルミ板の酸洗い
等の作業を省略できる。またアルミ板の溶接面に、水分
の浸入を防ぐシーラや接着剤を塗布した状態でも、これ
が完全に乾燥するまえであれば、スポット溶接可能であ
る。さらに厚みの異なるアルミ板のスポット溶接では、
通常は厚板と薄板の厚みが3対1程度が限度であるのに
対し、本実施例では0.1mmの薄いアルミ箔をこれよ
り100倍も厚い、10mm厚のアルミ板とスポット溶
接することもできる。厚みが異なる場合の溶接例として
は、例えば図16(a) に示すように骨部材111c
とアルミ板111dとを溶接するような場合であり、も
ちろんこれらの部材の間に接着剤111eが介在してい
てもこれが乾燥する前であれば、問題なく溶接できる。 また他の例として図16(b) はI型鋼材111fの
上面と下面に同時にアルミ板111dをスポット溶接す
る場合を示している。なお110aは変圧器の二次コイ
ル123の中点に接続され、スポット溶接電流を効率よ
く流すための補助銅電極である。さらに他の例として図
16(c) には、I型鋼材の中央縦辺の両側に上記補
助銅電極110aを配置したものを示している。
【0057】またさらにアルミ箔やチタン箔では20枚
重のスポット溶接も可能であり、また銅合金,白金、金
,銀等の非鉄金属についてもこのような重合わせ溶接が
可能である。
【0058】具体的な例を挙げると、従来はアルミの場
合、油や埃等の付着したものはそのままスポット溶接で
きなかったため、通常油を洗浄し、水洗いし、乾燥して
2時間以内に溶接するようにしており、また航空機等に
用いられる、特に信頼性の要求される大事な部材では、
1時間以内に溶接するようにしていたのに対し、本発明
では、被溶接部材の表面に油や埃が付着していても、ま
た水密のためのシーラ剤が塗布されていても、あるいは
接着剤が全面塗布されていても、これらが乾燥する前で
あれば、そのままスポット溶接できる。
【0059】また接着剤やシーラ剤等が乾燥した場合は
、2組の上下一対の溶接電極によりスポット溶接する装
置(特公昭52−1379号)を用いれば溶接可能であ
る。 図17はこのスポット溶接装置に上記第1実施例のトラ
ンスを用いた、本発明の第4の実施例を示し、図におい
て、110c,110dは第1のトランス1aの2次コ
イル123に接続された第1の一対の溶接電極、110
f,110gは第2のトランス1bの2次コイル123
に接続された第2の一対の溶接電極で、これら2組の溶
接電極により、その間に乾燥した絶縁皮膜が介在する被
溶接部材111g,111hを重ね合わせ溶接するよう
にしている。ここで上記第1,第2のトランスはそれぞ
れ上述した図1のトランスと同一構成のものであり、各
トランスの1次コイル124は上記実施例と同様、スイ
ッチ回路(図示せず)を介して単相交流電源に接続され
ている。
【0060】この装置による溶接では、まず、隣接電極
間に横方向に電流IPが流れて、その発熱作用により絶
縁皮膜111gが溶融あるいは炭化される。これによっ
て上下一対の溶接電極111c,111d、111e,
111f間に溶接電流が流れスポット溶接が行われる。 このようにして被溶接部材間に絶縁皮膜等があってもス
ポット溶接をすることができる。
【0061】また、この装置では、図18に示すように
重合わせたアルミ板111間に乾燥した接着剤111a
等がある場合でも、3枚重ね程度までは問題なく溶接で
きる。図18(a) は溶接前、図18(b) は溶接
後の被溶接部材の断面の状態を示している。
【0062】さらに図19に示すようにアルミ板の4枚
重ね以上で各板間に絶縁皮膜がある場合は、中央の絶縁
皮膜111bが炭化して導通を起こすまで時間調整が必
要となるが、重ね合わせ溶接は可能であり、絶縁皮膜が
油等である場合は10枚位の多層重ねスポット溶接がで
きる。なお図19(a) は溶接前、図19(b) は
溶接後の被溶接部材の断面の状態を示している。
【0063】このような重ね合わせスポット溶接の具体
的な用途の例は、先行する上記出願と同一であるのでこ
