JPH04254193A - 金属製熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばカークーラー
用凝縮器等として用いられるアルミニウム等の金属製熱
交換器に関する。

【０００２】

【従来の技術】近時、例えばカークーラー用の凝縮器と
して、高熱交換性能、低圧力損失を実現しうる、いわゆ
るマルチフロータイプと称されるアルミニウム製熱交換
器が好んで使用される傾向にある。このマルチフロー熱
交換器は、一般に、所定間隔をおいて並列状に配置され
た複数本のチューブの両端に１対の中空ヘッダーが連通
状態に接続されたものとなされている。そして、該熱交
換器には、車体側への取付けに用いられるブラケットな
ど、各種の取付け用金具が取り付けられる。

【０００３】従来、このような取付け用金具の熱交換器
への取付け構造は、例えば、第４図に示されるように、
ヘッダー（５１）の外周面形状に沿った断面円弧状の抱
持片（５２）の両端に１対の挾持片（５３）（５３）を
連接した鍵穴状の取付け部（５４）と、抱持片（５２）
の外周部に接合されたブラケット（５５）とからなる、
表面電着塗装の施された鉄製の取付け用金具（５６）を
用い、この金具（５６）の抱持片（５２）をヘッダー（
５１）に嵌合すると共に、フィン（５７）とチューブ（
５８）とによる熱交換器コアの前後を挾持片（５３）（
５３）で挾持した状態において、チューブ（５８）間の
間隙を通じて挿入された鉄製のボルト（５９）にて挾持
片（５３）（５３）をコアに締結したものとなされてい
た。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、鉄製の取付け用金具（５６）をアルミニウム製
のヘッダー（５１）やチューブ（５８）に接触状態に取
り付けると、たとえ上記のよううな表面電着塗装を施し
たものであっても、ヘッダー（５１）、チューブ（５８
）側に異種金属同士の接触による腐食が発生する危険性
があった。

【０００５】そこで、取付け用金具（５６）をヘッダー
（５１）などと同じアルミニウム材にてつくることも考
えられるが、それでも、ボルト（５９）までは、一般に
アルミニウム材でつくる訳にはいかず、そのため、この
ボルト（５９）がチューブ（５８）に接触してチューブ
（５８）に腐食を生じるという危険があり、対策として
は十分ではない。

【０００６】また、他の方法として、取付け用金具（５
６）をアルミニウム製とし、ヘッダー（５１）にろう付
けすることも考えられるが、ろう付けでは、金具が熱影
響を受けて軟化し、金具として要求される強度の確保に
難がある。この場合、時効性の材料を使うことも考えら
れるが、コスト的に高くつき、またろう付け性の面にお
いても問題がある。

【０００７】この発明は、上記のような従来の問題点に
鑑み、適正な金具強度を確保しつつ、取付け用金具の取
付けに伴うチューブやヘッダーの腐食を防止することが
できる熱交換器を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的において、この
発明は、複数本のチューブが連通状態に接続された中空
ヘッダーを有する熱交換器であって、前記ヘッダーの外
周側面に、取付け用金具を取り付けるための、ヘッダー
より卑又は同等の材質の取付け用台座部材が配置され、
該台座部材が、その足の先端部を、ヘッダー周側面に形
成された挿入用開口を通じてヘッダー内に突出せしめた
状態において、ヘッダーにろう付けにより接合一体化さ
れてなることを特徴とする金属製熱交換器を要旨とする
。

【０００９】なお、取付け用金具としては、熱交換器を
車体等の取付け側に取り付けるためのものや、熱交換器
の熱交換媒体出入り口用の接続管が長い場合にその中間
部を支持する金具等の各種金具を含むものである。また
、この金具は、ヘッダー、チューブ等と異種の金属材、
例えば鉄系材によってつくられる場合に限らず、これら
と同種の金属材、例えばアルミニウム材によってつくら
れる場合もある。

