JPH04305424A - 流動解析を利用した最適射出成形条件の評価方法および射出成形装置 - Google Patents

流動解析を利用した最適射出成形条件の評価方法および射出成形装置

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JPH04305424A
JPH04305424A JP3098189A JP9818991A JPH04305424A JP H04305424 A JPH04305424 A JP H04305424A JP 3098189 A JP3098189 A JP 3098189A JP 9818991 A JP9818991 A JP 9818991A JP H04305424 A JPH04305424 A JP H04305424A
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JP
Japan
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flow analysis
mold
filling time
optimal
temperature
Prior art date
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Application number
JP3098189A
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English (en)
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Shigeru Okuno
茂 奥野
Tatsumi Takahashi
達見 高橋
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/766Measuring, controlling or regulating the setting or resetting of moulding conditions, e.g. before starting a cycle
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/7693Measuring, controlling or regulating using rheological models of the material in the mould, e.g. finite elements method

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は流動解析を利用した最適
射出成形条件の評価方法およびこの評価方法を利用した
射出成形装置に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の容器などを製造する方法として
、射出成形が広く普及している。この方法では、所望の
製品形状に応じた金型を用意し、この金型に溶融材料を
射出充填することにより製品の成形を行うことになる。 ところが、高品質の成形品を得るためには、金型温度、
樹脂温度、充填時間(充填開始から充填完了に至るまで
の時間)などの成形条件を最適なものに設定してやる必
要がある。このような成形条件の設定は、従来は経験則
に基づいて行っていたが、近年のコンピュータの普及に
より、流動解析シミュレーションを行い最適射出成形条
件の評価を行う方法が実用化されるに至っている。
【0003】一般に、流動解析を利用した最適射出成形
条件の評価方法では、製品形状模型を多数の微小要素に
分割したモデルについて、有限要素法、境界要素法、差
分法、FAN法、BFM法などの数値解析法を適用し、
連続の式、流体の運動方程式、エネルギーの式などを連
立させて計算を行う方法が採られている。
【0004】このような流動解析の方法は、1974年
にTadmorによって開発されたFAN法(Flow
  Analysis  Network  Meth
od)に端を発し、各国の大学や企業で様々な流動解析
システムが開発され、現在では種々の商業用システムが
普及するに至っている。このような流動解析システムを
