JPH0431052Y2

JPH0431052Y2 -

Info

Publication number: JPH0431052Y2
Application number: JP9377287U
Authority: JP
Priority date: 1987-06-18
Filing date: 1987-06-18
Publication date: 1992-07-27
Also published as: JPS63201523U

Description

【考案の詳細な説明】産業上の利用分野本考案は、義歯を作る時など歯を並べる位置を
明確にするために使用する歯列弓ゲージに関する
ものである。

従来技術義歯や歯冠修復、又は架工義歯を作る時、欠損
した歯のところに、同じ型の人工歯を並べるのが
原則である。しかし、多数歯の欠損や総義歯の場
合、もとあつた歯の位置がわからないため、従来
は歯肉部の頂点を人工歯配列の位置と定めて歯を
並べて義歯を作つてきたのであるが、その歯の並
んでできる曲線の形が不明であつた。そのため、
術者の技量にまかせてきたので、患者固有の歯列
の形があるにもかかわらず術者の好みで配列され
る例が多い。

患者が使用している総義歯を再度同一術者が製
作する場合であつても、異なつた歯列弓の形状に
義歯が出来上がることがある。

考案の解決しようとする問題点このように、義歯の製作に当たつて、各人固有
の歯列弓（歯列の描く曲線で、上下顎とも前歯部
では切歯の切縁及び犬歯の尖頭を連ね、臼歯部で
は頬則咬頭を結んで生じる曲線となつており、上
顎と下顎とではそれぞれ異なつた大きさの曲線で
示される）を特定することが必要であるが、歯列
弓の形についてはブロカおよびトンプソン両氏が
楕円形、放物線形、Ｕ形の３種に区別されると提
唱し、更にトンプソン氏が方形、帯円形、帯円方
形、帯円Ｖ字形の４種に区別しているにすぎず、
いずれも定まつた形を示すものではなく、義歯製
作などの参考になるものは存在しなかつた。

本考案は、義歯を作る時、又は多数歯欠損の修
復をする時、人工歯を並べる位置を明確に指示す
ることのできる、患者固有の歯列の形を再現でき
る歯列弓ゲージを提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段本考案者は、人の下顎骨は、筋肉で吊り提げら
れた状態のまま乳歯から永久歯に成長を続ける、
あたかも鎖の両端を手で以て少しづつ長く垂らし
ていく時の状態に似ていることに着目し、本考案
を達成したものであり、本考案のゲージは、実質
的に半円形状をなす透明板からなるものであつ
て、透明板の外周が、40〜75mmの直線状の辺の両
端に、外両端から中央の高さが45〜60mmとなるよ
うに鎖を吊り下げた懸垂線上の曲線が連なつた形
状をとるものであることを特徴とする。

歯列曲線の幅は、通常の人の80％が、58〜66mm
であることが統計的に計測されたが、中央の高さ
を５cmとし、上端の直線状の辺の長さを４cm〜
7.5cmの範囲で２mm間隔で変化させて、本考案の
ゲージを形成し、下顎骨の下縁にあてがつたとこ
ろ20数例すべてが、ゲージ外周に合致することが
わかつた。

なお、下顎の歯列弓の測定位置は、前歯部では
切縁、臼歯部は頬側咬頭頂をそれぞれ結んだ縁
で、上顎では前歯のやや後方、犬歯の舌側面、臼
歯部では左右の中心溝を結んだ線とした。即ち、
舌顎の歯列弓曲線を上顎に投影した位置として計
測したものである。

このような、本考案の歯列弓ゲージは、例え
ば、対象とする人の歯列弓の目安となる前歯と臼
歯の位置に合わせて、歯列弓ゲージを選び、咬合
器の咬合平面板として用いれば、透明板であるた
め、咬合平面との対応状態を目視しながら、ゲー
ジに沿つて正確に人工歯の配列ができるのであ
る。

即ち、本考案の歯列弓ゲージは、義歯を作る
時、又は多数歯欠損の修復をする時、人工歯を並
べる位置を明確に指示することができ、患者固有
の歯列の形を、非常に精度よく、再現できるので
ある。

実施例本考案の数例を図面に示すが、これらは１mm以
上の厚さの透明プラスチツクシートからなる歯列
弓ゲージであり、いずれも透明板の直線状の辺１
と、曲線状の辺２によつて輪郭づけられるもので
あり、曲線状の辺２は直線状の辺１の両端から鎖
を吊り下げた時にできる懸垂線形状をとるもので
ある。

第１図Ａ〜Ｈは、直線状の辺１に対する曲線状
の辺２の中央の高さが50mmであり、直線状の辺１
の長さが68mm〜54mmの範囲で２mm間隔で変化する
ものである。

これらのゲージを、無作為に選んだ上下歯列弓
542例に合わせたところ、全歯列上下共、曲線に
一致したもの129例、１〜２歯のみ曲線からはず
れたもの223例、３〜４歯が曲線からはずれたも
の131例、５〜６歯が曲線からはずれたもの58例、
８歯曲線からはずれたもの下顎に１例となり、９
歯以上曲線からはずれた例はなかつた。

なお、第１図の例では、使用時に歯列弓の位置
に確認しやすいように直線状の辺１の中心に直角
に交わる中心線が印刷されている。

また、本考案の変形例として、一枚のゲージを
２種以上のゲージとして使用できるように、第２
図の如く所定の形状に形成された透明板上に、直
線状の辺１の両端から延びる、中央の高さの異な
る１以上の懸垂線４を表したり、又は第３図の如
く、中央の高さが同じで上端の直線状の辺の長さ
の異なる１以上の懸垂線４を表してもよい。

考案の効果本考案の歯列弓ゲージは、実際の人の歯列弓に
90％以上の精度で合致する外周を有し、しかも透
明板から形成されているため、ゲージにそつて人
工歯を並べれば、各人の顔に調和した自然な歯並
びが得られ、咬合力や、挿入感が向上され、審美
的になり、よく噛めて割れない義歯を製造でき
る。また、歯列矯正はもとより、インプラント義
歯、咬合提製作、咬合器、フラスコからトレー、
パノラマレントゲンの軌道等にも、本考案の原理
が利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のゲージを例示する平面図、第
２図及び第３図はそれぞれ本考案の異なる例を示
す斜視図である。１……直線状の辺、２……曲線状の辺、３……
中心線、４……懸垂線。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 (1) 実質的に半円形に形成された透明板からなる
ものであつて、該透明板の直線状の辺１が40〜
75mmで、曲線状の辺２が、１本の鎖を上記直線
状の辺１の両端から、中央の高さが45〜60mmと
なるように、吊り下げた時に形成される懸垂線
形状をとるものであることを特徴とする歯列弓
ゲージ。 (2) 上記直線状の辺１を垂直に２分割する中心線
３が、上記透明板上に設けられている実用新案
登録請求の範囲第１項記載の歯列弓ゲージ。 (3) 上記透明板上に、上記直線状の辺１の両端か
ら延びる、中央の高さの異なる少なくとも１本
の懸垂線４が表されている実用新案登録請求の
範囲第１項又は第２項記載の歯列弓ゲージ。 (4) 上記透明板上に、中央の高さが同じで上端の
直線状の辺の長さの異なる少なくとも１本の懸
垂線４が表されている実用新案登録請求の範囲
第１項又は第２項記載の歯列弓ゲージ。