JPH04260379A - 光導波路型固体レーザ素子およびその製造方法 - Google Patents
光導波路型固体レーザ素子およびその製造方法Info
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- JPH04260379A JPH04260379A JP2193791A JP2193791A JPH04260379A JP H04260379 A JPH04260379 A JP H04260379A JP 2193791 A JP2193791 A JP 2193791A JP 2193791 A JP2193791 A JP 2193791A JP H04260379 A JPH04260379 A JP H04260379A
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Landscapes
- Lasers (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光情報処理,光応用
計測制御,光を用いた印刷および光応用医療等の分野に
応用される光導波路型固体レーザ素子およびその製造方
法に関するものである。
計測制御,光を用いた印刷および光応用医療等の分野に
応用される光導波路型固体レーザ素子およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学結晶に希土類元素をドーピングした
固体レーザとして、様々なものがある。1.064〔μ
m〕で発振するNdドープYAG(Y3 Al5 O1
2)はその代表的なもので、既に産業において製品化さ
れている。このような固体レーザに関しては、例えば、
Geusic,J.E.,H.M.Marcos,an
d L.G.Van Uitert ”Laser O
scillations in Nd−Doped Y
ttrium Aluminum,Yttrium G
allium,andGadolinium Garn
ets, ”Applied Physics Let
ters,4,182(1964) 等に詳しく書かれ
ている。これらの固体レーザはネオジウムの3価のイオ
ンを含有した母体結晶に波長809〔nm〕のレーザ光
または白色光源からの光を励起光として照射することに
より、電子の順位を基底状態から 4F3/2 の状態
に上げ、反転分布により4I11/2の状態に下がると
きに1064〔nm〕の光を発光させる。また、Tm〔
ツリウム〕およびEr〔エルビウム〕イオンによる固体
レーザ発振も確認されている。これらは、それぞれ 3
F4 → 3H5 (波長2350〔nm〕)、 4I
13/2→ 4I15/2(波長1600〔nm〕)の
間での反転分布によりレーザ発振するものである。
固体レーザとして、様々なものがある。1.064〔μ
m〕で発振するNdドープYAG(Y3 Al5 O1
2)はその代表的なもので、既に産業において製品化さ
れている。このような固体レーザに関しては、例えば、
Geusic,J.E.,H.M.Marcos,an
d L.G.Van Uitert ”Laser O
scillations in Nd−Doped Y
ttrium Aluminum,Yttrium G
allium,andGadolinium Garn
ets, ”Applied Physics Let
ters,4,182(1964) 等に詳しく書かれ
ている。これらの固体レーザはネオジウムの3価のイオ
ンを含有した母体結晶に波長809〔nm〕のレーザ光
または白色光源からの光を励起光として照射することに
より、電子の順位を基底状態から 4F3/2 の状態
に上げ、反転分布により4I11/2の状態に下がると
きに1064〔nm〕の光を発光させる。また、Tm〔
ツリウム〕およびEr〔エルビウム〕イオンによる固体
レーザ発振も確認されている。これらは、それぞれ 3
F4 → 3H5 (波長2350〔nm〕)、 4I
13/2→ 4I15/2(波長1600〔nm〕)の
間での反転分布によりレーザ発振するものである。
【0003】これらの固体レーザは、発振波長よりも大
きいエネルギー(すなわち、長い波長)を有する光子に
より励起されるものであるが、2種類以上の励起光を用
いてさらに高い順位までエネルギーレベルを上げ、高い
エネルギーで発振させる、いわゆるアップコンバージョ
ンレーザも近年研究が進められている。例えば、赤外線
領域の2波長のレーザ光源を用いて、2段階方式でEr
:YALO3 を励起することにより、 4S3/2
→ 4I5/2 遷移の波長550〔nm〕において、
77Kでの連続発振が実現されている(詳しくはA.J
.Silversmith,W.Lenth,and
R.M.Macfarlane,Applied Ph
ysics Letters vol.51,pp19
7 1987 参照)。これらの励起光源としては、
波長792.1〔nm〕および波長839.8〔nm〕
の2つの色差レーザが用いられている。
きいエネルギー(すなわち、長い波長)を有する光子に
より励起されるものであるが、2種類以上の励起光を用
いてさらに高い順位までエネルギーレベルを上げ、高い
エネルギーで発振させる、いわゆるアップコンバージョ
ンレーザも近年研究が進められている。例えば、赤外線
領域の2波長のレーザ光源を用いて、2段階方式でEr
:YALO3 を励起することにより、 4S3/2
→ 4I5/2 遷移の波長550〔nm〕において、
77Kでの連続発振が実現されている(詳しくはA.J
.Silversmith,W.Lenth,and
R.M.Macfarlane,Applied Ph
ysics Letters vol.51,pp19
7 1987 参照)。これらの励起光源としては、
波長792.1〔nm〕および波長839.8〔nm〕
の2つの色差レーザが用いられている。
【0004】このような従来の固体レーザにおいては、
バルク型の母体結晶に励起光を照射させる。この際、励
起光のパワーを固体レーザの発振閾値以上に保つために
は、励起光を集光させて励起光のパワー密度を高める必
要がある。母体結晶中の励起光のビームウエストサイズ
