JPH04244205A - 高速濾過装置 - Google Patents

高速濾過装置

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Publication number
JPH04244205A
JPH04244205A JP924391A JP924391A JPH04244205A JP H04244205 A JPH04244205 A JP H04244205A JP 924391 A JP924391 A JP 924391A JP 924391 A JP924391 A JP 924391A JP H04244205 A JPH04244205 A JP H04244205A
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JP
Japan
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filtration
liquid
pipe
valve
tower
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Application number
JP924391A
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English (en)
Inventor
Yoshinori Kajiyama
梶山 吉則
Kunio Tsuji
辻 邦夫
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Shinko Pantec Co Ltd
Original Assignee
Shinko Pantec Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH04244205A publication Critical patent/JPH04244205A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、上中水道水、下水、河
川水や湖沼水、凝集沈澱上澄水、各種の工程中間液や回
収液および廃液等の原液中の懸濁物を高流速で除去する
ための高速濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原液中の懸濁物を除去するための濾過装
置としては、従来から、例えば、金網等のスクリーンで
原液中の比較的大きな懸濁物を除去するものから、微細
孔を有す濾膜を用いて原液中の微粒子を精密濾過するも
のまで、原液の種類やその目的によって種々の構成のも
のが用いられているが、これらの内で最も広く用いられ
ているのが充填層型濾過装置である。
【0003】この充填層型濾過装置は、濾過塔内に砂や
アンスラサイト等の粒状濾過材あるいは短繊維や球状繊
維体等の繊維濾過材を充填し、これら濾過材の充填層に
下向または上向流で原液を通過させ、この充填層に原液
中の懸濁物を捕捉させて清澄な処理液を得るものである
。また、この充填層型濾過装置では、濾過による圧力損
失の増加、あるいは処理液の液質悪化により濾過を中断
し、原液中の懸濁物を捕捉した充填層を、水流または水
流と空気等によって膨張または攪拌させて洗浄(いわゆ
る逆洗)した後、濾過を再開する方法が常套的に行われ
ている。
【0004】これら充填層型濾過装置おいては、高流速
で濾過しても圧力損失が早期に増加せず、かつ処理液の
液質が良好であり、また洗浄工程では、充填層に捕捉し
た懸濁物を少ない洗浄液量で、かつ短時間で確実に除去
できることが望まれている。しかしながら、これら充填
層型濾過装置では、砂やアンスラサイト等の粒状濾過材
を用いる場合、通常、通水速度が20m/Hr程度で限
界となり、しかも懸濁物の種類によってはすぐ目詰まり
を起こして圧力損失が比較的早期に上昇してしまうとい
う欠点があり、また、洗浄工程においても、粒状濾過材
が塔外に流出しない程度の流速による洗浄となるので、
洗浄液量および洗浄時間を多く要するという問題点があ
