JPH04321610A - 含窒素置換基とハロゲンを有するポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体系抗菌・抗かび剤 - Google Patents

含窒素置換基とハロゲンを有するポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体系抗菌・抗かび剤

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JPH04321610A
JPH04321610A JP11797391A JP11797391A JPH04321610A JP H04321610 A JPH04321610 A JP H04321610A JP 11797391 A JP11797391 A JP 11797391A JP 11797391 A JP11797391 A JP 11797391A JP H04321610 A JPH04321610 A JP H04321610A
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hydroxystyrene
poly
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nitrogen
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JP11797391A
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Inventor
Takeshi Uchibori
内堀 毅
Kazuo Kawada
河田 和雄
Hiroshi Fujiwara
寛 藤原
Teruyoshi Matsugami
松上 照喜
Osamu Matsumoto
理 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruzen Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Maruzen Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン性ポリ−p−
ヒドロキシスチレン誘導体を有効成分とする抗菌・抗か
び剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、ポリ−p−
ヒドロキシスチレンを基本ポリマーとし、それにモルホ
リノメチル基およびハロゲンを導入したポリ−p−ヒド
ロキシスチレン誘導体、あるいは該モルホリノメチル基
を一定の4級化剤によって第4級アンモニウム塩とした
ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体を有効成分とする
抗菌・抗かび剤に関する。
【0002】細菌やかびがもたらす被害については、人
間、動物、植物等の病気や食物の腐敗は古くから詳しく
知られているが、産業の高度化に伴い現在ではその被害
は金属、プラスチック、塗料、繊維、接着剤、電気・電
子材料、包装材料、水性潤滑油、木材加工品、化粧品等
々広範囲の分野に及び、その被害対策の重要性が高まっ
てきている。本発明は、上記各種分野に幅広く適用でき
る高分子系の抗菌・抗かび剤を提供しようと意図したも
のである。
【0003】
【従来の技術】細菌やかびの発育を阻止または抑制する
抗菌・抗かび剤は、広い意味での殺菌剤の一分野である
。古くは、殺菌剤として、フェニル酢酸水銀などの有機
水銀化合物、トリブチル酢酸スズなどの有機スズ化合物
、ペンタクロルフェノールなどの有機塩素化合物等が多
用されたが、毒性の点から大きな社会問題となり、現在
では使用が禁止されている。これに代わり、硫黄や窒素
を含有する多種類の殺菌剤が開発されてきたが、これら
も、ほとんどが低分子化合物であって散逸して二次公害
を引き起こす危険があったり、毒性や抗菌性能等の点で
もまだ十分満足できないという問題がある。これらの問
題点を改良するものとして、最近、薬剤を高分子化する
試みがなされており、高分子の殺菌剤として例えばビニ
ルベンジルアンモニウム塩系、ビニルピリジニウム塩系
、ビグアニジン系等のカチオン性ポリマーがよく知られ
いる。これらの中で、ビグアニジン系のポリヘキサメチ
レンビグアニド塩酸塩(商品名:Proxel  IB
)は商品化されている数少ない例の一つである。文献(
例えば、川端、「高分子加工」37、574(1988
))によると、第4級アンモニウム塩とビグアニジン誘
導体は、上記のように高分子化することによって、殺菌
力が強められ、グラム陽性菌には優れた殺菌効果を示す