は、W0 =(λ/πn)1/2 ×(L/2)1/4
×(R−L/2)1/4 で示される。ここではλは
励起光の波長、Rは共振器を構成するミラーの曲率、L
は共振器を構成するミラーが両方とも球面であり、しか
も曲率が等しい場合の共振器長、nは母体結晶の屈折率
である。
バルク型の母体結晶に励起光を照射させる。この際、励
起光のパワーを固体レーザの発振閾値以上に保つために
は、励起光を集光させて励起光のパワー密度を高める必
要がある。母体結晶中の励起光のビームウエストサイズ
は、W0 =(λ/πn)1/2 ×(L/2)1/4
×(R−L/2)1/4 で示される。ここではλは
励起光の波長、Rは共振器を構成するミラーの曲率、L
は共振器を構成するミラーが両方とも球面であり、しか
も曲率が等しい場合の共振器長、nは母体結晶の屈折率
である。
【0005】励起光のパワー密度を上げるために、励起
光をより集光させると、母体結晶中の励起光のビームウ
エストサイズW0 は減少するが、母体結晶中の共振器
方向での広がりが大きくなるため、励起光のパワー密度
を全体的に高めることはできない。また、励起光を集光
させると、励起光のパワー密度の上昇により、母体結晶
中での屈折率が変化し、励起光の波面を乱すこともある
。 そこで、励起光を集光することにより、励起光のパワー
密度を上げるのではなく、母体結晶としてガラスを用い
、共振器を光導波路型にしたり、また母体結晶の結晶成
長させる際、母体結晶をファイバ状に引き上げたりする
など様々な工夫が凝らされている。
光をより集光させると、母体結晶中の励起光のビームウ
エストサイズW0 は減少するが、母体結晶中の共振器
方向での広がりが大きくなるため、励起光のパワー密度
を全体的に高めることはできない。また、励起光を集光
させると、励起光のパワー密度の上昇により、母体結晶
中での屈折率が変化し、励起光の波面を乱すこともある
。 そこで、励起光を集光することにより、励起光のパワー
密度を上げるのではなく、母体結晶としてガラスを用い
、共振器を光導波路型にしたり、また母体結晶の結晶成
長させる際、母体結晶をファイバ状に引き上げたりする
など様々な工夫が凝らされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共振器
内での励起光のパワー密度を上昇させるには、母体結晶
に光導波路を形成することに優位性があるが、従来の固
体レーザでは、光導波路内での光の損失および光導波路
の屈折率変化の度合い等の面から、希土類元素ドープの
母体結晶として優れたYAGおよびYLFなどに、光導
波路を形成することが極めて困難であるという問題があ
った。また、従来の固体レーザは発振閾値が高いため、
小型および軽量である半導体レーザを励起光源として用
いることができないという問題があった。さらに、従来
の固体レーザの製造方法においては、希土類元素のドー
ピングは、引き上げ方法などにより母体結晶を結晶成長
させる際に行われるため、母体結晶に欠陥が起こりやす
く、光学結晶としては劣るという問題があった。
内での励起光のパワー密度を上昇させるには、母体結晶
に光導波路を形成することに優位性があるが、従来の固
体レーザでは、光導波路内での光の損失および光導波路
の屈折率変化の度合い等の面から、希土類元素ドープの
母体結晶として優れたYAGおよびYLFなどに、光導
波路を形成することが極めて困難であるという問題があ
った。また、従来の固体レーザは発振閾値が高いため、
小型および軽量である半導体レーザを励起光源として用
いることができないという問題があった。さらに、従来
の固体レーザの製造方法においては、希土類元素のドー
ピングは、引き上げ方法などにより母体結晶を結晶成長
させる際に行われるため、母体結晶に欠陥が起こりやす
く、光学結晶としては劣るという問題があった。
【0007】この発明の目的は上記問題点に鑑み、励起
光を高パワ−密度状態で閉じ込めることのできる光導波
路を有し、発振閾値の低い光導波路型固体レーザ素子お
よびその製造方法を提供することである。
光を高パワ−密度状態で閉じ込めることのできる光導波
路を有し、発振閾値の低い光導波路型固体レーザ素子お
よびその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光導波路
型固体レーザ素子は、光学結晶基板と、この光学結晶基
板の表面および表面下に形成した希土類原子からなる希
土類ドープ層と、光学結晶基板の表面から深い位置に形
成した光学結晶基板の屈折率より低屈折率のイオン注入
層と、希土類ドープ層上に形成した希土類ドープ層の屈
折率より低屈折率のクラッド層と、入射部となる希土類
ドープ層の一端面に形成した波長0.6〜0.9〔μm
〕の範囲の光に対して高反射率を有する膜と、出射部と
なる希土類ドープ層の他端面に形成した波長0.4〜0
.5〔μm〕の範囲の光に対して高透過率を有しかつ波
長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率
を有する膜とを備えたものである。
型固体レーザ素子は、光学結晶基板と、この光学結晶基
板の表面および表面下に形成した希土類原子からなる希
土類ドープ層と、光学結晶基板の表面から深い位置に形
成した光学結晶基板の屈折率より低屈折率のイオン注入
層と、希土類ドープ層上に形成した希土類ドープ層の屈
折率より低屈折率のクラッド層と、入射部となる希土類
ドープ層の一端面に形成した波長0.6〜0.9〔μm
〕の範囲の光に対して高反射率を有する膜と、出射部と
なる希土類ドープ層の他端面に形成した波長0.4〜0
.5〔μm〕の範囲の光に対して高透過率を有しかつ波
長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率
を有する膜とを備えたものである。
【0009】請求項2記載の光導波路型固体レーザ素子
の製造方法は、希土類原子を含有する物質に電子ビーム
を照射することにより希土類原子を含有する物質から放
出された原子もしくは分子を質量分離し、イオン化され
た希土類原子のみを光学結晶基板上に蒸着させる工程と
、この蒸着した希土類原子を光学結晶基板内に深さ2.
