JPH04290540A - 炭酸ガスの海洋への封入投棄方法及びシステム - Google Patents

炭酸ガスの海洋への封入投棄方法及びシステム

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JPH04290540A
JPH04290540A JP3054279A JP5427991A JPH04290540A JP H04290540 A JPH04290540 A JP H04290540A JP 3054279 A JP3054279 A JP 3054279A JP 5427991 A JP5427991 A JP 5427991A JP H04290540 A JPH04290540 A JP H04290540A
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dioxide gas
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seawater
ocean
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Masayoshi Kubota
昌良 久保田
Harumi Matsuzaki
松崎 晴美
Toshikatsu Mori
利克 森
Hiroshi Miyadera
博 宮寺
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発電所などから排出さ
れる炭酸ガスを回収して海洋処理する方法に係り、特に
炭酸ガスを容器に密封して海底に沈めることにより、炭
酸ガスが海水に溶解し海洋生態系に影響する等のことが
ない炭酸ガスの海洋への投棄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】地球環境問題に関し、温室効果ガスに起
因する地球温暖化が問題となっている。温室効果ガスと
して大気中の炭酸ガス(CO2)、メタン(CH4)、
亜酸化窒素(N2O)、フロンガスが挙げられるが、こ
のうちフロンガスはオゾン層破壊の主因物質であること
が判明し、近い将来全廃の方向にある。一方、炭酸ガス
は石炭、石油、天然ガスといった化石燃料の消費によっ
て排出され、大気中でのその濃度が前述の他のガスにく
らべて圧倒的に高いことから、温暖化の主因とされてお
り、その増加が問題となっている。温暖化の影響として
、海水の温度上昇に伴う海水の膨張、北極、南極の氷の
溶解による海面上昇、降水量の変化など気象への影響、
また地球生態系への影響が指摘されている。このため、
温暖化抑制のため炭酸ガス  発生量の削減が重要課題
となっている。
【0003】炭酸ガス発生量削減のため発生源の代替エ
ネルギ−の検討がなされている一方で、地球の70%以
上が海であり、「海洋を利用した炭酸ガス固定法」によ
る削減が提案されている(化学工学誌、VOL.54、
NO.1)。例えば、海洋施肥法、深水循環. 表層混
合法、沈み込み流利用法、直接吸収法、海藻による固定
法等である。このうち、直接吸収法は、排出される炭酸
ガスを直接海洋に導き吸収させる方法で、1979年に
ロ−マ大学のマスタック(University of
 Rome,Mustacci ら) 、1984年に
米国ブルックヘブン国立研究所のスタインバ−グ他(S
teinberg M ら、Brookhaven N
ational Lab.,NY) によって検討され
た報告がある。前者は炭酸ガス  の海水によるスプレ
ー吸収及び海中バブリング法の検討で、後者は液化炭酸
ガスを深海に注入する場合のコスト試算である。しかし
、いずれの方法も問題があり実施されておらず、海洋生
態系への影響が不明である。さらに、炭酸ガス  の海
洋への吸収について特開平2−80316号公報にも開
示されている。
【0004】一方、近年炭酸ガス発生量削減のための炭
酸ガス回収技術と共に、回収炭酸ガスの処分に関して海
洋投棄に関心が高まっている。特に、炭酸ガスと水との
包接化合物(ハイドレ−トあるいはクラスレ−ト)に関
する研究報告、報道が多く見られる。ハイドレ−トの物
性については米国シラキュウス大学のアルバ−トら(A
lbert T et ら、Syracuse Uni
versity,NY,Desalination,1
6,1975)の文献に詳述されており、上記の海洋投
棄は、炭酸ガスを深海に注入しハイドレ−トを生成させ
、ハイドレ−トの物性を利用して炭酸ガスを深海に固定
しようとするものであり、例えば深海の水深3000 
m、水温5℃ならば炭酸ガスは液化し、その密度は約1
.038 で海水より重く海底の凹地に滞留し、液化炭
酸ガスと海水の海面にハイドレ−トが形成され、このハ
イドレ−トが液化炭酸ガスのフタの役目をなす(文献、
朝日科学誌、Dec.,1990)というもので、炭酸
ガス海洋投棄の実用化が期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の炭酸ガス量削減
対策において、回収した炭酸ガスの処分についての上記
のいずれの方法も現状では満足な結果が得られる具体的
な処理方法とはいえず、また、海洋を利用した処理方法
にも次のような問題がある。 1)海洋施肥法や深水循環法などは、間接的な方法で気
長な炭酸ガス固定化システムであり、現状の炭酸ガス量
の増加に対する緊急の削減対策として対応できない。 2)海洋への直接吸収法では、炭酸ガスは海水の飽和溶
解量しか吸収できない。 3)特に、直接吸収法は本来が炭酸ガスを海水の飽和溶
解量まで吸収させるもので、それにより海水のpHが酸
性に変化し、海洋の生態系に直接影響を与える恐れがあ
る。 4)深海で炭酸ガスのハイドレ−トを生成させ固定する
方法が有力とされているが、ハイドレ−トは炭酸ガス溶
解の抑制効果が小さい。等の問題がある。
【0006】特に、炭酸ガスの海洋投棄の有力方法とさ
れているハイドレ−ト生成による固定は、ハイドレ−ト
の結晶構造がCO2・8H2 Oで、その物性が安定し
た固体であり、その密度が1. 1と海水( 密度1.
