JPH04230243A - ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法 - Google Patents

ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法

Info

Publication number
JPH04230243A
JPH04230243A JP2408070A JP40807090A JPH04230243A JP H04230243 A JPH04230243 A JP H04230243A JP 2408070 A JP2408070 A JP 2408070A JP 40807090 A JP40807090 A JP 40807090A JP H04230243 A JPH04230243 A JP H04230243A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distillation column
reaction
liquid
column
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2408070A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0768180B2 (ja
Inventor
Shinsuke Fukuoka
伸典 福岡
Masahiro Tojo
正弘 東條
Hiroo Sasaki
洋朗 佐々木
Akira Yamaguchi
昭 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2408070A priority Critical patent/JPH0768180B2/ja
Publication of JPH04230243A publication Critical patent/JPH04230243A/ja
Publication of JPH0768180B2 publication Critical patent/JPH0768180B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジアルキルカーボネート
とジオール類の製造方法に関する。さらに詳しくは、環
状カーボネートと脂肪族モノアルコール類とを反応させ
て、ジアルキルカーボネートとジオール類とを連続的に
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】環状カーボネートし脂肪族モノアルコー
ル類の反応から、ジアルキルカーボネートとジオール類
を製造する方法については、いくつかの提案がなされて
いるが、その殆どが触媒に関するものである。このよう
な触媒として例えば、アルカリ金属又はアルカリ金属を
含む塩基性化合物〔米国特許第3,642,858号明
細書、特開昭54−48715号公報(米国特許第4,
181,676号明細書)〕、3級脂肪族アミン〔特開
昭51−122025号公報(米国特許第4,062,
884号明細書)〕、タリウム化合物〔特開昭54−4
8716号公報(米国特許第4,307,032号明細
書)〕、錫アルコキシド類(特開昭54−63023号
公報)、亜鉛、アルミニウム、チタンの各アルコキシド
(特開昭54−148726号公報)、ルイス酸と含窒
素有機塩基から成る複合触媒(特開昭55−64550
号公報)、ホスフィン化合物(特開昭55−64551
号公報)、4級ホスホニウム塩(特開昭56−1014
4号公報)、環状アミジン(特開昭59−106436
号公報)、ジルコニウム、チタン及び錫の化合物〔特開
昭63−41432号公報(米国特許第4,661,6
09号明細書)〕、4級アンモニウム基を有する固体強
塩基性アニオン交換体(特開昭63−238043号公
報)、3級アミン又は4級アンモニウム基を有するイオ
ン交換樹脂、強酸性又は弱酸性イオン交換樹脂、シリカ
中に含浸せしめられたアルカリ金属又はアルカリ土類金
属のケイ酸塩、アンモニウム交換ゼオライトから選ばれ
た固体触媒〔特開昭64−31737号公報(米国特許
第4,691,041号明細書)〕、3級ホスフィン、
3級アルシン、3級スチビン、2価の硫黄又はセレン化
合物から選ばれた均一系触媒(米国特許第4,734,
518号明細書)などが提案されている。
【0003】また、反応方式としては、これまで3つの
方式が提案されている。これら3つの反応方式は、最も
代表的な反応例である、エチレンカーボネートとメタノ
ールからのジメチルカーボネートとエチレングリコール
の製造方法において用いられている。すなわち、第1の
方式は、エチレンカーボネート、メタノール及び触媒を
バッチ式反応容器であるオートクレーブに仕込み、メタ
ノールの沸点以上の反応温度において加圧下で所定の反
応時間保持することによって反応を行う完全なバッチ式
反応方式である〔米国特許第3,642,858号明細
書、特開昭54−48715号公報(米国特許第4,1
81,676号明細書)、特開昭54−63023号公
報、特開昭54−148726号公報、特開昭55−6
4550号公報、特開昭55−6455号公報、特開昭
56−10144号公報〕。
【0004】第2の方式は、反応釜の上部に蒸留塔を設
けた装置を用いるものであって、エチレンカーボネート
、メタノール及び触媒を反応容器に仕込み、所定の温度
に加熱することによって反応を進行させる。この場合、
生成するジメチルカーボネートとメタノールは最低共沸
混合物(沸点63℃/760mmHg)を形成するため
、この共沸混合物はメタノール(沸点64.6℃/76
0mmHg)と分離することができる。この方式では共
沸混合物とメタノールの分離のために蒸留塔が設けられ
ている。すなわち、反応釜中から蒸発したジメチルカー
ボネート蒸気とメタノール蒸気は蒸留塔を上昇する間に
、共沸混合物蒸気と液状のメタノールに分離され、共沸