用いて、射出成形時の溶融樹脂の挙動を求めるには、使
用する樹脂材料についての物性データ(密度、熱伝導率
、粘性率など)と、成形機に与える成形条件(金型温度
、樹脂温度、充填時間など)と、を入力データとしてこ
のシステムに与えてやればよい。このような入力データ
に基づいて流動解析を行った結果、金型内部における圧
力分布、剪断応力分布、温度分布などが時間の関数とし
て求まる。これらの分布データは、通常はグラフィック
処理され、等高線あるいはグラフの形式で出力されるこ
とになる。最適射出成形条件の評価は、入力データとし
ての成形条件をいろいろと変えてやり、それぞれについ
ての出力データを得ることにより行われる。このような
評価方法は、たとえば、特開昭64−67319号公報
、特開昭64−67320号公報、特開昭64−673
22号公報、特開昭64−67323号公報、特開平1
−98967号公報などに開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の流動解
析を利用した最適射出成形条件の評価方法では、金型温
度、樹脂温度、充填時間などを種々の値に設定し、流動
解析システムによるシミュレーションを行い、金型内部
における圧力分布、剪断応力分布、温度分布などを求め
、最適な金型温度、樹脂温度、充填時間の組み合わせを
決定することになる。ところが、このように複数の成形
条件を組み合わせ、これらを種々の値に変えながら解析
を行うと、各成形条件が互いに影響を及ぼし合うことに
なり、解析内容が非常に複雑になる。このため、流動解
析シミュレーションの結果を、実際の成形結果と対比し
ながら、経験的知識に基づいて最適射出条件評価を行っ
ているのが現状である。
【0006】そこで本発明は、より簡便な方法により最
適の成形条件を決定することができる流動解析を利用し
た最適射出成形条件の評価方法、および、この方法を利
用した成形装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(1)   本願第1の
発明は、微小要素に分割した製品形状模型について、こ
の製品を成形するのに用いる金型内における溶融材料の
流動解析を行うことにより、最適射出成形条件の評価を
行う方法において、所定の温度条件と所定の充填時間と
を設定して流動解析を行い、複数m個の微小要素のそれ
ぞれにおいて、時間的に変化する剪断応力の最大値を求
める第1の段階と、複数nとおりの充填時間について、
第1の段階を繰り返し行い、m個の微小要素のそれぞれ
について、充填時間と剪断応力最大値との関係を示すグ
ラフを求める第2の段階と、この第2の段階で求めたm
とおりのグラフについて、各グラフ間における剪断応力
最大値の差が最小となる充填時間を求め、これを最適充
填時間とする第3の段階と、を行い、最適充填時間を決
定するようにしたものである。
【0008】(2)   本願第2の発明は、上述の第
1の発明による評価方法において、第3の段階で求めた
最適充填時間を設定値とする流動解析を行い、その結果
に基づいて最適な温度条件を求めるようにしたものであ
る。
【0009】(3)   本願第3の発明は、上述の第
1の発明による評価方法において、第3の段階で求めた
最適充填時間を設定値とする流動解析を行い、所定の微
小要素における圧力値の時間変化を示す圧力波形を求め
、この圧力波形により溶融材料の金型内での充填挙動を
評価するようにしたものである。
【0010】(4)   本願第4の発明は、溶融材料
を充填するための金型と、この金型に溶融材料を注入す
るための射出部と、溶融材料および金型の温度を制御す
る温度制御部と、を有する成形機と、金型内の所定箇所
に設けられた圧力センサと、所定の成形条件を設定し、
溶融材料についての流動解析を行うことにより、溶融材
料の充填作業中における金型内の圧力分布の時間的変化
を求める流動解析装置と、この流動解析の結果に基づき
、圧力センサ設置場所における圧力の時間変化を示す圧
力波形を作成する圧力波形作成装置と、圧力センサの出
力に基づいて得られる実圧力波形と、圧力波形作成装置
で作成された解析圧力波形と、を比較した結果に基づい
て、成形機における成形条件を設定する条件設定部と、
を設け、射出成形装置を構成したものである。
【0011】