る。 一方、短繊維や球状繊維体等の繊維濾過材を用いる場合
、使用する濾過材の大きさを原水の懸濁物の種類に応じ
て任意に選定できるという利点があるものの、通常、こ
れら繊維濾過材の比重は極めて低いため、洗浄中に浮上
して塔外に流出しないようにスクリーン等を設けること
が必須となり、構造が複雑になるに加えて、このスクリ
ーン等が洗浄時における懸濁物の塔外排出の阻害要因と
なり易いという問題点がある。
【0005】そこで、これら充填層型濾過装置における
問題点を解消するため、直立させた長繊維束からなる濾
過層を用いた高速濾過装置(昭63−315110号、
平1−304011号公報) が提案されている。この
高速濾過装置は、その模式断面図である〔図7〕に示す
ように、濾過塔(71)内下部に配された支持体(72
)に下端を固定され、上端を自由端とした長繊維束(7
3)を、各長繊維が直立するように密に配して濾過層を
形成し、この長繊維束(73)の上端から下端に向かう
下向流で原液Lを通過させ、長繊維束(73)の各繊維
間の空隙部で原液L中の懸濁物を捕捉すると共に、濾過
塔(71)下部に設けた処理液管(74)を介して処理
液を回収する構成とされている。また、濾過塔(71)
下部の処理液管(74)は、洗浄液管(75)および空
気管(76)に分岐接続されてあり、洗浄工程に際して
、これら洗浄液管(75)および空気管(76)からの
洗浄液および圧縮空気を、処理液管(74)を介して濾
過塔(71)内下部に導入して、原液L中の懸濁物を捕
捉した長繊維束(73)を逆洗する構成とされている。 なお、処理液の液質を高めるため、直立させた長繊維束
からなる濾過層の下方に、スチールウール、多孔質積層
体、粒状濾過材、長繊維束の水平状積層体等の充填層が
形成される場合がある。
【0006】この高速濾過装置では、長繊維束の集合密
度および繊維長さを選定することによって、原液中に含
まれる懸濁物の種類に応じて高速濾過に適する濾過層を
形成でき、また、洗浄工程においては、下端を固定した
長繊維束を上向流により逆洗するので、前記充填層型濾
過装置のように濾過材が塔外に流出する懸念がなく、高
流速の逆洗液でもって短時間で洗浄を行うことができる
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の高
速濾過装置では、上端を自由端として直立させられた長
繊維束の各長繊維間の空隙部で原液中の懸濁物を捕捉す
るのであるが、濾過工程において、長繊維束の各長繊維
が、その自由端側から下方に向けて通過する液流によっ
て曲げられ、それら間の空隙に粗密が生じ易いため、こ
の長繊維束からなる濾過層に圧密が生じて原液の短絡路
(ショートパス路)が形成され、処理液の液質を損ない
易いという問題点を内在している。
【0008】また、微細な懸濁物を含む原液を濾過する
ために、長繊維束の集合密度を高めた場合、長繊維束上
部の各繊維の自由端側で懸濁物が捕捉されて密圧層を形
成し、この長繊維束からなる濾過層の全層にわたる深層
濾過が達成し難くなり、圧力損失が早期に上昇し易い。 一方、長繊維束の集合密度を低くした場合、高速濾過は
達成し得るものの、その集合密度を低くするほど各長繊
維に不均等な曲がりや座屈が生じ易くなり、濾過層に原
液のショートパス路が形成されて処理液が予期した液質
より低いものとなり易い。
【0009】さらに、上記従来の高速濾過装置では、濾
過塔内に導入された原液中の懸濁物の全てを濾過層で捕
捉すると共に、洗浄工程で捕捉した懸濁物を塔外に排出
する構成とされているため、原液中の懸濁物の性状にあ
る制約が生じる。これは、原液中に粗大懸濁物等が混入
した場合、この懸濁物が長繊維束上部の各繊維の自由端
側で捕捉され、局部的な圧密を生じて原液のショートパ
ス路の形成要因となり、また、原液中に比重の大きな粒
状懸濁物等が混入した場合、この粒状懸濁物が長繊維束
の長繊維間の間隙に捕捉されても、液流による長繊維の
蠕動によって下方に移動するため、逆洗によって除去さ
れ難くなり残留して原液の定常的なショートパス路の形
成要因となるためである。このため安定した濾過を行う