0〔μm〕以下で熱拡散させることにより、希土類ドー
プ層を形成する工程と、表面に0.1〔MeV〕以上の
加速エネルギーでイオンを照射することにより、光学結
晶基板の表面から深さ1.0〔μm〕の位置に光学結晶
基板の屈折率よりも低屈折率のイオン注入層を形成する
工程と、希土類ドープ層上に光学結晶基板の屈折率より
低屈折率のクラッド層を形成する工程と、入射部となる
希土類ドープ層の一端面に、波長0.6〜0.9〔μm
〕の範囲の光に対して高反射率を有する膜を形成し、出
射部となる希土類ドープ層の他端面に、波長0.4〜0
.5〔μm〕の範囲の光に対して高透過率を有し、かつ
波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射
率を有する膜を形成する工程とを含む。
の製造方法は、希土類原子を含有する物質に電子ビーム
を照射することにより希土類原子を含有する物質から放
出された原子もしくは分子を質量分離し、イオン化され
た希土類原子のみを光学結晶基板上に蒸着させる工程と
、この蒸着した希土類原子を光学結晶基板内に深さ2.
0〔μm〕以下で熱拡散させることにより、希土類ドー
プ層を形成する工程と、表面に0.1〔MeV〕以上の
加速エネルギーでイオンを照射することにより、光学結
晶基板の表面から深さ1.0〔μm〕の位置に光学結晶
基板の屈折率よりも低屈折率のイオン注入層を形成する
工程と、希土類ドープ層上に光学結晶基板の屈折率より
低屈折率のクラッド層を形成する工程と、入射部となる
希土類ドープ層の一端面に、波長0.6〜0.9〔μm
〕の範囲の光に対して高反射率を有する膜を形成し、出
射部となる希土類ドープ層の他端面に、波長0.4〜0
.5〔μm〕の範囲の光に対して高透過率を有し、かつ
波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射
率を有する膜を形成する工程とを含む。
【0010】
【作用】請求項1記載の構成によれば、光学結晶基板と
、この光学結晶基板の表面および表面下に形成した希土
類原子からなる希土類ドープ層と、光学結晶基板の表面
から深い位置に形成した光学結晶基板の屈折率より低屈
折率のイオン注入層と、希土類ドープ層上に形成した希
土類ドープ層の屈折率より低屈折率のクラッド層と、入
射部となる希土類ドープ層の一端面に形成した波長0.
6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有す
る膜と、出射部となる希土類ドープ層の他端面に形成し
た波長0.4〜0.5〔μm〕の範囲の光に対して高透
過率を有し、かつ波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の
光に対して高反射率を有する膜とを備えたことにより、
クラッド層と低屈折率のイオン注入層との間の希土類ド
ープ層は低損失および高屈折率変化の光導波路となる。 したがって、光導波路に励起光を高パワー密度状態で閉
じ込めることができ、発振閾値を低くすることができる
。
、この光学結晶基板の表面および表面下に形成した希土
類原子からなる希土類ドープ層と、光学結晶基板の表面
から深い位置に形成した光学結晶基板の屈折率より低屈
折率のイオン注入層と、希土類ドープ層上に形成した希
土類ドープ層の屈折率より低屈折率のクラッド層と、入
射部となる希土類ドープ層の一端面に形成した波長0.
