JPH04322770A - 塗装仕上げ方法 - Google Patents

塗装仕上げ方法

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JPH04322770A
JPH04322770A JP11919091A JP11919091A JPH04322770A JP H04322770 A JPH04322770 A JP H04322770A JP 11919091 A JP11919091 A JP 11919091A JP 11919091 A JP11919091 A JP 11919091A JP H04322770 A JPH04322770 A JP H04322770A
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coating
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acrylic resin
resistance
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Toshio Ogoshi
利雄 大越
Komaji Matsui
駒治 松井
Tadayoshi Tatsuno
忠義 龍野
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装仕上げ方法、更に詳
しくは公害対策に適応し、塗膜外観が良好で、耐スリ傷
性・耐酸性・耐チッピング性・耐久性の優れた塗膜を形
成できる塗装仕上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】美粧的外観と耐久性が重視
される自動車外板などの塗装仕上げ方法としては、溶液
型の熱硬化性アミノアルキド樹脂塗料・熱硬化性アミノ
アクリル樹脂塗料あるいはイソシアネート硬化型アクリ
ル樹脂塗料が一般的に用いられている。しかしこれらの
塗料は多量の溶剤を使用するために省資源・大気汚染性
の面で問題があり改善が求められている。また、近年、
飛石の衝撃による塗膜キズからの腐食を低減するため塗
膜の耐チッピング性の向上が求められている。これらの
要求への対応策として厚膜化により耐チッピング性を改
良できるアクリル樹脂粉体塗料を上塗りとして検討した
が塗面平滑性が劣り、また走行中の砂塵によるキズ、洗
車ブラシのスリキズおよびドア開閉時の爪傷が付き易い
こと、また、酸性雨(一般にpHが4以下の雨をいう)
によりエッチングされたり、白化、シミ等が発生し易い
こと等の問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粉体塗料
塗膜の耐スリ傷性、耐酸性、および塗面平滑性を向上さ
せ、公害対策に適応し、塗膜外観が良好で、耐スリ傷性
、耐酸性、耐チッピング性、耐久性の優れた塗膜を形成
できる塗装仕上げ方法について鋭意研究の結果、同一分
子中に特定量のカルボキシル基、エポキシ基および水酸
基を含有する2種の樹脂とアミノ樹脂とを主成分とする
有機溶剤希釈型クリヤ塗料を熱硬化性アクリル樹脂粉体
塗料塗膜上に塗装することによって、上記目的を達成で
きることを見出した。
【0004】すなわち本発明は、被塗面に熱硬化性アク
リル樹脂粉体塗料を塗装し、溶融又は硬化させて形成し
た塗面上に有機溶剤希釈型クリヤ塗料を塗装する方法で
あって、該クリヤ塗料が、(A)同一分子中にカルボキ
シル基、水酸基およびエポキシ基を含有し、かつ酸価が
15〜150mgKOH/g 、水酸基価が30mgK
OH/g 以上、エポキシ当量が3,000〜15,0
00g/eqおよび数平均分子量が3,000〜30,
000であるアクリル樹脂、(B)同一分子中にカルボ
キシル基、水酸基およびエポキシ基を含有し、かつ酸価
が2〜10mgKOH/g 、水酸基価が30mgKO
H/g 以上、エポキシ当量が250〜2500g/e
qおよび数平均分子量が3,000〜30,000であ
るアクリル樹脂、および(C)アミノ樹脂を主成分とし
、そして(A)成分のカルボキシル基/(B)成分のエ
ポキシ基モル比が1/0.5〜0.5/1であって、か
つ(C)成分を(A),(B)および(C)成分の合計
量に基づいて10〜40重量%含有することを特徴とす
る塗装仕上げ方法を提供するものである。
【0005】本発明で使用される有機溶剤希釈型クリヤ
塗料は、(A),(B)両成分が共にカルボキシル基を
有しているために該両成分同士はもちろんのこと、(C
)成分との相溶性もすぐれており、また、(A)成分は
、カルボキシル基が多いがエポキシ基が少なく、逆に(
B)成分はエポキシ基は多いがカルボキシル基が少ない