には、これら粗大懸濁物や粒状懸濁物を前もって原液中
から除去する工程が必要となり、引いてはその適用範囲
を制約される。
【0010】また、ショートパス路の形成による処理液
の液質の低下を防ぐには、前述したように、長繊維束か
らなる濾過層の下方に、濾過材の充填層を形成すること
が有効であるが、この場合、洗浄時間が長くなるという
問題が派生する。
【0011】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
高流速で、原液のショートパス路の形成もなく良質の処
理液を安定して得ることができると共に、濾過工程で圧
力損失の上昇が少なくて長時間の濾過が行うことができ
、また洗浄工程では捕捉した懸濁物を少ない洗浄液量で
、かつ短時間で確実に除去でき、しかも、原液中に混入
した粗大懸濁物や高比重の粒状懸濁物等を濾過工程中に
おいて容易に排出でき、原液中の懸濁物の性状に関する
制約が少なく広範囲の濾過に対応できる高速濾過装置を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は以下の構成とされている。すなわち、本発
明に係る高速濾過装置は、原液を導入する濾過塔内に、
管路を介して外部の処理液回収および逆洗用気液供給手
段に連通された濾過エレメントを配置した高速濾過装置
であって、周壁に集水孔を設けた円筒状の集水部と、こ
の集水部より大径の円盤状に形成されてその上下に設け
られ少なくとも一方が前記管路に連結された濾材保持部
とを有する集水筒体を備えると共に、この集水筒体の上
下の濾材保持部間の集水部外周に、放射状繊維輪を全周
に有して伸縮可能な糸状体を多重に巻付けてなる濾過層
を備える濾過エレメントを、濾過塔内底面と間隔を隔て
て配置したものである。
【0013】また、上記の濾過エレメントを、濾過塔内
に上下2段に配置しても良い。
【0014】また、上記の濾過塔の下底部を下方に向か
って縮径するコーン状に形成すると共に、その最下部に
外部の排泥回収手段に連通する排泥ノズルを設けても良
い。
【0015】
【作用】上記構成の本発明装置においては、周壁に集水
孔を設けた集水筒体の集水部外周に糸状体を多重に巻付
けてなる濾過層を備えてなり、かつ、管路を介して外部
の処理液回収手段に連通された濾過エレメントを、原液
を導入する濾過塔内に配置するので、筒状をなす濾過層
の外周側から内側に向かう内向流で原液を通過させ、原
液中の懸濁物を濾過エレメントの濾過層で捕捉させると
共に、清澄な処理液を管路を介して塔外の処理液回収手
段に回収することができる。
【0016】また、濾過エレメントの濾過層は、放射状
繊維輪を全周に有する糸状体を多重に巻付けてなり、方
向性の特定されない無数の繊維間空隙が形成されている
ので、高流速でも、この濾過層を貫通する原液のショー
トパス路が形成されることがなく、その全濾過層にわた
る深濾過を達成し、良質の処理液を安定して得ることが
できる。さらに、糸状体の巻付け強さおよび重なり回数
を選定することで、繊維間空隙の大きさおよび濾過層厚
を任意に設定できるので、原液の種類および性状に応じ
て高速濾過に適する濾過層を形成することができる。
【0017】また、濾過エレメントは濾過塔内底面と間
隔を隔てて配置される一方、その濾過層の外周面が垂直
方向となるように配置されるので、濾過塔内に導入され
た原液中の懸濁物は、その全てが濾過層を通過させられ
る液流に随伴して濾過層に捕捉されず、その一部は、特
に粗大な懸濁物や比重の大きな粒状懸濁物の多くは、濾
過塔内底部に沈降して堆積する。このため、前述した従
来の充填層型濾過装置や高速濾過装置のように、原液中
の懸濁物の全てを濾過層で捕捉する構成の濾過装置に比
べて、濾過工程での圧力損失の上昇が少なく、より長時
間の濾過が行うことができる。さらに、濾過塔内底部に
沈降して堆積した懸濁物は、濾過工程中においても、濾
過塔底部から排出させることができるので、原液中に粗
大な懸濁物や高比重の粒状懸濁物等が混入しても安定し
た濾過が継続できる。
【0018】一方、濾過エレメントの集水筒体は、周壁
