JPH04255898A - 楽音波形発生装置 - Google Patents

楽音波形発生装置

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JPH04255898A
JPH04255898A JP3037752A JP3775291A JPH04255898A JP H04255898 A JPH04255898 A JP H04255898A JP 3037752 A JP3037752 A JP 3037752A JP 3775291 A JP3775291 A JP 3775291A JP H04255898 A JPH04255898 A JP H04255898A
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Atsumi Kato
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子楽器等で発音す
る楽音の基準となる楽音波形を発生する楽音波形発生装
置に係り、特にニューラルネットを利用した楽音波形発
生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子楽器等の楽音波形発生装置と
して、楽音波形の各位相角点における波形振幅値のデー
タを発生する方式として、楽音波形データを予めメモリ
等に記憶しておき、それを位相角データに応じて読み出
す波形メモリ読出方式が知られている。この波形メモリ
読出方式の中には、楽音波形データの1周期分を記憶す
るものや複数周期分を記憶するものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1周期分だけを記憶す
る方式は発音開始から終了までの波形が固定化されてい
るため、音色等の時間的変化を表現することが困難であ
り、できたとしてもフィルタ等による変形程度であり、
その表現力には限界がある。一方、音色等の時間的変化
を高品質で表現するために、発音開始から終了(アタッ
クからディケィ)までの全波形を記憶し、それを押鍵に
伴って一通り読み出すものがある。これは波形の記憶容
量が膨大となり、また波形データの作成も容易ではなく
多大の時間を必要とし、コスト的にも非常に高価なもの
である。
【0004】そこで、記憶容量の大型化を抑え、データ
を容易に作成できるものとして、必要な複数周期波形を
効率的に記憶たメモリを具えた音源が、現在商品化され
ている。この音源は立上り部(アタック部)の波形とし
て複数周期分、その後の持続部の波形として1周期分を
記憶し、立上り部ではその複数周期分の波形を一通り読
み出し、続いて持続部ではその1周期分の波形を繰り返
して読み出すものであり、録音された原音をその音質を
劣化させることなく圧縮して記憶することができ、リア
リティが高くかつ表現力ある音質の楽音を忠実に再現で
きるという優れた特徴を有する音源である(特開昭59
−109090号公報)。
【0005】ところが、電子楽器で発音する楽音の種類
によってはストリングス系の楽音のように発音開始時の
音色変化はそれほど大きくなく、その後のアフタタッチ
時に主に音色の変化するものがある。このような楽音を
上記音源(持続部で1周期分の波形を繰り返し読み出す
もの)で発音する場合には、アフタタッチ時に楽音波形
にフィルタリング処理を施して音色等の時間的変化を表
現するしかなく、その表現力自体に限界があった。
【0006】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、記憶容量の増大を抑え、波形データを容易に作成
できると共に発音開始から終了までの全波形に渡って音
色等の時間的変化を表現できる楽音波形発生装置を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る楽音波
形発生装置は、楽音の発生を指示するノートオン情報と
、この楽音の音高を指示する音高情報とを少なくとも含
む演奏情報を入力するための演奏情報入力手段と、入力
パラメータに応じた波形信号を形成する階層型ニューラ
ルネットによって構成され、前記演奏情報入力手段から
入力される音高情報を前記入力パラメータの1つとして
入力することによって前記音高情報に応じた波形信号を
形成する波形形成手段と、前記ノーオオン情報に基づき
、前記波形形成手段で形成された前記波形信号を前記音
高情報に応じた音高で出力する楽音波形出力手段とから
なることを特徴とするものである。
【0008】第2の発明に係る楽音波形発生装置は、楽
音の発生を指示するノートオン情報と、この楽音のタッ
チ感度を指示するタッチ情報とを少なくとも含む演奏情
報を入力するための演奏情報入力手段と、入力パラメー
タに応じた波形信号を形成する階層型ニューラルネット
によって構成され、前記演奏情報入力手段から入力され
るタッチ情報を前記入力パラメータの1つとして入力す
ることによって前記タッチ情報に応じた波形信号を形成
する波形形成手段と、前記ノーオオン情報に基づき、前
記波形形成手段で形成された前記波形信号を出力する楽
音波形出力手段とからなることを特徴とするものである
【0009】第3の発明に係る楽音波形発生装置は、楽
音の発生を指示するノートオン情報を少なくとも含む演
奏情報を入力するための演奏情報入力手段と、前記ノー
トオン情報に応じて時系列的に変化する制御情報を発生