ため、各成分の重合中にカルボキシル基とエポキシ基と
の反応に基づくゲル化や高分子量化は殆どない。よって
硬化時に官能基間の反応によって架橋密度が十分高まり
、特に耐酸性、耐スリ傷性、耐溶剤性、耐候性および仕
上り外観等のすぐれた塗膜を形成することが可能である
【0006】以下、本発明方法に使用する有機溶剤希釈
型クリヤ塗料について説明する。クリヤ塗料における(
A),(B)および(C)成分は下記のとおりである。 (A)成分:同一分子中にカルボキシル基、水酸基およ
びエポキシ基を含有し、かつ酸価が15〜150mgK
OH/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、エ
ポキシ当量が3,000〜15,000g/eqおよび
数平均分子量が3,000〜30,000であるアクリ
ル樹脂。
【0007】上記特性をもつアクリル樹脂[(A)成分
]は、例えば、カルボキシル基含有単量体、水酸基含有
単量体およびエポキシ基含有単量体を必須成分とし、さ
らに必要に応じてその他の単量体を用いて共重合せしめ
ることによって得ることができる。カルボキシル基含有
単量体は、1分子中に1個以上のカルボキシル基と1個
の重合性不飽和結合とを有する重合性モノマー、特にカ
ルボキシル基含有アクリル系モノマーが好ましく、具体
的には、アクリル酸、メタクリル酸を例示することがで
き、更にマレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸及び
それらのモノエステル化物等が挙げられ、これらは1種
または2種以上用いることができる。
【0008】水酸基含有単量体は、1分子中に1個以上
の水酸基と1個の重合性不飽和結合を有する重合性モノ
マー、特に水酸基含有アクリル系モノマーが好ましく、
具体的には、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシ
ブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート;1,4−ブタンジオールモノ(
メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートのε−カプロラクトン付加物、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートのエチレン及びプロピレン付加物
等が挙げられ、これらは1種または2種以上組合わせて
用いることができる。
【0009】エポキシ基含有単量体は、1分子中に1個
以上のエポキシ基(又はグリシジル基)と1個の重合性
不飽和結合とを有する重合性モノマー、殊にエポキシ基
含有アクリル系モノマーが好ましく、具体的には、グリ
シジルメタアクリレート、グリシジルアクリレート、メ
チルグリシジルメタアクリレート、メチルグリシジルア
クリレート、アリルグリシジルエーテル等が例示され、
これらは1種または2種以上用いることができる。
【0010】また、上記単量体と共重合可能なその他の
単量体は、上記カルボキシル基、水酸基およびエポキシ
基を含有せず、しかも重合性不飽和結合を1個有し、か
つ上記各単量体と共重合可能なモノマーが好ましく、具
体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ
)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2
−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(
メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート
などのアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル
(メタ)アクリレートなどのシクロアルキル(メタ)ア
クリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル
(メタ)アクリレート;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのジ(アルキル)アミノアルキル(メタ)アク
リレート等のアクリル酸およびメタアクリル酸のエステ
ル類を挙げることができる。さらに、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエンなどのビニル芳香族化合
物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタク
リルアミド、塩化ビニル、プロピレン、エチレン、C4
