JPH0430153Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ この考案は、粉粒体の輸送や貯蔵に用いる袋状
の柔軟ないわゆるフレキシブル・コンテナにかか
り、特にコンテナの帯電を逃がすための接地端子
にかかる。

＜従来の技術＞ 粉粒体の輸送や貯蔵に、従来からフレキシブ
ル・コンテナが使用されているが、多くの場合、
その素材には、基布の両面に絶縁性の合成樹脂ま
たはゴムの層を積層したシートを用いていた。と
ころが、収容する粉粒体の種類によつては、粒子
相互間の摩擦やコンテナ壁との摩擦によつて静電
気を発生し、コンテナの充填、排出時に火花放電
を起こして、火災の原因となる危険がある。

近年、このような危険を防ぐために、フレキシ
ブル・コンテナの素材として、基布の両面に多量
の炭素を含有させて導電性を与えた合成樹脂また
はゴムを積層したシートが用いられている。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 絶縁性シートが任意の色彩に着色できるのに較
べて、導電性シートは黒色であるために、これで
作つたコンテナは全く美観が無く、色分けによつ
て内容物を区別することができず、かつ日光の直
射を受けると内容物が著るしく昇温する。よつ
て、着色が自由で、かつ帯電防止機能があるフレ
キシブル・コンテナが望まれていた。

このようなコンテナ用の素材として、基布の内
面には炭素入りの導電層を積層し、外面には任意
に着色された絶縁層を積層することは可能であ
る。その場合は、コンテナ内面の導電層に接続さ
れた接地端子を、コンテナ外部に設けないと、帯
電防止機能を完全に発揮させることができない。

この接地端子として、金属製のものは、内容物
に科学変化を起こさせたり、畳んだ場合に内面の
他の部分を傷つけたり、運搬中に隣に置かれたコ
ンテナを傷つけたりするので、望ましくない。ま
た、端子の形態の如何を問わず、これを設けるこ
とによつてコンテナの強度を損つてはならない。

＜問題点を解決するための手段＞ この考案は、上述のような観点からなされたも
のであつて、フレキシブル・コンテナの素材とし
て、基布の外面に任意に着色された合成樹脂また
はゴムの層が積層され、基布の内面に炭素混入に
よつて導電性を与えた合成樹脂またはゴムの層が
積層されたシートを用いる。そして、接地端子と
しては、基布の両面に炭素混入によつて導電性を
与えた合成樹脂またはゴムの層を積層したシート
で作つた導電性テープを用いる。接地端子を取付
けたことによるコンテナの強度低下を防ぐため
に、その取付位置には上記導電性テープと同様な
材質のシートで作つた補強片を、接着剤によつて
貼り、コンテナ及び補強片を双方を貫通して、上
記導電性テープの幅にほぼ等しい長さの長孔を穿
孔する。上記導電性テープは二つ折りにして上記
長孔に挿通し、先端を両方に開いてそれぞれ上記
補強片に接着剤で接着する。必要に応じ、上記導
電性テープの接着された両端部を覆い、導電性シ
ートからなる第２の補強片を、上記補強片に接着
剤で貼付けてもよい。

なお、上記の接着剤としては、導電性のものを
使用するのが望ましいが、通常の接着剤を使用し
ても、その層が極めて薄いことに加えて静電気の
電圧が極めて高いので、コンテナ内面の帯電を支
障なく接地端子に導くことができる。

＜作用＞ 上述のコンテナに粉粒体を充填し、或いはこれ
から内容物を排出する際は、上記の導電性テープ
で作られた接地端子を鰐口クリツプで挟むなどし
て接地導線に接続すれば、コンテナの内面の導電
層を確実に接地し、火花放電に起因する災害を未
然に防ぐことができる。

そして、上述の接地端子は、金属製でないため
に、自身の内壁や隣接するコンテナを損傷しな
い。

＜実施例＞ 第１図において、１はコンテナ本体、２はその
上部に設けた充填筒、３は下部に設けた排出筒、
４，４…は周壁上部に設けた吊下部である。５，
５はコンテナ本体１の適所に設けた接地端子であ
る。

第２図に示すように、コンテナ本体１は、基布
１１の外面に適宜に着色された絶縁性のゴム層１
２を有し、内面に導電性ゴム層１３を有するシー
トで作られている。本体１内の適所には、適当な
寸法の補強片１４が接着剤によつて貼られてお
り。この補強片１４は、基布１５の両面に導電性
ゴム層１６，１７を設けたシートにより形成され
ている。本体１及び補強片１４を貫通して、紙面
に垂直な方向の長孔１８が穿孔されていて、この
長孔１８には、この長さに等しい幅の導電性テー
プ１９を二つ下りにしたものが、その折目２０を
外界に位置させて挿通される。導電性テープ１９
は、補強片１４と同質のシート、即ち基布２１の
両面に導電性ゴム層２２，２３を設けたシートで
作られていて、本体１内に位置する両端部分２
４，２５は両方向に拡げられ、接着剤により補強
片１４に接着されている。更に、必要に応じこれ
らの両端部分２４，２５を覆つて、補強片１４と
同質のシートで作つた保護片２６を貼付けてもよ
い。

上述のコンテナにおいて、導電性テープ１９か
らなる端子は、導電性の補強片１４を介して本体
内面の導電性ゴム層１３に結合されている。従つ
て、この端子を、接地導線の先端に取付けた鰐口
クリツプで挟めば、本体内面の導電性ゴム層１３
を接地させることができる。

＜考案の効果＞ 上述の実施例によつて明らかなように、この考
案によるときは、外面が適宜に着色された絶縁層
で形成されたフレキシブル・コンテナであつて
も、その内面に形成された導電層を確実かつ容易
に接地して、帯電防止効果を上げることができ
る。しかも、そのための接地端子は、金属製でな
いために、自身の内面や隣接する他のコンテナを
傷つけることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は
そのＡ−Ａ線に沿う拡大断面図である。 １……コンテナ本体、１４……補強片、１８…
…長孔、１９……導電性テープ、２４及び２５…
…両端部分、１１，１５及び２１……基布、１２
……絶縁性ゴム層、１３，１６，１７，２２及び
２３……導電性ゴム層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基布の外面に絶縁性の合成樹脂層またはゴム層
   を積層し内面に導電性の合成樹脂層またはゴム層
   を積層してなるシートをもつて形成したコンテナ
   の内面の適所に、基布の内外面に導電性の合成樹
   脂層またはゴム層を積層してなるシートをもつて
   形成した補強片を接着し、これらコンテナ及び補
   強片の各シートを同時に貫通して後記の導電性テ
   ープの幅にほぼ等しい長孔を穿孔し、基布の内外
   面に導電性の合成樹脂層またはゴム層を積層して
   なるシートをもつて形成した導電性テープを二つ
   折りにして上記長孔に挿通し、その両端部分を両
   方向に拡げてそれぞれ上記補強片に接着した帯電
   防止フレキシブル・コンテナの接地端子。