6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有す
る膜と、出射部となる希土類ドープ層の他端面に形成し
た波長0.4〜0.5〔μm〕の範囲の光に対して高透
過率を有し、かつ波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の
光に対して高反射率を有する膜とを備えたことにより、
クラッド層と低屈折率のイオン注入層との間の希土類ド
ープ層は低損失および高屈折率変化の光導波路となる。 したがって、光導波路に励起光を高パワー密度状態で閉
じ込めることができ、発振閾値を低くすることができる
。
【0011】請求項2記載の構成によれば、希土類原子
を含有する物質に電子ビームを照射することにより希土
類原子を含有する物質から放出された原子もしくは分子
を質量分離し、イオン化された希土類原子のみを光学結
晶基板上に蒸着した後、この蒸着した希土類原子を光学
結晶基板内に熱拡散させることにより、希土類ドープ層
を形成する。これにより、光学結晶基板に結晶欠陥を与
えることなく、低損失および屈折率の向上した希土類ド
ープ層を形成することができる。
を含有する物質に電子ビームを照射することにより希土
類原子を含有する物質から放出された原子もしくは分子
を質量分離し、イオン化された希土類原子のみを光学結
晶基板上に蒸着した後、この蒸着した希土類原子を光学
結晶基板内に熱拡散させることにより、希土類ドープ層
を形成する。これにより、光学結晶基板に結晶欠陥を与
えることなく、低損失および屈折率の向上した希土類ド
ープ層を形成することができる。
【0012】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の光導波路型固体
レーザ素子の構成を示す断面図である 。図1におい
て、1はLiNbO3 結晶からなる光学結晶基板であ
り、非線形光学効果を有する。また、2は希土類原子と
して、Tm(トリウム)をドーピングした希土類ドープ
層、3はイオン注入法により形成した光学結晶基板の屈
折率より低屈折率のイオン注入層、4はクラッド層であ
る。
レーザ素子の構成を示す断面図である 。図1におい
て、1はLiNbO3 結晶からなる光学結晶基板であ
り、非線形光学効果を有する。また、2は希土類原子と
して、Tm(トリウム)をドーピングした希土類ドープ
層、3はイオン注入法により形成した光学結晶基板の屈
折率より低屈折率のイオン注入層、4はクラッド層であ
る。
【0013】図1に示すように、光導波路型固体レーザ
素子Xは、光学結晶基板1と、この光学結晶基板1の表
面および表面下に形成した希土類原子からなる希土類ド
ープ層2と、光学結晶基板1の表面から深い位置に形成
した光学結晶基板1の屈折率より低屈折率のイオン注入
層3と、希土類ドープ層2上に形成した希土類ドープ層
2の屈折率より低屈折率のクラッド層4と、入射部およ
び出射部となる希土類ドープ層2の両端面(紙面に対し
て垂直方向)に形成した膜(図示せず)とからなる。
素子Xは、光学結晶基板1と、この光学結晶基板1の表
面および表面下に形成した希土類原子からなる希土類ド
ープ層2と、光学結晶基板1の表面から深い位置に形成
した光学結晶基板1の屈折率より低屈折率のイオン注入
層3と、希土類ドープ層2上に形成した希土類ドープ層
2の屈折率より低屈折率のクラッド層4と、入射部およ
び出射部となる希土類ドープ層2の両端面(紙面に対し
て垂直方向)に形成した膜(図示せず)とからなる。
【0014】希土類ドープ層3は厚み3.0〔μm〕以
下としたものであり、また、イオン注入層3は光学結晶
基板1の表面から深さ1.0〔μm〕の位置に形成した
ものである。このイオン注入層3の深みは波長0.45
〔nm〕の光に対して、シングルモード導波路となり、
また希土類ドープ層3の厚みは上記シングルモード導波
路とのオーバラップを考慮した上で十分の厚みとなる。
下としたものであり、また、イオン注入層3は光学結晶
基板1の表面から深さ1.0〔μm〕の位置に形成した
ものである。このイオン注入層3の深みは波長0.45
〔nm〕の光に対して、シングルモード導波路となり、
また希土類ドープ層3の厚みは上記シングルモード導波
路とのオーバラップを考慮した上で十分の厚みとなる。
【0015】波長633〔nm〕の光に対する光学結晶
基板1の屈折率は、常光線(n0 )に対して2.28
、異常光線(ne)に対して2.20である。また、こ
れに対して、波長633〔nm〕の光に対するイオン注
入層3の屈折率は、常光線(n0 )に対して2.12
、異常光線(ne)に対して2.10であり、光学結晶
基板1の屈折率より低屈折率である。またSiO2 膜
からなるクラッド層4の屈折率は1.47である。これ
により、クラッド層4の下部すなわちクラッド層4とイ
オン注入層3との間の希土類ドープ層2は光導波路とな
り、この光導波路に入射光を高パワー密度状態で閉じ込
める。
基板1の屈折率は、常光線(n0 )に対して2.28
、異常光線(ne)に対して2.20である。また、こ
れに対して、波長633〔nm〕の光に対するイオン注
入層3の屈折率は、常光線(n0 )に対して2.12
、異常光線(ne)に対して2.10であり、光学結晶
基板1の屈折率より低屈折率である。またSiO2 膜
からなるクラッド層4の屈折率は1.47である。これ
により、クラッド層4の下部すなわちクラッド層4とイ
オン注入層3との間の希土類ドープ層2は光導波路とな