こでは省略する。
【0064】さらにまた、本スポット溶接装置は、航空
機を構成するアルミ板部材の接合にも利用できる。即ち
従来、航空機の事故が多いのは、鋲カシメの穴からひび
割れが発生して事故となるのが殆どのケースであり、近
年航空機の大型化に伴い振動パワーも増大しているので
、鋲穴により大きな無理がかかり、金属疲労を起こしや
すくなってきているが、本発明のスポット溶接では、ス
ポット溶接部は充分溶融され強固に接合されるため、信
頼性が高く、従来行われていた鋲カシメに代えて部材の
接合に用いることができ、鋲カシメ等の手間のかかる作
業を不要とできるだけでなく、鋲カシメで問題となって
いた鋲穴の金属疲労による事故を回避することができる
。またこのような本発明のスポット溶接装置は、アルミ
板が採用されるであろう今後の自動車の製造においても
広く利用することができる。
【0065】また上記第3あるいは第4実施例のスポッ
ト溶接装置において、上記先行出願の明細書において詳
述したように、溶接電流と同期した溶接電極の加圧を行
うことにより、被溶接部材の加圧を効果的に行うことが
できる。
【0066】また、上記スポット溶接と同様抵抗溶接の
一種である棒状体の付き合わせ溶接法では、6倍の溶接
効果,つまり従来の6倍の太さの被溶接部材の溶接が可
能となった。この突き合わせ溶接の具体例としては、ア
ルミパイプ等のT字突き合わせ溶接や、2つのパイプを
交差させて突き合わせ溶接するものがあるが、これにつ
いても先行出願の明細書で説明したものと同一であるの
で、ここでは省略する。
【0067】次に本発明の第5の実施例として、鋸歯状
単相出力の電源装置を用いたスポット溶接装置について
説明する。図20(a) は該スポット溶接装置の構成
図であり、その電源には、本件出願人がすでに出願した
電源装置(特願平2−150585号)を基本構成とす
るものを用いている。図において、501は3相交流電
源、504は3相交流電源の供給を各相の120度〜1
80度の範囲のみ行うよう制御する位相制御回路、1は
3つの1次コイル505〜507と、4つの2次コイル
531〜534を装着したアップル型鉄芯100を有す
る変圧器、12はアース、500は上記位相制御回路5
04及び変圧器1からなる電源装置である。また上記位
相制御回路504において、図中520a,520b,
520cはサイリスタ、521は3相交流の各層の正弦
波の零クロス点を検出する零クロス点検出器、522a
,522b,522cは該零クロス点検出器521の出
力を受け、各層のサイリスタ520a,520b,52
0cの点弧角を調整する位相調整器である。
【0068】ここでは、上記変圧器1のコイル組立体5
30の構造を、第1実施例のものとは若干変更しており
、図20(d) に示すように、4つの2次コイル53
1〜534と、3つの1次コイル505〜507とを絶
縁性フィルム材(図示せず)を介して交互に重ね合わせ
て配置した構造としており、1次と2次コイルとの間に
生ずる静電容量により変圧器のリアクタンス成分が相殺
されるよう構成されている。なおここでは2次コイル5
31〜534は全て並列に接続して、その両端を一対の
スポット溶接電極110に接続し、また1次コイル50
5〜507の一端はそれぞれ上記各サイリスタ520a
〜520cに接続し、他端はすべてアースしている。
【0069】次に動作について説明する。3相交流電源
501より変圧器1の3相コイル505〜507への通
電は、位相制御器4によって制御され図20(b) に
示すように第1,第2,第3のコイル505,506,
507にそれぞれ各層の交流正弦波X,Y,Zの位相角
120度〜180度の範囲(Xについてはcとf、Yに
ついてはbとe、Zについてはaとd)においてのみ、
各コイルに通電が行われ、それ以外の時間は各コイルは
開放状態である。
【0070】このようにして3相の第1,第2,第3の
コイル505,506,507に順次通電が繰り返され
ると、鉄芯内には図20(c) のように3倍周波の垂