ものの、グラム陰性菌やかびに対しては、その分子量の
大小に関係なく、殺菌効果が著しく低いことが報告され
ている。
【0004】また、高分子の殺菌剤として、特開昭56
−120601号公報には、ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン、その核にハロゲンまたはスルホン酸基を導入した
もの、そのフェノール性水酸基を塩としたもの、および
そのフェノール性水酸基をエーテル結合またはエステル
結合としたものが提案されているほか、「防菌防黴」8
、(9)、1(1980)には、ジメチルアミノメチル
基が核に導入されたポリ−p−ヒドロキシスチレンおよ
びそのジメチルアミノメチル基を臭化メチルで第4級ア
ンモニウム塩としたものの抗菌・抗かび特性が報告され
ている。上記特開昭56−120601号公報に示され
ているポリ−p−ヒドロキシスチレンおよびその誘導体
は、グラム陰性菌やかびに対しては相応の抗菌・抗かび
特性を示すが、グラム陽性菌に対しては抗菌活性を示さ
ない。また、上記文献「防菌防黴」に示されているジメ
チルアミノメチル基を有するポリ−p−ヒドロキシスチ
レンおよびその第4級アンモニウム塩は、ある程度の抗
かび活性を示すが、抗菌活性は非常に低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の抗菌・抗かび剤の問題点を解決し、幅広い抗菌スペク
トルをもち、かつ不揮発性で持続性のある高分子系の抗
菌・抗かび剤を提供することにある。本発明の他の目的
は、環境汚染や生態流通系に異常を来すことなく、人体
にも無害な抗菌・抗かび剤を提供することにある。本発
明のさらに他の目的は、熱、光等に対して安定で、長期
間変質することがなく、プラスチック、塗料、接着剤等
の各種適用対象材料に対する相溶性や分散性が良好であ
るほか、適用対象材料の種類によってはそのマトリック
スポリマーに対する反応性(架橋性)や触媒作用等の機
能をも発揮するいわゆる多機能性の抗菌・抗かび剤を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究した結果、ポリ−p−ヒドロ
キシスチレンを基本ポリマーとし、それにモルホリノメ
チル基およびハロゲンを導入したポリ−p−ヒドロキシ
スチレン誘導体、あるいは該モルホリノメチル基を一定
の4級化剤を用いて第4級アンモニウム塩としたポリ−
p−ヒドロキシスチレン誘導体が、幅広い抗菌スペクト
ルを示し、人体等に無害であって、当該ポリ−p−ヒド
ロキシスチレン誘導体を有効成分として用いれば上記諸
目的を達成できることを見い出して本発明を完成した。
【0007】したがって、本発明の要旨は、一般式(I
【化5】 [式中、X1は臭素、塩素、および沃素から選ばれたハ
ロゲン原子である。Yは
【化6】
【化7】 (ただし、Rは炭素数1〜14のアルキル基およびベン
ジル基から選ばれた炭化水素残基であり、X2は臭素、
塩素、沃素および硫酸メチル基から選ばれたものであり
、ただしX2が硫酸メチル基のときRはメチル基である
。)から選ばれた含窒素置換基である。pは0または1
であり、qは1または2であって、qが1であるときp
は0または1であり、qが2のときpは0である。]で
表わされる構成単位を必須の構成単位とし、該必須の構
成単位以外の構成単位を含む場合は残余の構成単位が一
般式(II)
【化8】 [式中、X1は上記と同じであり、p´は0、1または
2である。]で表わされる構成単位で主として構成され
、上記一般式(II)で表わされる構成単位を含む場合
は上記一般式(I)および一般式(II)で表わされる
各構成単位がランダムに結合され、重合度が5〜100
0であって、かつハロゲン(X1)のヒドロキシスチレ
ン単位一つ当たりの導入個数が全ヒドロキシスチレン単
位に対する平均値で0.1〜1.9個の範囲にあり、含
窒素置換基(Y)のヒドロキシスチレン単位一つ当たり
の導入個数が全ヒドロキシスチレン単位に対する平均値
で0.1〜1.9個の範囲にあり、該ハロゲンの平均導
入個数と該含窒素置換基の平均導入個数の合計が2以下
である、含窒素置換基とハロゲンの導入されたポリ−p
−ヒドロキシスチレン誘導体を有効成分とする抗菌・抗
かび剤に存する。
【0008】本発明の抗菌・抗かび剤で有効成分とする
ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体においては、その
重合度は、5〜1000が適当であり、好ましくは10
〜500である。臭素、塩素、および沃素から選ばれた
ハロゲン(X1)のヒドロキシスチレン単位一つ当たり
の導入個数は、全ヒドロキシスチレン単位に対する平均
値で0.1〜1.9個の範囲、好ましくは0.1〜1.