【作  用】本発明の基本となる技術思想は、金型内に
溶融材料を充填するときに、金型各部において発生する
剪断応力が、できるだけ均一となるような条件設定をし
ようとするものである。すなわち、本願発明者は、充填
時に各部の剪断応力に差が生じていると、溶融材料の流
動に起因する成形不良(いわゆる「焼け」や「ひけ」と
呼ばれている不良)が発生すると考え、各部の剪断応力
の差が最小となるような充填時間を設定すれば、これが
最適の充填時間となることを見出だしたのである。剪断
応力は流動する溶融材料が受ける摩擦力であり、いわゆ
る「焼け」や「ひけ」といった成形不良を避ける上では
、このような摩擦力を製品全体にわたって均一にし、全
体的に低く抑えるようにすることが必要であると、本願
発明者は考えている。また、本願発明者は、このように
して設定した最適の充填時間は、金型の温度や材料とな
る樹脂の温度には、ほとんど依存しないで一定になるこ
とも見出した。したがって、いくつかの成形条件のうち
の最適充填時間を、上述の方法により第一義的に決定し
、その後に、最適金型温度や最適樹脂温度などの温度条
件を第二義的に決定することができる。このように、温
度条件を考慮することなしに、最適充填時間の決定を優
先的に行うようにしたため、従来のような複雑な解析作
業は必要なくなる。
【0012】こうして最適な成形条件を決定した後は、
この成形条件を適用した流動解析シミュレーションを行
うことにより、各部の圧力値の時間変化を示す圧力波形
を求めることができ、この圧力波形により溶融材料の金
型内での充填挙動を評価することもできる。また、金型
内部に圧力センサを設けておき、解析で求めた圧力波形
と実際の成形時に圧力センサで測定された圧力波形とが
一致するように、成形条件の調整を行うことにより、実
際に行われる成形を、理論的なシミュレーションにより
近づけることが可能になる。
【0013】
【実施例】以下本発明を図示する実施例に基づいて説明
する。図1は本発明による最適射出成形条件の評価方法
の基本手順を示す流れ図である。まず、ステップS1に
おいて、成形を行うべき製品の形状模型を微小要素に分
割する。図2は、トナー容器を製品として成形する場合
を例にとって、この製品の形状模型を微小要素に分割し
た状態を示す概念図である。図2に示す例では、ランナ
ーによって連結された2つのトナー容器が、三角形から
なる微小要素に分割されている。この分割処理は、有限
要素法などの従来の解析方法で行われている一般的な処
理であるため、ここでは詳しい説明は省略する。
【0014】続いて、ステップS2において、温度条件
の設定を行う。すなわち、金型温度と樹脂温度とを所定
値に設定する。本発明による方法では、第一義的に決定
すべき成形条件は、最適充填時間であり、温度について
の最適値は第二義的に決定すべき成形条件である。した
がって、このステップS2で設定する金型温度および樹
脂温度は、標準的な値を仮の値として設定しておけばよ
い。ここでは、金型温度を15℃、樹脂温度を220℃
という標準的な値に設定したものとして、以下の説明を
続ける。
【0015】次に、ステップS3において、充填時間の
設定を行う。この充填時間は、金型内に樹脂を充填し始
めてから、充填を完了するに至るまでの時間であり、樹
脂の射出圧力あるいは射出速度に関連する量である。一
般的な成形機の樹脂射出部は、充填時間の設定を受け付
ける機能を有し、設定された充填時間に基づいて樹脂の
射出圧力あるいは射出速度を制御する。すなわち、充填
時間が長ければ、樹脂の射出圧力は低く、射出速度は遅
く設定されるが、充填時間が短ければ、樹脂の射出圧力
は高く、射出速度は速く設定される。図3は、金型温度
を15℃、樹脂温度を220℃という標準的な値に設定
したときの諸量の充填時間依存性を示すグラフである。 ここで、グラフAは充填圧力、グラフBは樹脂の注入口
となるゲート付近の応力、グラフCは製品末端(ゲート
から最も遠い部分)の応力、グラフDは製品末端の温度
を示す。このように充填時間を変えることにより、諸量
の値は様々に変化し、充填時間が成形条件として重要な
パラメータであることがわかる。
【0016】本発明では、nとおりの充填時間を設定し
、各充填時間ごとに流動解析シミュレーションを行って
いる。この実施例では、0.2,0.3,0.5,0.