下特性を持った磁束が誘導され、これにより2次コイル
531〜534には同じく図20(c) 示すような鋸
歯状波の3倍周波の電流が誘導されることとなる。
【0071】そして、この鋸歯状の3倍周波の電流が溶
接部130の両溶接電極110に印加され、該両溶接電
極110に挟まれた溶接部材111の該当部分に電流が
ながれて該部分が溶融し、スポット溶接が行われる。こ
の際、上記第1実施例の効果とともに、以下に述べる効
果が得られる。
【0072】■  一般にスポット溶接は、大容量の電
流が必要で、従来の単相交流を用いる方法では3相不平
衡の問題が生ずるが、本実施例では3相を単相に変換し
ているので、3相不平衡の問題は生じない。また、単相
出力は図20(c) に示すように3倍周波で鋸歯状波
となっているので、極めて良質の溶接ができる。特に非
鉄金属であるAl,Cu,Bs等の溶接を良好にでき、
少々の絶縁皮膜があってもスポット溶接が可能となる。
【0073】■  本発明で用いる電源で得られる周波
数は3倍となるので変圧器が小型となり、重量が従来の
1/3で済み、大変小型軽量となる。またトランスの構
造が簡単で小型軽量となるので、製造コストも大幅に低
減できる。
【0074】■  1相の交流正弦波形の点弧角を12
0度を中心に前後に適当に調整することにより、スポッ
ト溶接の強さを大きく調整することができる。
【0075】■  コンピュータによる自動制御を行う
ことによって従来の商用周波数より微細な調整が可能と
なり、大きな溶接安定性を得ることができる。なお、溶
接電流の波形は、上記のものに限らず、上記位相制御回
路の調整により、例えば図21(a) 〜図21(c)
 に示すような波形の溶接電流を得ることができる。
【0076】以上本発明のトランスを抵抗溶接に利用す
る実施例について説明したが、本トランスは、自ずから
垂下特性が備わっているため抵抗溶接の他にアーク溶接
に用いても効率がよく、きわめて安定なアークによる作
業ができ、また本トランスは、精密モータ,振動機,光
熱機器等の電源として抜群の効果がある。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明に係るトランスによ
れば、トランスの鉄芯を、ドーナツ状空間を有する鉄芯
本体と、該鉄芯本体とともに磁路を形成する鉄芯蓋材と
から構成し、上記鉄芯のドーナツ状空間内にコイル組立
体を装着し、鉄芯本体及び鉄芯蓋材の中央部を貫通する
ボルト及びナットによりこれらを固着保持するようにし
たので、コイルの周囲全体が鉄芯により囲まれることと
なる。これによりコイルによって発生した磁束の漏れが
なくなるとともに、磁路が短くなって磁気抵抗が低減し
て、トランスの電力変換効率を向上することができる効
果がある。
【0078】また、放射状に延びる複数の帯状体あるい
は線状体を有する締付部材を、鉄芯蓋材の上面側及び鉄
芯本体の下面側にそれぞれ配置し、上記上下の対向する
帯状体あるいは線状体の先端をそれぞれ締付ジョイント
部材により接続し、これらを締めつけて上記鉄芯蓋材と
鉄芯本体とを固定保持するようにしたので、鉄芯蓋材の
周辺部での浮き上がりを防止でき、これによってさらに
磁束の漏れを低減することができる効果がある。
【0079】またこの発明に係るトランスの製造方法に
よれば、ドーナツ状空間を有する鉄芯本体及びこれとと
もに磁路を形成する鉄芯蓋材を粉末フェライトを成形し
て形成し、上記鉄芯本体のドーナツ状空間に、1次コイ
ル及び2次コイルを組み合わせてなるリング状のコイル
組立体を嵌め込むとともに、各コイルの端部をそれぞれ
上記鉄芯本体のコイル取出し口から取り出し、上記鉄芯
本体上に鉄芯蓋材を被せ、上記鉄芯本体と鉄芯蓋材の中
心部をボルト,ナットにより締付け固定するようにした
ので、分割タイプの鉄芯の圧接保持をボルト及びナット
のみで行うことができ、従来のように鉄芯を保持フレー
ムで挟持し、さらに該保持フレームをボルト,ナットに
より締付けて鉄芯を固定保持するという煩雑な作業をな