 〜C20のα−オレフィン等を用いることもできる。
【0011】(A)成分において、上記各単量体の構成
比率はこれらの単量体から形成される共重合体(アクリ
ル樹脂)の酸価、水酸基価およびエポキシ当量が前記し
た範囲内に包含されるように調整すればよい。また、該
各単量体による共重合反応は常法により行なうことがで
き、例えば溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化
重合法等の既知の何れの重合法にても製造することがで
きる。その際、重合開始剤としてはアゾビスイソブチロ
ニトリル、4,4′−アゾビス(4−シアノペンタン酸
)、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ
−2−エチルヘキサノエート、クメンハイドロパーオキ
サイド、カリウムパーサルフェート、過酸化水素、2,
2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエ
チル)プロピオンアミド]等を用いることができ、また
、必要に応じて連鎖移動剤としてドデシルメルカプタン
、メルカプトエタノール、α−メチルスチレンダイマー
等を用いることもできる。
【0012】また、反応温度は重合中におけるカルボキ
シル基/エポキシ基の反応をおさえるために約70〜約
130℃、好ましくは約70〜約110℃範囲内が好都
合である。かくして得られるアクリル樹脂[(A)成分
]は15〜150mgKOH/g 、好ましくは50〜
120mgKOH/g の範囲内の酸価をもつことがで
きる。酸価が15より少ないと(B)成分のエポキシ基
との反応性が低下し、形成される塗膜の耐酸性が、向上
せず、逆に150mgKOH より大きくなると溶剤へ
の溶解性や(B)成分との相溶性などが低下する傾向が
みられる。また、該アクリル樹脂は30mgKOH/g
 以上、好ましくは35〜100mgKOH/g の範
囲内の水酸基価をもつことが重要であって、その水酸基
価が30mgKOH/g より小さくなると(C)成分
との架橋反応性が劣る。さらに、該アクリル樹脂はエポ
キシ当量が3,000〜15,000g/eq、好まし
くは3,200〜9,000g/eqの範囲内にあり、
エポキシ当量が15,000より大きくなると(B)成
分との相溶性が悪くなり、逆に3,000より小さくな
ると(A)成分の合成反応中にカルボキシル基とエポキ
シ基との反応が進んで高分子量化・ゲル化に到りやすい
。ここでエポキシ当量とは、エポキシ基を平均1個含有
する樹脂の分子量を示し、したがってエポキシ当量が大
きいほど樹脂中に含有するエポキシ基の量は少ない。ま
た、(A)成分の数平均分子量はGPC(ゲルパーミユ
エーションクロマトグラフ)を用いたポリスチレン換算
の値であり、3,000〜30,000、好ましくは5
,000〜20,000の範囲内にある。 (A)成分の数平均分子量が3,000より小さくなる
と塗膜の耐候性、耐水性が劣り、30,000より大き
くなると仕上り外観などの低下をまねきやすい。
【0013】(B)成分:  同一分子中にカルボキシ
ル基、水酸基およびエポキシ基を含有し、かつ酸価が2
〜10mgKOH/g 、水酸基価が30mgKOH/
g 以上、エポキシ当量が250〜2500g/eqお
よび数平均分子量が3,000〜30,000であるア
クリル樹脂。
【0014】上記特性をもつアクリル樹脂[(B)成分
]は、例えばカルボキシル基含有単量体、水酸基含有単
量体およびエポキシ基含有単量体を必須成分とし、さら
に必要に応じてその他の単量体を用いて共重合せしめる
ことによって得ることができ、これらの単量体としては
前記(A)成分の説明で例示したものから選ばれる1種
または2種以上が好ましく、これら各単量体の構成比率
は得られるアクリル樹脂[(B)成分]の酸価、水酸基
価およびエポキシ当量が上記範囲内に含まれるように調
整することが必要である。また、これらの単量体の共重
合は前記(A)成分について述べたと同様の方法で行な
うことができる。
【0015】(B)成分としてのアクリル樹脂において
、酸価は2〜10mgKOH/g の範囲内にあること
が重要であり、その酸価が2未満では(A)成分との相
溶性が悪くなり、逆に10を越えると該(B)成分の合
成中にカルボキシル基とエポキシ基との反応が進んで高
分子量化・ゲル化が起りやすい。また、該アクリル樹脂
の水酸基価は30mgKOH/g 以上、好ましくは3
5〜100mgKOH/g の範囲内にあって、その水
酸基価が30未満であると(C)成分との架橋反応性が
低下する。さらに、該アクリル樹脂のエポキシ当量は2
50〜2,500、好ましくは300〜1,500の範