混合物蒸気は蒸留塔頂より留去され、液状のメタノール
は流下して反応釜に戻されて反応に供される。
【0005】また、この方式では、生成するジメチルカ
ーボネートと共沸して留出するメタノールを補うために
、反応釜にメタノールを連続的又はバッチ的に添加する
ことも行なわれているが、いずれにしても、この方式で
は触媒、エチレンカーボネート及びメタノールが存在し
ているバッチ式の反応釜中でのみ、反応を進行させてい
る。従って反応はバッチ式であり、3〜20数時間もの
長時間をかけて、還流下で反応を行っている。
【0006】この方式では、一つの生成物であるジメチ
ルカーボネートは、連続的に反応系外に抜き出されてい
るが、他の生成物であるエチレングリコールは、触媒の
存在下に未反応のエチレンカーボネートと長時間滞留す
ることになる。このエチレングリコールとエチレンカー
ボネートとの長時間滞留による副反応を抑制し、選択率
の低下を防ぐためには、反応釜にバッチ的に仕込まれた
エチレンカーボネートに対して、大過剰のメタノールを
用いる必要があり、事実これまでに提案されている方法
では、エチレンカーボネート(又はプロピレンカーボネ
ート)1モルあたり、14モル(米国特許第3,803
,201号明細書)、17モル(特開平1−31105
4号公報)、22モル〔特開昭51−122025号公
報(米国特許第4,062,884号明細書)〕、23
モル〔特開昭54−48716号公報(米国特許第4,
307,032号明細書)〕もの大過剰のメタノールが
使用されている。
【0007】第3の方式は、所定の反応温度に保たれた
管状リアクターにエチレンカーボネートとメタノールの
混合溶液を連続的に供給し、他方の出口より未反応のエ
チレンカーボネートとメタノールと、生成物であるジメ
チルカーボネート及びエチレングリコールとを含む反応
混合物を液状で連続的に抜き出す連続反応方式である。 用いる触媒の形態によって2つの方法が行われている。 すなわち、均一系触媒を用いて、エチレンカーボネート
とメタノールの混合溶液と一緒に管状リアクターを通過
させ、反応後、反応混合中から触媒を分解する方法〔特
開昭63−41432号公報(米国特許第4,661,
609号明細書)、米国特許第4,734,518号明
細書〕と、管状リアクター内に固定させた不均一触媒を
用いる方法〔特開昭63−238043号公報、特開昭
64−31737号公報(米国特許第4,691,04
1号明細書)〕がある。エチレンカーボネートとメタノ
ールとの反応によるジメチルカーボネートとエチレング
リコールの生成反応は平衡反応であることから、この管
状リアクターを用いる連続流通反応方式では、エチレン
カーボネートの反応率は、仕込組成比と反応温度によっ
て決まる平衡反応率以上に高めることは不可能である。 例えば、特開昭63−41432号公報(米国特許第4
,661,609号明細書)の実施例1によれば、仕込
モル比メタノール/エチレンカーボネート=4/1の原
料を用いる130℃での流通反応においては、エチレン
カーボネートの反応率は25%である。このことは、反
応混合物中に未反応で残存する大量のエチレンカーボネ
ート及びメタノールを分離・回収して反応器へ再循環さ
せる必要があり、事実、特開昭64−31737号公報
(米国特許第4,691,041号明細書)の方法では
、分離・精製・回収・再循環のためのたくさんの設備が
用いられている。
【0008】このように、環状カーボネートと脂肪族モ
ノアルコール類とからジアルキルカーボネートとジオー
ル類を製造するこれまでに提案された方法は、(1) 
 完全なバッチ反応方式 (2)  蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ
反応方式 (3)  管式リアクターを用いる液状流通反応方式の
3方式であるが、いずれの場合も、反応時間(あるいは
反応液が触媒と接触している滞留時間)が長いこと〔(
1)及び(2)〕、大量の脂肪族アルコール類を使用し
なければならないこと〔(2)〕や、反応率が低く大量
の未反応の原料を分離・回収・再循環させなければなら
ないこと〔(3)〕などの欠点を有している。さらに高
反応率・高収率・高選択率でジアルキルカーボネートと
ジオール類を連続的に製造する方法は、これまで全く提
案されていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようなこれまでに
提案されている方法が有している欠点がなく、ジアルキ
ルカーボネートとジオール類を高い反応速度で、かつ高
反応率・高収率・高選択率で、しかも連続的に製造する
方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち、
本発明は、触媒の存在下に、環状カーボネートと脂肪族
モノアルコール類とを反応させて、ジアルキルカーボネ
ートとジオール類とを連続的に製造するに当り、該環状
カーボネートと該脂肪族モノアルコールを連続多段蒸留
塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内を流下する液を蒸留
塔の途中段及び/又は最下段に設けられたサイド抜出し
口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応器へ導
入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よりも上
部の段に設けられた循環用導入口へ導入することによっ
て該蒸留塔へ循環させ、該反応器内、又は該反応器内と
該蒸留塔内の両方で反応させながら、反応によって生成
するジアルキルカーボネートとジオール類のうち、低沸
点生成物を蒸留によってガス状で該蒸留塔から連続的に
抜き出し、高沸点生成物を塔下部より液状で連続的に抜
き出すことをより特徴とするジアルキルカーボネートと
ジオール類の連続的製法である。