 026) より重いことから海底に固定することがで
きることにあるといわれている。そこで、本発明者らは
深海を模擬した高圧容器(実施例、50気圧、温度5℃
)内で、液化炭酸ガスと海水を接触させ前記ハイドレ−
トを生成させる実験を行い、この時のpH変化を観察し
た。その結果は図5に示すように、50気圧下で海水の
海水pH8. 2が瞬時に4. 4〜4. 8の範囲に
変化し、ハイドレ−トが生成しているにもかかわらず、
その生成よりもはるかに速くpHが変化することを知見
した。このことは、ハイドレ−トを生成して炭酸ガスを
固定できると同時に炭酸ガスは溶解もしており、生成し
たハイドレ−トの壁は炭酸ガス溶解の抑制効果を必ずし
も充分に果たしえないことを意味している。
【0007】すなわち、ハイドレ−トを生成しても、炭
酸ガスが溶解し海水pHが酸性に変化して海洋に拡散す
ることから魚類の他、海洋の生態系に影響し、大気同様
地球環境に及ぼす影響は計り知れないことが予想される
。本発明の目的は、上記問題を解決し、炭酸ガスを海水
中に迅速に処理しうるとともに海洋の生態系への影響を
充分に抑制することのできる炭酸ガスの海洋への投棄方
法、および炭酸ガスの海洋への投棄システムを得ること
を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
、本発明は、周期表のII族及びIIIb族の金属を含
む部材で構成される容器に炭酸ガスを注入し、該金属と
炭酸ガスおよび/または該金属と海水中の溶解イオンと
の化合物の殻を生成させることにより容器内に炭酸ガス
を封入し、該容器を海洋に投棄することを特徴とする炭
酸ガスの海洋への封入投棄方法を開示する。前記容器を
コンクリートを素材とした容器としてもよい。また、炭
酸ガスを液化炭酸ガスの状態で該容器に注入することは
特に望ましい態様であり、その際、炭酸ガスを封入した
前記容器が海水より重い形態に形成して、海水中に投入
してもよく、あるいは、炭酸ガスの前記容器への注入を
、海中の水温下で炭酸ガスが液化する圧力以上の水圧が
かかる水深にて行うようにしてもよい。
【0009】さらに本発明は、液化炭酸ガスの貯蔵手段
、液化炭酸ガス圧送手段、海中一定深さまで液化炭酸ガ
スを導出する案内手段、および該案内手段の先端に取り
付けられた封入手段であって、周期表のII族及びII
Ib族の金属を含む部材で構成されており炭酸ガスおよ
び海水中の溶解イオンとの反応物の殻を生成することに
より内部に炭酸ガスを封入する封入手段とからなること
を特徴とする、炭酸ガスの海洋への投棄システムをも開
示する。該液化炭酸ガス封入手段が、該殻の未生成時に
は海水の出入りが可能な多孔質あるいは海水の浸透しう
る構成とすることは好ましい態様であり、また、該液化
炭酸ガス封入手段が、少なくとも該殻の未生成時には変
形する部材とするとともに、前記変形させた部材を非浸
透性膜でなる袋に収納して海中に設置し、該袋は前記部
材に液化炭酸ガスを注入することにより前記部材が所定
形状に復帰する力により破損するようにすることもでき
る。
【0010】このような手段を講じることにより、炭酸
ガスが海水と直接接触することなく海水中に投棄でき、
海水pHへの影響が生じないことから、炭酸ガスを大量
かつ迅速に海洋に投棄して固定することができる。
【0011】
【作用】炭酸ガスの海洋投棄は、それにより海洋の生体
系への影響を生じさせないことが必要であり、そのため
に、炭酸ガスと海水を直接接触させない方策が求められ
る。本発明は以上の知見に基づき成されたものであり、
海水中の溶解イオンあるいは人為的に溶解させたイオン
を炭酸ガスと反応させ、その反応物をスケ−ル(「殻」
)として析出させそれを海水と炭酸ガスとの間の隔膜と
するものである。
【0012】その作用について説明する。標準的な海水
の組成は表1に示すように、全溶解固形分は約3. 5
%であり、ナトリウムイオン( Na+ ) 、塩素イ
オン( C−  )が全体の約86%を占め、マグネシ
ウムイオン( Mg2+) 、カルシウムイオン(Ca
2+) と少量の硫酸イオン( SO2−)、重炭酸イ
オン( HCO3− ) などが存在する。海水を濃縮
して食塩( 塩化ナトリウム、NaCl) を製造する
ことは良く知られており、また蒸発式海水淡水化装置に