7,1.0,1.5,2.0,2.5,3.0,4.0
,5.0,7.0sec の12とおりの充填時間を設
定している。ステップS3では、まず、0.2sec 
なる充填時間が設定される。そして、ステップS4では
、設定された金型温度15℃、樹脂温度220℃、充填
時間0.2sec なる成形条件に基づいて流動解析シ
ミュレーションが行われる。この流動解析法は、有限要
素法、境界要素法、差分法、FAN法、BFM法などの
数値解析法を適用したいくつもの方法が公知であるため
、ここでは詳しい説明は省略するが、要するに、図2に
示すように微小要素に分割された製品模型を収容した金
型に、所定位置に設けられたゲートから、所定の物理特
性をもった溶融材料を、所定の成形条件で充填させたと
きの溶融材料の充填挙動をシミュレートするものであり
、各微小要素ごとの、圧力、剪断応力、温度の値を時間
の関数として求めることができる。別言すれば、金型内
の圧力分布、剪断応力分布、温度分布の時間変化が求ま
ることになる。通常は、このような分布を等高線あるい
はグラフによって表示し、解析を行うことになる。
【0017】本発明では、最適充填時間を決定するため
に、流動解析シミュレーションの結果として求まる剪断
応力値を用いる。前述のように、各微小要素における剪
断応力値は、時間とともに変化する量である。そこで、
この時間とともに変化する剪断応力値の中での最大値を
ステップS4において求める。こうして、ステップS5
を経てステップS3へと戻り、同じ処理をn回繰り返し
て行う。この実施例の場合、前述した12とおりの充填
時間を成形条件とする流動解析をそれぞれについて行い
(温度条件は標準温度の設定のままである)、各微小要
素における剪断応力最大値を求める。そして、ステップ
S6において、充填時間と剪断応力最大値との関係を示
すグラフを求める。図4にこのようにして求めたグラフ
の一例を示す。横軸に充填時間、縦軸に剪断応力最大値
、がとられ、両者の関係がグラフとして示されている。 剪断応力最大値は、各微小要素ごとにそれぞれ異なる値
をとるため、図4に示すグラフも各微小要素ごとに異な
るグラフとなる。ここでは、ゲート付近の微小要素に関
するグラフEと、製品末端の微小要素に関するグラフF
と、の2つのグラフを示してある。
【0018】ステップS7では、このグラフに基づいて
最適充填時間が決定される。本発明による最適充填時間
の決定は、金型各部において発生する剪断応力が、でき
るだけ均一となるようにするという趣旨である。したが
って、ステップS6で求めた複数のグラフ間における剪
断応力最大値の差が最小となる充填時間を求め、これを
最適充填時間とすることになる。すなわち、図4に示す
ように、2つのグラフE,Fを使って最適充填時間を求
めると、両グラフの交点位置に相当する時間t(0.8
4sec )が最適充填時間として決定されることにな
る。 この時間tにおいては、ゲート付近の微小要素も、製品
末端の微小要素も、剪断応力最大値が等しい値となって
いる。
【0019】この実施例では、グラフE,Fの2つを用
いて最適充填時間を決定しているが、本発明は要するに
複数m個の微小要素のそれぞれについて、充填時間と剪
断応力最大値との関係を示すグラフを求め、このmとお
りのグラフについて、各グラフ間における剪断応力最大
値の差が最小となる充填時間を求め、これを最適充填時
間とするものである。上述の実施例では、最も単純な例
としてm=2の場合を示したが、より最適な充填時間を
求めるためには、mの値をより多くすればよい。なお、
m=2の場合は、2つのグラフの交点位置に相当する時
間を最適充填時間としたが、m>2の場合は、複数のグ
ラフは一般的には共通の交点をもたない。そこで、各グ
ラフ間における剪断応力最大値の差が最小となる時間を
求めることになる。これは、具体的には、たとえば標準
偏差が最小となる時間を求めるような演算を行えばよい
。なお、複数m個の微小要素としては、どのような微小
要素を選んでも良いが、できれば、ゲート付近、製品末
端、製品肉厚の薄い部分、などのように、溶融材料の流
動挙動に問題が生じるような複数の箇所を、製品全体に
わたって均等に選ぶようにするのが好ましい。
【0020】かくして、最適充填時間が決定したら、ス
テップS8において、その他の成形条件の評価を行う。 たとえば、金型温度や樹脂温度の最適値を決定する作業
が行われる。前述したように、図4に示すグラフは、ス
テップS2において、金型温度15℃、樹脂温度220
℃という標準的な仮の温度設定を行うことにより得られ