する制御情報発生手段と、入力パラメータに応じた波形
信号を形成する階層型ニューラルネットによって構成さ
れ、前記制御情報発生手段から発生される制御情報を前
記入力パラメータの1つとして入力することによって前
記制御情報に応じた波形信号を形成する波形形成手段と
、前記ノートオン情報に基づき、前記波形形成手段で形
成された前記波形信号を出力する楽音波形出力手段とか
らなることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】ニューラルネットは神経網の工学モデルであり
、パターン認識の分野で連想メモリとして研究開発の行
われている技術である。そして、階層型ニューラルネッ
トは入力パラメータとニューラルネット係数(シナプス
の結合度)とに応じた信号を出力する。
【0011】第1の発明では、電子楽器の鍵盤等から出
力される楽音の音高を指示する音高情報を入力パラメー
タの1つとして波形形成手段に入力する。波形形成手段
は入力パラメータに応じて波形信号を形成する階層型ニ
ューラルネットから構成される。音高情報は演奏情報入
力手段を介して波形形成手段に入力される。従って、波
形形成手段はこの音高情報をアドレスとし、このアドレ
スに応じた波形信号を形成する波形メモリとして機能す
ることとなる。
【0012】通常の波形メモリはアドレスと一対一に対
応して波形信号を記憶しているので、発音に必要な波形
信号をその数だけ予め記憶しておかなければならず、そ
の記憶容量は膨大なものであるが、階層型ニューラルネ
ットで構成された波形形成手段は入力パラメータの入力
によって形成された波形信号と、楽音から抽出される楽
音固有の正規化波形信号との誤差が最小となるように学
習されたニューラルネット係数を予め記憶しておくだけ
で、あらゆる音高情報(アドレス)の入力に対応した波
形信号を形成することができる。そして、楽音波形出力
手段は演奏情報入力手段を介して入力される楽音の発生
を指示するノートオン情報に基づき、波形形成手段で形
成された波形信号を音高情報に応じた位相データで順次
出力し、所望の音高の楽音波形信号を出力する。このよ
うに、第1の発明によれば、従来のように発音に必要な
膨大な数の波形信号を予め記憶しておかなくてもよく記
憶容量の増大化を抑制することができると共に、音高情
報を入力パラメータの1つとして階層型ニューラルネッ
トに入力することによって、あらゆる波形信号を容易に
形成することができる。なお、音高情報と共に楽音の振
幅レベルを指示するレベル情報を入力パラメータとして
波形形成手段に入力することによって、レベル情報に応
じて発音開始から終了までの全波形に渡って音色等の時
間的変化を表現することができる。
【0013】第2の発明では、電子楽器の鍵盤等から出
力される楽音のタッチ感度を指示するタッチ情報を入力
パラメータの1つとして波形形成手段に入力する。タッ
チ情報は演奏情報入力手段を介して波形形成手段に入力
される。従って、波形形成手段はこのタッチ情報をアド
レスとし、このアドレスに応じた波形信号を形成する波
形メモリとして機能することとなり、あらゆるタッチ情
報(アドレス)に対応した波形信号を形成することがで
きる。そして、楽音波形出力手段はノートオン情報に基
づき、波形形成手段で形成された波形信号を所定の位相
データで順次出力し、所望の楽音波形信号を出力する。 このように、第2の発明によれば、記憶容量の増大化を
抑制することができ、タッチ情報を入力パラメータの1
つとして階層型ニューラルネットに入力することによっ
て、あらゆる波形信号を容易に形成することができると
ともに、タッチ情報の変化に応じて発音開始から終了ま
での全波形に渡って音色等の時間的変化を高品質に表現
することができる。
【0014】第3の発明では、電子楽器の鍵盤等からは
楽音の発生を指示するノートオン情報が出力されるので
、このノートオン情報に応じて時系列的に変化する制御
情報を発生する制御情報発生手段を設け、この制御情報
を入力パラメータの1つとして波形形成手段に入力する
。従って、波形形成手段はこの制御情報をアドレスとし
、このアドレスに応じた波形信号を形成する波形メモリ
として機能することとなり、時系列的に変化する制御情
報(アドレス)に対応して時系列的に変化した波形信号
を形成することができる。そして、楽音波形出力手段は
ノートオン情報に基づき、波形形成手段で形成された波
形信号を所定の位相データで順次出力するので、時間の
経過に伴って時系列的に変化する楽音波形信号を出力す
る。このように第3の発明によれば、記憶容量の増大化
を抑制することができ、時系列的に変化する制御情報を
入力パラメータの1つとして階層型ニューラルネットに
入力することによって、発音開始から終了までの全波形
に渡って音色等の時間的変化を高品質に表現することが
できる。
【0015】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に従って
詳細に説明する。図1の(a)は楽音信号に基づいてニ
ューラルネットに波形信号を学習させる場合の全体構成
を示す図である。図1の(a)において、分析手段1は
音声信号や楽器音をマイクロフォン等を介して入力し、
それをサンプリングしてアナログ/デジタル(A/D)
変換器でデジタル信号に変換し、そのデジタル信号に基
づいて音高(ピッチ)データP、ピッチの微分値ΔP、
振幅(レベル)データL及びレベルの微分値ΔLを抽出