おいて水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カ
ルシウム(CaCO3)などのアルカリスケ−ルが析出
することは明らかにされている。
【0013】
【表1】
【0014】図6は海水のpHに対する全炭酸の濃度分
布を示しており、通常の海水はpH8. 3で炭酸物質
の約85%は重炭酸イオン(HCO3− ) であり、
炭酸イオン(CO32−) も若干存在するが、このよ
うな濃度に炭酸ガスを吹き込んでもCaCO3 のスケ
−ルは析出しない。この海水を加熱するとHCO3− 
がCO2 とCO2−イオンに分解し、CaCO3 が
飽和溶解度を越えて析出する。さらに、80℃以上に海
水温度を高くするとCO32− が加水分解してCO2
 と水酸イオン(OH− )に変わり、Mg(OH)2
の析出が支配的になるといわれている。これらの海水中
における特性の各スケ−ル成分の化学平衡の相関関係を
図7に示す。
【0015】一方、海水の炭酸物質のpHの依存性はか
ら、海水中の溶解イオンのCa2+とCO32− +C
a2+→CaCO3 ↓となるが、通常の海水では濃縮
比2〜3程度ではCaCO3 は析出しないと言われて
いる。したがって、本発明は深海で前記CO32− あ
るいはCa2+などを人為的に増加させCaCO3 な
どのスケ−ルを生成させることにある。そのため、液化
炭酸ガスを注入する容器の構成部材を、特にアルカリ土
類金属を含む部材としている。
【0016】例えば、天然に多く産出する石灰石から作
った酸化カルシウム(生石灰、CaO) は好適である
。 CaOは水とCO2 を吸収し易く水酸化カルシウム(
Ca(OH)2)とCaCO3 になる。 CaO+H2O→Ca(OH)2↓ CaO+CO2 →CaCO3 ↓ このように、容器部材にCaCO3 の殻を生成させ、
液化炭酸ガスを容器に密封しようとするものである。さ
らに、前記容器部材にCaOと共に三酸化イオウ(SO
3)を混合しておくと海水に接触して徐々にかたまり、
水酸化カルシウム(Ca(OH)2)と硫酸カルシウム
(CaSO4)とが混合した硬いスケールになる。この
様に、前記アルカリ土類金属に三酸化イオウ等のような
添加剤を混合することは液化炭酸ガスの封入に好適であ
る。また、容器の部材を海水の出入りが可能な構成にす
る場合には、深海の水圧が浸入して容器内外の圧力差は
なく、耐圧などの構造を要しない。したがって、液化炭
酸ガスの注入は所定の水深にポンプ圧力で押し込むだけ
で良い。さらに、該容器を非浸透性膜でなる袋に収納し
て海中に設置する場合には、液化炭酸ガスを封入するま
で海水との反応を生じさせないで置くことができシステ
ムの安定化を図れる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を、添付の図面を参照しつつ実
施例に基づいてより詳細に説明する。図1は本発明の炭
酸ガスの海洋への投棄システムの一実施例を示しており
、1は例えは火力発電所等に付設の公知の炭酸ガス回収
装置であり、該炭酸ガス回収装置1は液化炭酸ガス貯槽
2に接続している。該貯層2は海中一定深さまで液化炭
酸ガスを圧送しうる高圧ポンプ3を介して、貯層内の液
化炭酸ガスを導出する導出手段としての導入パイプ4に
接続している。該導入パイプ4は海中所定の深さまで延
長していて、その先端には後述する炭酸ガス封入手段と
しての炭酸ガス容器5がカップリングを介して装着され
ている。
【0018】導入パイプ4の先端部と炭酸ガス容器5の
接合部の拡大図を図2に示す。導入パイプ5の先端には
公知の逆流防止弁4aおよびクイックカップリング4b
が装着されており、炭酸ガス容器5は該クイックカップ
リング4bを介して導入パイプ4の先端に取り付けられ
る。この実施例において、炭酸ガス容器5は編み目の荒
い粗布5aに生石灰5bおよび三酸化イオウを所定量包
持させた織布で作った長尺状の袋体であり、折り込まれ
た状態でクイックカップリング4bに取り付けられてい
る(図3参照)。
【0019】この炭酸ガスの海洋への投棄システムは次
のように運転される。火力発電所などから排出される炭
酸ガスを回収装置1で回収した後圧縮して液化炭酸ガス
の状態で液化ガス貯槽2に貯溜する。これを高圧ポンプ
3により導入パイプ4に送出する。送出された液化炭酸