【0011】本発明の方法において、連続多段蒸留塔の
サイドに設けられるサイド抜き出し口は、該蒸留塔の途
中段及び/又は最下段までの間に必要とする数だけ設け
ることができる。また、循環用導入口は、対応するサイ
ド抜き出し口より上部にあれば良く、必要とする数だけ
設けることができる。サイド抜き出し口を複数設ける場
合は、異なる2カ所以上のサイド抜き出し口より抜き出
された液を合流させて反応器へ導入することもできるし
、反応器を複数用いる場合には、異なる2以上の反応器
から抜き出された反応液を合流させた後に循環用導入口
へ導くこともできる。また、これらを組み合わせること
もできる。
【0012】好ましくは、連続多段蒸留塔の外部に設け
られた反応器が2基以上であり、かつ、該反応器につな
がる該蒸留塔からの液抜き出し口の設けられた段が、そ
れぞれ異なる場合であり、さらに好ましくは、連続多段
蒸留塔の外部に設けられた反応器が2基以上で、該反応
器につながる該蒸留塔からの抜き出し口の設けられた段
がそれぞれ異なり、かつ、該反応器から該蒸留塔へ循環
するために該蒸留塔に設けられた循環用導入口の段が、
それぞれ異なる段である場合である。
【0013】本発明においては、連続多段蒸留塔のサイ
ド抜出し口と該蒸留塔への循環用導入口との間に反応器
を設けるが、この反応器は流通式のものであればどのよ
うなものであってもよく、例えば管型反応器、攪拌槽型
流通反応器などが用いられる。本発明の方法においては
、少くともこれらの反応器中に触媒を存在させることが
必要であり、さらに加えて、連続多段蒸留塔内部にも触
媒を存在させることも好ましい。
【0014】このような反応器内又は、反応器内と連続
多段蒸留塔内からなる反応系に触媒を存在させる方法は
どのような方法であってもよいが、例えば、反応条件下
で反応液に溶解するような均一系触媒の場合、該反応器
及び/又は該蒸留塔に連続的に触媒を供給することによ
り、反応系に触媒を存在させることもできるし、あるい
は反応条件下で反応液に溶解しないような不均一系触媒
の場合、該反応器内又は該反応器内と該蒸留塔内の両方
に固体触媒を配置することにより、反応系に触媒を存在
させることもできるし、これらを併用した方法、例えば
該反応器内及び/又は該蒸留塔内に固体触媒を配置した
上で、さらに均一系触媒を使用する方法であってもよい
【0015】本発明において用いられる触媒としては、
これまでに知られている種々のものを使用することがで
きる。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム、バリウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類
金属類;アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物
、水酸化物、アルコキシド化物類、アリーロキシド化物
類、アミド化物類等の塩基性化合物類;アルカリ金属及
びアルカリ土類金属の炭酸塩類、重炭酸塩類、有機酸塩
類等の塩基性化合物類;トリエチルアミン、トリブチル
アミン、トリヘキシルアミン、ベンジルジエチルアミン
等の3級アミン類;N−アルキルピロール、N−アルキ
ルインドール、オキサゾール、N−アルキルイミダゾー
ル、N−アルキルピラゾール、オキサジアゾール、ピリ
ジン、アルキルピリジン、キノリン、アルキルキノリン
、イソキノリン、アルキルイソキノリン、アクリジン、
アルキルアクジリン、フェナントロリン、アルキルフェ
ナントロリン、ピリミジン、アルキルピリミジン、ピラ
ジン、アルキルピラジン、シリアジン、アルキルトリア
ジン等の含窒素複素芳香族化合物類;ジアザビシクロウ
ンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)
等の環状アミジン類;酸化タリウム、ハロゲン化タリウ
ム、水酸化タリウム、炭酸タリウム、硝酸タリウム、硫
酸タリウム、タリウムの有機酸塩類等のタリウム化合物
類;トリブチルメトキシ錫、トリブチルエトキシ錫、ジ
ブチルジメトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、ジブチル
エチレンジエトキシ錫、ジブチルフェノキシ錫、ジフェ
ニルメトキシ錫、酢酸ジブチル錫、塩化トリブチル錫、
2−エチルヘキサン酸錫等の錫化合物類;ジメトキシ亜
鉛、ジエトキシ亜鉛、エチレンジオキシ亜鉛、ジブトキ
シ亜鉛等の亜鉛化合物類;アルミニウムトリメトキシド
、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムト
リブトキシド等のアルミニウム化合物類;テトラメトキ
シチタン、テトラエトキシチタン、テトラブトキシチタ
ン、ジクロロジメトキシチタン、テトライソプロポキシ
チタン、酢酸チタン、チタンアセチルアセトナート等の
チタン化合物類;トリメチルホスフィン、トリエチルホ
スフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、トリブチルメチルホスホニウムハライド、トリオ
クチルブチルホスホニウムハライド、トリフェニルメチ
ルホスホニウムハライド等のリン化合物類;ハロゲン化
ジルコニウム、ジルコニウムアセチルアセトナート、ジ
ルコニウムアルコキシド、酢酸ジルコニウム等のジルコ
ニウム化合物類;鉛及び鉛を含む化合物類;例えば、P
bO、PbO2 、Pb3 O4 等の酸化鉛類;Pb
S、Pb2 S3 、PbS2 等の硫化鉛類;Pb(
OH)2 、Pb3 O2 (OH)2 、Pb2 〔
PbO2 (OH)2 〕、Pb2 O(OH)2 等
の水酸化鉛類;Na2 PbO2 、K2 PbO2 
、NaHPbO2 、KHPbO2 等の亜ナマリ酸塩
類;Na2 PbO3 、Na2 H2 PbO4 、
K2 PbO3 、K2 〔Pb(OH)6 〕、K4
 PbO4 、Ca2 PbO4 、CaPbO3 等
の鉛酸塩類;PbCO3 、2PbCO3 ・Pb(O