に集水孔を設けた円筒状の集水部と、この集水部の上下
に設けられ、少なくとも一方が外部の処理液回収および
逆洗用気液供給手段に連通された管路に連結された濾材
保持部とを備えてなるので、洗浄工程において、逆洗用
気液供給手段からの洗浄液および空気を集水筒体内に導
入し、集水筒体の集水部外側の濾過層を内側から外方に
通過させることによって、原液中の懸濁物を捕捉した濾
過層を逆洗することができる。
【0019】ここで、濾過層を形成する糸状体は、その
全周に放射状繊維輪を有して伸縮可能とされているので
、内側からの洗浄液の通過によって引き伸ばされ、膨張
して繊維間の空隙を拡大させられると共に、洗浄空気の
気泡によって繊維を振動させられて、その空隙に捕捉し
た懸濁物を排除させられる。従って、高流速で逆洗する
ほど効率が高まり、少量の洗浄液でもって短時間で捕捉
した懸濁物を効率良く除去して、再濾過に移ることがで
きる。一方、濾過層を形成する糸状体は、集水部より大
径の円盤状に形成された上下の濾材保持部の間に多重に
巻付けられているので、高流速の逆洗液で膨張させられ
ても集水筒体から離脱したり、もちろん塔外に流出した
りする懸念がない。
【0020】また、上記の濾過エレメントを、濾過塔内
に上下2段に配置する場合、濾過面積を倍増させること
ができて、濾過効率を高めることができる。
【0021】また、上記の濾過塔の下底部を下方に向か
って縮径するコーン状に形成すると共に、その最下部に
外部の排泥回収手段に連通する排泥ノズルを設けること
で、濾過塔内底部に沈降する粗大な懸濁物や比重の大き
な粒状懸濁物を塔内最下部の一定部位に集中堆積させて
、その回収をより容易なものとすることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の高速濾過装置の実施例を図
面を参照して説明する。〔図1〕は本発明の濾過装置の
1実施例を示す面図であって、(a)図はその模式断面
図、(b)図は本例装置に用いる濾過エレメントの正断
面図である。
【0023】〔図1〕において、(1) は濾過塔であ
って、この濾過塔(1) は、下底部(1a)を下方に
向けて縮径するコーン状に形成した円筒状の圧力容器で
あり、その上蓋部(1b)には、塔外の原液槽(5) 
に連通し中途に原液弁(6a)を装着した原液管(6)
 と、上端部に空気弁(7a)を装着した空気抜管(7
) とが連結されている。また、この濾過塔(1) の
コーン状下底部(1a)の内下底部には、塔外の排泥回
収槽(8) に連通し中途にスラッジ弁(9a)を装着
した排泥管(9) に連結された排泥ノズル(1c)が
配置されている。
【0024】(2) は濾過エレメントであって、この
濾過エレメント(2) は、次に述べる筒状体であって
、濾過塔(1) の下部側壁を貫通して外部に連通する
処理液導出管(10)にその下端部を連結・支持され、
濾過塔(1) 内部のコーン状下底部(1a)よりやや
上に位置する中心部に、内壁面と間隔を隔てて配置され
ている。また、処理液導出管(10)は、塔外の処理液
回収槽(11)に連通し中途に濾液弁(12a) を装
着した濾液管(12)に連結されている。
【0025】この濾過エレメント(2) は、その正断
面図である(b)図に示すように、集水筒体(3) と
、この集水筒体(3) の外周に巻付けた糸状体(4a
)にて形成された濾過層(4) とを備えてなるものと
されている。また、この濾過エレメント(2) の集水
筒体(3) は、周壁に多数の集水孔を均等に設けた円
筒状の集水部(3a)と、集水部(3a)より大径の平
円盤状に形成されて、集水部(3a)の上下を閉塞する
共に、外周部をフランジ状に張出して設けられた上下の
濾材保持部(3b)(3c)とを有してなり、その下濾
材保持部(3c)の中心部を処理液導出管(10)に連
結・支持されている。
【0026】一方、この濾過エレメント(2) の濾過
層(4) を形成する糸状体(4a)は、その説明図で
ある〔図2〕の(a)図(部分側面図)および(b)図
(断面図)に示すように、全周にループをなす放射状繊
維輪(4b)を有して長さ方向に伸縮可能とされたもの