【００１０】

【作用】上記構成では、取付け用金具の取付けは、取付
け用台座部材に対して行われる。これにより、取付け用
金具が熱交換器を腐食させるような異種金属製のもので
あっても、腐食は、取付け用台座部材において生じ得る
ものの、チューブやヘッダーにまで波及することはない
。

【００１１】また、熱交換器と同種の金属材による金具
を使用し、これを締結するのにボルト等の締結部材を使
用したとしても、同じく、締結部材に起因する腐食は、
取付け用台座部材においては生じ得るものの、チューブ
やヘッダーにまで波及することはない。

【００１２】更に、取付け用金具を熱交換器にろう付け
するものではないから、金具の強度低下を招くこともな
い。

【００１３】また、台座部材がヘッダーより卑又は同等
の材料でつくられていることにより、台座部材とヘッダ
ーとの接触による腐食が発生することもない。しかもヘ
ッダーと台座の接合がろう付けにより行われたものであ
ることにより、例えば締結部材を使用する場合に生じ得
るヘッダーの腐食という不都合がない。加えて、ヘッダ
ーへの台座部材のろう付けは、その足の先端部を、ヘッ
ダー周側面に形成された嵌合用開口を通じてヘッダー内
に突出せしめた配置状態において行ったものであるから
、治具を使用しなくても、ろう付けが終わるまで適正な
配置状態にヘッダーに保持され、台座部材のろう付け作
業が容易となる。

【００１４】

【実施例】以下に、この発明の熱交換器をカークーラー
用凝縮器に適用した実施例を説明する。なお、本発明の
熱交換器が、ルームエアコン用熱交換器、オイルクーラ
ー等の各種マルチフロータイプないしヘッダータイプの
熱交換器に広く適用される得るものであることはいうま
でもない。

【００１５】第２図及び第３図に示される実施例熱交換
器において、（１）は偏平チューブ、（２）はコルゲー
トフィンで、これらは並列状態に交互に上下方向に配置
されている。（３）（３）は左右のヘッダーで、偏平チ
ューブ（１）の両端に連通状態に接続されている。 （５）は左側ヘッダー（３）に連通状態に接続された熱
交換媒体の入口管、（６）は右側のヘッダー（３）に接
続された同出口管である。（７）は、ヘッダー（３）（
３）内を所定高さ位置において仕切る板状のアルミニウ
ム製仕切り部材で、この仕切り部材（７）により、複数
本のチューブ（１）によって構成される流通路を熱交換
媒体が蛇行状に流通するようにされている。なお、（８
）（８）は上下最外側のコルゲートフィン（２）の外側
に該フィンを保護するために配置されたアルミニウム製
のサイドプレートである。そして、（９）は、取付け用
金具を取付けるための取付け用台座部材である。

【００１６】偏平チューブ（１）は、アルミニウム製の
押出型材によるもので、図示しないが内部が仕切り壁に
より複数個の室に区画されて伝熱性能の高められた、い
わゆるハモニカチューブが使用されている。なお、押出
型材によらず、電縫管等が使用されることもある。

【００１７】コルゲートフィン（２）は、チューブ（１
）と略同じ幅のアルミニウムシート材をコルゲート状に
成形すると共にルーバーが切り起こされたものである。 このシート材としてろう材層がクラッドされたアルミニ
ウムブレージングシートが使用されている。

【００１８】ヘッダー（３）は、片面または両面にろう
材層がクラッドされたアルミニウムブレージングシート
を両側縁部突き合わせ状態に成形してパイプ状となした
円筒状のヘッダーパイプの端部開口をアルミニウム製ヘ
ッダーキャップにて塞いだものとなされている。なお、
ヘッダー（３）は、上記のようなブレージングシートの
側縁部突き合わせパイプによるものの他、押出管、電縫
管等により製作される場合もある。

【００１９】両ヘッダー（３）（３）のそれぞれには、
その周側面の正面側の上下所定位置に、第１図（ハ）に
示されるように、周方向に所定長さにわたる上下１対の
スリット状開口（１０）（１０）が設けられている。そ
して、この開口（１０）の周方向における両端面（１０
ａ　）（１０ａ　）は、同図に示されるように、開口（
１０）がヘッダー（３）の軸芯位置に向って先細り状と
なるように傾斜したものに形成されている。