5個の範囲である。また、上記のモルホリノメチル基お
よびその一定の第4級アンモニウム塩から選ばれた含窒
素置換基(Y)のヒドロキシスチレン単位一つ当たりの
導入個数は、全ヒドロキシスチレン単位に対する平均値
で0.1〜1.9個の範囲、好ましくは0.5〜1.9
個の範囲である。ハロゲンの平均導入個数が0.1個以
下であったり、含窒素置換基の平均導入個数が0.1個
以下であると初期の抗菌・抗かび活性が期待できない。 ヒドロキシスチレン単位一つ当たりに導入し得るハロゲ
ンおよび/または含窒素置換基の最大導入個数は、通常
2個までである。言うまでもないが、例えば重合度5の
ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体においては、上記
のとおり一般式(I)あるいは一般式(I)および(I
I)で表わされる構成単位で構成されるのであるから、
ヒドロキシスチレン単位一つ当たりのハロゲンおよび含
窒素置換基の平均導入個数はそれぞれ少なくとも0.2
個となる。また、モルホリノメチル基を第4級アンモニ
ウム塩とするための4級化剤としては、炭素数1〜14
のアルキルハライド、ベンジルハライドあるいはジメチ
ル硫酸が用いられ、ハライド類のハロゲンは塩素、臭素
および沃素から選ばれたものである。上記アルキルハラ
イドのアルキル基は、直鎖状であっても分枝状であって
も差し支えないが、直鎖状であることが好ましい。また
4級化剤は一種を単独使用するほか、複数種を併用する
ことも可能である。モルホリノメチル基を第4級アンモ
ニウム塩とする度合は任意であって、モルホリノメチル
基とその第4級アンモニウム塩とが混在しても差し支え
なく、それらの混在割合も任意である。
【0009】本発明に係わるポリ−p−ヒドロシキスチ
レン誘導体は、例えばハロゲンの平均導入個数と含窒素
置換基の平均導入個数の合計が約1以上の誘導体にあっ
ては通常、下記の一般式(a)で表わされる構成単位が
10〜80モル%、一般式(b)で表わされる構成単位
が0〜50モル%、一般式(c)で表わされる構成単位
が0〜30モル%、一般式(d)で表わされる構成単位
が0〜50モル%、一般式(e)で表わされる構成単位
が0〜30モル%および一般式(f)で表わされる構成
単位が0〜20モル%で主として構成される(式中、X
1およびYは上記と同じである)。
【0010】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0011】本発明に係わるポリ−p−ヒドロキシスチ
レン誘導体は、通常、次のようにして合成される。
【0012】まず、基本ポリマーとして用いるポリ−p
−ヒドロキシスチレンは、例えば特開昭48−2218
7号、同51−109097号、同52−23193号
、同52−31235号、同53−13694号、同5
3−52594号の各公報に示されている方法で調製す
ることができる。すなわち、p−ヒドロキシスチレンを
カチオン、ラジカルあるいは熱重合させることによって
調製され、重合条件を適宜選択することによって所望の
重合度のポリマーを得ることができる。また、p−メト
キシスチレンあるいはp−アシルオキシスチレン、例え
ばp−アセトキシスチレンをラジカル重合させた後、酸
またはアルカリで加水分解することによっても調製する
ことができる。基本ポリマーとして用いるポリ−p−ヒ
ドロキシスチレンの重合度は、5〜1000、好ましく
は10〜500とすべきである。
【0013】本発明に係わる誘導体を合成するには、一
般的には、まず、基本ポリマーのポリ−p−ヒドロキシ
スチレンをハロゲン化する。このハロゲン化は、例えば
特公昭52−33680号公報に示されているような方
法、すなわちポリ−p−ヒドロキシスチレンを、メタノ
ールやハロゲン化炭化水素等の溶媒中で、一般的なハロ
ゲン化剤である臭素、塩素、沃素等、あるいはN−ブロ
ムコハク酸イミド、クロラミンT等と反応させる方法で
行うことができる。このハロゲン化の反応条件を適宜選
択することによって所望のハロゲン化の度合の核ハロゲ
ン化物を得ることができるが、本発明に係わる誘導体を
