JPH0428790Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は謄写輪転機用版胴に関し、特に版胴に
備えられたインク注入口の改善技術に関する。

（従来の技術） 一般にプレスローラに圧接され内部にインクが
入れられた版胴に原紙を捲着し、この版胴とプレ
スローラ間に挿入された印刷用紙に、原紙の孔部
よりインクを押し出し、インク転写が行えるよう
にした謄写輪転機は知られている。

この謄写輪転機の版胴は、第３図に示す如くそ
の外周面２が、複数の貫通孔２ａ…を有し、その
表面２に不図示の原紙を捲着する部分１ａと、原
紙の係止部及び版胴２内部にインクを注入するた
めのインク注入口４等を備えた部分１ｂとに分れ
ている。

そして斯かる版胴１は、その停止時において内
部のインクがその外周面２に設けられた貫通孔２
ａ…によりボタ落ちするのを防ぐため、通常これ
らの貫通孔２ａ…を設けた部分１ａ（原紙を捲着
する部分）が係止部及びインク注入口等を設けた
部分１ｂに対し、上部となるべく位置に停止する
ように構成されている。

（考案が解決しようとする問題点） 従つてこのような従来の版胴１にあつては、そ
のインクの注入時においては版胴１を半回転（半
転）させ、第４図で示すようにインクの注入口４
を上方に向けてインクの注入を行わなければなら
ず、この作業が面倒であり、又、このとき手、衣
服等を汚す虞があること、更にインクの注入後に
は、版胴を再び半転させて元の状態（第３図で示
す状態）に戻しておかなければ、下方に向いた版
胴の貫通孔よりインクがボタ落ちするという不具
合がある。

そこで本考案の目的とする処は、版胴の停止時
に版胴を半転することなく版胴内にインクの注入
を行うことができ、又、注入したインクが版胴外
へぼた落ちするという虞もなく、更には作業上の
手間がかかることもない謄写輪転機用版胴を提供
するにある。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決するため本考案は、インクを
注入するインク注入口３を備え、この注入口３よ
りも注入されたインクを、その外周面に設けた貫
通孔２ａから外周面に捲着された原紙を介して印
刷用紙にインク転写を行う謄写輪転機用版胴１に
於いて、前記インクの注入口３は、版胴１の停止
時にあつては前記貫通孔２ａ…を設けた版胴１上
部で且つ版胴１の回転体３の上方に上方に向けて
設けた。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１図は本考案に係る版胴の停止時における一
部破断側面図、第２図は第１図−線断面図で
ある。

１は謄写輪転機用版胴であり、この全体形状は
円筒状をなし、この外周面には版胴１内のインク
を滲出させるための貫通孔２ａ…を設けると共
に、不図示の原紙が捲着され、その長手方向には
前記原紙を圧接すべく不図示のプレスローラが装
備されている。この版胴１は不図示のベルトプー
リ機構により、回転体３を中心にして回転せしめ
られ、この版胴１とプレスローラとの間に、不図
示の給紙装置により挿入される印刷用紙にインク
転写を行う。

さて、上記インク転写を行うに際して、事前に
版胴１内に注入されるインクは、版胴１の側面部
５に設けられた注入口４により注入される。この
注入口４は前記版胴１の側面部５より突出して設
けられ、その形状は第１図及び第２図に示す如
く、袋状をなす袋部４ａと袋部４ａの口が円形状
をなす開口部４ｂとからなり、この全体形状は正
面略壺状をなしている。また、注入口４は版胴１
の停止状態にあつては、貫通孔２ａ…を設けた版
胴１上部で且つ版胴１の回転体３の上方に位置
し、且つこのとき注入口４の前記開口部４ｂが上
方に向くべく設けられている。そして前記開口部
４ｂはスクリユー式キヤツプ６により封止され
る。

次に上記実施例の作用を説明する。

版胴１の注入口４から版胴１内にインク転写用
インクを注入する場合、版胴１の回転を停止させ
て静止状態とする。この静止状態にあつて版胴１
の注入口４は第１図及び第２図に示す如く貫通孔
２ａ…を設けた版胴１上部で且つ版胴１の回転体
３の上方に位置し、且つ注入口４の開口部４ｂは
上方に向けられているために、作業者は開口部４
ｂを封止したスクリユー式キヤツプ６を取り外し
て、容易にインクの注入を行うことができる。

なお、本考案は上記実施例に限定されることな
く、注入口の開口部が上方に向けられていればよ
く、該注入口は版胴のどの位置に設けられてもよ
い。

（考案の効果） 以上の説明より明らかな如く、本考案によれば
版胴の停止時に版胴を半転することなく、版胴内
にインクの注入を行うことができ、又、注入した
インクが版胴外へボタ落ちするという虞もなく、
更には作業上の手間がかかることもない謄写輪転
機用版胴を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る版胴の停止時における断
面側面図、第２図は第１図−線断面図、第３
図は従来の版胴の停止時における側方断面図、第
４図は第３図における版胴を180度半転した図で
ある。 そして図面中、１……謄写輪転機用版胴、３…
…回転体、４……注入口、５……側面部、６……
スクリユー式キヤツプである。尚、図面中、従来
例と同一部品、部材等には同一番号を付してい
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インクを注入するインク注入口を備え、この注
   入口より注入されたインクを、その外周面に設け
   た貫通孔から外周面に捲着された原紙を介して印
   刷用紙にインク転写を行う謄写輪転機用版胴に於
   いて、前記インクの注入口は、版胴の停止時にあ
   つては前記貫通孔を設けた版胴上部で且つ版胴の
   回転体の上方に上方に向けて設けられていること
   を特徴とする謄写輪転機用版胴。