JPH042571Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は透写台用テーブル角度可変装置に関
し、特に厚みのあるテーブルに照明器具を内蔵す
る透写テーブルの支持に好適なテーブル角度可変
装置に関する。

［従来技術］ 従来の第６図に示すような製図板等のテーブル
角度可変装置は、固定枠１０１に対して傾斜可能
に前端縁をヒンジで止着した可動枠１０２と、固
定枠１０１の中央に設置されたスクリユーシヤフ
ト１０４上を、該シヤフトの回転によつて摺動す
るスライダ１０３とをリンク１０５で連結し、手
前のハンドル１０６を操作してスクリユーシヤフ
トを回転させることによつてスライダを前後動さ
せてリンクを起伏させ、可動枠の傾きを可変とす
るようにしたものである。（実開昭55−54040号） 又、第７図に示すようなものもある。

この製図板等のテーブル角度可変装置は、机上等
に載置する固定枠２０１の前縁部２０１ａに製図
板支持用の可動枠２０２の前縁部２０２ａを枢着
する一方、可動枠の中間部ないし後縁側を固定枠
上に伸縮式の支持リンク、例えば、パンタグラフ
２０５等で高さ調整可能に支持し、この支持リン
クを中間支点部２０３に螺合したスクリユーシヤ
フト２０４のハンドル２０６の回転操作によつて
伸縮させ、これによつて可動枠の傾斜角度を調整
するようにしたものである。（実開昭55−12882
号） 更に、第８図に示すようにスクリユーシヤフト
３０４を固定枠３０１の一側端に水平設置し、可
動枠３０２とハンドル３０６との干渉を回避して
操作性を高めると共に、可動枠と固定枠のそれぞ
れの前端縁３０２ａ，３０１ａを揃えてヒンジ止
め可能にした製図板等のテーブル角度可変装置も
ある。なお、図中３０３はナツト、３０５はリン
クを示す。

（実開昭55−5515号） ［考案が解決しようとする問題点］ ところが、第６図の装置の場合固定枠１０１の
前端縁１０１ａが可動枠１０２の前端縁１０２ａ
よりも手前側へ突出していなければ、可動枠の角
度が大きくなつたときハンドル１０６が可動枠の
前端縁１０２ａに当つてしまう。特に可動枠の厚
みがある場合、例えば透写台のように照明器具を
内蔵するためテーブル・可動部が厚くなるような
場合には固定枠の前端縁を更に手前側へ突出させ
なければ、ハンドルとの干渉及びハンドル操作性
の悪化等は回避できない。このため、使用者から
テーブル面が離れることとなり使用勝手の悪いも
のとなる。又、ハンドル部分だけを可動枠に当た
らないように手前側へ突出させることも考えられ
るが、ハンドルの収納などが困難であるし使用者
にも邪魔なものとなり、結局は上述の不利は免れ
ない。

又、第７図の装置の場合固定枠２０１を可動枠
２０２よりも手前側に突出さなくて済む利点があ
るが、支持リンク２０５の伸縮に伴つて、中間支
点部２０３の高さが変化するため、スクリユーシ
ヤフト２０４及びその操作用ハンドル２０６の軸
心角度が上下方向に変化して操作し難いという問
題がある。

更に、第８図の装置の場合スクリユーシヤフト
３０４を固定枠３０１の一側端に水平に設置して
ハンドル操作性の向上を図つているが、駆動部を
偏在させ且つ他側端をリンク３０５だけで支持す
るように設けられているため、荷重バランスが悪
く捩れ等が生じてスムースにならない問題があ
る。

このように、従来の製図板等のテーブル角度可
変装置では、ハンドル操作性が悪い。固定部が可
動部よりも手前に突出する、可動部が重量物にな
るとスムースに作動できない等の問題があるた
め、照明器具を内蔵することから厚み方向に嵩張
りかつ重量のある透写テーブルを支持し、且つ回
動自在とするには敵してない。