で、集水筒体(3) の上下の濾材保持部(3b)(3
c)間の集水部(3a)外周に、所定の繊維密度および
厚さの濾過層を形成するように、適度の強度の引っ張り
力のもとで、集水筒体(3) の集水部(3a)外周に
多重に巻付けられる。
【0027】翻って、原液管(6) は、原液槽(5)
 に装備された原液ポンプ(5a)に連結され、その原
液弁(6a)と濾過塔(1)の間には、原液槽(5) 
に連通し中途に排液弁(13a) を装着した洗浄排液
管(13)が分岐・接続されている。また、濾液管(1
2)の濾液弁(12a) と処理液導出管(10)の間
には、処理液回収槽(11)に装備された送液ポンプ(
11a) に連結され、中途に洗浄液弁(14a) を
装着した洗浄液管(14)と、塔外の送気ポンプ(16
)に連結され、中途に空気弁(15a) を装着した空
気管(15)とが分岐・接続されている。
【0028】上記構成を具備する本例装置で原液Lを濾
過する場合は、以下のようにする。まず、原液管(6)
 の原液弁(6a)と濾液管(12)の濾液弁(12a
) を開放する一方、空気抜管(7) の空気弁(7a
)、排泥管(9) のスラッジ弁(9a)、洗浄排液管
(13)の排液弁(13a) 、洗浄液管(14)の洗
浄液弁(14a) および空気管(15)の空気弁(1
5a) を閉じてこれら管路を閉塞する。この状態から
、原液ポンプ(5a)を運転し、原液管(6) を介し
て原液槽(5) の懸濁物を含む原液Lを濾過塔(1)
 内に流入させ、この原液Lを外周側からの内向流で濾
過エレメント(2) の濾過層(4) を通過させる。 この通液により、濾過層(4) を形成する糸状体(4
a)は、通液圧力によりやや圧縮されながら、その全周
に有する放射状繊維輪(4b)の繊維間の空隙部に原液
L中の懸濁物を捕捉する。そして、この濾過層(4) 
を通過して集水部(3a)内に至った清澄な処理液は、
処理液導出管(10)および濾液管(12)を介して処
理液回収槽(11)に回収され、原液Lの濾過が達成さ
れる。
【0029】ここで、本例装置の濾過エレメント(2)
 の濾過層(4)は、前述したように放射状繊維輪(4
b)を全周に有する糸状体(4a)を多重に巻付けて形
成するため、その層内に方向性の特定されない無数の繊
維間空隙が形成されるので、高流速で通液しても、この
濾過層(4) を貫通する原液Lのショートパス路が形
成されることがなく、良質の処理液を安定して得ること
ができる。
【0030】また、本例装置の濾過エレメント(2) 
は、前述した従来の充填層型濾過装置や〔図7〕に示し
た従来の速濾過装置における濾過層のように、濾過塔内
を上下に区画するように配置されず、濾過塔(1) 内
壁面と間隔を隔てて、かつ、その濾過層(4) の外周
面が垂直方向となるように配置されているので、濾過塔
(1) 内に導入された原液L中の懸濁物は、その全て
が濾過層(4) を通過させられる液流に随伴して濾過
層(4) に捕捉されず、その一部は、特に粗大な懸濁
物や比重の大きな粒状懸濁物の多くは、濾過塔(1) 
内底部に沈降して堆積する。このため、原液中の懸濁物
の全てを濾過層で捕捉する構成の従来装置に比べて、濾
過層表面に懸濁物の密圧層が形成され難くなり全濾過層
にわたる深濾過を達成できて、濾過工程での圧力損失の
上昇が少なく、より長時間の濾過が行うことができる。
【0031】加えて、本例装置では、濾過塔(1) の
下底部(1a)をコーン状としているので、これら沈降
する懸濁物を、その内下底部に装着した排泥ノズル(1
c)の近傍に集中堆積させて、その回収を容易とし、か
つ濾過工程中においても排泥管(9) を介して塔外に
排出できるので、原液L中に粗大な懸濁物や高比重の粒
状懸濁物等が混入しても安定した濾過を続けることがで
きる。
【0032】この濾過の続行により、濾過エレメント(
2) の繊維間空隙に懸濁物が捕捉され、徐々に圧力損
失が増大して行く。この圧力損失が設定値に達するか、
処理液の液質が所期値より悪化した場合には濾過を中断
して、以下の洗浄を行う。まず、原液管(6) の原液
弁(6a)と濾液管(12)の濾液弁(12a) とを