り、この光導波路に入射光を高パワー密度状態で閉じ込
める。
【0016】また、光導波路における共振器は、入射部
および出射部となる希土類ドープ層2の両端面に形成し
た膜から構成される。この入射部に形成した膜は、広帯
域(波長400〔nm〕〜波長900〔nm〕)の光に
対して全反射膜となり、また、出射部に形成した膜は、
波長650〔nm〕および波長795〔nm〕の光に対
しては、反射膜となり、波長450〔nm〕の光に対し
ては透過率90%の透過膜となる。
および出射部となる希土類ドープ層2の両端面に形成し
た膜から構成される。この入射部に形成した膜は、広帯
域(波長400〔nm〕〜波長900〔nm〕)の光に
対して全反射膜となり、また、出射部に形成した膜は、
波長650〔nm〕および波長795〔nm〕の光に対
しては、反射膜となり、波長450〔nm〕の光に対し
ては透過率90%の透過膜となる。
【0017】なお、入射部および出射部となる希土類ド
ープ層2の両端面に形成した膜の特性は、これに限らず
、入射部となる希土類ドープ層2の端面に形成した膜は
、波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反
射率を有し、出射部となる希土類ドープ層の端面に形成
した波長0.4〜0.5〔μm〕の範囲の光に対して高
透過率を有しかつ波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の
光に対して高反射率を有する膜であれば良い。
ープ層2の両端面に形成した膜の特性は、これに限らず
、入射部となる希土類ドープ層2の端面に形成した膜は
、波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反
射率を有し、出射部となる希土類ドープ層の端面に形成
した波長0.4〜0.5〔μm〕の範囲の光に対して高
透過率を有しかつ波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の
光に対して高反射率を有する膜であれば良い。
【0018】このように構成した光導波路型固体レーザ
素子を用いた光導波路型固体レーザ装置を図2に基づい
て説明する。図2は、この発明の一実施例の光導波路型
固体レーザ素子を用いた光導波路型固体レーザ装置の構
成を示す概念図である。図2において、8は光導波路、
11は第1の励起光源、12は第2の励起光源、13は
第1の励起光源11により出射した平行光、14は第2
の励起光源12により出射した平行光、15は2つの光
(平行光13および平行光14)を合波させるためのダ
イクロイックミラー、16は合波した平行光を光導波路
8に結合するための集光レンズ、17は入射部、18は
出射部、19は光導波路8により発振されたレーザ光で
ある。なお、図1と同符号の部分は同様の部分を示す。
素子を用いた光導波路型固体レーザ装置を図2に基づい
て説明する。図2は、この発明の一実施例の光導波路型
固体レーザ素子を用いた光導波路型固体レーザ装置の構
成を示す概念図である。図2において、8は光導波路、
11は第1の励起光源、12は第2の励起光源、13は
第1の励起光源11により出射した平行光、14は第2
の励起光源12により出射した平行光、15は2つの光
(平行光13および平行光14)を合波させるためのダ
イクロイックミラー、16は合波した平行光を光導波路
8に結合するための集光レンズ、17は入射部、18は
出射部、19は光導波路8により発振されたレーザ光で
ある。なお、図1と同符号の部分は同様の部分を示す。
【0019】図2に示すように、第1の励起光源11に
より出射した波長795〔nm〕の平行光13と、第2
の励起光源12により出射した波長650〔nm〕の平
行光14とをダイクロイックミラー15で合波させ、こ
の合波させた光を集合レンズ16により集光する。そし
て、この集光した光すなわち励起光を光導波路固体レー
ザ素子Xの入射部17から光導波路8に照射させる。光
導波路8は励起光を高パワー密度状態で閉じ込め、励起
光を入射部17および出射部18に形成した膜により構
成した共振器により共振させることにより、出射部18
から高出力のレーザ光19を出射させる。
より出射した波長795〔nm〕の平行光13と、第2
の励起光源12により出射した波長650〔nm〕の平
行光14とをダイクロイックミラー15で合波させ、こ
の合波させた光を集合レンズ16により集光する。そし
て、この集光した光すなわち励起光を光導波路固体レー
ザ素子Xの入射部17から光導波路8に照射させる。光
導波路8は励起光を高パワー密度状態で閉じ込め、励起
光を入射部17および出射部18に形成した膜により構
成した共振器により共振させることにより、出射部18
から高出力のレーザ光19を出射させる。
【0020】このように構成した光導波路型固体レーザ
装置は、第1の励起光源11の出射パワーを100〔m
W〕とし、第2の励起光源12の出射パワーを100〔
mW〕とした場合、1〔mW〕以上の高出力の波長45
0〔nm〕のレーザ光19を得ることができた。ここで
、図3を参照しながら、光導波路型固体レーザ素子を構
成する光導波路の光吸収特性について説明する。なお、
図3において、縦軸は光導波路における光の吸収の度合
いおよび横軸は光の波長〔nm〕を示す。
装置は、第1の励起光源11の出射パワーを100〔m
W〕とし、第2の励起光源12の出射パワーを100〔