H)2 等の鉛の炭酸塩及びその塩基性塩類;Pb(O
CH3 )2 、(CH3 O)Pb(OPh)、Pb
(OPh)2 等のアルコキシ鉛類;アリールオキシ鉛
類;Pb(OCOCH3 )2 、Pb(OCOCH3
 )4 、Pb(OCOCH3 )2 ・PbO・3H
2 O等の有機酸の鉛塩及びその炭酸塩や塩基性塩類;
Bu4 Pb、Ph4 Pb、Bu3 PbCl、Ph
3 PbBr、Ph3 Pb(又はPh6 Pb2 )
、Bu3 PbOH、Ph2 PbO等の有機鉛化合物
類(Buはブチル基、Phはフェニル基を示す);Pb
−Na、Pb−Ca、Pb−Ba、Pb−Sn、Pb−
Sb等の鉛の合金類;ホウエン鉱、センアンエン鉱等の
鉛鉱物類、及びこれらの鉛化合物の水和物類;3級アミ
ノ基を有する陰イオン交換樹脂、アミド基を有するイオ
ン交換樹脂、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基の
うちの少なくとも一つの交換基を有するイオン交換樹脂
、第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強塩
基性アニオン交換体等のイオン交換体類;シリカ、シリ
カ−アルミナ、シリカ−マグネシア、アルミノシリケー
ト、ガリウムシリケート、各種ゼオライト類、各種金属
交換ゼオライト類、アンモニウム交換ゼオライト類等の
固体の無機化合物類等が用いられる。
【0016】固体接触として、特に好ましく用いられる
のは第4級アンモニウム基を交換基として有する固体強
塩基性アニオン交換体であり、このようなものとしては
、例えば、第4級アンモニウム基を交換基として有する
強塩基性アニオン交換樹脂、第4級アンモニウム基を交
換基として有するセルロース強塩基性アニオン交換体、
第4級アンモニウム基を交換基として有する無機質担体
担持型強塩基性アニオン交換体等が挙げられる。
【0017】第4級アンモニウム基を交換基として有す
る強塩基性アニオン交換樹脂としては、例えば、スチレ
ン系強塩基性アニオン交換樹脂等が好ましく用いられる
。スチレン系強塩基性アニオン交換樹脂は、スチレンと
ジビニルベンゼンの共重合体を母体として、交換基に第
4級アンモニウム(I型あるいはII型)を有する強塩
基性アニオン交換樹脂であり、例えば、化1で模式的に
示される。
【0018】
【化1】
【0019】上記式中、X− はアニオンを示し、通常
、X−としては、F− 、Cl− 、Br− 、I− 
、HCO3 − 、CO3 2 − 、CH3 CO2
 − 、HCO2 − 、IO3 − 、BrO3 −
 、ClO3 − の中から選ばれた少なくとも1種の
アニオンが使用され、好ましくはCl− 、Br− 、
HCO3 − 、CO3 − の中から選ばれた少なく
とも1種のアニオンが使用される。また、樹脂母体の構
造としては、ゲル型、マクロレティキュラー型(MR型
)いずれも使用できるが、耐有機溶媒性が高い点からM
R型が特に好ましい。
【0020】第4級アンモニウム基を交換基として有す
るセルロース強塩基性アニオン交換体としては、例えば
、セルロースの−OH基の一部又は全部をトリアルキル
アミノエチル化して得られる、−OCH2 CH2 N
+ R3 X− なる交換基を有するセルロースが挙げ
られる。 ただし、Rはアルキル基を示し、通常、メチル、エチル
、プロピル、ブチル等が用いられ、好ましくはメチル、
エチルが使用される。また、X− は前述のとおりであ
る。
【0021】本発明において使用できる第4級アンモニ
ウム基を交換基として有する無機質担体担持型強塩基性
アニオン交換体とは、無機質担体の表面水酸基−OHの
一部又は全部を修飾することにより、4級アンモニウム
基−O(CH2 )n N+ R3 X− を導入した
ものを意味する。ただし、R、X− は前述のとおりで
ある。nは通常1〜6の整数であり、好ましくはn=2
である。無機質担体としては、シリカ、アルミナ、シリ
カアルミナ、チタニア、ゼオライト等を使用することが
でき、好ましくはシリカ、アルミナ、シリカアルミナが
用いられ、特に好ましくはシリカが使用される。
【0022】無機質担体の表面水酸基の修飾方法として
は、任意の方法を用いることができる。例えば、無機質
担体とアミノアルコールHO(CH2 )n NR2 
を塩基触媒存在下に脱水反応を進行させることにより、
アミノアルコキシ化した後に、ハロゲン化アルキルRX
′(X′はハロゲンを示し、通常はCl、Br、I等が
使用される)と反応させて−O(CH2 )n N+ 
R3 X− 基とする。さらに、アニオン交換を行なう
ことにより、所望のアニオンX−を有する4級アンモニ
ウム基−O(CH2 )n N+ R3 X− とする
。また、n=2の場合には、無機質担体をN,N−ジア
ルキルアジリジンで処理することにより、N,N−ジア
ルキルアミノエトキシ化して−OCH2 CH2 NR
2 基とした後に、上述の方法により−OCH2 CH
2 N+ R3 X− 基とされる。
【0023】第4級アンモニウム基を交換基として有す
る固体強塩基性アニオン交換体は、市販のものを使用す
ることもできる。その場合には、前処理として予め所望
のアニオン種でイオン交換を行なった後に、触媒として
使用することもできる。また、少くとも1個の窒素原子
を含む複素環基が結合している巨大網状およびゲルタイ
プの有機ポリマー、または少くとも1個の窒素原子を含
む複素環基が結合している無機質担体から成る固体触媒
も好ましく用いられる。
【0024】本発明の方法では、環状カーボネートと脂
肪族モノアルコール類とから成る原料化合物を連続多段
蒸留塔内へ連続的に供給するが、この場合、該蒸留塔内
へ直接導入してもよいし、反応器にこれらの原料化合物
を導入し、その反応液として該蒸留塔内に導入してもよ
い。また、これらの原料化合物はそれぞれ別々に、及び
/又は混合して任意の数の導入口から、該蒸留塔の任意
の段及び/又は任意の反応器に導入することができる。