閉じ、これら濾過用管路を閉塞する一方、送液ポンプ(
11a) と送気ポンプ(16)を運転すると共に、洗
浄排液管(13)の排液弁(13a) 、洗浄液管(1
4)の洗浄液弁(14a) ならびに空気管(15)の
空気弁(15a) を開放する。そして、洗浄液管(1
4)を介する処理液回収槽(11)からの逆洗液と空気
管(15)を介する圧縮空気とを、濾過エレメント(2
) の集水部(3a)内に送給し、この気液混合流体を
、内方から外向流で濾過層(4) を通過させて、糸状
体(4a)の放射状繊維輪(4b)に接触させる。この
とき、もともと伸縮性を有する糸状体(4a)は、気液
混合流体の外向流により伸長して膨張させられて、その
放射状繊維輪(4b)の繊維間空隙を拡張すると共に、
圧縮空気の通過により振動させられるため、その繊維間
空隙に捕捉していた懸濁物をとどめることができなくな
り濾過塔(1) 内の原液L中に排出する。
【0033】従って、本例装置では、高流速の気液混合
流体で逆洗するほど効率が高まり、少量の洗浄液でもっ
て短時間で濾過層(4) の洗浄を達成することができ
る。 また、濾過層(4) を形成する糸状体(4a)は、集
水部(3a)より大径の平円盤状に形成されて外周部を
フランジ状に張出した上下の濾材保持部(3b)(3c
)間に多重に巻付けられているので、逆洗に際して高流
速の気液混合流体で伸長・膨張させられても、集水筒体
(3)から離脱したり、もちろん塔外に流出したりする
懸念がない。
【0034】一方、懸濁物濃度の高まった濾過塔(1)
 内の原液Lは、洗浄排液管(13)を介して塔外の原
液槽(5) 側に排出される。また、このとき、塔底部
に沈降して堆積した懸濁物は排泥管(9) を介して塔
外の排泥回収槽(8) 側に排出され、濾過塔(1) 
内の上部に滞留した空気は空気抜管(7) を介して適
宜に塔外に放出される。
【0035】次いで、本例装置よる具体的な濾過例につ
いて述べる。上記構成のもとで、長さ2mの糸状体(具
体的には、商品名がバイオコードで、全周にループをな
す放射状繊維輪を有して長さ方向に伸縮可能なTBR株
式会社製の糸状体)を、集水筒体に多重に巻付けて外径
200mm、層厚さ25mmの濾過層を形成した濾過エ
レメントAを配置した濾過装置と、長さ1mの同種の糸
状体を、前者より緩やかな引張力で集水筒体に多重に巻
付けて、前者と同様に外径200mm、層厚さ25mm
の濾過層を形成した濾過エレメントBを配置した濾過装
置とを準備した。
【0036】そして、これら濾過装置で、濁質としてカ
オリン10mg/1m2を含む原水に、凝集剤としてポ
リ塩化アルミニウム5mg/1m2を添加しながら、通
水速度を50m/Hrとする高流速で濾過し、その通水
時間(min.)と処理液懸濁度(度)および圧力損失
( kgf/cm2)との関係を調べた。その結果を〔
図3〕のグラフに示す。なお、〔図3〕のグラフにおい
て、濾過エレメントAを用いた濾過における圧力損失を
黒三角印でプロットした曲線Aで、処理液懸濁度を三角
印でプロットした曲線A’で示し、濾過エレメントBを
用いた濾過における圧力損失を黒丸印でプロットした曲
線Bで、処理液懸濁度を丸印でプロットした曲線B’で
示す。
【0037】〔図3〕のグラフに示すように、本例装置
では、原液を高流速で通液しても、処理液懸濁度の低い
安定した濾過を行うことができ圧力損失の上昇も、同規
模の従来装置よりも低く抑制することができる。また、
濾過エレメントAとBとの例に示すように、その濾過層
を形成する糸状体の巻付け強さおよび重なり回数を選定
することで、同濾過層厚における繊維集合密度および空
隙の大きさや、濾過層厚を任意に設定できるので、原液
の種類および性状に応じて高速濾過に適する濾過層を形
成することができる。
【0038】また、上記2例とも通液終了後、50m/
Hrの逆洗水と100m/Hrの空気とからなる高流速
の気液混合流体による逆洗を行ったところ、2分間の逆
洗にて、通液全懸濁物捕捉量が塔外に排出されたことを
確認できた。
【0039】なお、以上に述べた〔図1〕に示す実施例
