JPH04246093A - 架空送電線接近限界表示方法及び表示器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、架空送電線に近接する
場所で工作物の建設、解体、修理などの作業、又はクレ
ーン車での作業が行われる場合に、作業者の感電防止と
送電線の保護のために、電力会社側が送電線にクレーン
の接近限界を直接表示する方法及び器具に関する。

【０００２】

【従来の技術】本来、架空送電線に近接して行う建設工
事については、労働安全衛生規則第３４９条（工作物の
建設を行う場合の感電の防止）により次の通りに規定さ
れている。■当該充電電路を移設すること。■感電の危
険を防止するための囲いを設けること。■当該充電電路
に絶縁用防護具を装着すること。■前３号に該当する措
置を講ずる事が著しく困難なときは、監視人を置き作業
を監視させること。

【０００３】上記規則に基づいて各事業者は主に次のよ
うな接近防止対策を行っている。 １）送電線の下方に支柱を建て、接近防止用ロープ又は
ネットを張りクレーン車の接近を防止する（図９〜図１
１参照）。 ２）送電線の最下線に、絶縁用の碍子で吊った水平棒を
取付け、それに接近防止用ロープを張りクレーン車の接
近を防止する（図１２参照）。 ３）ロープ類の設置ができない場合、監視人を置き作業
を監視する。

【０００４】しかしながら、前記従来の対策には、それ
ぞれ次のような問題があった。 前記１）の方法 （１）対策に期日を要するので突発的な工事に対応でき
ない。 （２）支柱及び支線を設置するのでクレーン作業がやり
にくい。またそのための用地交渉も必要となってくる。 （３）短期間の工事に採用するには工事費が高くなり経
済的でない。

【０００５】前記２）の方法 （１）対策に時間を要するので突発的な工事に対応がで
きない。 （２）絶縁用の碍子で吊った水平棒の取付けには高所作
業車が必要で、作業車の進入路がない場合は対応ができ
ない。 （３）高所作業車上での作業や送電線にセットしたロー
プの操作など作業が難しく、しかも多人数を要する。 （４）ロープを含む装着器材の重量が重くなり、電線の
垂下量が大きく保安上好ましくない。

【０００６】前記３）の方法 （１）送電線との距離が離れていて、電線が見えにくい
ので距離勘が掴めずクレーン車の接近状態がよく判らな
い。 （２）クレーン車の行動を常時監視しなければならない
ので、長時間の監視は疲労が大きく、的確な監視が困難
である。 （３）クレーン車の行動範囲が広くなると監視人が複数
人必要となる。 （４）規則を無視して監視人を置かずに不安全作業をす
るケースが生じるおそれがある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】以上の各方法を検討し
てみると、監視人を置く方法には不都合があるため、１
）及び２）の対策をとることを考慮しなければならない
が、クレーン作業が狭い範囲でかつ短期間で行われるよ
うなケースについてまで大掛かりな接近防止対策を行う
ことは工期的にも経済的にも非合理的である。

【０００８】そこで本発明は、限定された範囲でのクレ
ーン車作業に際し、特殊工具車両を使用せず、構造が簡
単で、小人数で短時間に対応できる方法及び器具を提供
することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
、本発明の架空送電線接近限界表示方法は、最下部の架
空送電線に、フック部を上端に設けた絶縁チェーン部の
下部に表示部を吊り下げた表示器を絶縁操作棒を用いて
吊り下げ、前記表示部の位置をもって接近限界を表示す
ることを特徴とする。

【００１０】また本発明の架空送電線接近限界表示器は
、架空送電線にセットする電線取付用フックを有する絶
縁チェーンと、送電線との接近限界を示す表示部とを備
えたことを特徴とする。

【００１１】

【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例を参照しな
がら具体的に説明する。

【００１２】図１は本発明に係る表示器の実施例を示す
正面図である。図において１は電線フック、２は絶縁チ
ェーン、３は連結リング、４は連結フック、５は吊り下
げ絶 縁チェーン、６は接近限界表示部、７は連結リング、８
は連結フック、９は重錘である。

【００１３】電線フック１の細部を図２（正面図）及び
図３（平面図）に示す。電線フック１は鉄製の棒材を曲
げたものにビニル被覆したものを用い、これに、先端に
ウエイト１０を設けた電線把持杆１１の基端部前方をヒ
ンジ１２によって回動自在に取り付けている。

【００１４】図１に戻って、接近限界表示部６を吊るす
絶縁チェーン２は当初絶縁ロープを考えたが、含水によ
る漏電の危険性があるため、沿面距離を稼ぐために塩化
ビニル等の合成樹脂製のチェーンを連結したものとした
。連結リング３は連結フック４を引っ掛けるときに地上
から見易くするために自然状態では水平に取り付けられ
たリングとしている。

【００１５】接近限界表示部６は図４に示すように大き
な（例えば直径２ｍ）リング状とし、運搬時に車載でき
るように４分割式とした。この接近限界表示部６には注
意ネット１３を張り、「送電線に注意」というような文
字を付して地上から見えるようにしている。この接近限
界表示部６は５本（リング上の４点からとリング中心の
１点から）の絶縁チェーン５で連結フック４に連結され
ている。