【0025】原料化合物は液状、ガス状又は液とガスと
の気液混合物として供給される。このように原料化合物
を連続多段蒸留塔内及び/又は反応器内に連続的に供給
する以外に、付加的にガス状の原料化合物を該蒸留塔の
下部から断続的又は連続的に供給することも好ましい方
法である。環状カーボネートと脂肪族モノアルコール類
のうち、より高沸点の原料を最上部の反応器及び/又は
最上部の反応器への液抜き出し段よりも上部の段に、液
状又は気液混合状態で、連続的に供給し、より低沸点の
原料をガス状で該蒸留塔の下部から連続的に供給する方
法が好ましい方法であり、より低沸点の原料を液状、ガ
ス状又は気液混合状態で最下部の反応器に連続的に供給
することも好ましい。この場合、上部より供給する高沸
点原料中に、低沸点原料が含まれていても、もちろん構
わない。
【0026】これらの供給原料中に、生成物であるジア
ルキルカーボネート又はジオール類が含まれていてもよ
いが、本反応は可逆反応であるため、これらの生成物の
濃度があまり高い場合には原料の反応率を低下させるた
め好ましくない。本発明の方法が、従来の方式、すなわ
ち、蒸留塔を上部に設けた反応釜を用いるバッチ反応方
式に比べて、短い反応時間で高反応率・高収率・高選択
率を示すのは、次のような理由によるものと思われる。
【0027】本発明の反応は、環状カーボネート(A)
と脂肪族モノアルコール類(B)から、ジアルキルカー
ボネート(C)とジオール類(D)が生成する化2で表
わされる平衡反応である。
【0028】
【化2】
【0029】この反応は通常、液相中で進行しているの
で、反応率を高めるためには、反応の結果、生成してく
るジアルキルカーボネートとジオール類のうち、低沸点
生成物を反応液中からできるだけ速く除去する必要があ
る。しかしながら、先行技術に記載されている蒸留塔を
上部に設置した反応釜を用いる反応方式では、どうして
も反応速度を上げることができなかった。この理由は、
反応の場が触媒の存在する反応釜の部分にのみ限定され
ているだけでなく反応によって生成した反応副生物を反
応釜部の液中から気相に蒸発させるための気液界面積が
小さいためである。
【0030】これに対して本発明の方法においては、連
続多段蒸留塔内を連続的に流下する反応液の一部又は大
部分を該蒸留塔の途中段及び/又は最下段に設けられた
サイド抜出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられ
た反応器へ導入して反応させた後に、該抜出し口のある
段よりも上部の段へ導入することによって該蒸留塔へ循
環させる方式であるので、反応器を出た生成物濃度の高
められた反応混合物は気液界面積の大きい蒸留塔内に導
入され、蒸留塔内を下方から上昇してくる蒸気と気液接
触を繰り返し、反応液中の低沸点生成物を効率的に蒸気
相へ蒸発させることができ、蒸留塔内を流下していく液
状混合物中の低沸点反応生成物濃度を短時間のうちに効
率的に低下させることができる。
【0031】さらに本発明の好ましい実施態様である反
応器が2基以上設置されており、しかもそれらが蒸留塔
の異なる段に設けられたサイド抜き出し口に接続されて
いる場合には、この反応と蒸留が繰り返されることにな
り、さらに効率的に反応率を上げることができる。この
方法では、各反応器出口の液組成は平衡組成に近づいた
組成であると考えられるが、蒸留塔内にこの反応液が導
入されると、低沸点反応生成物はすぐに蒸発し、その濃
度を低下させ、液組成は速やかに非平衡の状態になり、
未反応の高沸点原料化合物を含む液が塔内を流下してい
くにつれて、下方から上昇してくる低沸点原料化合物ガ
スとの気液接触により、低沸点原料化合物の液中濃度が
高められる。つまり、化2で表わされる平衡反応式の原
系濃度が高められた状態の液が、次の段の反応器に導入
されることになる。本発明の方法では、短時間の間に何
度も何度も繰り返される結果、反応率を短時間で急激に
上昇させることができ、ジアルキルカーボネートとジオ
ール類をそれぞれ短時間で高収率で得ることができるよ
うになった。
【0032】また、上部に蒸留塔を設置した反応釜を用
いる反応方式では、反応速度が上げられないため、反応
釜部での滞留時間が長く、そのため副反応が進行して選
択率を高くすることができなかったのであるが、本発明
の方法によれば、短い滞留時間で生成物を得ることがで
き、そのため選択率が高くなるものと考えられる。本発
明で用いられる連続多段蒸留塔とは、段数が2段以上の
多段を有する蒸留塔であって、連続蒸留が可能なもので
あるならばどのようなものであってもよい(本発明でい
う蒸留塔の段数とは、棚段塔の場合にはその棚段の数を
表わし、充填塔式その他の蒸留塔については理論段数を
表わす。)。このような連続多段蒸留塔としては、例え
ば泡鐘トレイ、多孔板トレイ、バルブトレイ、向流トレ
イ等のトレイを使用した棚段塔式のものや、ラシヒリン
グ、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、
インタロックスサドル、ディクソンパッキング、マクマ
ホンパッキング、ヘリパック、スルザーパッキング、メ
ラパク等の各種充填物を充填した充填塔式のものなど、
通常、連続式の多段蒸留塔として用いられるものならば
どのようなものでも使用することかてきる。
【0033】さらには、棚段部分と充填物の充填された
部分とを合わせ持つ蒸留塔も好ましく用いられる。また
、固体触媒を用いる場合、この固体触媒を充填物の一部
又は全部とする充填塔式蒸留塔も好ましく用いられる。 本発明で原料として用いられる環状カーボネートとは、
前記(A)で表わされる化合物であって、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキ
レンカーボネート類や、1,3−ジオキサシクロヘキサ
−2−オン、1,3−ジオキサシクロヘプタ−2−オン
等が好ましく用いられ、エチレンカーボネート、プロピ