においては、集水筒体(3) の上下の濾材保持部(3
b)(3c)を平円盤状とした濾過エレメント(2) 
を用いたが、これは例えば、その正断面図である〔図4
〕に示すように、集水筒体(23)の上下の濾材保持部
(23b)(23c)を外周部が上方に向かって傾斜ま
たは湾曲する皿状円盤とした濾過エレメント(2) を
用いることも、逆洗に際する圧縮空気を、濾過層(4)
 を形成する糸状体(4a)の繊維全体により均等に接
触させることができて、洗浄効果を高めるに望ましい実
施態様である。
【0040】また、〔図1〕に示す実施例においては、
濾過エレメント(2) は、その下濾材保持部(3c)
の中心部を、濾過塔(1) の下部側壁を貫通して外部
の濾液管(12)に連結された処理液導出管(10)に
連結・支持され、これら濾液管(12)および処理液導
出管(10)を通して送給される気液混合流体にて逆洗
されるものとされているが、これは、その模式断面図で
ある〔図5〕に示すように、濾過エレメント(2) の
上濾材保持部の中心部を、濾過塔(1) 側壁を貫通し
て設けた連通管(17)に連結させると共に、このを連
通管(17)を洗浄液管(14)に直結し、逆洗工程に
おいて、洗浄液管(14)を介する処理液回収槽(11
)からの逆洗液と、空気管(15)を介する圧縮空気と
を、別々に濾過エレメント(2) の集水部(3a)内
に送給する構成とすることもできる。この例では、濾過
エレメント(2) の保持が確実となる利点を得る。
【0041】〔図6〕は本発明装置のまた別の実施例を
示す模式断面図である。なお、本例装置は、濾過エレメ
ントを上下2段に配置した点以外は〔図1〕に示す例と
実質的に同構成のものであり、ここでは〔図1〕と均等
な各部は同符号を附してその説明を省略し、差異点のみ
を要約説明するものとする。
【0042】本例装置では、〔図1〕の例と同構成の濾
過エレメント(2) の直上に、この濾過エレメント(
2) を逆転させた構成の上濾過エレメント(2’)が
、連結桿(18)を介して配置されている。また、この
上濾過エレメント(2’)は、濾過塔(1) 側壁を貫
通して外部に連通する処理液導出管(10’) にその
上端中心部を連結されている。一方、処理液導出管(1
0’) は、処理液回収槽(11)に連通する濾液管(
12’) に連結されている。また、この濾液管(12
’) には、洗浄液管(14)から分岐された上洗浄液
管(14’) と、空気管(15)から分岐された上空
気管(15’) とが接続されてあり、逆洗工程におい
て、上濾過エレメント(2’)に、下の濾過エレメント
(2) と同様の気液混合流体を送給できる管路構成と
されている。このような構成を採る本例装置においては
、〔図1〕の例と比較して濾過面積を倍増させることが
でき、その濾過効率を容易に高めることができる。
【0043】なお、以上に述べた各例においては、濾過
塔(1) 内下底部に沈降・堆積した懸濁物を、排泥ノ
ズル(1c)および排泥管(9)を介して排泥回収槽(
8) に回収するものとしたが、これは一例であって、
濾過の目的に応じて原液槽(5) に再回収することも
できる。
【0044】また、以上に述べた各例においては、逆洗
は気液混合流体によるものとしたが、これは必ずしも気
液混合流体のみによるのではなく、原液および懸濁物の
特性に応じて、逆洗液または圧縮空気を交互に送給した
り、その一方のみで逆洗したりできることは言うまでも
ない。
【0045】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る高速
濾過装置は、濾過層内に方向性の特定されない、かつ濾
過目的に適する繊維間空隙を容易に形成できて、高流速
で通液しても、濾過層を貫通する原液のショートパス路
の形成もなく、良質の処理液を安定して得ることができ
ると共に、原液中に混入した粗大懸濁物や高比重の粒状
懸濁物等が濾過面で密圧層を形成することを抑制できて
圧力損失の上昇が少なく、長時間の濾過が行うことがで
き、また、洗浄工程では濾過層を形成する繊維間の空隙
を、高速の逆洗流によって離脱の懸念なく過拡大できる