合成するためには、目的の核ハロゲン化物のハロゲン化
の度合を、ヒドロキシスチレン単位一つ当たりのハロゲ
ンの平均導入個数が1.9個以下であるようにすべきで
ある。
【0014】次いで、得られたハロゲン化ポリ−p−ヒ
ドロキシスチレンにモルホリノメチル基を導入し、所望
に応じて該モルホリノミチル基を4級化して第4級アン
モニウム塩とする。このモルホリノメチル基の導入とそ
の4級化は、例えば特開昭49−10992号公報に示
されているような方法で行うことができる。すなわち、
ハロゲン化ポリ−p−ヒドロキシスチレン、モルホリン
およびホルムアルデヒドの所定量を、エタノール、ジオ
キサン等の溶媒に溶解させ、70〜120℃で所定時間
反応させるいわゆるマンニッヒ反応によって、モルホリ
ノメチル基をハロゲン化ポリ−p−ヒドロキシスチレン
に導入することができる。上記ホルムアルデヒドとして
は、ホルマリン、パラホルムアルデヒド等も用いること
ができる。また、反応系に供するモルホリンとホルムア
ルデヒドとの割合は、一般に、モルホリン1モルに対し
てホルムアルデヒド0.5〜1.5モル、好ましくは0
.8〜1.2モルが適当である。また、反応系に供する
モルホリンの量は、目的とする誘導体の所望のモルホリ
ノメチル基の導入率に応じて適宜選択される。このモル
ホリノメチル基の導入のための反応は一般にほぼ化学量
論的に進行する。また、目的とする誘導体にモルホリノ
メチル基の第4級アンモニウム塩の導入が望まれる場合
は、一般に、上記のようにして得られたモルホリノメチ
ル基の導入されたハロゲン化ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン誘導体を、アルコール、クロロホルム等の溶媒中で
、4級化剤のアルキルハライド、ベンジルハライドある
いはジメチル硫酸と40〜60℃で所定時間反応させる
ことによって、該モルホリノメチル基を第4級アンモニ
ウム塩とすることができる。上記4級化剤のアルキルハ
ライドとしては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、
ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデ
シルまたはテトラデシル等の塩化物、臭化物あるいは沃
化物が用いられ、またベンジルハライドとしては、塩化
ベンジル、臭化ベンジルあるいは沃化ベンジルが用いら
れる。これらの4級化剤は、一種を単独使用するほか、
複数種を併用しても差し支えなく、またその使用量は所
望の4級化の度合に応じて適宜選択すれば良い。
【0015】本発明に係わる誘導体は、必要に応じて次
のようにして合成することもできる。すなわち、本発明
に係わる誘導体は、上記のようにポリ−p−ヒドロキシ
スチレンをハロゲン化した後にマンニッヒ反応によって
モルホリノメチル基を導入して合成するのが一般的であ
るが、このハロゲン化反応とマンニッヒ反応の順序を逆
にして、マンニッヒ反応によってモルホリノメチル基を
導入した後にハロゲン化反応を行って合成することもで
きる。例えば、沃素化ポリ−p−ヒドロキシスチレンに
マンニッヒ反応を適用すると沃素の離脱が起こり易いと
言う問題があるが、上記のようにハロゲン化反応とマン
ニッヒ反応の順序を逆にするとかかる問題が改善される
【0016】本発明に係わる誘導体の合成に当たり、基
本ポリマーとして用いられたポリ−p−ヒドロキシスチ
レンは、上記したようなハロゲン化反応、マンニッヒ反
応、あるいは導入されたモルホリノメチル基の4級化反
応に際し、重合度等基本的構造は実質的に変化しない。
【0017】上記のようにして得られる本発明に係わる
ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体は、通常粉末状で
得られ、熱、光等に対して安定であり、長期間保存して
も変質しない。また、このポリ−p−ヒドロキシスチレ
ン誘導体を抗菌・抗かび剤の有効成分として使用するに
当たっては、種々の形態で用い得て、例えばこのポリ−
p−ヒドロキシスチレン誘導体をそのまま、あるいは但
