JPH0425053Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕 本考案はコンパクト中蓋、更に詳細には特にメ
ーキヤツプ化粧料であるフアンデーシヨン、頬
紅、白粉等の所謂ペースト状化粧料用コンパクト
中蓋に関する。 〔従来の技術〕 従来、この種の化粧料用コンパクトの中蓋とし
ては、ペースト状化粧料を容入させる中皿の上部
に、弾性を有する通液性中蓋を固設したものが報
告せられている。 〔考案が解決しようとする問題点〕 然しながら、斯かる従来のコンパクト中蓋は、
当該中蓋の弾性を利用し、これをスポンジ・パフ
等の塗布体で内側に押し撓めることにより、中皿
内のペースト状化粧料を該塗布体に滲出付着せし
めるものであるため、中皿内のペースト状化粧料
残量が減少するに従い、その押圧滲出効率が悪化
し、特に中皿周辺部に容入された化粧料の滲出は
箸しく阻害され、該化粧料を最後まで使用するこ
とは甚だ困難であり、或いは化粧料がある程度以
上の硬さを有するものであつた場合には滲出量が
少なく、使用性の点で好ましくないというのが実
体であつた。 〔問題点を解決するための手段〕 そこで、本考案者は上記の如き従来の問題点を
解消すべく種々検討を重ねた結果、中蓋を容器ま
たは中皿に直接固設しない所謂落し蓋とすれば極
めて良い結果が得られることを見い出し、本考案
を案出したものである。 すなわち、本考案は柔軟性メツシユ体と剛性メ
ツシユ体の積層体製落蓋としたことを特徴とする
ペースト状化粧料用コンパクト中蓋である。 〔実施例〕 以下本考案をその実施例を示す図面と共に説明
する。 １は本考案中蓋で、メツシユ体製落し蓋により
構成せられ、中皿２内に容入せられたペ ースト
状化粧料３上面に載置して使用せられるものであ
る。尚、４は該中皿２を嵌挿するコンパクト本体
で、５はその蓋体である。 ここに中蓋１の材質は化粧料に悪影響を与えな
いものであればよく金属、合成樹脂等の如何を問
わず、例えばステンレス、ポリプロピレン、ポリ
エチレン製のメツシユ体が拳げられると共に、そ
の弾性、非弾性の如何も問わない。 また、積層体製落し蓋は柔軟性メツシユ体１ａ
を上層とし、剛性メツシユ体１ｂを下層とした積
層体より成る中蓋とするのが、落し蓋作用並びに
化粧料塗布体（パフ）での擦取具合上特に有利な
結果を得ることができる。 更に、この場合当該積層体の周縁部１１を肉厚
あるいは剛性部材等にして補強せしめてもよい。 中蓋１の形状は円形、角形等中皿の形状に対応
せしめて適宜選択実施することができ、大きさは
容器または中皿に周辺が軽く接する程度にすれば
好ましい結果を与える。また、本考案中蓋１は中
皿２に容入したぺースト状化粧料３上面に載置し
て使用する落し蓋であるため、単なる平板体であ
つても良く、また必要ならば、中蓋１周縁部下面
に下方に突出せしめた折曲可能な爪片１２を適宜
数形設せしめ、ペースト状化粧料３との内方折曲
係止作用により、その脱落やズレ動きを防止し得
る構造にしてもよい。尚、単なる平板体として用
いる場合には、中皿２開口部周辺に内方突起を有
する枠体２２を設ければ中蓋１の脱落防止上好ま
しい。 中蓋１のメツシユの大きさとしてはその如何を
問わないが、特に４０〜１８０メツシユの範囲内
のものがペースト状化粧料のパフによる擦取具合
上有利である。 また、本考案中蓋を載置使用するペースト状化
粧料の稠度としては、１７〜２８mm（30℃）のも
のが特に有利である。因に、これより柔らかい化
粧料の場合には中蓋の載置保持が不可能で沈降し
てしまう場合もあると共に、中皿から化粧料が漏
出し易く、実用に供し得ない。また、これより硬
い化粧料の場合には使用上目の粗い中蓋を用いざ
るを得ない結果、外観上好ましくないと共に、使
用上パフへのタツチも悪く、感触面でも好ましく
ない。 次に、中蓋のメツシユの大きさと中皿に容入さ
れる化粧料の稠度との関係につき試験例を拳げて
説明する。 試験例 (1) 試料（油性フアンデーシヨン）

【表】 (2) 稠度測定 上記第１表の組成より成る各試料につき、下記
に従い稠度を測定した。 Γ 測定法 JISK−2236附属書１を準用 Γ 測定機器 日本油試験工業株式会社製、AN−200PD 自動針入度試験器 Γ 測定条件 円すい：JIS Ｋ−2236附属書１図２に示すもの
と同一の形状・寸法但し、重量は30.0±0.05
ｇで、材質はアルミニウム製。 測定温度：30℃ 測定用容器：直径60mm，深さ38mmの円 筒容器 測定時間：５秒 Γ 結 果 後記第２表に示す通りである。但し、試料Ａは
流動状の故に、また試料Ｆは粉白粉の故に測定せ
ず。 (3) 使用性試験 上記第１表の組成より成る各試料を中皿（金
皿）に流し込み充填（Ｆについては直接充填）
し、その後各種目の粗さを有するステンレスのメ
ツシユ体製中蓋を当該試料上面に載置し、その装
置状態で見映え等の外観観察及びパフによる擦取
具合の程度から使用性の良悪の面で総合評価し、
下記判定基準に従い判定した。その結果は後記第
２表に示す通りである。 Γ 判定基準 ◎：非常に良好 ○：良好 △：やや悪い（中蓋の目が粗く、外観面で好まし
くないか或いは網目から出にくいため、擦取
量が少ないので使いにくく、使用性面で好ま
しくない。） ×：悪い（化粧料が軟らかすぎるため中蓋の保持
ができず沈降または中皿からこぼれが生ずる
状態となるか或いは硬すぎるため網目から出
にくく、擦取が難。）

〔作用〕

本考案は以上の如く構成されるので、中蓋を単
にペースト状化粧料の上面に載置するだけで該中
蓋が落し蓋として円滑に機能し、ペースト状化粧
料の減少に伴ない中蓋も自然に下降し、最終的に
は中皿底部に達し、接面する。 〔考案の効果〕 以上従つて、本考案中蓋を用いれば、落し蓋作
用に優れるため、ペースト状化粧料の残量如何に
拘らず、常に中蓋は化粧料と接触状態を保持し得
るので、パフの押圧による適量滲出擦取を極めて
容易かつ効率的に行うことができると共に、使用
性が良く該化粧料を最後までムダなく使用するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案中蓋を使用したコンパクトの斜
視図、第２〜３図は本考案中蓋の実施例を示す断
面図説明図、第４〜５図は本考案中蓋を載置した
中皿の断面説明図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 柔軟性メツシユ体と剛性メツシユ体の積層体製
   落し蓋としたことを特徴とするペースト状化粧料
   用コンパクト中蓋。