囲内にあることが望ましく、エポキシ当量が2,500
より多いと(A)成分のカルボキシル基との反応性が低
下し、塗膜の耐酸性が向上せず、反対に250未満では
(A)成分との相溶性が低下しやすい。またアクリル樹
脂[(B)成分]は3,000〜30,000、好まし
くは5,000〜20,000の範囲内の数平均分子量
をもつことができ、その数平均分子量が3,000未満
では塗膜の耐候性、耐水性が劣り、30,000より大
きくなると塗膜の仕上り外観などが低下しやすい。
【0016】(C)成分:  アミノ樹脂。 アミノ樹脂としては、例えば、メラミン、尿素、ベンゾ
グアナミン等の少なくとも1種と、ホルムアルデヒド類
とから合成されるメチロール化アミノ樹脂が包含され、
さらにメタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノール等の低級1価アルコールによっ
てメチロール基の一部又は全部をアルキルエーテル化し
たものもアミノ樹脂として用いられる。
【0017】上記(A),(B)および(C)成分の構
成比率は厳密に制限されるものではなく、各成分の種類
や用途等に応じて変うるが、一般的には、まず、(A)
成分と(B)成分との比率は(A)成分のカルボキシル
基/(B)成分のエポキシ基のモル比に基づいて1/0
.5〜0.5/1、好ましくは1/0.6〜0.6/1
の範囲内とすることができ、この範囲から外れると塗膜
の耐溶剤性、付着性が低下しやすい。また、(C)成分
の配合比率は、(A),(B)および(C)成分の合計
量に基いて10〜40重量%、好ましくは15〜30重
量%の範囲内とすることができ、(C)成分が10重量
%より少ないと(C)成分と(A)成分、(B)成分の
水酸基との架橋反応が不充分となり、塗膜の耐溶剤性が
低下しやすく、反対に40重量%より多くなると塗膜の
耐酸性が劣る傾向がある。
【0018】上記(A),(B)および(C)成分を有
機溶剤に溶解もしくは分散させることにより本発明方法
に使用する有機溶剤希釈型クリヤ塗料を得ることができ
る。上記(A),(B)および(C)成分を溶解もしく
は分散させる有機溶剤としては、例えばキシレン、トル
エン、スワゾール1000(コスモ石油社製)等の芳香
族炭化水素系;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
等のエステル系;アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン系;エチレングリコール、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等のエーテル系等が挙げられる。これらの有機溶剤は1
種もしくは2種以上混合して使用できる。
【0019】本発明において使用されるクリヤ塗料には
、さらに必要に応じて硬化触媒、粘度調整剤(例えば、
有機モンモリナイト、ミクロゲル、ポリアミドなど)、
塗面調整剤(例えばシリコン系、アクリル樹脂系など)
、紫外線吸収剤、ブロックポリイソシアネート化合物な
どを通常の量で配合することができる。該硬化触媒とし
ては、水酸基とアミノ樹脂との架橋反応を促進させるた
めに、例えばジブチルリン酸等のリン酸系触媒や、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸等の
アミンブロック強酸触媒等が有利に用いられ、また、カ
ルボキシル基とエポキシ基との架橋反応を促進させるた
めには、例えば、テトラブチルアンモニウムクロライド
等の4級アンモニウム塩、テトラフェニルホスホニウム
クロライド等の4級ホスホニウム塩等が適している。
【0020】クリヤー塗料に先立って塗装する熱硬化性
アクリル樹脂粉体塗料は、熱硬化性アクリル樹脂系の粉
体塗料であれば特に限定なく使用できるが、(a)アク
リル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル(アルキ
ル基は炭素数1〜12)、アクリル酸またはメタクリル
酸のグリシジルエステルおよび必要に応じて、これらと
共重合可能なビニル系単量体の共重合体であって、ガラ
ス転移温度が40〜90℃であるグリシジル基官能性ア
クリル樹脂及び(b)脂肪族二塩基酸を主成分とする熱
硬化性アクリル樹脂系粉体塗料が適切である。
【0021】上記グリシジル基官能性アクリル樹脂(a
)の製造に際しては懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法などが適用できる。この際ガラス転移温度が40℃よ
りも低い共重合体ではブロッキングを生じやすく、一方
、90℃より高い場合は平滑な塗膜が得られ難い。 グリシジル基含有モノマーの共重合比は20〜40重量