し、階層型ニューラルネット2のそれぞれの入力層ニュ
ーロンI0 〜I3 に出力する。このとき、分析手段
1は学習用の正規化波形信号(教師信号)RSも抽出し
て階層型ニューラルネット2に出力する。
【0016】分析手段1としては、自己相関法、零点交
差法、高速フーリエ変換法、線形予測分析法(Line
ar  Predictive  Coding:LP
C)、線スペクトル対分析法(Line  Spect
rum  Pair:LSP)、複合正弦波モデル分析
法(Composite  Sinnsoidal  
model:CSM)等の音響・音声分析の分野で周知
の技術を利用して構成する。
【0017】階層型ニューラルネット2はマイクロプロ
セッサユニット(MPU)を中心に構成されたソフトウ
ェア部分と、処理の高速性を高めるためにニューラルネ
ット専用に構成されたハードウェア部分とからなる。す
なわち、階層型ニューラルネット2は、マイクロプロセ
ッサユニット、システムプログラム等を格納するROM
、シナプス結合度Vjk,Wijやその他のデータ等を
格納するデータ及びワーキング用RAM等のバス結合で
構成されるマイクロコンピュータシステムと、これに付
加された高速演算用のロジック回路とによって構成され
ている。なお、図1の(a)では、シナプス結合度Vj
k,Wijを格納するものとして、特にデータ及びワー
キング用RAMのメモリ領域3を示す。このシナプス結
合度Vjk,Wijが波形信号を特徴付けるための重要
なニューラルネット係数である。このニューラルネット
係数の算出法については後述する。
【0018】図1の(b)は波形信号の学習を終了した
階層型ニューラルネット2を用いて楽音波形を作成する
場合の全体構成を示す図である。発音すべき楽音波形を
特定するためのピッチデータP、ピッチの微分値ΔP、
レベルデータL及びレベルの微分値ΔLが階層型ニュー
ラルネット2のそれぞれの入力層ニューロンI0 〜I
3 に入力され、メモリ領域3内のシナプス結合度Vj
k,Wijに応じた信号が1024個の出力層ニューロ
ンOi (O0 〜O1023)から出力される。そし
て、位相データiに対応した出力層ニューロンOi の
信号が順次読み出され、階層型ニューラルネット2から
は学習時の波形に対応した特定の楽音波形信号が出力さ
れるようになる。
【0019】図2はマイクロコンピュータシステム及び
ロジック回路で構成される階層型ニューラルネット2の
概念を示す図である。図2において、階層型ニューラル
ネット2は4個の入力層ニューロンIk(I0 〜I3
 )と、8個の中間層(ヒドン(隠れ)層)ニューロン
Hj(H0 〜H7 )と、1024個の出力層ニュー
ロンOi(O0 〜O1023)とから構成される。
【0020】入力層ニューロンI0 にはピッチデータ
Pが、入力層ニューロンI1 にはピッチの微分値ΔP
が、入力層ニューロンI2 にはレベルデータLが、入
力層ニューロンI3 にはレベルの微分値ΔLがそれぞ
れ分析手段1から入力される。入力層ニューロンI0 
〜I3 はそれぞれ結合度Vjkのシナプスを介して中
間層ニューロンH0 〜H7に結合される。以下、『V
jk』と表示するときは、k番目の入力層ニューロンI
k とj番目の中間層ニューロンHj との間のシナプ
ス結合とその結合度のことを意味するものとして用いる
。従って、入力層ニューロンI0 と中間層ニューロン
H0 との間はシナプス結合V00によって結合され、
同様に、入力層ニューロンI1 はシナプス結合V01
、入力層ニューロンI2 はシナプス結合V02、入力
層ニューロンI3 はシナプス結合V03を介してそれ
ぞれ中間層ニューロンH0 に結合されている。
【0021】中間層ニューロンH0 〜H7 はシナプ
ス結合Vjkを介して入力層ニューロンI0 〜I3 
に、シナプス結合Wijを介して出力層ニューロンO0
 〜O1023にそれぞれ結合され、各入力値とシナプ
ス結合度Vjkとの積をそれぞれ加算し、その加算値を
シグモイド関数f(u)で変換し、中間層信号αj と
して出力層ニューロンO0 〜O1023に出力してい
る。以下、『Wij』と表示するときは、j番目の中間
層ニューロンHjとi番目の出力層ニューロンOiとの
間のシナプス結合とその結合度のことを意味するものと
して用いる。シグモイド関数f(u)は、f(u)=1
/(1+exp(−u/T))とする。例えば、中間層
ニューロンH0 はピッチデータPとシナプス結合度V
00の積(P・V00)と、ピッチの微分値ΔPとシナ
プス結合度V01の積(ΔP・V01)と、レベルデー
タLとシナプス結合度V02の積(L・V02)と、レ
ベルの微分値ΔLとシナプス結合度V03の積(ΔL・
V03)を入力し、これらを加算した値(P・V00+
ΔP・V01+L・V02+ΔL・V03)をシグモイ
ド関数f(u)で変換して中間層信号α0 を各出力層
ニューロンO0 〜O1023に出力する。中間層ニュ
ーロンH1 〜H7 も同様の演算を行い、その結果で
ある中間層信号α1 〜α7 を各出力層ニューロンO
0 〜O1023に出力する。
【0022】出力層ニューロンO0 〜O1023は、
それぞれのシナプス結合Wijを介して中間層ニューロ
ンH0 〜H7 に結合され、各中間層ニューロンH0
 〜H7 からの中間層信号α0 〜α7 とシナプス
Wijとの積をそれぞれ加算し、その加算値を再びシグ
モイド関数f(u)で変換して出力層信号Fiとして波
形信号の各位相ナンバiに対応した最終的な波形振幅値