mW〕とした場合、1〔mW〕以上の高出力の波長45
0〔nm〕のレーザ光19を得ることができた。ここで
、図3を参照しながら、光導波路型固体レーザ素子を構
成する光導波路の光吸収特性について説明する。なお、
図3において、縦軸は光導波路における光の吸収の度合
いおよび横軸は光の波長〔nm〕を示す。
【0021】図3に示すように、第1の励起光源11よ
り出射する波長650〔nm〕の平行光13および第2
の励起光源12により出射する波長795〔nm〕の平
行光14は、光導波路となる希土類ドープ層2を構成す
るTm(ツリウム)の吸収領域の波長を有する。すなわ
ち、波長795〔nm〕はTmの基底状態から 3F4
の状態への遷移であり、また波長650〔nm〕はT
mの 3F4 の状態から 1D2 の状態への遷移に
相当する。反転分布が生じると、Tmは1D2 の状態
から基底状態に遷移する。これにより、波長450〔n
m〕の共振が起きる。LiNbO3 結晶からなる光学
結晶基板1の吸収端は波長340〔nm〕であるため、
波長450〔nm〕の光を吸収せずに共振する。
り出射する波長650〔nm〕の平行光13および第2
の励起光源12により出射する波長795〔nm〕の平
行光14は、光導波路となる希土類ドープ層2を構成す
るTm(ツリウム)の吸収領域の波長を有する。すなわ
ち、波長795〔nm〕はTmの基底状態から 3F4
の状態への遷移であり、また波長650〔nm〕はT
mの 3F4 の状態から 1D2 の状態への遷移に
相当する。反転分布が生じると、Tmは1D2 の状態
から基底状態に遷移する。これにより、波長450〔n
m〕の共振が起きる。LiNbO3 結晶からなる光学
結晶基板1の吸収端は波長340〔nm〕であるため、
波長450〔nm〕の光を吸収せずに共振する。
【0022】次に、この発明の一実施例の光導波路型固
体レーザ素子の製造方法を図4(a) 〜(e) およ
び図5に基づいて説明する。図4(a) 〜(e) は
この発明の一実施例の光導波路型固体レーザ素子の製造
方法を示す工程順断面図、図5は同光導波路型固体レー
ザ素子の製造方法に用いる蒸着装置の主要部を示す概念
図である。
体レーザ素子の製造方法を図4(a) 〜(e) およ
び図5に基づいて説明する。図4(a) 〜(e) は
この発明の一実施例の光導波路型固体レーザ素子の製造
方法を示す工程順断面図、図5は同光導波路型固体レー
ザ素子の製造方法に用いる蒸着装置の主要部を示す概念
図である。
【0023】図4(a) に示すように、光学結晶基板
1上に希土類原子を蒸着させ、蒸着膜2aを形成する。 この希土類原子の蒸着に用いる蒸着装置の主要部を図5
に示す。図5に示すように、蒸着装置は電子銃31と、
るつぼに希土類原子を含有した物質を充填したターゲッ
ト33と、質量分析器34とからなる。
1上に希土類原子を蒸着させ、蒸着膜2aを形成する。 この希土類原子の蒸着に用いる蒸着装置の主要部を図5
に示す。図5に示すように、蒸着装置は電子銃31と、
るつぼに希土類原子を含有した物質を充填したターゲッ
ト33と、質量分析器34とからなる。
【0024】このように構成した蒸着装置を用いて、タ
ーゲット33である希土類原子を含有した物質を高温状
態に保持し、この希土類原子を含有した物質に電子銃3
1により電子ビーム32を照射させる。これにより、こ
の希土類原子を含有した物質から原子または分子が飛び
出す。この飛び出した原子または分子のうち、質量分析
器34により磁界を用いて、イオン化した希土類原子3
5のみを選択して、光学結晶基板1上に蒸着させる。な
お、この希土類原子からなる蒸着膜2aの厚みは、40
00〜10000 〔Å〕である。
ーゲット33である希土類原子を含有した物質を高温状
態に保持し、この希土類原子を含有した物質に電子銃3
1により電子ビーム32を照射させる。これにより、こ
の希土類原子を含有した物質から原子または分子が飛び
出す。この飛び出した原子または分子のうち、質量分析
器34により磁界を用いて、イオン化した希土類原子3
5のみを選択して、光学結晶基板1上に蒸着させる。な
お、この希土類原子からなる蒸着膜2aの厚みは、40
00〜10000 〔Å〕である。
【0025】次に、図4(b) に示すように、光学結
晶基板1を高温槽内に設置し、光学結晶基板1の温度を
200〜500〔°C〕の範囲に上昇させることにより
、表面に形成した蒸着膜2aを構成する希土類原子を光
学結晶基板1の表面から深さ1〔μm〕程度まで拡散さ
せる。これにより、希土類ドープ層2を形成する。次に
、図4(c) に示すように、表面にHe+ イオンお
よびO+ イオン50を加速エネルギー:1〜3〔Me
V〕、イオン電流:1〔μm〕、ドーズ量:1×101
6〔/cm−2〕の条件で照射する。これにより、光学
結晶基板1の表面から深さ1〔μm〕の位置に、深さ方
向の幅1〔μm〕のイオン注入層3を形成する。このイ
オン注入層3は光学結晶基板1の屈折率より低屈折率で
ある。
晶基板1を高温槽内に設置し、光学結晶基板1の温度を
200〜500〔°C〕の範囲に上昇させることにより
、表面に形成した蒸着膜2aを構成する希土類原子を光
学結晶基板1の表面から深さ1〔μm〕程度まで拡散さ
せる。これにより、希土類ドープ層2を形成する。次に
、図4(c) に示すように、表面にHe+ イオンお
よびO+ イオン50を加速エネルギー:1〜3〔Me
V〕、イオン電流:1〔μm〕、ドーズ量:1×101
6〔/cm−2〕の条件で照射する。これにより、光学