体に分散して、あるいは溶媒に溶解して適用対象材料に
添加することができる。その添加方法も、必要に応じて
種々の方法を採用し得て、例えば単なる混合、塗布、吹
き付け、練込み、浸漬(含浸)等の方法を採用すること
ができる。また、適用対象材料としては、種々の材料を
適用対象とし得て、例えば木材、パルプ、竹、プラスチ
ックなどの高分子物質、水溶性の金属加工油や作動油な
どの潤滑油、塗料、接着剤、ニカワ、澱粉、糊剤、皮革
、食品、医薬品、化粧品等が挙げられる。
【0018】本ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体は
、高分子物質であるので、昇華性や揮散性がないだけで
なく、適用材料の表面にしみ出すブルーミングやブリー
ド現象もなく、したがって抗菌・抗かび効果の持続性が
あり、また適用材料の物性や外観に悪影響を与えること
がない。また、本ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体
を、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウ
レタン、ポリエステル、エポキシ樹脂等に配合する場合
、これらのポリマーに対して本ポリ−p−ヒドロキシス
チレン誘導体は相溶性あるいは分散性が良好であるので
、キャスティングや練込みによって相分離のない均質な
配合物が得られる。また、本ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン誘導体は、抗菌・抗かび性以外の機能として、ポリ
ウレタンやエポキシ樹脂に対する硬化触媒あるいは硬化
剤としての機能も有する。この機能は、本ポリ−p−ヒ
ドロキシスチレン誘導体の有するフェノール性水酸基と
含窒素置換基の共同作用によるものであり、従来の抗菌
性ポリマーには見られない本ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン誘導体の大きな特徴の一つであるといえる。その他
、塗料等コーティング剤に本ポリ−p−ヒドロキシスチ
レン誘導体を配合する場合、その有するフェノール性水
酸基により、基盤に対する密着性が向上する現象も認め
られる。
【0019】また、本ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘
導体は、無害ないし非常に低毒性のものである。すなわ
ち、本ポリ−p−ヒドロキシスチレン誘導体の基本ポリ
マーであるポリ−p−ヒドロキシスチレンは、マウスに
対する経口単独投与(1000mg/kg)、経口連続
投与(500mg/kg×7回)および皮下投与(10
g/kg)で症状に著変なく、内蔵諸器官に異常が認め
られない。 また、この基本ポリマーをハロゲン化した核ハロゲン化
物の内、例えば核臭素化物も、経口連続投与(500m
g/kg×15回)で症状に著変なく、内蔵諸器官に異
常が認められない。このように無害ないし非常に低毒性
のポリマーを原料として、マンニッヒ反応と必要に応じ
てそれに続く4級化反応とによって誘導される本ポリ−
p−ヒドロキシスチレン誘導体もまた無害ないし非常に
低毒性であり、LD50>5000(mg/kg)とい
う値を示すものである。
【0020】以上のような諸特性からして、本ポリ−p
−ヒドロキシスチレン誘導体は、永く保存を要する物品
、食品用などの包装材、壁紙、塗料、合成皮革、衣料や
瀘布などの繊維製品等に用いる抗菌・抗かび剤の有効成
分として特に適している。
【0021】
【実施例】以下に、本発明で有効成分とするポリ−p−
ヒドロキシスチレン誘導体の合成例およびそれを用いて
抗菌・抗かび性試験を行った実施例を示す。 合成例1 内容量100mlの三つ口フラスコに攪拌機、温度計、
還流冷却管を備えた反応装置に、臭素化ポリ−p−ヒド
ロキシスチレン(丸善石油化学(株)製:マルカリンカ
ーMB、重量平均分子量6200、数平均分子量320
0、平均重合度17.4、臭素の平均導入個数0.8)
5g、モルホリン2.6g、パラホルムアルデヒド0.