レンカーボネートが入手の容易さなどの点から特に好ま
しく使用される。
【0034】また、もう一方の原料である脂肪族モノア
ルコール類とは、前記(B)で表わされる化合物であっ
て、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(
各異性体)、アリルアルコール、ブタノール(各異性体
)、3−ブテン−1−オール、アミルアルコール(各異
性体)、ヘキシルアルコール(各異性体)、ヘプチルア
ルコール(各異性体)、オクチルアルコール(各異性体
)、ノニルアルコール(各異性体)、デシルアルコール
(各異性体)、ウンデシルアルコール(各異性体)、ド
デシルアルコール(各異性体)、シクロペンタノール、
シクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオク
ノール、メチルシクロペンタノール(各異性体)、エチ
ルシクロペンタノール(各異性体)、メチルシクロヘキ
サノール(各異性体)、エチルシクロヘキサノール(各
異性体)、ジメチルシクロヘキサノール(各異性体)、
ジエチルシクロヘキサノール(各異性体)、フェニルシ
クロヘキサノール(各異性体)、ベンチルアルコール、
フェネチルアルコール(各異性体)、フェニルプロパノ
ール(各異性体)等があげられ、さらにこれらの脂肪族
モノアルコール類において、ハロゲン、低級アルコキシ
基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシ
カルボニル基、アシロキシ基、ニトロ基等の置換基によ
って置換されていてもよい。
【0035】このような脂肪族モノアルコール類の中で
、好ましく用いられるのは炭素数1〜6のアルコール類
であり、特に好ましいのはメタノール、エタノール、プ
ロパノール(各異性体)、ブタノール(各異性体)の炭
素数1〜4のアルコール類である。連続多段蒸留塔内に
供給する環状カーボネートと脂肪族モノアルコール類と
の量比は、触媒の種類や量、及び反応条件によっても変
わり得るが、通常、供給原料中の環状カーボネートに対
して、脂肪族モノアルコール類はモル比で0.01〜1
000倍の範囲で供給するのが好ましい。環状カーボネ
ートの反応率を上げるためには脂肪族モノアルコール類
は2倍モル以上の過剰量供給することが好ましいが、あ
まり大過剰に用いると装置が大きくする必要がある。 このような意味において、特に好ましいのは、2〜20
倍モル量の脂肪族モノアルコール類が使用される場合で
ある。
【0036】本発明においては、環状カーボネートと脂
肪族モノアルコール類とが反応して、ジアルキルカーボ
ネートとジオール類を生成するが、これらの生成物のう
ち、沸点の低い方の低沸点生成物はガス状で該蒸留塔よ
り連続的に抜き出される。この場合、ガス状抜き出し物
は低沸点生成物単独でも良いし、脂肪族モノアルコール
類及び/又は環状カーボネートとの混合物であってもよ
いし、また高沸点生成物を少量含んでいてもよい。
【0037】連続多段蒸留塔から、低沸点生成物を含む
ガス状物質を抜き出す抜き出し口は、塔底以外の任意の
位置に設けることができるが、蒸気相中の低沸点生成物
の濃度は、通常、塔の上部にいくに従って増加している
。従って、原料供給位置から塔頂の間又は塔頂部にガス
状物質の抜き出し口を設けることが好ましく、塔頂部に
設けることがさらに好ましい。このようにして抜き出さ
れたガス状成分を、冷却等によって液状にし、その一部
を該蒸留塔の上部に戻す、いわゆる還流操作を行っても
よい。この還流操作によって還流比を増加させると、低
沸点生成物の蒸気相への蒸留効率が高くなるため、抜き
出すガス成分中の低沸点生成物濃度を増加させることが
できる。しかしながら、あまりに還流比を増加させると
必要な熱エネルギーが大きくなるので好ましくない。 したがって、還流比は、通常0〜20が用いられ、好ま
しくは、0〜10が用いられる。
【0038】本発明の方法によって生成するジアルキル
カーボネートとジオール類のうち、沸点の高い分の高沸
点生成物は連続多段蒸留塔の下部より液状で連続的に抜
き出される。この場合、液状抜き出し物は高沸点生成物
単独でもよいし、脂肪族モノアルコール類及び/又は環
状カーボネートとの混合物であってもよいし、また低沸
点生成物を少量含んでいてもよい。反応条件下において
反応液に溶解し得る高沸点の触媒を用いる場合は、この
液状抜き出し物中に該触媒も含まれる。高沸点生成物を
含む液状物質を連続多段蒸留塔から抜き出す抜き出し口
は、塔下部に設けられ、特に好ましくは塔底部に設けら
れる。このようにして抜き出された液状物質は、その一
部をリボイラーで加熱することによって、ガス状又は気
液混合物の状態で該蒸留塔の下部に戻してもよい。
【0039】本発明の特に好ましい実施態様においては
、環状カーボネートとしてエチレンカーボネート又はプ
ロピレンカーボネートを用い、脂肪族モノアルコールと
して炭素数1〜4の低級アルコールであるメタノール、
エタノール、プロパノール(各異性体)、アリルアルコ
ール、ブタノール(各異性体)を用い、相当するジアル
キルカーボネートであるジメチルカーボネート、ジエチ
ルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジアリルカ
ーボネート、ジブチルカーボネートと、エチレングリコ
ール又はプロピレングリコールを製造する場合である。 これらの場合、原料の中で沸点の高いエチレンカーボネ
ート又はプロピレンカーボネートは、連続多段蒸留塔の
上部の導入口から、液状で該蒸留塔内に連続的に供給さ
れ、低沸点原料である低級脂肪族モノアルコールは塔下
部より、ガス状で該蒸留塔内に連続的に供給される。そ
して反応によって生成した低沸点生成物であるジアルキ
ルカーボネートは、連続多段蒸留塔の塔頂部から、ガス
状で連続的に抜き出され、高沸点生成物であるエチレン
グリコール又はプロピレングリコールは該蒸留塔の下部