%程度が適当である。40重量%より多くしても、高価
になるばかりで塗膜物性の向上は望めず、一方、20重
量%に満たない場合は塗膜の架橋度が低く所望の塗膜物
性が得られにくい傾向がある。上記架橋剤である脂肪族
二塩基酸(b)としては、C4 〜C20の脂肪族二塩
基酸が適しており、中でもドデカン2酸が架橋密度を高
めた有機溶剤希釈型クリヤ塗料塗膜との密着性の点およ
び粉体塗料の貯蔵安定性・硬化性・塗膜性能からみて特
に好ましい。粉体塗料を製造するには、アクリル樹脂と
硬化剤、必要に応じて顔料、塗膜調整剤、硬化触媒等と
共に、例えば温度90〜130℃で溶触混練し、冷却後
に粉砕する方法などが適用できる。
【0022】本発明において被塗物としては、冷延鋼板
、溶融亜鉛メッキ鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、合金メッ
キ鋼板、アルミニウム板、アルミニウムメッキ鋼板、ス
テンレス鋼板、銅板、銅メッキ鋼板、錫メッキ鋼板等の
金属板が包含される。またこれらの金属板にリン酸塩系
やクロム酸塩系などの化成処理を施した表面処理板も包
含される。さらに、これらの金属板や表面処理板にプラ
イマー塗膜を電着塗装、スプレー塗装、ロール塗装など
によって形成したもの、およびさらにこのプライマー塗
装板上にベースコート塗膜を形成したものも被塗物に包
含される。
【0023】本発明方法においては、上記被塗物上に前
記熱硬化性アクリル樹脂粉体塗料が乾燥膜厚で通常30
〜150ミクロン、好ましくは50〜100ミクロンの
範囲となるよう塗装され、通常140〜200℃、好ま
しくは160〜180℃で15〜40分間焼付される。 次いで粉体塗膜上に前記有機溶剤希釈型クリヤ塗料が乾
燥膜厚で通常10〜50ミクロン、好ましくは15〜3
0ミクロンの範囲となるよう塗装され、通常100〜1
80℃、好ましくは120〜170℃で10〜40分間
焼付けされ所期の多層塗膜が形成される。粉体塗膜の膜
厚が薄すぎると得られる多層塗膜の耐チッピング性が十
分でなくなり、一方、厚すぎると焼付け時にワキが発生
しやすくなる。また、有機溶剤希釈型クリヤ塗膜の膜厚
が薄すぎると塗膜の平滑性が悪くなり、一方、厚すぎる
とタレが発生し仕上り外観が低下する。
【0024】
【発明の効果】本発明方法は、粉体塗料によって容易に
厚膜を形成できるものであって、この工程は省資源、公
害対策に適応するものである。また粉体塗膜上に塗装す
る有機溶剤希釈型クリヤ塗料膜と粉体塗膜との密着性が
良好であり、かつ該クリヤ塗料膜は、焼付時に(A)成
分および(B)成分中の官能基間で、該成分間のカルボ
キシル基とエポキシ基との反応や該成分中の水酸基と(
C)成分であるアミノ樹脂との架橋反応に加えて、前記
カルボキシル基とエポキシ基の反応によって生成する水
酸基に対しても(C)成分のアミノ樹脂が反応するなど
の種々の架橋反応が起こり、非常に架橋密度の高い硬化
塗膜となり得るので、該クリヤ塗膜は粉体塗膜の重欠陥
である耐スリ傷性、耐酸性を著しく向上し、総合塗膜は
平滑性・鮮映性・光沢などの外観が優れ、耐候性・耐薬
品性・耐水性等の耐久性が良好で、耐チッピング性、耐
スリ傷性、耐酸性の優れたものである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明する。なお、以下、「部」および「%」は重量基準に
よるものとする。
【0026】I.アクリル共重合体溶液の製造I−(1
)(A)成分の製造例1〜4 撹拌機、温度計、コンデンサー及び窒素導入管を備えた
4ツ口フラスコにキシレン450部、n−ブタノール1
50部を仕込み100℃に加温する。ここに表1に示す
単量体成分を4時間で滴下した後、2時間100℃に保
ち、然る後に、キシロール400部で希釈し、固型分含
有率50%のアクリル共重合体(a−1)〜(a−4)
を得た。
【0027】I−(2)(B)成分の製造例5〜8(A
)成分の製造で用いたのと同様の反応装置にキシレン3
00部、n−ブタノール300部を仕込み100℃に加
温する。これに表1に示す単量体成分を4時間で滴下し
た後、2時間100℃に保ち、然る後にキシロール40
0部で希釈し、固型分含有率50%を有するアクリル共
重合体(b−1)〜(b−4)を得た。
【0028】
【表1】
【0029】II.有機溶剤希釈型クリヤ塗料の製造製
造例で得た(A)および(B)成分にアミノ樹脂[(C
)成分]などを配合し、粘度調整して下記のとおりクリ
ヤ塗料を製造した。 製造例9  クリヤ塗料(D−1): (a−1)                    
                         