ガスは、その圧が導入パイプ4の先端が位置する深海の
所定水圧より高くなれば導入パイプ3の先端の逆流防止
弁4aを押圧して開き、クイックカップリング4bに取
り付けられている炭酸ガス容器5に流入する。
【0020】容器5内に流入した液化炭酸ガスBは折り
たたまれ変形した容器5を所定の形状に復帰させるとと
もに、粗布5aに包持されている生石灰5bと反応して
炭酸カルシウム11を主に生成する。また、容器外側は
常に海水Aと接触しているため水酸化カルシウム12が
主に生成される。生成された炭酸カルシウム11および
水酸化カルシウム12は化学的に安定した「殻」を形成
し、内部に液化炭酸ガスを封入する。所定量の液化炭酸
ガスを注入した後、導入パイプ4から容器5をクイック
カップリング4bの部分から切り離す。
【0021】この実施例における折り畳まれた炭酸ガス
容器5は、その外面部分が直接海水と接しているため、
深海に容器を沈めようとする場合、あるいは炭酸ガスの
注入までに海水中に一定期間放置せざるを得ないような
場合に、粗布5aに包持されている生石灰5bが海水と
の反応に全て消費されてしまい、炭酸ガスと反応しない
場合が起こり得る。それを避けるために、非透水性膜例
えばビニール製の、必要に応じ適宜のミシン目を設けた
袋に上記折り畳まれた炭酸ガス容器5を収納するように
してもよい。
【0022】この場合には、容器5は液化炭酸ガスの注
入時までその生石灰が未反応の状態で維持されている。 液化炭酸ガスが注入されると、容器は所定の形状に復帰
すると同時に該非透水性膜製の袋を破壊する。それによ
り、粗布5aに包持されている生石灰5bおよび三酸化
イオウは始めて海水と接触して反応し、その外面部分に
水酸化カルシウム12が形成される。所定量の液化炭酸
ガスを注入した後、導入パイプ4から容器5をクイック
カップリング4bの部分から切り離すことは先の場合と
同様である。この際に、前記破れたビニール袋が海中に
浮遊して環境を損なわないように、袋の一部を容器に固
定しておくことは望ましい態様である。
【0023】さらに、液化炭酸ガスの密度が海水の密度
より小さい水深の場合、容器が浮上する可能性があるが
、その時は容器に所定の重し(図示せず)をつけて海底
に沈めて固定するようにしてもよい。また、容器5の素
材としてコンクリートを用いることにより海水中で安定
した状態で容器を形成することができる利点がある。
【0024】図4は、本発明に用い得る炭酸ガス封入手
段の他の実施例を示す。この容器5は、多孔質のコンク
リ−トで形成された容器の内壁および必要に応じて外壁
にも生石灰を吹き付けたものであり、炭酸ガス導入パイ
プ4の先端がその容器壁部分に接続されている。また、
容器の底部には、所望により、小穴20を形成する。
【0025】この容器の作用は次のようである。この容
器はその外壁が多孔質のコンクリ−トで形成されている
こと、また所望により小穴20を形成していることによ
り、容器を海中に沈めていくに従い、内部空間は海水で
満たされていく。所定の深さまで沈降した時点で、先の
実施例と同様に、導入パイプ4から液化炭酸ガスを容器
内に注入する。この場合に、液化炭酸ガス密度が海水よ
り大きい水深の場合には、液化炭酸ガスは容器内の下部
に沈下し、その後順次海水を上方から追い出し(図4矢
印参照)つつ充填される(反対に液化炭酸ガスの密度が
海水より小さい水深の場合は、液化炭酸ガスは容器内の
上部に集積しその後順次海水を下方から追い出すことに
なるため、容器底部に海水が抜け易い個所、例えば小穴
20を設けておく)。そしてその間に、容器の内周壁に
生石灰と反応して炭酸カルシウム11の殻を生成し、最
終的には内周壁はすべて炭酸カルシウム11の殻に覆わ
れるとともに外周壁も水酸化カルシウム12の殻で被覆
される。その状態で容器を導入パイプ4から分離し、海
水中に放棄する。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、以下の効果がある。 1)液化炭酸ガスと海水とが炭酸カルシウムの殻で隔離
され直接接触しないことから炭酸ガスが海水に溶解しな
い。 2)炭酸ガスを封入した容器は炭酸カルシウムや水酸化
カルシウム、コンクリートなどであり、それは天然に存
在する物質(例えば、珊瑚あるいはコンクリート漁礁な