から、液状で連続的に抜き出される。
【0040】本発明で用いられる触媒の量は、使用する
触媒の種類によっても異なるが、触媒を反応系に連続的
に供給する場合には、供給原料である環状カーボネート
と脂肪族モノアルコールの合計重量に対する割合で表わ
して、通常0.0001〜50重量%で使用される。ま
た固体触媒を用いる場合には反応器の内容積に対して通
常10〜100体積%、好ましくは50〜100体積%
充填される。
【0041】またさらに固体触媒を連続多段蒸留塔内に
設置して使用する場合には、該蒸留塔の空塔容積に対し
て、0.01〜75体積%の触媒量が好ましく用いられ
る。本発明において蒸留塔内の流下液速度及び上昇蒸気
速度は使用する反応蒸留塔の種類により、また充填塔を
使用する場合には充填物の種類により異なるが、通常、
フラッディングを起こさない範囲で実施される。
【0042】本発明において、途中段及び/又は最下段
に設けられたサイド抜き出し口からは、蒸留塔内の該サ
イド抜き出し口が設けられた段を流下する液の一部又は
大部分が抜き出され、反応器へ導入される。反応器での
滞留時間は通常0.001〜100時間、好ましくは0
.003〜50時間さらに好ましくは0.01〜10時
間で行なわれる。
【0043】本発明では反応器内の反応に加えて必要に
応じて連続多段蒸留塔内でも反応させることができ、好
ましい方法である。この場合、生成する芳香族カーボネ
ートの量は、蒸留塔内のホールドアップ液量にも依存す
る。つまり、同じ塔高、同じ塔径の蒸留塔を用いる場合
には液ホールドアップの高い蒸留塔が反応液の蒸留塔内
部での平均滞留時間即ち蒸留塔内部での反応時間が長く
なるという点で好ましい。
【0044】しかしながら、液ホールドアップがあまり
に高い場合には、滞留時間が長くなるために副反応が進
行したり、フラッディングが起こりやすくなる。従って
、本発明に用いる蒸留塔のホールドアップ液量は蒸留条
件や蒸留塔の種類によっても変わり得るが、蒸留塔の空
塔容積に対するホールドアップ液量の容積比で表現して
、通常、0.005〜0.75で行われる。
【0045】本発明において、蒸留塔内の反応液の滞留
時間は反応条件によっても変わり得るが、通常0.00
1〜50時間、好ましくは0.01〜10時間で行われ
る。本発明を実施するに当り、反応温度は、用いる原料
の種類や反応圧力によって異なるが、通常0〜350℃
、好ましくは20〜200℃の範囲である。また、反応
圧力は減圧、常圧、加圧いずれであってもよく、通常、
1mmHg〜200Kg/cm2 である。
【0046】本発明の方法では、反応器を連続多段蒸留
塔の外部に設けているので、蒸留条件(温度、圧力)と
異なる温度、圧力の反応条件を採用できるし、2基以上
の反応器を設ける場合には、それぞれが異なる反応条件
を採用することができるという特徴をもっている。本発
明においては、必ずしも溶媒を使用する必要はないが、
反応操作を容易にする等の目的で適当な不活性溶媒、例
えば、エーテル類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素
類、ハロゲン化脂肪族炭化水素類、ハロゲン化芳香族炭
化水素類等を反応溶媒として用いることもできる。
【0047】また、反応に不活性な物質として窒素、ヘ
リウム、アルゴン等の不活性ガスを反応系に共存させて
もよいし、生成する低沸点生成物の留去を加速する目的
で連続多段蒸留塔の下部より、前記の不活性ガスや反応
に不活性な低沸点有機化合物をガス状で導入してもよい
【0048】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもので
はない。
【0049】
【実施例1】図1に示されるような装置を用いた。反応
器の数は4基である。反応器A,B,C,Dの内容積は
、それぞれ、500ml、250ml、250ml、2
50mlである。蒸留塔は、塔高2m、塔内径32mm
の充填塔であり、充填物としてステンレス製のディクソ
ンパッキング(6mmφ)を用いた。蒸留塔の塔頂から
50cmの位置より、塔底から50cmの位置までの間
に、図1のように反応器への抜き出し口及び導入口を設
けた。反応器の触媒として、第4級アンモニウム基を交
換基とする陰イオン交換樹脂〔Dowex(商標名)M
SA−1,Cl− 型〕を、2N−Na2 CO3 水
溶液でイオン交換した後、純水で洗浄を繰返し、次いで
乾燥メタノールで繰返し洗浄することによって、脱水・
乾燥したもので、Cl− −イオンの約50%がCO3
 2 − イオンに交換したものを用いた。
【0050】原料導入口(11)より、エチレンカーボ
ネートを予熱器(2)を通して70℃に予熱しながら、
44.0g /Hrで反応器Aに導入し、塔底部原料導
入口(12)から蒸留塔(4)を経てメタノール蒸気を
145.6g /Hrで導入した。蒸留塔は常圧で操作
を行った。塔内の温度は塔底部で約132℃、塔頂部で
約65℃であった。また反応器の温度は70℃に、反応
器への循環液流量は、いずれの反応器へも1リットル/
Hrに、さらに反応器圧は約5Kg/cm2 になるよ
うに設定した。蒸留塔内を流下する液は、蒸留塔の途中
に設けられ液抜き出し口から抜き出された後、それぞれ
の反応器へ導入された。反応器で反応が進行し、ジメチ
ルカーボネート及びエチレングリコール濃度が高められ
た反応液は、導入口から蒸留塔へ循環された。蒸留塔内
を流下する液は、蒸留塔の塔底より塔頂に向かって上昇
してくる蒸気と気液接触するに従い、生成物のジメチル
カーボネート及び原料のエチレンカーボネートの濃度が
低下した。蒸留に必要な熱量は塔底部液を加熱器(5)
で加熱することにより供給した。
【0051】塔頂から留出する蒸気は凝縮器(3)で凝
縮し、凝縮液の一部を蒸留塔に還流させ(還流比2)、
残りを塔頂抜き出し口(13)より抜き出した。定常状
態になった後の塔頂抜き出し液量は154.4g /H
rであり、この液の組成はジメチルカーボネート29.