くすことができる。この結果トランスを作業性よく製造
することができる効果がある。
【0080】またこの発明に係る抵抗溶接装置によれば
、電源装置の変圧器として、上記構造のトランスを用い
、2次コイルを、上記1次コイル及び2次コイル間の静
電容量により変圧器の誘導リアクタンス成分が相殺され
るよう、上記鉄芯本体の中央柱体の回りに平角銅線を多
層に巻回した構造とし、出力電圧の発生と同時に急峻に
立ち上がる溶接電流を抵抗溶接装置の溶接電極に印加す
るようにしたので、変圧器の出力電圧の発生と同時に、
溶接電極に挟持された被溶接部材には立ち上がりの急峻
な大電流が流れることとなり、これによって被溶接部材
の表面に多少の絶縁皮膜があっても、あるいは被溶接部
材が何枚か重ね合わせてあっても、その溶接部分を充分
加熱溶融して、振動に強い強固な溶接を行うことができ
る効果がある。
【0081】またこの発明に係る抵抗溶接装置によれば
、上記溶接電極として、2組の上下一対の溶接電極を近
接して配置するとともに、各組の溶接電極に対してそれ
ぞれ上記変圧器を備え、隣接する各組の上側及び下側の
溶接電極同士間でそれぞれ上側及び下側の被溶接部材を
介して電流が流れることが可能なように結線したので、
被溶接部材間に絶縁性皮膜が介在する場合でも、隣接す
る溶接電極間に流れる電流の発熱作用により上記絶縁性
皮膜を溶融あるいは炭化して上下の溶接電極間を導通可
能な状態にでき、これにより抵抗溶接を行うことができ
る効果がある。
【0082】さらにこの発明に係る抵抗溶接装置によれ
ば、変圧器として上記構造のトランスを用い、該トラン
スの鉄芯のドーナツ状空間に3相の1次コイル、および
単相の2次コイルを巻回装着し、3相交流を位相制御回
路により位相制御して上記3相の1次コイルに供給し、
上記2次コイルに単相交流を出力するようにしたので、
3相交流の各相の位相を制御することによって、3倍周
波で鋸歯状波の単相出力と同等な合成波形を得ることが
でき、これによってトランスの2次側に該合成波形より
なる単相出力を生じさせることができる。また位相の制
御によって、得られる出力波形をスポット溶接に好適な
波形とすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるトランスの構造を示す
図である。
【図2】上記トランスの内部構造を示す分解斜視図であ
る。
【図3】上記トランスに用いられているコイル組立体の
構造を示す分解斜視図である。
【図4】上記コイル組立体の詳細な構造、及び上記トラ
ンスの締付保持用のボルト,及びナット部材を示す図で
ある。
【図5】本発明の第2の実施例によるトランスの構造を
示す図である。
【図6】このトランスの内部構造を示す分解斜視図であ
る。
【図7】上記第2実施例のトランスに用いる部品の説明
図である。
【図8】上記各実施例のトランスに使用するコイル組立
体の第1変形例の構造を説明するための図てある。
【図9】第1変形例のコイル組立体細部の構造を示す図
である。
【図10】上記各実施例のトランスに使用するコイル組
立体の第2変形例の構造を説明するための図である。
【図11】上記第2変形例の2次コイルの構造を示す図
である。
【図12】上記第2変形例の1次コイルの構造を示す図
である。
【図13】上記各実施例のトランスに使用するコイル組
立体の第3変形例の構造を説明するための図である。
【図14】本発明の第3の実施例による抵抗溶接装置を
示す図である。
【図15】上記スポット溶接装置の溶接電極に印加され
る変圧器の出力電圧と出力電流との関係を示す図である
【図16】厚みの異なる部材を溶接する例を示す図であ
る。
【図17】本発明の第4の実施例による抵抗溶接装置を
説明するための図である。
【図18】絶縁皮膜を有するアルミ板の3枚重ね合わせ
溶接法を示す図である。
【図19】絶縁皮膜を有するアルミ板の4枚重ね合わせ
溶接法を示す図である。
【図20】本発明の第5の実施例によるスポット溶接装
置を説明するための図である。
【図21】上記第5実施例装置の電源により発生可能な