たものであり、これらの温度が必ずしも最適な温度条件
であるとは限らない。そこで、ステップS7で決定した
最適充填時間を固定し、今度は金型温度および樹脂温度
を種々変えた流動解析を行い、その結果得られる圧力分
布、剪断応力分布、温度分布、などに基づいて、最適の
金型温度および最適の樹脂温度を決定する。
【0021】このように、本発明では、まず仮の温度条
件を設定して流動解析を行い、第一義的に最適充填時間
を決定してしまう。続いてこの最適充填時間を固定した
流動解析を行い、温度条件などを第二義的に決定する。 このように、各条件を別個に決定することができるため
、作業は非常に単純になる。ところで、上述のように、
最適充填時間と温度条件とを別個に決定することができ
る理由を示しておく。図5は、所定の微小要素における
充填時間と剪断応力最大値との関係を示すグラフの金型
温度依存性を示すグラフであり、図6は樹脂温度依存性
を示すグラフである。図5におけるグラフG1,G2,
G3は、いずれも樹脂温度を220℃とし、金型温度を
それぞれ15℃,25℃,35℃としたときの結果を示
すグラフである。また、図6におけるグラフH1,H2
,H3は、いずれも金型温度を15℃とし、樹脂温度を
それぞれ180℃,220℃,260℃としたときの結
果を示すグラフである。このように温度条件が変わるこ
とにより、グラフの絶対値は多少変化するが、変極点の
位置などのグラフの全体的な特徴には変化がないことが
わかる。したがって、仮の温度条件を設定することによ
り第一義的に最適充填時間を決定しても、その最適充填
時間に大きな誤りはないものと考えられる。
【0022】ステップS8では、温度条件の評価だけで
なく、他の種々の条件の評価を行うことが可能である。 たとえば、所定の微小要素における圧力値の時間変化を
示す圧力波形を求め、いわゆる「焼け」や「ひけ」と呼
ばれている成形不良が発生するか否かを判断することも
できる。図7に、このような圧力波形の一例を示す。こ
の波形は、所定の微小要素における圧力の時間変化を示
すグラフに他ならない。このような圧力波形は、所定の
成形条件に基づく流動解析によって得られる。図7の例
は、図4に示すグラフに基づいて決定された最適充填時
間t=0.84sec に基づいて得られた圧力波形で
あり、最適充填時間である0.84sec 付近で圧力
波形が急激に立上がっていることがわかる。たとえば、
製品末端の微小要素において、0.84sec 付近で
の圧力波形の立上りが非常に大きければ、この場所にお
いて成形不良(やけ)が発生すると評価でき、成形条件
を変えたり、製品形状を変更するなどの措置が必要であ
ると判断できる。
【0023】最後に、このようにして求まった圧力波形
を利用した成形装置の一例を示す。図8は、この成形装
置の基本構成を示すブロック図である。ここで、成形機
10は、溶融材料を充填するための金型11と、この金
型に溶融材料を注入するための射出部12と、溶融材料
および金型の温度を制御する温度制御部13によって構
成されている。この金型11の内部の所定箇所(1か所
でも複数箇所でもよい)には、圧力センサ20が設けら
れており、その位置での圧力値を出力する。すなわち、
実際の成形作業を行えば、圧力センサ20は、時間とと
もに変化する圧力信号として、実圧力波形を出力するこ
とになる。射出部12および温度制御部13に与えるべ
き成形条件は、条件設定部30において設定される。こ
の条件設定動作を行うために、流動解析装置40および
圧力波形作成装置50が設けられている。流動解析装置
40は、上述した種々の流動解析を行う装置であり、所
定の成形条件に基づいて、金型内溶融樹脂の圧力分布の
時間的変化をシミュレーションにより求めることができ
る。また、圧力波形作成装置は、このシミュレーション
結果に基づき、圧力センサ20の設置場所における圧力
の時間変化を示す圧力波形を作成する。ここでは、この
圧力波形作成装置50によって作成された圧力波形を解
析圧力波形と呼び、圧力センサ20から得られる実圧力
波形と区別することにする。条件設定部30は、実圧力
波形と解析圧力波形とを比較した結果に基づいて、成形
機10における成形条件を設定する。
【0024】続いて、この成形装置による成形処理手順
を図9の流れ図に基づいて説明する。まず、ステップS
11において、流動解析装置40による流動解析が行わ
れる。ここでは、3とおりの樹脂温度180℃,220
℃,260℃、3とおりの金型温度15℃,25℃,3
5℃、そして12とおりの充填時間0.2,0.3,0
.5,0.7,1.0,1.5,2.0,2.5,3.