として出力する。従って、各出力層ニューロンO0 〜
O1023の出力層信号F0 〜F1023を位相ナン
バiに従って順番に読み出すことによって特定の楽音波
形を形成することができる。ここで、出力層ニューロン
の数は波形信号の位相ナンバiと同じ1024個である
。例えば、出力層ニューロンO0 は中間層信号α0 
とシナプス結合W00の積(α0 ・W00)と、中間
層信号α1 とシナプス結合W01の積(α1 ・W0
1)と、中間層信号α2 とシナプス結合W02の積(
α2 ・W02)と、中間層信号α3 とシナプス結合
W03の積(α3 ・W03)と、中間層信号α4 と
シナプス結合W04の積(α4 ・W04)と、中間層
信号α5 とシナプス結合W05の積(α5 ・W05
)と、中間層信号α6 とシナプス結合W06の積(α
6 ・W06)と、中間層信号α7 とシナプス結合W
07の積(α7 ・W07)を入力する。そして、出力
層ニューロンO0 はこれらを加算した値(α0 ・W
00+α1 ・W01+α2 ・W02+α3 ・W0
3+α4 ・W04+α5・W05+α6 ・W06+
α7 ・W07)をシグモイド関数f(u)で変換して
出力層信号F0 を出力する。他の出力層ニューロンO
1 〜O1023も同様にそれぞれの中間層信号αj 
とシナプス結合Wijとの積を加算し、その値をシグモ
イド関数f(u)で変換して出力層信号F1 〜F10
23を出力する。
【0023】図2のような階層型ニューラルネット2を
マイクロコンピュータシステムだけでソフトウェア的に
構成することも可能であるが、波形信号を高速にめには
、入力層ニューロンIkと中間層ニューロンHjとの間
の演算及び中間層ニューロンHjと出力層ニューロンO
iとの間の演算をそれぞれのハードウェアで実現した方
がよい。以下、階層型ニューラルネット2を構成するハ
ードウェア部の詳細について図3及び図4を用いて説明
する。
【0024】図2において、入力層ニューロンIkと中
間層ニューロンHjとの間で演算を行い、入力データの
状態を分析する部分を状態分析手段といい、中間層ニュ
ーロンHjと出力層ニューロンOiとの間で演算を行い
、波形信号を発生する部分を波形信号発生手段という。 図3はこの状態分析手段2Vの1個の中間層ニューロン
Hjに対応する回路構成を示す図であり、図4は波形信
号発生手段2Wの1個の出力層ニューロンOiに対応す
る回路構成を示す図である。従って、実際の状態分析手
段2Vは中間層ニューロンHjと同じ数(8個)だけ図
3の回路を集積化して構成され、波形信号発生手段2W
は出力層ニューロンOiと同じ数(1024個)だけ図
4の回路を集積化して構成されている。
【0025】図3の状態分析手段2Vは、4個の乗算器
Mj0,Mj1,Mj2,Mj3と、3個の加算器Aj
1,Aj2,Aj3と、シグモイド関数変換器SIG1
とによって構成される。ここで、jは中間層ニューロン
Hj の番号jである。乗算器Mj0はピッチデータP
とデータ及びワーキング用RAMのメモリ領域3Vに格
納されているシナプス結合Vj0とを入力し、両者を乗
算した値(P×Vj0)を加算器Aj1に出力する。乗
算器Mj1はピッチ微分値ΔPとシナプス結合Vj1と
の値を乗算した値(ΔP×Vj1)を加算器Aj1に出
力する。乗算器Mj2はレベルデータLとシナプス結合
Vj2との値を乗算した値(L×Vj2)を加算器Aj
2に出力する。乗算器Mj3はレベル微分値ΔLとシナ
プス結合Vj3との値を乗算した値(ΔL×Vj3)を
加算器Aj3に出力する。
【0026】加算器Aj1は乗算器Mj0, Mj1の
出力を加算した値(P×Vj0+ΔP×Vj1)を次の
加算器Aj2に出力する。加算器Aj2は加算器Aj1
と乗算器Mj2の出力を加算した値(P×Vj0+ΔP
×Vj1+L×Vj2)を次の加算器Aj3に出力する
。加算器Aj3は加算器Aj2と乗算器Mj3の出力を
加算した値(P×Vj0+ΔP×Vj1+L×Vj2+
ΔL×Vj3)をシグモイド関数変換器SIG1に出力
する。従って、加算器Aj1,Aj2,Aj3の代わり
に乗算器Mj0,Mj1,Mj2,Mj3の合計値を出
力するものを用いてもよい。シグモイド関数変換器SI
G1は加算器Aj3の出力値(P×Vj0+ΔP×Vj
1+L×Vj2+ΔL×Vj3)をシグモイド関数f(
u)で変換し、それを中間層信号αj としてシナプス
結合Wijを介してそれぞれの出力層ニューロンO0 
〜O1023に出力する。
【0027】図4の波形発生手段2Wは、8個の乗算器
mi0,mi1,mi2,mi3,mi4,mi5,m
i6,mi7と、7個の加算器ai1,ai2,ai3
,ai4,ai5,ai6,ai7と、シグモイド関数
変換器SIG2とによって構成される。ここで、iは出
力層ニューロンOi の番号iである。乗算器mi0は
中間層信号α0 とデータ及びワーキング用RAMのメ
モリ領域3Wに格納されているシナプス結合Wi0とを
入力し、両者を乗算した値(α0 ×Wi0)を加算器
ai1に出力する。乗算器mi1は中間層信号α1 と
シナプス結合Wi1との値を乗算した値(α1 ×Wi
1)を加算器ai1に出力する。乗算器mi2は中間層
信号α2 とシナプス結合Wi2との値を乗算した値(
α2 ×Wi2)を加算器ai2に出力する。乗算器m
i3,mi4,mi5,mi6,mi7も同様に中間層
信号α3 ,α4 ,α5 ,α6 ,α7 とシナプ
