JPH0430806Y2

JPH0430806Y2 -

Info

Publication number: JPH0430806Y2
Application number: JP1986190785U
Authority: JP
Priority date: 1986-12-11
Filing date: 1986-12-11
Publication date: 1992-07-24
Also published as: JPS6395309U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、直接衛星放送受信などに用いられる
マイクロストリツプアンテナの周波数帯域幅を広
くするとともに利得が向上し、しかも製作を容易
にする構造に関するものである。

（従来の技術）マイクロストリツプアンテナは、マイクロ波帯
における直接衛星放送や通信の送受信用として、
パラボラアンテナに代るものとして開発が進めら
れている。

従来のマイクロストリツプアンテナの構造は、
第４図に示すように接地導体１０上に誘電体サブ
ストレート８を介して、放射導体パターン９を形
成した構造である。前記放射導体パターン９は、
円形パツチ形であるが楕円形パツチ形、多角形、
クランク形、ダイポール形等種々の形状が提案さ
れている。これら電波放射導体パターンには、給
電線路を必要とするが、アンテナ基板上ではこれ
もマイクロストリツプ線路で形成されることが多
い。

（考案が解決しようとする問題点）この種のアンテナの周波数特性は、第２図に示
すように特定の周波数rで共振する。第４図に示
した従来構造では、誘電体サブストレート８の厚
さｈは、第３図に示した誘電体厚さｈと線路損失
の関係から線路の損失が最小となる厚さh₁とされ
るが、この時の共振特性は、第２図に破線で示す
ようになり、V.S.W.R1.5以下となる帯域幅Δ₁
は、共振周波数に対して１％未満と狭帯域であ
る。

直接衛星放送受信アンテナでは、３〜５％の帯
域幅が要求されるため第４図の構造では帯域幅を
広げるため誘電体サブストレート８の比較率εrを
小さくするとともに、誘電体サブストレート８の
厚さｈを、所望の帯域幅が得られる厚さh₂まで厚
くする必要がある。ｈ＝h₂の時の共振特性は、第
２図に実線で示すようになり、帯域幅Δ₂はΔ₁
より広くなり、所望の帯域幅が得られる。しか
し、この時の線路損失は、第３図に示すように放
射損失が増大して線路損失が増加するため、利得
が低下してしまう。

従つて第４図に示す構造では、誘電体サブスト
レート８の比誘電率εr及び誘電体厚さｈを調整し
ても、直接衛星放送受信アンテナに要求される３
〜５％の帯域幅と所望の利得の両方を同時に満足
させることができないという欠点を有する。

（問題点を解決するための手段）本考案の構造は、第１図に示すように、片面に
導体パターン２及び給電線３を形成した誘電体サ
ブストレート１と片面全面に接地導体６を形成し
た誘電体サブストレート接地導体７の３枚の板を
体整形した構造である。本構造において、給電線
路３と接地導体６の間隔を、線路の損失が最小と
なるような誘電体サブストレート４の厚さh₁で保
持し、また、導体パターン２の下部に位置する誘
電体サブストレート４と接地導体６を打抜き加工
して、導体パターン２と接地導体７の間隔を、所
望の帯域幅が得られるような誘電体サブストレー
ト４と接地導体６を合せた厚さh₂で保持する。

（作用）本考案の構造による作用はつぎのとおりであ
る。

(1) 接地導体６及び接地導体７によつてアンテナ
の剛性が十分確保できる。従つて、誘電体サブ
ストレート４のガラスフアイバ等による強化は
不要で、安価な材料を使用できる。

(2) 誘電体サブストレート１も薄くて良いため、
この比誘電率εrが５程度以下なら帯域幅に与え
る影響は無視できる。従つて誘電体サブストレ
ート１に多少比誘電率が大きくとも、耐湿性フ
レキシブルシート等を用いても良く、導体パタ
ーン２の腐食を防止できる。