結晶基板1の表面から深さ1〔μm〕の位置に、深さ方
向の幅1〔μm〕のイオン注入層3を形成する。このイ
オン注入層3は光学結晶基板1の屈折率より低屈折率で
ある。
【0026】次に、図4(d) に示すように、光学結
晶基板1に温度200〔°C〕で時間30〔分間〕のア
ニール処理を施す。そして、図4(e) に示すように
、厚み1000〔Å〕のSiO2 膜を形成し、フォト
リソグラフィ法により幅3〜5〔μm〕のクラッド層4
を形成する。その後、入射部および出射部となる両端面
に膜(図示せず)を形成する。入射部には、波長0.6
〜0.9〔μm〕の光に対して高反射率を有する膜を形
成し、また、出射部には、波長0.4〜0.5〔μm〕
の光に対して高透過率を有し、かつ波長0.6〜0.9
〔μm〕の光に対して高反射率を有する膜を形成する。
晶基板1に温度200〔°C〕で時間30〔分間〕のア
ニール処理を施す。そして、図4(e) に示すように
、厚み1000〔Å〕のSiO2 膜を形成し、フォト
リソグラフィ法により幅3〜5〔μm〕のクラッド層4
を形成する。その後、入射部および出射部となる両端面
に膜(図示せず)を形成する。入射部には、波長0.6
〜0.9〔μm〕の光に対して高反射率を有する膜を形
成し、また、出射部には、波長0.4〜0.5〔μm〕
の光に対して高透過率を有し、かつ波長0.6〜0.9
〔μm〕の光に対して高反射率を有する膜を形成する。
【0027】このように、ターゲット33である希土類
原子を含有する物質に電子ビーム32を照射することに
より原子または分子を放出させ、この放出した原子また
は分子を質量分離器34により質量分離し、イオン化さ
れた希土類原子のみを光学結晶基板1上に蒸着させ蒸着
膜2aを形成する。そして、蒸着膜2aを構成する希土
類原子を光学結晶基板1内に熱拡散させることにより、
希土類ドープ層2を形成する。これにより、光学結晶基
板1に結晶欠陥を与えることなく、低損失および屈折率
の向上した希土類ドープ層2を形成することができる。
原子を含有する物質に電子ビーム32を照射することに
より原子または分子を放出させ、この放出した原子また
は分子を質量分離器34により質量分離し、イオン化さ
れた希土類原子のみを光学結晶基板1上に蒸着させ蒸着
膜2aを形成する。そして、蒸着膜2aを構成する希土
類原子を光学結晶基板1内に熱拡散させることにより、
希土類ドープ層2を形成する。これにより、光学結晶基
板1に結晶欠陥を与えることなく、低損失および屈折率
の向上した希土類ドープ層2を形成することができる。
【0028】なお、この実施例では、希土類ドープ層2
を構成する希土類元素として、Tm(ツリウム)を用い
たが、これに限らず、Er(エルビウム),Nd(ネオ
ジム),Ho(ホルミウム),Pm(プロメチウム)ま
たはSm(サマリウム)等の希土類元素を用いても同様
に短波長の出射光を得ることができる。また、実施例で
は、LiNbO3 結晶を光学結晶基板1として用いた
が、これに限らず、YAGなどのカーネット系の結晶基
板またはファイバーでも良い。
を構成する希土類元素として、Tm(ツリウム)を用い
たが、これに限らず、Er(エルビウム),Nd(ネオ
ジム),Ho(ホルミウム),Pm(プロメチウム)ま
たはSm(サマリウム)等の希土類元素を用いても同様
に短波長の出射光を得ることができる。また、実施例で
は、LiNbO3 結晶を光学結晶基板1として用いた
が、これに限らず、YAGなどのカーネット系の結晶基
板またはファイバーでも良い。
【0029】
【発明の効果】請求項1記載の光導波路型固体レーザ素
子によれば、光学結晶基板と、この光学結晶基板の表面
および表面下に形成した希土類原子からなる希土類ドー
プ層と、光学結晶基板の表面から深い位置に形成した光
学結晶基板の屈折率より低屈折率のイオン注入層と、希
土類ドープ層上に形成した希土類ドープ層の屈折率より
低屈折率のクラッド層と、入射部となる希土類ドープ層
の一端面に形成した波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲
の光に対して高反射率を有する膜と、出射部となる希土
類ドープ層の他端面に形成した波長0.4〜0.5〔μ
m〕の範囲の光に対して高透過率を有し、かつ波長0.
6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有す
る膜とを備えたことにより、クラッド層とイオン注入層
との間の希土類ドープ層は低損失および高屈折率変化の
光導波路となる。したがって、この光導波路に励起光を
高パワー密度状態で閉じ込めることができ、発振閾値を
低くすることができる。その結果、小型および軽量の半
導体レーザを励起光源として用いることのできる高効率
の光導波路型固体レーザ素子を得ることができる。
子によれば、光学結晶基板と、この光学結晶基板の表面
および表面下に形成した希土類原子からなる希土類ドー
プ層と、光学結晶基板の表面から深い位置に形成した光
学結晶基板の屈折率より低屈折率のイオン注入層と、希
土類ドープ層上に形成した希土類ドープ層の屈折率より
低屈折率のクラッド層と、入射部となる希土類ドープ層
の一端面に形成した波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲
の光に対して高反射率を有する膜と、出射部となる希土
類ドープ層の他端面に形成した波長0.4〜0.5〔μ
m〕の範囲の光に対して高透過率を有し、かつ波長0.