ス結合Wi3,Wi4,Wi5,Wi6,Wi7との値
を乗算した値(α3 ×Wi3,α4 ×Wi4,α5
 ×Wi5,α6 ×Wi6,α7 ×Wi7)をそれ
ぞれの加算器ai3,ai4,ai5,ai6,ai7
に出力する。
【0028】加算器ai1は乗算器mi0, mi1の
出力を加算した値(α0 ×Wi0+α1 ×Wi1)
を次の加算器ai2に出力する。加算器ai2は加算器
ai1と乗算器mi2の出力を加算した値(α0 ×W
i0+α1 ×Wi1+α2×Wi2)を次の加算器a
i3に出力する。以下同様に、加算器ai3,ai4,
ai5,ai6,ai7は前段の加算器に対応した乗算
器との出力を順次加算し、最終的な加算値(α0 ×W
i0+α1 ×Wi1+α2 ×Wi2+α3 ×Wi
3+α4 ×Wi4+α5 ×Wi5+α6 ×Wi6
+α7 ×Wi7)を加算器ai7がシグモイド関数変
換器SIG2に出力する。従って、加算器ai1,ai
2,ai3,ai4,ai5,ai6,ai7の代わり
に乗算器mi1,mi2,mi3,mi4,mi5,m
i6,mi7の合計値を出力するものを用いてもよい。 シグモイド関数変換器SIG2は加算器ai7の出力値
(α0 ×Wi0+α1 ×Wi1+α2 ×Wi2+
α3 ×Wi3+α4 ×Wi4+α5 ×Wi5+α
6 ×Wi6+α7 ×Wi7)をシグモイド関数f(
u)で変換し、それを位相番号iの出力層信号Fiとし
て出力する。なお、シグモイド関数変換器SIG2は省
略してもよい。
【0029】次に、ニューラルネット係数(シナプス結
合度Vjk,Wij)の分析処理を図5のフローチャー
トに基づいてステップ順に説明する。 ステップ50:ニューラルネット係数(シナプス結合V
jk,Wij)に初期値として、出力層ニューロンOi
からの出力波形がほぼ正弦波となるような値を設定する
。 ステップ51:分析手段1に音声信号や楽器音等の楽音
波形をマイクロフォン等を介して入力する。このときの
楽音波形の中にはイニシャルタッチデータ及びアフタタ
ッチデータ等が含まれている。
【0030】ステップ52〜55は、分析手段1が行う
処理であり、入力された楽音信号からピッチデータP、
ピッチ微分値ΔP、レベルデータL、レベル微分値ΔL
等の楽音に関する楽音データと、その楽音に固有の正規
化波形信号RSを抽出する処理であり、ステップ56〜
58は、階層型ニューラルネット2が行う処理であり、
ニューラルネット係数(シナプス結合度Vjk,Wij
)を学習記憶する処理である。 ステップ52:分析手段1は、入力された楽音波形をサ
ンプリングしてアナログ/デジタル(A/D)変換器で
デジタル信号に変換し、このデジタル信号に基づいて振
幅エンベロープ信号を抽出し、そして、この振幅エンベ
ロープ信号に基づいてレベルデータL及びレベル微分値
ΔLを算出して階層型ニューラルネット2に出力する。
【0031】ステップ53:前のステップで抽出された
デジタル信号の振幅エンベロープ信号のレベルが全波形
に渡って一定となるように均一化する。 ステップ54:分析手段1は、前のステップで均一化さ
れた振幅エンベロープ信号に基づいて音高(ピッチ)の
変化を示すピッチエンベロープ信号を抽出し、そして、
このピッチエンベロープ信号に基づいてピッチデータP
及びその微分値ΔPを算出して階層型ニューラルネット
2に出力する。
【0032】ステップ55:分析手段1は、前のステッ
プで抽出されたピッチエンベロープ信号のレベルが全波
形に渡って一定となるように均一化する。このようにし
て得られたピッチレベルの均一化されたピッチエンベロ
ープ信号は、振幅レベル及びピッチレベルの均一化され
た正規化波形(教師波形)信号RSとして階層型ニュー
ラルネット2に出力される。このようにして得られた正
規化波形(教師波形)信号RSは楽音に固有のものであ
る。 ステップ56:階層型ニューラルネット2は、分析手段
1からのピッチデータP、ピッチ微分値ΔP、レベルデ
ータL、レベル微分値ΔL及び正規化波形信号RSに基
づいてニューラルネット係数(シナプス結合度Vjk,
Wij)をバックプロパゲーション法によって学習する
【0033】すなわち、図2の階層型ニューラルネット
において、入力層ニューロンI0 〜I3 にピッチデ
ータP、ピッチ微分値ΔP、レベルデータL、レベル微
分値ΔLがそれぞれ入力される。ニューラルネット係数
(シナプス結合度Vjk,Wij)にはステップ50の
処理で予め初期値が設定されているので、出力層ニュー
ロンO0 〜O1023からはニューラルネット係数に
応じた1024個の出力層信号F0 〜F1023が出
力される。この1024個の出力層信号Fiは正弦波信
号である。そこで階層型ニューラルネット2を構成する
マイクロプロコンピュータシステムは、分析手段1から
の正規化波形信号RSを出力層信号数に対応した102
4個の正規化波形信号RS0 〜RS1023に変換し
、出力層信号F0 〜F1023との間のずれが最小と
なるようなニューラルネット係数(シナプス結合度Vj
k,Wij)を公知のバックプロパゲーション法によっ
て求める。
【0034】ステップ57:ステップ51〜56までの
処理をN回以上行ったかどうかを判定し、N回以上行っ
た(YES)場合は次のステップ58に進み、行ってい
ない場合はステップ51〜56の処理を繰り返し実行す
る。 ステップ58:ステップ51〜56の処理をN回実行し
た結果、ニューラルネット係数が実行回数の増加に伴っ