【００２０】そして、取付け用台座部材（９）は、第１
図に示されるように、ヘッダー（３）と同じアルミニウ
ム材によるもので、側面視コ字状に形成され、その中央
板部（９ａ）に金具取付け用の取付け孔（９ｂ）が設け
られ、その全体の幅は、前記ヘッダー（３）のスリット
状開口（１０）の幅よりも広く形成されている。そして
、同図（ハ）に示されるように、両側の板状足（９ｃ）
（９ｃ）の先端部の幅方向中央部には、前記スリット状
開口（１０）を通じてヘッダー（３）内に挿入される挿
入用突出板部（９ｄ）が設けられている。そして、この
挿入用突出板部（９ｄ）は、先細り状に形成され、ヘッ
ダー（３）内に挿入された状態において、その基端部両
側面が、スリット状開口（１０）の両端面（１０ａ　）
（１０ａ　）に緊密状態、換言すればテーパー嵌合した
状態に嵌まるようになされている。また、該挿入用突出
板部（９ｄ）に隣接してその両サイドには、ヘッダー（
３）の外周形状に沿う円弧状のオーバーハング部（９ｅ
）が形成されている。

【００２１】上記各熱交換器構成部材は、相互に仮組状
態に組み立てられ、一括ろう付けにより全体が接合一体
化されて熱交換器に製作される。即ち、熱交換器組立て
体の組立てにおいては、平行並列状態に配置した複数本
のチューブ（１）の両端に、チューブ（１）の端部をヘ
ッダー側の図示しないチューブ挿入孔に挿入することに
よってヘッダー（３）（３）を組み付けると共に、チュ
ーブ（１）間にコルゲートフィン（２）を挿入配置し、
その他、サイドプレート（８）（８）、入口管（５）、
出口管（６）等の組み付けを行う。併せて、台座部材（
９）を、ヘッダー（３）に組み付ける。即ち、台座部材
（９）の両板状足（９ｃ）（９ｃ）の挿入用突出板部（
９ｄ）（９ｄ）をヘッダー（３）のスリット状開口部（
１０）を通じてヘッダー（３）内に挿入し、その基端両
側面を開口（１０）の両端面（１０ａ　）（１０ａ　）
にテーパー嵌合する。なお、これにより同時に、両オー
バーハング部（９ｅ）（９ｅ）がヘッダー（３）の外周
面に近接ないし当接した状態に配置される。以上により
各構成部材が熱交換器組み立て体に組み立てられる。

【００２２】この組立て状態において、上記の台座部材
（９）は、その両板状足（９ｃ）（９ｃ）の先端部がヘ
ッダー（３）の開口（１０）との接触により抜け方向へ
の挙動が規制されるのみならず、抜け方向への挙動の規
制は、その板状足（９ｃ）（９ｃ）のテーパー状の挿入
用突出板部（９ｄ）（９ｄ）の基端両側面がスリット状
開口（１０）のテーパー状の両端面（１０ａ　）（１０
ａ　）に緊密状態にテーパー嵌合されていることにより
、より一層確実なものとなる。また一方に、オーバーハ
ング部（９ｅ）はスリット状開口（１０）の両端からヘ
ッダー（３）の外周面に沿って外方に突出した状態とな
る。

【００２３】そして、この熱交換器組み立て体は、ろう
付け炉内において、ヘッダー（３）（３）の側縁突き合
わせ部、台座部材（９）を含めて、一括ろう付けにより
相互に接合一体化され、熱交換器に製作される。このろ
う付けの実施に至るまで、台座部材（７）は、その板状
足（９ｃ）の先端の挿入用突出板部（９ｄ）と開口（１
０）との接触作用、及びテーパー嵌合により適正配置状
態を保持され、そのため、台座部材（９）は、適正配置
状態において、ヘッダー（３）にろう付けされる。しか
も、オーバーハング部（９ｅ）がヘッダー（３）の外周
面にオーバーライドした状態でろう付けされるので、台
座部材（９）とヘッダー（３）との接合面積が広く確保
されて両者の接合強度を向上することができると共に、
ろう付け後に挿入用突出板部（９ｄ）と開口部（１０）
との両側部における隙間を塞いで良好なシール状態を得
ることができる。