0,4.0,5.0,7.0sec 、のそれぞれの組
み合わせとして、3×3×12=108とおりの成形条
件を設定し流動解析シミュレーションを行っている。そ
して、このシミュレーションの結果、前述の手順により
第一義的に最適充填時間の決定を行う。続いて、ステッ
プS12において、圧力波形作成装置50は、決定され
た最適充填時間についての流動シミュレーション結果に
基づいて、圧力センサ20の設置場所における解析圧力
波形を作成する。ここに示す例では、異なる9とおりの
温度条件についてシミュレーションを行っているので、
9とおりの解析圧力波形が作成される。ステップS13
では、このうちの標準温度(たとえば、金型温度15℃
、樹脂温度220℃)についての解析圧力波形を抽出す
る。
【0025】ステップS14では、条件設定部30によ
り、こうして抽出された解析圧力波形に基づいて、射出
部12および温度制御部13における成形条件設定を行
う。具体的には、最適充填時間内に溶融樹脂を充填する
ことにより、抽出された解析圧力波形が得られるように
、溶融樹脂を押し出すスクリューの位置、回転速度、負
荷などの条件設定を行う。これは、たとえば、条件設定
部30にディスプレイを用意しておき、オペレータがこ
のディスプレイ上に表示された解析圧力波形を見ながら
、条件設定作業を行うようにすればよい。そして、ステ
ップS15において、実際の成形作業が行われる。この
実際の成形作業により、圧力センサ20からは実圧力波
形が得られる。条件設定部30は、実圧力波形と解析圧
力波形とをステップS16で比較する。両者が一致して
いない場合(実際には、所定の許容誤差範囲を定めるこ
とになる)には、実圧力波形が解析圧力波形に一致する
よう成形条件の再設定を行うためにステップS14から
の作業を繰り返す。これは、たとえば、条件設定部30
に用意したディスプレイに実圧力波形と解析圧力波形と
を重ねて表示させ、オペレータがこの表示を見ながらス
クリューの位置、回転速度、負荷などの条件を再設定で
きるようにしておけばよい。こうして、両者が一致した
ら、金型11から取り出した実際の成形品の品質をステ
ップS17で評価する。成形品が良質のものでない場合
には、再びステップS13へ戻り、温度条件を変え、新
たな温度条件について同じ作業を繰り返す。こうして、
ステップS17で成形品が良質であると判断されたら、
ステップS18において、その時点での成形条件を最適
成形条件として決定する。
【0026】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。
【0027】
【発明の効果】以上のとおり本発明による流動解析を利
用した最適射出成形条件の評価方法によれば、いくつか
の成形条件のうちの最適充填時間を、各部における剪断
応力をできるだけ均一にするという条件のもとに第一義
的に決定し、その後に、最適金型温度や最適樹脂温度な
どの温度条件を第二義的に決定するようにしたため、温
度条件を考慮することなしに、最適充填時間の決定を優
先的に行うことができ、簡易な解析作業により最適射出
成形条件を決定することができるようになる。また、本
発明による成形装置では、前述の評価方法を利用した成
形作業が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による最適射出成形条件の評価方法の基
本手順を示す流れ図である。
【図2】トナー容器を製品として成形する場合を例にと
って、この製品の形状模型を微小要素に分割した状態を
示す概念図である。
【図3】金型温度を15℃、樹脂温度を220℃という
標準的な値に設定したときの諸量の充填時間依存性を示
すグラフであり、グラフAは充填圧力、グラフBは樹脂
の注入口となるゲート付近の応力、グラフCは製品末端
(ゲートから最も遠い部分)の応力、グラフDは製品末
端の温度を示す。
【図4】充填時間と剪断応力最大値との関係を示すグラ