て徐々に収束しているかどうかを判定し、収束している
場合にはニューラルネット係数として最適の値が学習記
憶されたので、この楽音波形についての学習処理を終了
し、収束していない場合にはステップ51〜56の処理
を再度所定回数以上実行する。このときの回数はステッ
プ57のNと同じであってもよいし、これよりも多くて
も少なくてもよいし、ステップ58の処理で収束してい
ると判定されるまで繰り返し実行するようにしてもよい
【0035】次に、学習処理の終了した階層型ニューラ
ルネット2を楽音波形発生手段として利用した電子楽器
の一実施例について説明する。図6は楽音波形発生手段
として図1の階層型ニューラルネット2を用いたもので
ある。図6の実施例において、鍵盤10は発音すべき楽
音の音高を選択するための複数の鍵を備えたものであり
、各鍵に対応してキースイッチを有しており、また必要
に応じて押圧力検出装置等のタッチ検出手段を有してい
る。
【0036】押鍵検出手段11は鍵盤10の状態(押鍵
された鍵があるかどうか)、すなわち鍵盤10内の各キ
ースイッチのオン・オフを検出するものであり、例えば
各キースイッチを順番に走査する走査回路と、その走査
結果をエンコードする回路とを含んで構成されており、
押鍵された鍵を示すキーコードKCと、押鍵されたこと
を示すノートオン信号Nonと、離鍵されたことを示す
ノートオフ信号Nof(図示せず)を出力する。また、
押鍵検出手段11は、キースイッチからの出力に基づい
て押し下げ時の押鍵操作速度を判別してイニシャルタッ
チデータITを出力し、鍵盤の各鍵に関連して、鍵押圧
持続時における押圧力検出装置の出力から押圧力を検出
してアフタタッチデータATを出力する。
【0037】押鍵検出手段11は、ノートオン信号No
n、イニシャルタッチデータIT及びアフタタッチデー
タATをピッチエンベロープ信号発生手段12及び振幅
エンベロープ信号発生手段14に出力し、キーコードK
Cを加算器13に出力する。ピッチエンベロープ信号発
生手段12はノートオン信号Non、イニシャルタッチ
データIT及びアフタタッチデータATに基づいてキー
コードKCの基準ピッチに対するピッチのずれ量を表す
ピッチエンベロープ信号PEを加算器13に出力する。
【0038】加算器13はキーコードKCにピッチエン
ベロープ信号PE分だけ変動したピッチデータPを楽音
波形発生手段2、微分器15及びピッチナンバ発生手段
17に出力する。振幅エンベロープ信号発生手段14は
、ノートオン信号Non、イニシャルタッチデータIT
及びアフタタッチデータATに基づき楽音信号の発音開
始時から消音時に至るまでの振幅エンベロープ信号(レ
ベルデータ)Lを乗算器19、微分器16及び楽音波形
発生手段2に出力し、イニシャルタッチデータIT又は
/及びアフタタッチデータATによって振幅エンベロー
プ信号を可変制御したり、楽音の音色に応じて異なる振
幅エンベロープ信号を発生したりする。
【0039】微分器15は加算器13からのピッチデー
タPを入力し、それを微分したピッチ微分値ΔPを楽音
波形発生手段2に出力する。微分器16は振幅エンベロ
ープ信号発生手段14からの振幅エンベロープ信号(レ
ベルデータ)Lを入力し、それを微分したレベル微分値
ΔLを楽音波形発生手段2に出力する。ピッチナンバ発
生手段17は加算器13からのピッチデータPを入力し
、それに対応したピッチナンバPnをアキュムレータ1
8に出力する。
【0040】アキュムレータ18はピッチナンバPnを
累算し、楽音波形発生手段2から出力される楽音波形信
号Fiの音高を設定するための位相データiを発生する
ものである。従って、ピッチナンバPnの値が小さい時
は累算の速度は遅くなり位相データiの増加量が小さく
なり、楽音波形信号Fiの音高も低くなる。逆に、ピッ
チナンバPnが大きい時は累算の速度は速くなり位相デ
ータiの増加量も大きくなり、楽音波形信号Fiの音高
も高くなる。累算値がオーバーフローしたときは、再び
初期値に戻って累算を繰り返す。
【0041】楽音波形発生手段2はピッチデータP、ピ
ッチ微分値ΔP、レベルデータL及びレベル微分値ΔL
をそれぞれの入力層ニューロンI0 〜I3 に取り込
み、ニューラルネット係数(シナプス結合度Vjk,W
ij)に応じた楽音波形信号を各出力層ニューロンO0
 〜O1023から出力する。このとき、楽音波形発生
手段2からは、アキュムレータ18の位相データiに対
応した楽音波形信号Fiが最終的に出力される。
【0042】乗算器19は楽音波形発生手段2から出力
される楽音波形信号Fiと振幅エンベロープ信号発生手
段14からの振幅エンベロープ信号Lとを乗算し、その
乗算結果を楽音信号としてD/A変換器20に出力する
。乗算器19から出力されたデジタルの楽音信号はデジ
タル/アナログ(D/A)変換器20によって、アナロ
グの楽音信号に変換され、サウンドシステム21に出力
される。
【0043】サウンドシステム21はスピーカ及び増幅
器等で構成され、D/A変換器20からのアナログの楽
音信号に応じた楽音を発生する。楽音波形発生手段2は
、楽音波形データとして1周期分の波形を出力する場合
について説明したが、これに限らず1/2周期あるいは
1/4周期分の波形を出力するようにしてもよい。また
、出力層ニューロンの数も1024個としたがこれに限
定されるものではない。
【0044】次に、この発明の他の実施例について図7
を用いて説明する。図7において図6と同じ構成のもの