9gおよび1,4−ジオキサン30mlを加え、攪拌下
で徐々に加熱し、100℃で4時間反応させた。反応物
を冷却後、大量の水中に投入し、沈澱したポリマーをロ
過、水で洗浄後、真空乾燥(60℃で24時間)し、7
.5gの粉末状ポリマーを得た。このポリマーの赤外吸
収スペクトルおよび13C−NMRスペクトルを測定し
、解析した結果、このポリマーは平均組成が下式で示さ
れる構造であった。
【化15】 このポリマーの置換基の平均導入個数と共に、その溶解
性を表1に示す。
【0022】合成例2 合成例1と同様の反応装置に、合成例1で得られたモル
ホリノメチル化・臭素化−ポリ−p−ヒドロキシスチレ
ン2g、メチルブロミド5gおよびクロロホルム/エタ
ノール(2/1)の混合溶媒16mlを加え、攪拌しな
がら40℃で6時間加熱した。反応物を大量のヘキサン
中に投入し、沈澱したポリマーをロ過後、真空乾燥(4
0℃で24時間)し、2.4gの粉末状ポリマーを得た
。 このポリマーの赤外吸収スペクトルおよび13C−NM
Rスペクトルを測定し、解析した結果、このポリマーは
合成例1で得られたポリマーのモルホリノメチル基の5
0%が4級化された構造であった。このポリマーの置換
基のヒドロキシスチレン単位一つ当たりの平均導入個数
と共に、その溶解性を表1に示す。
【0023】合成例3 合成例1と同様の、ただし内容量200mlの反応装置
に、ポリ−p−ヒドロキシスチレン(丸善石油化学(株
)製:マルカリンカーM、重量平均分子量1900、数
平均分子量1300、平均重合度10.8)5gを酢酸
100mlに溶解させた溶液、濃塩酸0.5mlおよび
クロラミンT12gを加え、攪拌しながら室温で8時間
反応させた。反応物を大量の水中に投入し、沈澱したポ
リマーをロ過、水で洗浄後、真空乾燥(60℃で8時間
)し、6.4gの粉末状ポリマーを得た。このポリマー
の赤外吸収スペクトルおよび13C−NMRスペクトル
を測定し、解析した結果、このポリマーの塩素のヒドロ
キシスチレン単位一つ当たりの平均導入個数は1.04
個であった。合成例1と同様の反応装置に、上記で得ら
れた塩素化ポリ−p−ヒドロキシスチレン1.4g、モ
ルホリン1.0g、パラホルムアルデヒド0.3gおよ
び1,4−ジオキサン7mlを加え、攪拌下で徐々に加
熱し、80℃で4時間反応させた。反応物を冷却後、大
量のヘキサン中に投入し、ポリマーを沈澱させた。上澄
み液を捨てた後、水にて洗浄し、真空乾燥(60℃で8
時間)し、1.9gの粉末状ポリマーを得た。このポリ
マーの赤外吸収スペクトルおよび13C−NMRスペク
トルを測定し、解析した結果、このポリマーは平均組成
が下式で示される構造であった。
【化16】 このポリマーの置換基の平均導入個数と共に、その溶解
性を表1に示す。
【0024】合成例4 合成例1と同様の反応装置に、合成例3で用いたと同様
のポリ−p−ヒドロキシスチレン5g、モルホリン5g
、パラホルムアルデヒド0.65gおよびエタノール4
0mlを加え、攪拌下でポリ−p−ヒドロキシスチレン
を溶解させてから徐々に加熱し、75℃で3時間反応さ
せた。反応物を冷却後、大量の水中に投入し、沈澱した
ポリマーをロ過、水で洗浄後、真空乾燥(60℃で8時
間)し、8.4gの粉末状ポリマーを得た。このポリマ
ーの赤外吸収スペクトルおよび13C−NMRスペクト
ルを測定し、解析した結果、このポリマーのモルホリノ
メチル基のヒドロキシスチレン単位一つ当たりの平均導
入個数は0.98個であった。合成例1と同様の反応装
置に、上記で得られたモルホリノメチル化ポリ−p−ヒ
ドロキシスチレン2g、モルホリン3mlおよびエタノ
ール7mlを加え、モルホリノメチル化ポリ−p−ヒド
ロキシスチレンを溶解させてから攪拌下に沃素を徐々に