【００１６】接近限界表示部６の下部には連結リング７
が取り付けられており、この連結リング７に連結フック
８を介して重錘９が取り付けられ、接近限界表示部６の
揺動を抑えるようにしている。

【００１７】図５は絶縁操作棒１４及び地上での垂直支
持スタンド１５を示すもので、支持スタンド１５を用い
ることにより、長く繰り出す絶縁操作棒１４のフラツキ
を小さくしている。

【００１８】以下にこの器具の操作について述べる。予
め、連結リング３及び７によって３分割された送電線接
近限界表示器を、架空送電線の最下部に絶縁操作棒１４
を用いて、絶縁チェーン２、接近限界表示部６、重錘９
の順で装着する。各部はそれぞれ、電線フック１、連結
リング３、連結フック４、連結リング７、連結フック８
で連結させる。

【００１９】器具の撤収は逆の手順で行う。電線フック
１と接近限界表示部６との間の長さは、送電線の送電電
圧の大きさにより異なり、例えば１１万ボルト以下の場
合には４ｍ程度、２２万ボルト級の場合は６ｍ程度にな
るように、絶縁チェーン２の長さを設定する。

【００２０】なお、電線フック１を電線Ｗに引っ掛ける
には、図２に示すように電線把持杆１１の曲がった部分
に絶縁操作棒１４の先端を掛けて持ち上げると、一点鎖
線で示すように電線把持杆１１がヒンジ部１２を支点と
して立ち上がり、電線把持杆１１の基端と電線フック１
の上端内側との間に電線Ｗを受け入れる間隔が生じる。 そのまま絶縁操作棒１４を繰り出して電線Ｗに引っ掛け
、絶縁操作棒１４を引っ込めると、電線把持杆１１はウ
エイト１０の重量で図２の状態に復帰し、電線把持杆１
１の基端部と電線フック１の上端内側との間に電線Ｗが
把持された状態となる。これにより、風などで接近限界
表示部６が電線Ｗに沿って移動したりすることを防止す
ることができる。

【００２１】図６〜図８は本発明による接近限界表示器
を送電線に取り付けた例を示すものであり、図６に示す
ように、作業範囲が狭くクレーン車の移動がほとんどな
い場合、たとえばトラックの荷積み荷下ろしなどの作業
では、送電線に接近限界表示器を１個セットして、その
下方において表示器に接触しないようクレーン作業を行
う。家屋の屋根工事等でクレーン作業に水平方向の幅が
ある場合には、図７に示すように２個セットすることが
できる。さらに、長い幅を要する場合には、図８に示す
ように３個ないしそれ以上のセットも可能である。

【００２２】このようにして、クレーン車の送電線との
接近限界を表示し、作業者の感電事故防止を図る。

【００２３】

【発明の効果】上述したように、本発明の送電線接近限
界表示方法及び表示器を使用すれば次の効果がある。■
送電線にクレーン車等の接近限界を直接表示しているの
で作業の安全範囲が確認し易い。■表示器が簡単で小人
数で短時間に対策できるので、突発的なクレーン車作業
にいつでも敏速に対応できる。■本方法は支柱、支線、
ロープ類の設置を必要とせずに広く活用できるので、支
障なくクレーン車作業がやり易い。■クレーン車の行動
範囲に合わせて表示器の増設ができる。■あらゆる作業
に対応できるので、監視人の省力化が可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る表示器の実施例を示す正面図であ
る。

【図２】電線フックの細部を示す正面図である。

【図３】電線フックの細部を示す平面図である。

【図４】接近限界表示部の実施例を示す平面図である。

【図５】絶縁操作棒及び支持スタンドの例を示す一部省
略正面図である。

【図６】本発明の設置例を示す説明図である。

【図７】本発明の設置例を示す説明図である。

【図８】本発明の設置例を示す説明図である。

【図９】従来の保護方式を示す説明図である。

【図１０】従来の保護方式を示す説明図である。

【図１１】従来の保護方式を示す説明図である。

【図１２】従来の保護方式を示す説明図である。

【符号の説明】

１　　電線フック ２　　絶縁チェーン ３　　連結リング ４　　連結フック ５　　吊り下げ絶縁チェーン ６　　接近限界表示部 ７　　連結リング ８　　連結フック ９　　重錘 １０　　ウエイト １１　　電線把持杆 １２　　ヒンジ １３　　注意ネット １４　　絶縁操作棒 １５　　支持スタンド

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　最下部の架空送電線に、フック部を上
   端に設けた絶縁チェーン部の下部に表示部を吊り下げた
   表示器を絶縁操作棒を用いて吊り下げ、前記表示部の位
   置をもって接近限界を表示することを特徴とする架空送
   電線接近限界表示方法。
2. 【請求項２】　　架空送電線にセットする電線取付用フ
   ックを有する絶縁チェーンと、送電線との接近限界を示
   す表示部とを備えたことを特徴とする架空送電線接近限
   界表示器。