ど)であるため自然界と同様の状態が保たれる。 3)本発明による容器、導入パイプ、高圧ポンプと簡便
な装置構成で、高圧ポンプで液化炭酸ガスを注入するだ
けの最小限の動力源でよい。 4)炭酸ガスを直接、大量に迅速処理することが可能で
炭酸ガスの削減効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシステムの一実施例を示す構成図。
【図2】本発明の導入パイプと容器の接合部を示す図。
【図3】容器の拡大詳細図。
【図4】他の実施例の容器を示す図。
【図5】ハイドレ−ト生成時の海水pHの変化を示す図
【図6】海水のpHに対する全炭酸の濃度分布を示す図
【図7】海水中における各スケ−ル成分の化学平衡の相
関関係を示す図。
【符号の説明】
1・・・炭酸ガス回収装置、    2・・・液化炭酸
ガス貯槽、3・・・高圧ポンプ           
 4・・・導入パイプ、5・・・容器、       
       11・・・炭酸カルシウム、12・・・
水酸化カルシウム、  A・・・海水、B・・・液化炭
酸ガス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  周期表のII族及びIIIb族の金属
    を含む部材で構成される容器に炭酸ガスを注入し、該金
    属と炭酸ガスおよび/または該金属と海水中の溶解イオ
    ンとの化合物よりなる殻を生成させることにより炭酸ガ
    スを該殻で包み、該容器を海洋に投棄することを特徴と
    する炭酸ガスの海洋への封入投棄方法。
  2. 【請求項2】  前記容器が水中コンクリートを素材と
    した容器であることを特徴とする、請求項1記載の炭酸
    ガスの海洋への投棄方法。
  3. 【請求項3】  炭酸ガスを液化炭酸ガスの状態で該容
    器に注入することを特徴とする、請求項1または2記載
    の炭酸ガスの海洋への投棄方法。
  4. 【請求項4】  炭酸ガスの前記容器への注入を、海中
    で炭酸ガスが液化する圧力以上の水圧がかかる水深にて
    行うことを特徴とする、請求項1ないし4記載の載の炭
    酸ガスの海洋への投棄方法。
  5. 【請求項5】  液化炭酸ガスの貯蔵手段、液化炭酸ガ
    ス圧送手段、海中一定深さまで液化炭酸ガスを導出する
    案内手段、および該案内手段の先端に取り付けられた封
    入手段を具備し、該封入手段が周期表のII族及びII
    Ib族の金属を含む部材で構成されており炭酸ガスおよ
    び海水中の溶解イオンと接触することにより該容器内部
    にてそれらとの反応物の殻を生成することを特徴とする
    、炭酸ガスの海洋への投棄システム。
  6. 【請求項6】  該液化炭酸ガス封入手段が、該殻の未
    生成時には海水の出入りが可能な多孔質あるいは海水の
    浸透しうる構成からなることを特徴とする、請求項6記
    載の炭酸ガスの海洋への投棄システム。
  7. 【請求項7】  該液化炭酸ガス封入手段が、少なくと
    も該殻の未生成時には変形する部材からなることを特徴
    とする、請求項6または7記載の炭酸ガスの海洋への投
    棄システム。
  8. 【請求項8】  前記変形させた部材を非浸透性膜でな
    る袋に収納して海中に設置し、該袋は前記部材に液化炭
    酸ガスを注入することにより前記部材が所定形状に復帰
    する力により破損するようになっている、請求項8記載
    の炭酸ガスの海洋への投棄システム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5292523B1 (ja) * 2012-11-07 2013-09-18 株式会社Ozon Neo 二酸化炭素の隔離方法
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WO2022118731A1 (ja) * 2020-12-03 2022-06-09 株式会社フジタ コンクリートへの二酸化炭素の固定方法、およびコンクリートを含むコンクリート構造体

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