には同一の符号が付してあるので、その説明は省略する
。図7の実施例が図6のものと異なる点は、楽音波形発
生手段4の各入力層ニューロンI0 〜I3 に対して
イニシャルタッチデータIT、アフタタッチデータAT
、アフタタッチデータの微分値ΔAT及びフレーム番号
FNを入力し、これらの入力データに基づいて楽音波形
信号Fiを生成している点である。
【0045】楽音波形発生手段4は学習時にイニシャル
タッチデータIT、アフタタッチデータAT、アフタタ
ッチデータの微分値ΔAT及びフレーム番号FNを入力
層ニューロンI0 〜I3 に入力し、これらの入力デ
ータに応じたニューラルネット係数(シナプス結合度V
jk,Wij)をデータ及びワーキングRAMのメモリ
領域に記憶している。従って、楽音波形発生手段4は図
6の楽音波形発生手段2とはニューラルネット係数(シ
ナプス結合度Vjk,Wij)の値が異なるだけであり
、ハードウェア的には異なるところはない。
【0046】従って、図7の実施例では楽音波形発生手
段4に対して入力データ(楽音データ)を与える回路構
成が次のようになっている。まず、楽音波形発生手段4
にフレーム番号FNを供給するために時間カウンタ22
及びフレーム指定回路23を有する。そして、イニシャ
ルタッチデータIT及びアフタタッチデータATの供給
は押鍵検出手段11から直接行い、アフタタッチデータ
の微分値ΔATの供給は微分器24を介することによっ
て行っている。
【0047】時間カウンタ22はノートオン信号Non
の入力に応じてカウント処理を開始し、カウントするイ
ンクリメント量をイニシャルタッチデータIT及びアフ
タタッチデータATに応じて変化させ、カウント処理を
可変制御している。フレーム指定回路23は時間カウン
タ22からのカウント値を入力し、それに対応したフレ
ーム番号FNを楽音波形発生手段4に出力する。
【0048】ここで、フレーム番号FNとは、発音開始
から終了(アタックからディケィ)までの楽音の全波形
を複数周期毎に分割グループ化して学習し、そのグルー
プに発音開始から順に付した番号のことである。たとえ
ば、発音開始直後に楽音波形発生手段4から最初に出力
される一周期分の楽音波形信号F0 〜F1023を第
1波形信号FW1とすると、楽音波形発生手段4は、最
初のフレーム番号FN=1でこの波形信号FW1を周期
番号0〜3の4周期分、次のフレーム番号FN=2では
波形の若干異なる第2波形信号FW2を周期番号4〜9
の6周期分、フレーム番号FN=3では第3波形信号F
W3を周期番号10〜20の11周期分、フレーム番号
FN=4では第4波形信号FW4を周期番号21〜40
の20周期分、フレーム番号FN=5では第5波形信号
FW5を周期番号41〜70の30周期分、フレーム番
号FN=6では第6波形信号FW6を周期番号71〜1
20の50周期分というように、フレーム番号FNと周
期番号とを対応付けて学習記憶している。
【0049】そして、楽音波形発生時には、時間カウン
タ22がイニシャルタッチデータITやアフタタッチデ
ータATの値に応じてインクリメント処理したカウント
値をフレーム指定回路23に出力するので、フレーム指
定回路23からは周期番号順にフレーム番号FNが出力
されなくなり、楽音波形発生手段4から出力される楽音
波形の音色がイニシャルタッチデータITやアフタタッ
チデータATの値に応じて効果的に変化するようになる
。すなわち、インクリメント量が大きくなると、周期番
号4番目の波形としては第1波形信号FW1が出力され
ずに第2波形信号FW2が出力されるようになる。逆に
、インクリメント量が小さくなると、周期番号5番目の
波形としては第2波形信号FW2が出力されずに第1波
形信号FW1が出力されることとなる。
【0050】なお、図6の実施例では振幅エンベロープ
信号発生手段14の振幅エンベロープ信号Lが微分器1
6及び楽音波形発生手段2にも供給されているが、図7
の実施例では振幅エンベロープ信号Lは乗算器19にだ
け出力されている。このように図7の実施例によれば、
楽音波形発生手段4から出力される楽音波形の音色をイ
ニシャルタッチデータITやアフタタッチデータATの
値に応じて効果的に変化させることができる。
【0051】なお、図6及び図7の実施例では、専用の
ハードウェア回路により装置を構成しているが、同等の
機能をソフトウェア処理で実現してもよい。上記実施例
では、単音を発音する場合について説明したが、時分割
処理又はパラレル処理等によって複数チャンネルで発音
処理してもよい。上記実施例では、鍵盤によって所望楽
音を指定する電子楽器について説明したが、これに限定
されることはなく、音高指定用の演奏操作手段は鍵盤以
外のものであってもよい。また、鍵盤のない音源モジュ
ールユニット等にも同様に適用することが可能であり、
その場合は音高情報、ノートオン情報及びタッチ情報等
の演奏情報をデータ入力できるようになっていればよい
。この発明において、鍵とは鍵盤の鍵に限らず、その他
の楽音指定操作手段をも含む。なお、波形の時間的変化
の特性を制御するため、例えば波形出力を1024段の
ディレイ回路を利用したくし型フィルタを通す等の処理
を行ってもよい。
【0052】また、この実施例ではニューラルネットの
入力データ(楽音データ)として、ピッチデータP、ピ
ッチ微分値ΔP、レベルデータL、レベル微分値ΔL、
イニシャルタッチデータIT、アフタタッチデータAT
、アフタタッチデータ微分値ΔAT及びフレーム番号F