溶接電流の波形の例を示す図である。
【図22】従来のE,E型分割鉄芯の構造を示す図であ
る。
【図23】従来の接合アルミ板における問題点の説明図
である。
【符号の説明】
1  トランス 10  鉄芯本体 12  ドーナツ型空間 13  2次コイル取出し口 14  1次コイル取出し口 20  鉄芯蓋材 30  コイル組立体 31,33  2次コイル 32,34  1次コイル 40a,40b  締付け部材 42a1 〜42a3 、42b1 〜42b3  ベ
ルト部材43a  係合片 43b  係合部材 51  締付ボルト 52  締付ナット 100  アップル形鉄芯 100S  スポット溶接装置 101  交流電源 102  スイッチ回路 110  溶接電極 111  被溶接材 501  3相交流電源 504  位相制御回路 505〜507  1次コイル 531〜534  2次コイル

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  その内部に上面が開口したドーナツ上
    空間を有し、かつ中心部にネジ挿通穴を有する鉄芯本体
    と、該鉄芯本体のドーナツ状空間内に装着され、1次コ
    イル及び2次コイルを組み合わせてなるリング状のコイ
    ル組立体と、上記鉄芯本体上面に載置され、上記鉄芯本
    体とともに磁路を形成する、中心部にネジ挿通穴を有す
    る鉄芯蓋材と、上記鉄芯本体又は鉄芯蓋材の適宜箇所に
    設けられたコイル取出し口と、上記鉄芯本体及び鉄芯蓋
    材のネジ挿通穴に挿通されたボルト部材,及び該ボルト
    部材の先端に螺合されたナット部材を有し、該鉄芯蓋材
    を鉄芯本体に固着する蓋固着手段とを備えたことを特徴
    とするトランス。
  2. 【請求項2】  上記蓋固着手段は、上記鉄芯蓋材の上
    面中心部から該蓋材表面に沿って放射状に延びる複数の
    帯状体あるいは線状体を有する締付上部材と、上記鉄芯
    本体の下面中心から該鉄芯本体表面に沿って放射状に延
    びる帯状体あるいは線状体を有する締付下部材と、上記
    上下の締付部材の帯状体あるいは線状体の先端を接続す
    る締付ジョイント部材とを有し、これらにより上記鉄芯
    本体と上記鉄芯蓋材とを締め着けてなることを特徴とす
    る請求項1記載のトランス。
  3. 【請求項3】  請求項1または2記載のトランスの製
    造方法において、上記コイル組立体は、平角銅線をらせ
    ん状に上下方向に重ねて1重巻きしてなる第1の2次コ
    イルと、該第1の2次コイルの外側に平角銅線をらせん
    状に上下方向に重ねて1重巻きしてなる第2の2次コイ
    ルと、上記第1,第2の2次コイルの間に巻回装着され
    た第1の1次コイルと、上記第2の2次コイルの外側に
    巻回装着された第2の2次コイルとからなることを特徴
    とするトランス。
  4. 【請求項4】  その内部に上面が開口したドーナツ上
    空間を有し、かつ中心部にネジ挿通穴を有する鉄芯本体
    、および上記鉄芯本体上面に載置され、上記鉄芯本体と
    ともに磁路を形成する、中心部にネジ挿通穴を有する鉄
    芯蓋材を、それぞれ粉末状フェライトを成形して形成す
    る鉄芯材成形工程と、上記鉄芯本体のドーナツ状空間に
    、1次コイル及び2次コイルを組み合わせてなるドーナ
    ツ状のコイル組立体を嵌め込むとともに、各コイルの端
    部をコイル取出し口から取り出すコイル装着工程と、上
    記鉄芯本体上に上記鉄芯蓋材を被せ、鉄芯本体と鉄芯蓋
    材のボルト挿通穴にボルト部材を挿通しこれにナット部
    材を螺合して上記鉄芯本体に鉄芯蓋材を締め付け固着す
    る蓋固着工程とを含むことを特徴とするトランスの製造
    方法。
  5. 【請求項5】  請求項4記載のトランスの製造方法に
    おいて、上記コイル組立体は、平角銅線をらせん状に上