そこで、本考案は可動部である透写テーブルよ
りも手前に固定部であるスタンドを突出させる必
要がなくコンパクトで、しかもハンドル操作が良
好でかつスムースにテーブルの傾斜角度を変更し
うる透写台用テーブル角度可変装置を提供するこ
とを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 斯かる目的を達成するため、本考案は固定部で
あるスタンドに対し所望角度で傾斜可能に揺動自
在に固着した可動部である透写テーブルと、当該
スタンドの中央部に取付けかつ透写テーブルの下
面に設置したボツクス内に回転自在なスクリユー
シヤフト上を摺動するスライダをリンクで滑節連
結し、スクリユーシヤフトの基端側のボツクス外
に設けたハンドル操作によつて前記リンクを起伏
させテーブルの傾きを可変とする透写台におい
て、前記ボツクスをボツクス前面部に向かう程深
くなるように底面を傾斜させ、スクリユーシヤフ
トをボツクスの底面と平行になるように下り勾配
で傾斜させて取付けてなる。

［実施例］ 以下、本考案の構成を図面に示す一実施例に基
づいて詳細に説明する。

第１図は、本考案に係るスタンド型透写台の一
部中央縦断面図である。

この透写台は、逆Ｔ字型のスタンド１と該スタン
ドに回動自在に連結され載置されている透写テー
ブル２及び透写テーブルを持上げ、傾きを変える
傾斜角調整機構３とからなる。

前記透写テーブル２は、乳白色のガラスあるい
は合成樹脂などの透光性材料のパネルでテーブル
面を形成し、内部に蛍光ランプ及び反射板等より
なる照明器具を収納してなる。この透写テーブル
は両側端部のブラケツト４の手前側の通孔に締付
ボルト５を通してスタンド１に回動自在に軸支さ
れている。勿論、該透写テーブルはブラケツトの
奥行き側の通孔６を使用することによつて完全に
固定台とすることも可能である。

前記傾斜角調整機構３は、スクリユーシヤフト
７と、スクリユーシヤフトの回転によつて該シヤ
フト上を移動するスライダ８と、該スライダと可
動部たる透写テーブル２とを連結するリンク９、
及び該リンクの一端を透写テーブルに回動自在に
固定するサドル１０と、スクリユーシヤフトの基
端側に設けたハンドル１４とから主に構成されて
いる。

この傾斜角調整機構はスライダを螺合した状態の
スクリユーシヤフトをボツクス１１の底面に回転
自在に固定することによつて全体がボツクス内に
収容された状態でユニツト化されており、固定部
たるスタンド１の正面中央の上部ステー１ａに一
体的に着脱しうるように、かつ透写テーブルの下
面の適所に設けられている。

又、ボツクスは、スクリユーシヤフトの基端側
であるハンドル１４側のボツクス前面部１１ｂに
向かうほど深くなるように底面１１ａが傾斜して
いる。更に、スクリユーシヤフトが貫通するボツ
クスの前面部１１ｂはハンドルと直交するように
傾斜して形成されている。

従つて、第３図に示すようにブラケツト１２及
び透孔１３に締付ボルトを通してボツクスをスタ
ンド中央部及び透写テーブルの下面に取付けれ
ば、スクリユーシヤフトは自ずと手前側に下り勾
配で傾斜することとなる。

なお、可動部たる透写テーブル２とリンク９と
はサドル１０を介して回動自在に連結されている
が、このときのスムースな回転を確保するために
は、リンクにスリーブ１５を嵌めてからサドルを
取付けることが好ましい。また、ハンドル１４は
ボツクス１１の外において、スクリユーシヤフト
７の軸端に固着されている。

［作用］ 以上のように構成された、本考案の透写台用テ
ーブル角度可変装置は、従来の装置に比べてハン
ドルの操作性、機械的強度並びにコンパクト性の
点においても有利なものである。