ため、捕捉した懸濁物を少ない洗浄液量で、かつ短時間
で確実に除去でき、しかも、原液中に混入した粗大懸濁
物や高比重の粒状懸濁物等を濾過塔内底部に沈降・堆積
させて濾過中においても排出でき、原液中の懸濁物の性
状に関する制約が少なく広範囲の濾過に効率良く対応で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の濾過装置の1実施例を示す断面図であ
って、(a)図はその模式断面図、(b)図は本例装置
に用いる濾過エレメントの正断面図である。
【図2】本発明の実施例の濾過エレメントに用いる糸状
体の説明図であって、(a)図はその部分側面図、(b
)図はその断面図である。
【図3】本発明の実施例の濾過における通水時間と処理
液懸濁度および圧力損失との関係を示すグラフである。
【図4】本発明に関わる濾過エレメントの別の実施態様
を示す正断面図である。
【図5】本発明の濾過装置の別の実施例を示す模式断面
図である。
【図6】本発明の濾過装置のまた別の実施例を示す模式
断面図である。
【図7】従来の高速濾過装置の模式断面図である。
【符号の説明】
(1)−− 濾過塔              (1
a)−−コーン状下底部      (1c)−−排泥
ノズル (2)−− 濾過エレメント      (3)−− 
集水筒体      (3a)−−集水部 (3b)(3c)−−濾材保持部      (4)−
− 濾過層          (4a)−−糸状体 (5)−− 原液槽              (5
a)−−原液ポンプ          (6)−− 
原液管 (7) −−空気抜管            (8)
−− 排泥回収槽(9)−− 排泥管 (10)−−処理液導出管        (11)−
−処理液回収槽  (11a)−− 送液ポンプ (12)−−濾液管              (1
3)−−洗浄排液管          (14)−−
洗浄液管 (15)−−空気管              (1
6)−−送気ポンプ            L−−原

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  原液を導入する濾過塔内に、管路を介
    して外部の処理液回収および逆洗用気液供給手段に連通
    された濾過エレメントを配置した高速濾過装置であって
    、周壁に集水孔を設けた円筒状の集水部と、この集水部
    より大径の円盤状に形成されてその上下に設けられ少な
    くとも一方が前記管路に連結された濾材保持部とを有す
    る集水筒体を備えると共に、この集水筒体の上下の濾材
    保持部間の集水部外周に、放射状繊維輪を全周に有して
    伸縮可能な糸状体を多重に巻付けてなる濾過層を備える
    濾過エレメントを、濾過塔内底面と間隔を隔てて配置し
    たことを特徴とする高速濾過装置。
  2. 【請求項2】  濾過エレメントを、濾過塔内に上下2
    段に配置したことを特徴とする請求項1記載の高速濾過
    装置。
  3. 【請求項3】  濾過塔の下底部を下方に向かって縮径
    するコーン状に形成すると共に、その最下部に外部の排
    泥回収手段に連通する排泥ノズルを設けたことを特徴と
    する請求項1ないしは請求項2記載の高速濾過装置。
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EP1621240A1 (de) * 2004-07-29 2006-02-01 INA-Schaeffler KG Ringfilter
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JP2014104375A (ja) * 2012-11-22 2014-06-09 Gaia Institute Of Environmental Technology Inc 懸濁水の凝集とろ過を一槽で行う水処理装置、及び水処理方法

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