【００２４】上記のように製作、構成された熱交換器に
対し、図示しないが、鉄製の取付け用金具が、その台座
部材（９）の中央板部（９ａ）に沿って配置され、該中
央板部（９ａ）に、その取付け孔（９ｂ）を利用してボ
ルト、リベット等の締結部材により固定状態に取付けら
れる。 従って、台座部材（９）に異種金属同士の接触による腐
食が発生することはあっても、この腐食がヘッダー（３
）、チューブ（１）にまで波及することはない。また、
取付け用金具自体を熱交換器にろう付けしたものではな
いから、金具の強度低下を招くこともない。

【００２５】なお、本発明では、台座部材は、その一方
の足の先端部のみをヘッダー内に挿入し、他方の足の先
端をヘッダーの外周面に当接せしめた状態においてヘッ
ダーにろう付けされたものとなされていてもよい。その
場合でも、台座部材は、そのセルフ治具作用によりヘッ
ダーに適正配置状態に保持され得る。

【００２６】また、ヘッダーの形成される挿入用開口の
形状には特に制限はなく、また、台座部材も、金具を取
り付けるための取付け部と、ヘッダーの挿入用開口を通
じてヘッダー内に挿入される挿入用突部とを有するもの
であれば、その構造として各種のものが採用され得るこ
とはいうまでもない。

【００２７】

【発明の効果】上述の次第で、この発明の熱交換器は、
ヘッダーの外周側面に、取付け用金具を取り付けるため
の台座部材が取り付けられているので、金具の取付けは
、この台座部材に対して行う。従って、金具が直接ヘッ
ダーやチューブに接触するということがなく、しかも金
具締結用のボルト等の締結部材が直接ヘッダーやチュー
ブに接触するということがなく、その結果、ヘッダー、
チューブの腐食を防止することができる。なお、台座部
材がヘッダーより卑又は同等の材料でつくられているこ
とにより、台座とヘッダーとの接触による腐食もなく、
しかもヘッダーと台座の接合がろう付けにより行われた
ものであることにより、例えば締結部材を使用する場合
に生じ得るヘッダーの腐食という不都合も起こらない。

【００２８】しかも、熱交換器への取付け用金具の取付
けをろう付けにより行わなくてもよいから特別な手段を
講じることなく適正な金具強度を確保することができる
。

【００２９】加えて、台座部材のろう付けは、その足の
先端部を、ヘッダー周側面に形成された嵌合用開口を通
じてヘッダー内に突出せしめた状態において行ったもの
であるから、台座部材は、治具を使用しなくても、ろう
付けが終わるまで適正な配置状態にヘッダーに保持され
る。従って、台座部材のろう付け作業の簡素化、能率化
を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図（イ）は台座部材をヘッダーに取り付けた状
態において示す平面図、図（ロ）は同側面図、図（ハ）
は（イ）のＩ−Ｉ　線断面矢視図である。

【図２】熱交換器の全体正面図である。

【図３】熱交換器の全体平面図である。

【図４】取付け用金具の従来の取付け構造を示す一部断
面斜視図である。

【符号の説明】

１…チューブ ３…ヘッダー ９…取付け用台座部材 ９ｃ…足 １０…開口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　複数本のチューブが連通状態に接続さ
   れた中空ヘッダーを有する熱交換器であって、前記ヘッ
   ダーの外周側面に、取付け用金具を取り付けるための、
   ヘッダーより卑又は同等の材質の取付け用台座部材が配
   置され、該台座部材が、その足の先端部を、ヘッダー周
   側面に形成された挿入用開口を通じてヘッダー内に突出
   せしめた状態において、ヘッダーにろう付けにより接合
   一体化されてなることを特徴とする金属製熱交換器。