 80部(b−1)                
                         
     80部ユーバン20SE         
                         
      30部(三井東圧社製,ブチル化メラミン
,固形分60%)表面調整剤            
                         
       0.1部(ビツクケミ社製  BYK−
300)紫外線吸収剤               
                         
  1.0部(チバガイギー社製  チヌビン900)
上記混合物をスワゾール1000で希釈し、Ford 
 cup#4にて20℃で25秒の粘度に調整した。
【0030】製造例10  クリヤ塗料(D−2):(
a−2)                     
                         
90部(b−2)                 
                         
    70部サイメル303           
                         
      20部(三井サイアナミド,メトキシメラ
ミン)NACURE  5225          
                         
 2部(キング社製  ドデシルベンゼンスルホン酸ア
ミン中和物)表面調整剤(BYK−300)     
                     0.1部
紫外線吸収剤(チヌビン900)          
              1.0部上記混合物を実
施例1と同様に処理した。
【0031】製造例11  クリヤ塗料(D−3):(
a−3)                     
                         
80部(b−3)                 
                         
    80部ユーバン20SE          
                         
     30部表面調整剤(BYK−300)   
                       0.
1部紫外線吸収剤(チヌビン900)        
                1.0部テトラブチ
ルアンモニウムクロライド             
     0.05部上記混合物を実施例1と同様に処
理した。
【0032】製造例12  クリヤ塗料(D−4):(
a−1)                     
                       10
0部(b−1)                  
                         
   30部ユーバン20SE           
                         
    40部表面調整剤(BYK−300)    
                      0.1
部紫外線吸収剤(チヌビン900)         
               1.0部上記混合物を
実施例1と同様に処理した。
【0033】製造例13  クリヤ塗料(D−5):(
a−4)                     
                         
80部(b−4)                 
                         
    80部ユーバン20SE          
                         
     30部表面調整剤(BYK−300)   
                       0.
1部紫外線吸収剤(チヌビン900)        
                1.0部上記混合物
を実施例1と同様に処理した。
【0034】製造例14  クリヤ塗料(D−6):(
a−1)                     
                         
90部(b−1)                 
                         