Nを例に説明したが、これに限定されることはなく音像
定位の位置データ、ブリリアンスパラメータデータ、又
は各種ペダルデータ等を用いてもよい。また、階層型ニ
ューラルネットの各入力層ニューロンI、中間層ニュー
ロできることはいうまでもない。さらに、ニューラルネ
ット係数を操作子の操作量や楽音データ等に応じて適宜
可変制御することによって新しい楽音波形信号を創造す
ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明の楽音波形発生
装置によれば記憶容量の増大化を抑えることができ、記
憶時に存在しなかった楽音波形信号であっても容易に作
成することができると共に発音開始から終了までの全波
形に渡って音色等の時間的変化を表現することができる
という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】  (a)は楽音信号に基づいてニューラルネ
ットに波形信号を学習させる場合の全体構成を示し、(
b)は波形信号の学習を終了した階層型ニューラルネッ
トを用いて楽音波形を作成する場合の全体構成を示す図
である。
【図2】  図1の階層型ニューラルネットの概念を示
す図である。
【図3】  図2の状態分析手段の1個の中間層ニュー
ロンに対応した回路構成を示す図である。
【図4】  図2波形信号発生手段の1個の出力層ニュ
ーロンに対応した回路構成を示す図である。
【図5】  ニューラルネット係数(シナプス結合度V
jk,Wij)の分析処理を説明するためのフローチャ
ート図である。
【図6】  この発明の楽音波形発生装置を用いて構成
した電子楽器の実施例を示す図である。
【図7】  この発明の楽音波形発生装置を用いて構成
した電子楽器の他の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1…分析手段、2,4…階層型ニューラルネット、3…
メモリ領域、10…鍵盤、11…押鍵検出手段、12…
ピッチエンベロープ信号発生手段、13…加算器、14
…振幅エンベロープ信号発生手段、15,16,24…
微分器、17…ピッチナンバ発生手段、18…アキュム
レータ、19…乗算器、20…D/A変換器、21…サ
ウンドシステム、22…時間カウンタ、23…フレーム
指定回路、I…入力層ニューロン、H…中間層ニューロ
ン、O…出力層ニューロン、Wij,Vjk…シナプス
結合度、Aj1〜Aj3,ai1〜ai7…加算器、M
j0〜Aj3,mi0〜ai7…乗算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  楽音の発生を指示するノートオン情報
    と、この楽音の音高を指示する音高情報とを少なくとも
    含む演奏情報を入力するための演奏情報入力手段と、入
    力パラメータに応じた波形信号を形成する階層型ニュー
    ラルネットによって構成され、前記演奏情報入力手段か
    ら入力される音高情報を前記入力パラメータの1つとし
    て入力することによって前記音高情報に応じた波形信号
    を形成する波形形成手段と、前記ノーオオン情報に基づ
    き、前記波形形成手段で形成された前記波形信号を前記
    音高情報に応じた音高で出力する楽音波形出力手段とか
    らなることを特徴とする楽音波形発生装置。
  2. 【請求項2】  楽音の発生を指示するノートオン情報
    と、この楽音のタッチ感度を指示するタッチ情報とを少
    なくとも含む演奏情報を入力するための演奏情報入力手
    段と、入力パラメータに応じた波形信号を形成する階層
    型ニューラルネットによって構成され、前記演奏情報入
    力手段から入力されるタッチ情報を前記入力パラメータ
    の1つとして入力することによって前記タッチ情報に応
    じた波形信号を形成する波形形成手段と、前記ノーオオ
    ン情報に基づき、前記波形形成手段で形成された前記波
    形信号を出力する楽音波形出力手段とからなることを特
    徴とする楽音波形発生装置。
  3. 【請求項3】  楽音の発生を指示するノートオン情報
    を少なくとも含む演奏情報を入力するための演奏情報入
    力手段と、前記ノートオン情報に応じて時系列的に変化
    する制御情報を発生する制御情報発生手段と、入力パラ
    メータに応じた波形信号を形成する階層型ニューラルネ
    ットによって構成され、前記制御情報発生手段から発生
    される制御情報を前記入力パラメータの1つとして入力
    することによって前記制御情報に応じた波形信号を形成
    する波形形成手段と、前記ノートオン情報に基づき、前
    記波形形成手段で形成された前記波形信号を出力する楽
    音波形出力手段とからなることを特徴とする楽音波形発
    生装置。
  4. 【請求項4】  前記波形形成手段は、前記入力パラメ
    ータの入力によって形成された波形信号と、前記楽音か
    ら抽出される楽音固有の正規化波形信号との誤差が最小
    となるように学習されたニューラルネット係数を記憶し
    ていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の楽
    音波形発生装置。
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