    下方向に重ねて1重巻きしてなる第1の2次コイルと、
    該第1の2次コイルの外側に平角銅線をらせん状に上下
    方向に重ねて1重巻きしてなる第2の2次コイルと、上
    記第1,第2の2次コイルの間に巻回装着された第1の
    1次コイルと、上記第2の2次コイルの外側に巻回装着
    された第2の1次コイルとからなるトランスの製造方法
  6. 【請求項6】  請求項4記載のトランスの製造方法に
    おいて、上記蓋固着工程は、上記ボルト部材,ナット部
    材による締付け固着後、放射状に延びる複数の帯状体あ
    るいは線状体を有する締付部材を鉄芯蓋材の上面側及び
    鉄芯本体の下面側に配置し、上記上下の対向する締付部
    材の先端をそれぞれ締付ジョイント部材により接続し、
    これらの締付部材により鉄芯蓋材を鉄芯本体に締付ける
    工程を含むことを特徴とするトランスの製造方法。
  7. 【請求項7】  交流入力を入力とし、溶接用電圧,電
    流を出力する変圧器と、該変圧器の出力が印加され、被
    溶接部材を圧接挟持して抵抗溶接を行う一対の溶接電極
    とを備え、非鉄金属材料の抵抗溶接を行う抵抗溶接装置
    であって、上記変圧器は、その内部に上面が開口したド
    ーナツ状空間を有し、かつ中心部にネジ挿通穴を有する
    鉄芯本体と、該鉄芯本体のドーナツ状空間内に装着され
    、1次コイル及び2次コイルを組合せてなるリング状の
    コイル組立体と、上記鉄芯本体上面に載置され、上記鉄
    芯本体とともに磁路を形成する、中心部にネジ挿通穴を
    有する鉄芯蓋材と、上記鉄芯本体及び鉄芯蓋材のネジ挿
    通穴に挿通されたボルト部材,及び該ボルト部材の先端
    に螺合されたナット部材とを有し、該鉄芯蓋材を鉄芯本
    体に固着する蓋固着手段とを備え、上記コイル組立体の
    2次コイルは、上記1次コイル及び2次コイル間の静電
    容量により変圧器の誘導リアクタンス成分が相殺される
    よう、上記鉄芯本体の中央柱体の回りに平角銅線を多層
    に巻回して構成されたものであり、上記変圧器は、出力
    電圧の発生と同時に急峻に立ち上がる溶接電流を上記溶
    接電極に供給するものであることを特徴とする抵抗溶接
    装置。
  8. 【請求項8】  被溶接部材間に絶縁体を介して溶接を
    行う請求項7記載の抵抗溶接装置において、上記溶接電
    極として、近接して配置された2組の上下一対の溶接電
    極を備えるとともに、各組の溶接電極に対応してそれぞ
    れ上記変圧器を備え、各組の上下一対の溶接電極と、こ
    れらに対応する変圧器の2次コイルとを、溶接初期に、
    隣接する上側の溶接電極同士間および下側の溶接電極同
    士間でそれぞれ上側の被溶接部材及び下側の被溶接部材
    を介して電流が流れることが可能なように結線したこと
    を特徴とする抵抗溶接装置。
  9. 【請求項9】  請求項7記載の抵抗溶接装置において
    、3相交流電源の供給を各相ごとに点弧制御する位相制
    御回路を備え、上記変圧器の鉄芯は、1次側に3相の1
    次コイルを、2次側に単相の2次コイルを巻回した単相
    鉄芯であり、該変圧器の上記3相の1次コイルは上記位
    相制御回路を介して3相交流電源の各相に接続され、上
    記位相制御回路は3相交流電源の各相を位相制御して上
    記2次コイルに単相交流を出力するものであることを特
    徴とする抵抗溶接装置。
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JP2008227526A (ja) * 2001-01-23 2008-09-25 Harrie R Buswell トロイダル誘導装置とその製造方法
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