    90部ユーバン20SE          
                         
     12部表面調整剤(BYK−300)   
                       0.
1部紫外線吸収剤(チヌビン900)        
                1.0部上記混合物
を実施例1と同様に処理した。
【0035】III.粉体塗料の製造 製造例15  粉体塗料(P−1) スチレン20部、メタクリル酸メチル33部、アクリル
酸ブチル22部、メタクリル酸グリシジル25部からな
る共重合体85部に対して、硬化剤としてドデカン2酸
を15部、塗面調整剤としてシリコンオイルKP322
(信越化学(株)製)0.05部、更に硬化促進剤とし
てジオクチル錫マレエート0.5部を予め乾式混合した
後、エキストルーダーを用いて100℃で溶融混練し、
冷却後、粒径10〜40μに粉砕して粉体塗料P−1を
得た。
【0036】製造例16  粉体塗料(P−2)スチレ
ン15部、メタクリル酸メチル33部、アクリル酸ブチ
ル22部、メタクリル酸グリシジル30部からなる共重
合体85部に対して、硬化剤としてドデカン2酸を15
部、塗面調整剤としてシリコンオイルKP322(信越
化学(株)製)0.05部、更に硬化促進剤としてジオ
クチル錫マレエート0.5部およびチタン白JRNC(
テイカ(株)製)30部を予め乾式混合した後、エキス
トルーダーを用いて100℃で溶融混練し、冷却後、粒
径10〜40μに粉砕して粉体塗料P−2を得た。
【0037】塗装用素材(電着塗装板)の作成100×
300×0.8mmの冷間圧延鋼板(SPCC−D)に
脱脂剤ファインクリーナー4326TA(日本パーカラ
イジング(株)製)を用いて油分、汚れを除去し、次い
で化成皮膜剤パルボンド3004(日本パーカライジン
グ(株)製)を用いてリン酸亜鉛処理を行なった物を部
材とする。上記部材にエレクロン9600グレー(関西
ペイント(株)製、カチオン電着塗料)を乾燥膜厚が2
5ミクロンになる条件で電着塗装を行い、水洗後170
℃−30分間加熱乾燥し電着塗装板を作成した。
【0038】実施例1〜3および比較例1上記電着塗装
板上に粉体塗料P−2を静電粉体塗装機(GEMA−7
21型)を用いて加熱乾燥後の膜厚が60μになる条件
で塗装し160℃−30分間焼付けた。 次いで、この塗板上に表2に示すように前記製造例で得
た有機溶剤型クリヤ塗料をエア式スプレーガン(ワイダ
ー  W−71  岩田塗装機工業(株))を用いて乾
燥膜厚が20〜30ミクロンになる条件で塗装し、14
0℃−30分間加熱乾燥させた。有機溶剤型クリヤ塗料
を塗装していないものを比較例1とした。
【0039】実施例4〜6および比較例2〜5前記電着
塗装板上に水性ベース用塗料アスカベークWT−330
(関西ペイント(株)製,アクリル−メラミン樹脂塗料
)をエア式スプレーガン(ワイダーW−71  岩田塗
装機工業(株))を用いて乾燥膜厚が20〜30ミクロ
ンになる条件で塗装し、140℃−30分間加熱乾燥さ
せた。その後、実施例1と同様の方法で、表2に示すよ
うに粉体塗料P−1および有機溶剤型クリヤを塗装した
。粉体塗料を塗装しないものを比較例2とした。
【0040】実施例1〜6および比較例1〜5で得た塗
装板について、下記方法に従って試験および評価を行な
った。試験結果を後記表2に示す。
【0041】試験及び評価方法 仕上がり性:塗面の平滑性、鮮映性および色調を目視で
総合的に調べ次の基準で表示する。 ○:非常に優れている。 △:やや劣る。 ×:劣る。 耐チッピング性:Q−G−Rグラベロメータ(Qパネル
社製)を用い7号砕石0.5kgを4kg/cm2 の
エア圧、20℃の温度条件で試験板に砕石を吹き付け、
塗膜に衝撃を与えた後、JIS  Z2371−198
8に規定された塩水噴霧試験方法準じて塩水噴霧試験を
48時間実施した。錆発生の状態を総合的に評価し次の
基準で表示する。 ○:優れている(7×7cmの試験板に錆発生    
2個以下) △:やや劣る  (7×7cmの試験板に錆発生   
 3〜9個) ×:劣る      (7×7cmの試験板に錆発生 
 10個以下)
【0042】耐スリ傷性:JIS  K5400  7
.6(1990)に従い、試験板の初期光沢(20度鏡
面反射率)を測定し、その値をAとする。この試験板を
学振型摩擦堅牢度試験機の摩擦子の部分にネル布を取付
け、試験片に水/だるまクレンザー=4/6(クレンザ
ーはだるまクレンザー本舗製)に混合した液を2cc滴
下し荷重500gをかけ20回往復させた後、この塗板
の光沢(20度鏡面反射率)を測定し、その値をBとす
る。耐スリ傷性を下記式による光沢保持率から以下の基
準で表示する。 ○:光沢保持率(%)        50<△:光沢
保持率(%)      50〜20×:光沢保持率(
%)        20>
【0043】耐酸性:40
%硫酸水溶液に、試験板を1/2浸漬し、50℃で5時
間放置した後、水洗し塗面を観察し次の基準で評価した
。 ○:全く変化のないもの △:塗面に異常はないが、浸漬部と非浸漬部の境界にわ
ずかに段差が認められるもの ×:塗面が白化したもの
【0044】
【表2】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  被塗面に熱硬化性アクリル樹脂粉体塗
    料を塗装し、溶融又は硬化させて形成した塗面上に有機
    溶剤希釈型クリヤ塗料を塗装する方法であって、該クリ
    ヤ塗料が、(A)同一分子中にカルボキシル基、水酸基
    およびエポキシ基を含有し、かつ酸価が15〜150m
    gKOH/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上
    、エポキシ当量が3000〜15000g/eqおよび
    数平均分子量が3,000〜30,000であるアクリ
    ル樹脂、(B)同一分子中にカルボキシル基、水酸基お
    よびエポキシ基を含有し、かつ酸価が2〜10mgKO
    H/g 、水酸基価が30mgKOH/g 以上、エポ
    キシ当量が250〜2500g/eqおよび数平均分子
    量が3,000〜30,000であるアクリル樹脂、お
    よび(C)アミノ樹脂を主成分とし、そして(A)成分
    のカルボキシル基/(B)成分のエポキシ基モル比が1
    /0.5〜0.5/1であって、かつ(C)成分を(A
    ),(B)および(C)成分の合計量に基づいて10〜
    40重量%含有することを特徴とする塗装仕上げ方法。
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JPH06264032A (ja) * 1992-12-15 1994-09-20 Basf Corp 耐チップ性複合材料コーティング

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