添加した。その後55℃に加熱し、3時間反応させた。 反応物を冷却後、大量の水中に投入し、沈澱したポリマ
ーをロ過、水で洗浄後、真空乾燥(60℃で8時間)し
、3.1gの粉末状ポリマーを得た。このポリマーの赤
外吸収スペクトルおよび13C−NMRスペクトルを測
定し、解析した結果、このポリマーは平均組成が下式で
示される構造であった。
【化17】 このポリマーの置換基の平均導入個数と共に、その溶解
性を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】実施例1〜3および比較例1〜3上記合成
例1、2および4で得られた3種の本発明に係わる誘導
体を用いて抗菌・抗かび性試験を行った。また、比較の
ため、上記3種の本発明に係わる誘導体に加えて、臭素
化ポリ−p−ヒドロキシスチレン(MBと略称)、ジメ
チルアミノメチル化ポリ−p−ヒドロキシスチレン(M
Aと略称)およびモルホリノメチル化ポリ−p−ヒドロ
キシスチレン(ハロゲンは導入されてないもの)(MM
と略称)も本抗菌・抗かび性試験に供した。 この臭素化ポリ−p−ヒドロキシスチレンは、重量平均
分子量が6200、数平均分子量が3200、平均重合
度が17.4で、ヒドロキシスチレン単位一つ当たりの
臭素の平均導入個数が1.8個のものであり、ジメチル
アミノメチル化ポリ−p−ヒドロキシスチレンは、重量
平均分子量が7200、数平均分子量が3600、平均
重合度が30.0でヒドロキシスチレン単位一つ当たり
のジメチルアミノメチル基の平均導入個数が1.5個の
ものであり、ホルホリノメチル化ポリ−p−ヒドロキシ
スチレンは、重量平均分子量が3500、数平均分子量
が2400、平均重合度が10.8で、ヒドロキシスチ
レン単位一つ当たりのモルホリノメチル基の平均導入個
数が0.92個のものである。
【0027】また、本抗菌・抗かび性試験には、次の1
2種の菌を用いた。すなわち、グラム陽性菌としてスタ
フィロコッカス  オーレウス(staphyloco
ccus  aureus)、バチルス  スブチルス
(Bacillus  subtilis)、ミクロコ
ッカス  ルテウス(Micrococcus  lu
teus)の3種、グラム陰性菌としてエッシェリヒア
  コリ(Escherichia  coli)、サ
ルモネラ  チフィ(Salumonella  ty
phi)、シュードモナスアエルギノサ(Pseudo
monas  aeruginosa)の3種、酵母、
かびを含む真菌類としてカンジダ  アルビカンス(C
andida  albicans)、サッカロミセス
  セレビシェ(Saccharomyces  ce
revisiae)、トリコフィートン  インタージ
ギターレ(Trichophyton  interd
igitale)、ミクロスポルム  ジプセウム(M
icrosporium  gypseum)、ペニシ
リウム  クリソゲナム(Penicillium  
chrysogenum)、アスペルギルス  ニガー
(Aspergillus  niger)の6種を用
いた。
【0028】上記12種の試供菌の内、細菌類について
は普通寒天培地(栄研社製、肉エキス0.05g、ペプ
トン0.1g、塩化ナトリウム0.05g、寒天0.1
5g、水10ml、pH7.0)、真菌類についてはS
abouraud培地(ブドウ糖0.3g、ペプトン0
.1g、寒天0.15g、水10ml、pH6.8)を
試験用培地として用た。該試験用培地に、上記3種の本
発明に係わる誘導体(実施例1〜3)ならびに上記比較
のためのMB(比較例1)、MA(比較例2)およびM
M(比較例3)のエタノールあるいはジメチルホルムア
ミド溶液をそれぞれ注入して、これらのポリ−p−ヒド
ロキシスチレン誘導体を所定濃度含有する試験用培地を
調製した。