例えば、本考案の一実施例を示す第４図のスケ
ルトン図と従来装置を示す第５図のスケルトン図
とを比較してみると明らかである。

すなわち、透写テーブル２（可動部）の傾斜角
度、支点１６の位置及び支点１６からハンドル中
心までの長さｍを同一とすれば、ボツクス内でス
クリユーシヤフト７がボツクス前面部から奥行側
に向けて上り勾配となるようにあらかじめ、所定
角度で傾斜され、取付けられている本考案のテー
ブル角度可変装置の場合、スクリユーシヤフト自
体の傾斜による縦方向変位成分がリンク９の起伏
による縦変位量に加えられるため、リンク９の長
さを従来の′よりも短くでき（＜′）さら
にこのことはスクリユーシヤフト７の長さＬをも
従来のL′よりも短くできる。リンク及びスクリユ
ーシヤフトを短くできることは機械的強度が大き
くなることであり、装置全体をコンパクトにいて
透写テーブルよりも手前に突出することを防止し
うる。又、ハンドル１４を操作する上で透写テー
ブルとの〓間ｈが問題となるが、前記のようにボ
ツクス内のスクリユーシヤフトを傾斜させると共
にボツクス前面部がハンドルと直交するように傾
斜されており、透写テーブルとほぼ平行にハンド
ルが位置するように設けているので、〓間ｈを従
来品のh′より広く、かつ開放的にしたのでハンド
ル操作が極めて楽にできる。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、本考案は、ボ
ツクス内にスクリユーシヤフト等を収納し、かつ
ボツクス外にハンドルを設置すると共にボツクス
の前面部に向う程深くなるように底面を傾斜させ
て、スクリユーシヤフトをボツクスの底面と平方
になるように下り勾配で傾斜させて傾斜させて取
付けたので、透写テーブルをスタンドより手前側
に突出させてもハンドルと干渉することもない
し、ハンドル操作の際そのがたつきが生じること
もなく、又、傾斜状態のテーブルに対しハンドル
がほぼ平行状態に近い配置を採り双方の間隔を広
くできることから、干渉は勿論のことハンドル操
作性も向上する。

又、このテーブル角度可変装置は、あらかじめ
スクリユーシヤフトを傾斜させているのでその分
の縦方向変位量がリンクのリフト量に加えられリ
ンクひいてはスクリユーシヤフトを短くでき、装
置のコンパクト化と機械的強度の強化が達成でき
る。しかも、スクリユーシヤフト等を収納したボ
ツクスをスタンドの中央部に取付け配置して荷重
バランスを良くしているので、透写テーブルが重
量物であつてもスムースに可動する等の利点を有
し、その実用上の価値は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る一実施例を示す一部中央
縦断面図、第２図はその正面図、第３図は傾斜角
調整機構の一実施例を示す斜視図、第４図は第１
図に示す本実施例装置のスケルトン図、第５図は
同条件における従来装置のスケルトン図、第６図
は従来のテーブル角度可変装置のスケルトン図、
第７図は同じく他の例を示すスケルトン図、第８
図は更に他の例を示すスケルトン図である。 １……スタンド、２……テーブル、３……傾斜
角調整機構、７……スクリユーシヤフト、８……
スライダ、９……リンク、１１……ボツクス、１
１ｂ……ボツクス前面部、１４……ハンドル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スタンドの上端に透写テーブルを回動自在に軸
   支し、又、スタンドの正面中央部に取付け、かつ
   透写テーブルの下面に回動自在に軸支したテーブ
   ル傾斜角調整機構よりなる透写台において、 前記傾斜角調整機構は、スクリユーシヤフトと
   スライダ及びリンクとを筐体状のボツクス内に収
   納しかつスクリユーシヤフトの基端側のボツクス
   外にハンドルを設けてなり、該ハンドルを回転操
   作することにより、前記透写テーブルを起伏自在
   とし、前記ボツクスはボツクスの前面部に向かう
   程深くなるように底面を傾斜させ、前記スクリユ
   ーシヤフトをボツクスの底面と平行になるように
   下り勾配で傾斜させて取付けてなる透写台用テー
   ブル角度可変装置。