フの一例である。
【図5】所定の微小要素における充填時間と剪断応力最
大値との関係を示すグラフの金型温度依存性を示すグラ
フであり、グラフG1,G2,G3は、いずれも樹脂温
度を220℃とし、金型温度をそれぞれ15℃,25℃
,35℃としたときの結果を示す。
【図6】所定の微小要素における充填時間と剪断応力最
大値との関係を示すグラフの樹脂温度依存性を示すグラ
フであり、グラフH1,H2,H3は、いずれも金型温
度を15℃とし、樹脂温度をそれぞれ180℃,220
℃,260℃としたときの結果を示す。
【図7】流動解析により求まった圧力波形の一例を示す
グラフである。
【図8】本発明の一実施例に係る成形装置の基本構成を
示すブロック図である。
【図9】図8の成形装置による成形処理手順を示す流れ
図である。
【符号の説明】
10…成形機 11…金型 12…射出部 13…温度制御部 20…圧力センサ 30…条件設定部 40…流動解析装置 50…圧力波形作成装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  微小要素に分割した製品形状模型につ
    いて、この製品を成形するのに用いる金型内における溶
    融材料の流動解析を行うことにより、最適射出成形条件
    の評価を行う方法において、所定の温度条件と所定の充
    填時間とを設定して流動解析を行い、複数m個の微小要
    素のそれぞれにおいて、時間的に変化する剪断応力の最
    大値を求める第1の段階と、複数nとおりの充填時間に
    ついて、前記第1の段階を繰り返し行い、m個の微小要
    素のそれぞれについて、充填時間と剪断応力最大値との
    関係を示すグラフを求める第2の段階と、前記第2の段
    階で求めたmとおりのグラフについて、各グラフ間にお
    ける剪断応力最大値の差が最小となる充填時間を求め、
    これを最適充填時間とする第3の段階と、を有すること
    を特徴とする流動解析を利用した最適射出成形条件の評
    価方法。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載の評価方法において、
    第3の段階で求めた最適充填時間を設定値とする流動解
    析を行い、その結果に基づいて最適な温度条件を求める
    ことを特徴とする流動解析を利用した最適射出成形条件
    の評価方法。
  3. 【請求項3】  請求項1に記載の評価方法において、
    第3の段階で求めた最適充填時間を設定値とする流動解
    析を行い、所定の微小要素における圧力値の時間変化を
    示す圧力波形を求め、この圧力波形により溶融材料の金
    型内での充填挙動を評価することを特徴とする流動解析
    を利用した最適射出成形条件の評価方法。
  4. 【請求項4】  溶融材料を充填するための金型と、こ
    の金型に溶融材料を注入するための射出部と、前記溶融
    材料および前記金型の温度を制御する温度制御部と、を
    有する成形機と、前記金型内の所定箇所に設けられた圧
    力センサと、所定の成形条件を設定し、前記溶融材料に
    ついての流動解析を行うことにより、前記溶融材料の充
    填作業中における前記金型内の圧力分布の時間的変化を
    求める流動解析装置と、前記流動解析の結果に基づき、
    前記圧力センサ設置場所における圧力の時間変化を示す
    圧力波形を作成する圧力波形作成装置と、前記圧力セン
    サの出力に基づいて得られる実圧力波形と、前記圧力波
    形作成装置で作成された解析圧力波形と、を比較した結
    果に基づいて、前記成形機における成形条件を設定する
    条件設定部と、を備えることを特徴とする射出成形装置
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