(3) 同じ面積の３枚の板を重ね整形する構造は、
自動機による製造に好適で、製造原価を低く抑
えることができる。

（実施例）第１図に本考案の構造の１実施例を示す。１は
前記第２の誘電体サブストレート４の誘電体面に
接する側に導体パターン２及び給電線路３を形成
した前記第１の誘電体サブストレートである。７
は前記第２の誘電体サブストレート４の接地導体
６に接して重ねられる接地導体である。また４
は、片面の全面に接地導体６を形成した後、前記
第１の誘電体サブストレート１の導体パターン２
の位置する部分に打抜穴５を設けた前記第２の誘
電体サブストレートである。

第１図の導体パターン２として円形パツチ形を
示したが、楕円形、多角形、クランク形やダイポ
ール形等他のパターン形状でもよい。導体パター
ン２の数も第１図では４ケであるが、必要な数だ
け、給電線路３とともに第１の誘電体サブストレ
ート上に形成される。給電線路３は、反射や損失
を小さくする公知の手法で設計、形成されたもの
で、その際第２の誘電体サブストレート４の厚さ
は、放射損失及び伝送損失の和である線路の損失
が最小となるように決定する。また第２の誘電体
サブストレート４は、比誘電率及び誘電正接の小
さい材料であるテフロンやポリエチレン等を用い
ると給電線路３の導体損及び誘電体積を小さくで
き、伝送損失を低減することができる。接地導体
６の厚さは、第２の誘電体サブストレートの厚さ
を加えた厚さが、所望の帯域幅を得るために必要
な導体パターン２と接地導体７の間隔となるよう
に決定する。接地導体６及び接地導体７として
は、高い剛性の材料を用いる。第１の誘電体サブ
ストレート１としては、誘電正接が小さく、耐候
性を有するフレキシブルな材料を用いると外装を
兼ねることができる。

第１図においてＡ−A′−A″，Ｂ−B′−B″，Ｃ
−C′−C″，Ｄ−D′−D″を合せ適当な接合方法に
より一体整形させる。同軸ケーブル等による送受
信機と接続は、給電線端部に適当な固定手段を設
けて接続する。

（考案の効果）以上述べたように本考案の構造によれば、次の
効果が得られる。

(1) 線路の損失を増大させること無く、広帯域な
アンテナ特性が得られ高利得を実現でき、経時
変化の小さいアンテナが容易に製造できる。

(2) 誘電体サブストレート１，４は剛性を必要と
しないため、グラスフアイバ等の補強材が不要
となり、安価に実現できる。

(3) 導体パターン２及び給電線路３を形成した誘
電体サブストレート１に耐候性にすぐれた材料
を用いることにより外装を兼ねることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構造、第２図はアンテナの周
波数特性、第３図は線路損失と誘電体厚さの関
係、第４図は従来例を示す。符号の説明、１……誘電体サブストレート、２
……導体パターン、３……給電線路、４……誘電
体サブストレート、５……打抜穴、６……接地導
体、７……接地導体、８……誘電体サブストレー
ト、９……導体パターン、１０……接地導体。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

電波放射のための導体パターン２及び前記導体
パターン２への給電線路３と、これらを同一面に
形成した第１の誘電体サブストレート１と、片面
の全面に接地導体６を接着した第２の誘電体サブ
ストレート４と、接地導体７により構成したマイ
クロストリツプアンテナであつて、前記接地導体
７は、前記第２の誘電体サブストレート４に接着
された接地導体６の面に接して重なつており、前
記電波放射のための導体パターン２及び前記導体
パターン２への給電線路３とは、前記第２の誘電
体サブストレート４の面に接して重なつており、
前記接地導体６とこれを接着した第２の誘電体サ
ブストレート４として、前記電波放射のための導
体パターン２の位置する部分に前記導体パターン
２の外形と同等以上の打抜加工をした片面導体ラ
ミネート誘電体積層板を用いたことを特徴とする
マイクロストリツプアンテナの構造。