JPH0423396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は回転フレームの複数箇所に複数段の栽
培ベンチを吊り下げた回転式の植物等の栽培装置
に関する。

［従来の技術］ 植物の作付面積を高めるために、第５図に示す
多段回転式の植物栽培装置が知られている。同図
に示すように、回転フレームａの円周上の数箇所
には植物を栽培するための栽培ベンチｂを多段に
有する多段ベンチｃが吊り下げられている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところが、多段ベンチｃは回転フレームａに吊
り下げられており、多段ベンチｃの多段の栽培ベ
ンチｂは鉛直方向に常に重なつた状態にある。こ
のため、第６図に示すように上段の栽培ベンチｂ
が日光ｄをさえぎり、上段以外の栽培ベンチｂへ
の日射量が極端に少ない。このため、植物の生長
に必要な日射を得るのに、補光を行なうか、作物
の移し替えをする必要があつた。

本考案は上記の従来技術の問題点を解消すべく
創案されたものであり、本考案の目的は上段以外
の下側の栽培ベンチへの日射量を大幅に増大する
ことができる植物等の栽培装置を提供することに
ある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、架台に回転自在に軸支された回転フ
レームと、該回転フレームの周方向に沿つて適宜
間隔を置いてそれぞれ揺動自在に垂下すべく設け
られた複数のアームと、該各アームに上下多段に
設けられた複数の栽培ベンチと、上記回転フレー
ムを回転駆動する駆動装置とからなる植物等の栽
培装置において、上記各アームの栽培ベンチをそ
のアームに対して揺動自在に設けると共に、該各
アームの下端部にローラを設け、他方、上記回転
フレームの内周側上部に、上記各アームのローラ
を案内すると共に上記回転フレームの回転に追従
して上記アームの傾斜角度を回転と共に順次変化
させるためのガイドを固定して設けたものであ
る。

［作用］ ガイドによりアームが傾斜し、上下の栽培ベン
チが水平方向に位置ずれするので、上方からの光
が上段の栽培ベンチによつてあまり遮られること
なく下側の栽培ベンチにも光が良く当るようにな
る。

［実施例］ 以下に本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図、第２図において、１は回転フレームで
あり、回転フレーム１は環体２と、環体２とその
中心の軸受部３との間を連結保持すべく放射状に
設けられたスポーク４と、環体２の円周方向に沿
つて等間隔に且つ互いに対向して設けられた環体
２，２間（図面では一方の環体２しか示していな
い）に掛け渡されたビーム５とから主に構成され
ている。軸受部３は架台６，６間に掛け渡された
固定軸７に設けられており、駆動装置８の作動に
より回転フレーム１は固定軸７の回りを回転駆動
されるようになつてる。

回転フレーム１近傍のビーム５には、第３図、
第４図に示すように、アーム９の上端部が挿通さ
れており、アーム９は揺動自在に垂下されてい
る。アーム９には栽培ベンチ１０が上下に二段設
けられている。栽培ベンチ１０はピン１１を介し
てアーム９に揺動可能に取り付けられている。ア
ーム９の下端にはローラ１２が回転可能に設けら
れている。一方回転フレーム１の上部にはガイド
１３が固定軸７に取り付けられている。ガイド１
３は回転フレーム１のほぼ最上部が頂部となつた
山型をしている。アーム９の下端のローラ１２は
ガイド１３上を転動しつつ案内される。本栽培装
置はその長手方向、すなわち固定軸７の方向が東
西となるように据え付けられる。

回転フレーム１の下側に位置するアーム９は重
力により鉛直方向に垂下されており、上段の栽培
ベンチ１０と下段の栽培ベンチ１０は上下に重な
つている。ところが、回転フレーム１の回転によ
りアーム９が日光１４を受け易い回転フレーム１
の上部にくると、アーム９の下端のローラ１２が
ガイド１３上を転動し、アーム９は次第に傾斜す
る。アーム９が日光１４と直交する方向に傾斜
し、その傾斜は回転フレーム１の上部に向かうに
したがつて大きくなる。アーム９の傾斜によつ
て、下段の栽培ベンチ１０は上段の栽培ベンチ１
０よりも日光１４を受ける側に水平状態に保つた
まま移動する。このため、下段の栽培ベンチ１０
にもよく日光が当ることになる。

なお、上記実施例では栽培ベンチ１０はアーム
９に上下に二段設けられていたが、三段以上設け
ても勿論よい。

［考案の効果］ 以上要するに本考案によれば次のような効果を
発揮する。

(1) アームを傾斜させて上下の栽培ベンチを水平
方向に位置ずれさせているため、上方からの光
が上段の栽培ベンチ以外の下側の栽培ベンチに
も良く当るようになり、植物等の安定した生育
が期待できる。

(2) また、上下段の栽培ベンチに対する採光状態
のばらつきが少なくなるので、上下段に拘わら
ず一定品質の作物が収穫できる。

(3) 更に上下段の栽培ベンチの採光状態のばらつ
きを解消するために、従来のように補光設備を
設けたり、作物の移し替えを行なつたりする必
要がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る栽培装置の一実施例を示
す正面図、第２図は同装置の一側部の側面図、第
３図は第１図の栽培装置の要部拡大図、第４図は
第３図の側面図、第５図は従来の栽培装置の一側
部の斜視図、第６図は同装置の要部拡大図であ
る。 図中、１は回転フレーム、２は環体、３は軸受
部、４はスポーク、５はビーム、６は架台、７は
固定軸、８は駆動装置、９はアーム、１０は栽培
ベンチ、１１はピン、１２はローラ、１３はガイ
ド、１４は日光である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 架台に回転自在に軸支された回転フレームと、
   該回転フレームの周方向に沿つて適宜間隔を置い
   てそれぞれ揺動自在に垂下すべく設けられた複数
   のアームと、該各アームに上下多段に設けられた
   複数の栽培ベンチと、上記回転フレームを回転駆
   動する駆動装置とからなる植物等の栽培装置にお
   いて、上記各アームの栽培ベンチをそのアームに
   対して揺動自在に設けると共に、該各アームの下
   端部にローラを設け、他方、上記回転フレームの
   内周側上部に、上記各アームのローラを案内する
   と共に上記回転フレームの回転に追従して上記ア
   ームの傾斜角度を回転と共に順次変化させるため
   のガイドを固定して設けたことを特徴とする植物
   等の栽培装置。