6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有す
る膜とを備えたことにより、クラッド層とイオン注入層
との間の希土類ドープ層は低損失および高屈折率変化の
光導波路となる。したがって、この光導波路に励起光を
高パワー密度状態で閉じ込めることができ、発振閾値を
低くすることができる。その結果、小型および軽量の半
導体レーザを励起光源として用いることのできる高効率
の光導波路型固体レーザ素子を得ることができる。
【0030】請求項2記載の光導波路型固体レーザ素子
の製造方法によれば、希土類原子を含有する物質に電子
ビームを照射することにより希土類原子を含有する物質
から放出された原子もしくは分子を質量分離し、イオン
化された希土類原子のみを光学結晶基板上に蒸着した後
、この蒸着した希土類原子を光学結晶基板内に熱拡散さ
せることにより、希土類ドープ層を形成する。これによ
り、光学結晶基板に結晶欠陥を与えることなく、低損失
および屈折率の向上した希土類ドープ層を形成すること
ができる。その結果、励起光を高パワ−密度状態で閉じ
込めることができる光導波路を有し、発振閾値の低い光
導波路型固体レーザ素子を製造することができる。
の製造方法によれば、希土類原子を含有する物質に電子
ビームを照射することにより希土類原子を含有する物質
から放出された原子もしくは分子を質量分離し、イオン
化された希土類原子のみを光学結晶基板上に蒸着した後
、この蒸着した希土類原子を光学結晶基板内に熱拡散さ
せることにより、希土類ドープ層を形成する。これによ
り、光学結晶基板に結晶欠陥を与えることなく、低損失
および屈折率の向上した希土類ドープ層を形成すること
ができる。その結果、励起光を高パワ−密度状態で閉じ
込めることができる光導波路を有し、発振閾値の低い光
導波路型固体レーザ素子を製造することができる。
【図1】図1はこの発明の一実施例の光導波路型固体レ
ーザ素子の構成を示す断面図である。
ーザ素子の構成を示す断面図である。
【図2】図2はこの発明の一実施例の光導波路型固体レ
ーザ素子を用いた光導波路型固体レーザ装置の構成を示
す概念図である。
ーザ素子を用いた光導波路型固体レーザ装置の構成を示
す概念図である。
【図3】図3はこの発明の一実施例の光導波路型固体レ
ーザ素子を構成する光導波路の光吸収特性を示す図であ
る。
ーザ素子を構成する光導波路の光吸収特性を示す図であ
る。
【図4】図4(a) 〜(e) はこの発明の一実施例
の光導波路型固体レーザ素子の製造方法を示す工程順断
面図である。
の光導波路型固体レーザ素子の製造方法を示す工程順断
面図である。
【図5】図5はこの発明の一実施例の光導波路型固体レ
ーザ素子の製造方法に用いる蒸着装置の主要部を示す概
念図である。
ーザ素子の製造方法に用いる蒸着装置の主要部を示す概
念図である。
1 光学結晶基板
2 希土類ドープ層
3 イオン注入層
4 クラッド層
Claims (2)
- 【請求項1】 光学結晶基板と、この光学結晶基板の
表面および表面下に形成した希土類原子からなる希土類
ドープ層と、前記光学結晶基板の表面から深い位置に形
成した前記光学結晶基板の屈折率より低屈折率のイオン
注入層と、前記希土類ドープ層上に形成した前記希土類
ドープ層の屈折率より低屈折率のクラッド層と、入射部
となる前記希土類ドープ層の一端面に形成した波長0.
6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有す
る膜と、出射部となる前記希土類ドープ層の他端面に形
成した波長0.4〜0.5〔μm〕の範囲の光に対して
高透過率を有しかつ波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲
の光に対して高反射率を有する膜とを備えた光導波路型
固体レーザ素子。 - 【請求項2】 希土類原子を含有する物質に電子ビー
ムを照射することにより前記希土類原子を含有する物質
から放出された原子もしくは分子を質量分離し、イオン
化された希土類原子のみを光学結晶基板上に蒸着させる
工程と、この蒸着した希土類原子を前記光学結晶基板内
に深さ2.0〔μm〕以下で熱拡散させることにより、
希土類ドープ層を形成する工程と、表面に0.1〔Me
V〕以上の加速エネルギーでイオンを照射することによ
り、前記光学結晶基板の表面から深さ1.0〔μm〕の
位置に前記光学結晶基板の屈折率よりも低屈折率のイオ
ン注入層を形成する工程と、前記希土類ドープ層上に前
記光学結晶基板の屈折率より低屈折率のクラッド層を形
成する工程と、入射部となる前記希土類ドープ層の一端
面に、波長0.6〜0.9〔μm〕の範囲の光に対して
高反射率を有する膜を形成し、出射部となる前記希土類
ドープ層の他端面に、波長0.4〜0.5〔μm〕の範
囲の光に対して高透過率を有し、かつ波長0.6〜0.
9〔μm〕の範囲の光に対して高反射率を有する膜を形
成する工程とを含む光導波路型固体レーザ素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2193791A JPH04260379A (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | 光導波路型固体レーザ素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2193791A JPH04260379A (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | 光導波路型固体レーザ素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04260379A true JPH04260379A (ja) | 1992-09-16 |
Family
ID=12068963
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2193791A Pending JPH04260379A (ja) | 1991-02-15 | 1991-02-15 | 光導波路型固体レーザ素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04260379A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015032722A (ja) * | 2013-08-05 | 2015-02-16 | 日本電信電話株式会社 | 光素子およびその製造方法 |
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1991
- 1991-02-15 JP JP2193791A patent/JPH04260379A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015032722A (ja) * | 2013-08-05 | 2015-02-16 | 日本電信電話株式会社 | 光素子およびその製造方法 |
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