【0029】この調製した試験用培地に各供試菌をそれ
ぞれ植え、細菌類は37℃で48hr、真菌類は25℃
で5日間培養し、発育の有無を観察して最小発育阻止濃
度(MIC)を求めた。その結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、幅広い抗菌スペクトル
をもっていて優れた抗菌・抗かび活性を有し、人体、動
物等に対しては無害ないしは非常に低毒性である高分子
系の抗菌・抗かび剤が提供される。また、本発明に係わ
る抗菌・抗かび剤は、熱、光等に対して安定であり、抗
菌・抗かび効果の持続性があり、例えばプラスチック、
塗料、接着剤等の各種適用対象材料との相溶性あるいは
分散性が良好であって、これらの各種適用対象材料と均
質な配合物を形成し、かつ適用対象材料の種類によって
は、抗菌・抗かび効果のほか、触媒作用や反応性(架橋
性)をも示す多機能性のものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式(I) 【化1】 [式中、X1は臭素、塩素、および沃素から選ばれたハ
    ロゲン原子である。Yは 【化2】 【化3】 (ただし、Rは炭素数1〜14のアルキル基およびベン
    ジル基から選ばれた炭化水素残基であり、X2は臭素、
    塩素、沃素および硫酸メチル基から選ばれたものであり
    、ただしX2が硫酸メチル基のときRはメチル基である
    。)から選ばれた含窒素置換基である。pは0または1
    であり、qは1または2であって、qが1であるときp
    は0または1であり、qが2のときpは0である。]で
    表わされる構成単位を必須の構成単位とし、該必須の構
    成単位以外の構成単位を含む場合は残余の構成単位が一
    般式(II) 【化4】 [式中、X1は上記と同じであり、p´は0、1または
    2である。]で表わされる構成単位で主として構成され
    、上記一般式(II)で表わされる構成単位を含む場合
    は上記一般式(I)および一般式(II)で表わされる
    各構成単位がランダムに結合され、重合度が5〜100
    0であって、かつハロゲン(X1)のヒドロキシスチレ
    ン単位一つ当たりの導入個数が全ヒドロキシスチレン単
    位に対する平均値で0.1〜1.9個の範囲にあり、含
    窒素置換基(Y)のヒドロキシスチレン単位一つ当たり
    の導入個数が全ヒドロキシスチレン単位に対する平均値
    で0.1〜1.9個の範囲にあり、該ハロゲンの平均導
    入個数と該含窒素置換基の平均導入個数の合計が2以下
    である、含窒素置換基とハロゲンの導入されたポリ−p
    −ヒドロキシスチレン誘導体を有効成分とする抗菌・抗
    かび剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5547660A (en) * 1992-11-24 1996-08-20 Advanced Genetic Technologies Corporation Nail lacquer composition containing poly-hydroxystyrene

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5547660A (en) * 1992-11-24 1996-08-20 Advanced Genetic Technologies Corporation Nail lacquer composition containing poly-hydroxystyrene

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