0重量%とメタノール71.0重量%の混合物であった
【0052】また、定常状態になった後の塔底抜き出し
液量は35.2g /Hrであり、この液の組成はエチ
レングリコール87.6重量%、メタノール11.8重
量%及び高沸点副生成物0.6重量%から成っており、
エチレンカーボネートは全く検出されなかった。この結
果は、エチレンカーボネートの反応率は100%で、ジ
メチルカーボネートの収率及び選択率が99.4%、エ
チレングリコールの収率及び選択率が99.4%である
ことを示している。この方法により、ジメチルカーボネ
ートとエチレングリコールを連続して製造したが、20
0時間〜400時間後も、ほぼ同様の成績であった。
【0053】
【実施例2】エチレンカーボネートの代りにプロピレン
カーボネートを用いる以外は、実施例1と同様な方法を
行った。すなわち、原料のプロピレンカーボネートを5
1.0g /Hrで供給し、塔頂より156.5g /
Hrで、塔底より40.1g /Hrで液を抜き出した
。塔底部の温度は約148℃であった。その他の条件は
実施例1と同じである。
【0054】塔頂抜き出し液の組成はジメチルカーボネ
ート28.5重量%とメタノール71.5重量%であり
、また塔底抜き出し液の組成はプロピレングリコール9
4.0重量%、メタノール5.0重量%及び高沸点副生
成物1.0重量%から成っており、プロピレンカーボネ
ートは全く検出されなかった。この結果はプロピレンカ
ーボネートの反応率は100%で、ジメチルカーボネー
トの収率及び選択率が99.2%、プロピレングリコー
ルの収率及び選択率が99.2%であることを示してい
る。この方法により、ジメチルカーボネートとプロピレ
ングリコールを連続して製造したが、200時間〜40
0時間後も、ほぼ同様の成績であった。
【0055】
【実施例3】図1において反応器A,B,C,Dに充填
してある触媒の代りに、ディクソンパッキング(6mm
φ)を充填し、触媒としての酢酸鉛(200ppm)を
含むエチレンカーボネートとメタノールの混合液(重量
比:エチレンカーボネート/メタノール=88/12)
を原料導入口(12)より、予熱器(2)を通して、7
0℃に予熱して反応器Aに50.0g /Hrの流量で
導入した。反応器はいずれも温度90℃、内圧約5Kg
/cm2 に設定した。また、メタノールを塔底部導入
口(12)より、蒸発器(4)を通すことによってメタ
ノール蒸気として塔内に150g /Hrの流量で導入
した。その他の条件は実施例1とほぼ同様であった。定
常状態になった後の塔頂抜き出し液は154.5g /
Hrであり、塔底抜き出し液は45.5g /Hrであ
った。 また塔底内部温度は約110℃であった。
【0056】塔頂抜き出し液の組成はジメチルカーボネ
ート29重量%とメタノール71重量%の混合物であっ
た。また塔底抜き出し液の組成は、エチレングリコール
67.7重量%、メタノール31.6重量%及び高沸点
副生成物0.7重量%(鉛成分も含む)であり、エチレ
ンカーボネートは全く検出されなかった。この結果はエ
チレンカーボネートの反応率は100%でジメチルカー
ボネートの収率及び選択率は99.6%、エチレングリ
コールの収率及び選択率は99.4%であることを示し
ている。
【0057】
【発明の効果】本発明の方法により、環状カーボネート
と脂肪族モノアルコール類を原料として、ジアルキルカ
ーボネート類とジオール類を連続的に高収率、高選択率
で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するためのプロセス例の模式図で
ある。
【符号の説明】
1:蒸留塔 2:予熱器 3:凝縮器 4:蒸発器 5:加熱器 A〜D:反応器 11:高沸点原料導入口 12:低沸点原料導入口 13:低沸点反応生成物抜き出し口 14:高沸点反応生成物抜き出し口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  触媒の存在下に、環状カーボネートと
    脂肪族モノアルコール類とを反応させて、ジアルキルカ
    ーボネートとジオール類とを連続的に製造するに当り、
    該環状カーボネートと該脂肪族モノアルコールを連続多
    段蒸留塔内に連続的に供給し、該蒸留塔内を流下する液
    を蒸留塔の途中段及び/又は最下段に設けられたサイド
    抜出し口より抜き出し、蒸留塔の外部に設けられた反応
    器へ導入して反応させた後に、該抜き出し口のある段よ
    りも上部の段に設けられた循環用導入口へ導入すること
    によって該蒸留塔へ循環させ、該反応器内、又は該反応
    器内と該蒸留塔内の両方で反応させながら、反応によっ
    て生成するジアルキルカーボネートとジオール類のうち
    、低沸点生成物を蒸留によってガス状で該蒸留塔から連
    続的に抜き出し、高沸点生成物を塔下部より液状で連続
    的に抜き出すことを特徴とするジアルキルカーボネート
    とジオール類の連続的製法。
JP2408070A 1990-12-27 1990-12-27 ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法 Expired - Lifetime JPH0768180B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2408070A JPH0768180B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2408070A JPH0768180B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04230243A true JPH04230243A (ja) 1992-08-19
JPH0768180B2 JPH0768180B2 (ja) 1995-07-26

Family

ID=18517571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2408070A Expired - Lifetime JPH0768180B2 (ja) 1990-12-27 1990-12-27 ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0768180B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407279B1 (en) * 1999-11-19 2002-06-18 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Integrated process for preparing dialkyl carbonates and diols
WO2007060894A1 (ja) 2005-11-25 2007-05-31 Asahi Kasei Chemicals Corporation ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法
US7645896B2 (en) 2004-06-17 2010-01-12 Asahi Kasei Chemicals Corporation Method for producing a dialkyl carbonate and a diol
US8049028B2 (en) 2005-12-26 2011-11-01 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for separating out dialkyl carbonate
US8071819B2 (en) 2006-01-10 2011-12-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for production of high-purity diol
US8093437B2 (en) 2006-01-26 2012-01-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for production of diol
US9249082B2 (en) 2010-02-09 2016-02-02 King Abdulaziz City for Science and Technology (KACST) Synthesis of dimethyl carbonate from carbon dioxide and methanol

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407279B1 (en) * 1999-11-19 2002-06-18 Exxonmobil Chemical Patents Inc. Integrated process for preparing dialkyl carbonates and diols
US7645896B2 (en) 2004-06-17 2010-01-12 Asahi Kasei Chemicals Corporation Method for producing a dialkyl carbonate and a diol
US8148566B2 (en) 2004-06-17 2012-04-03 Asahi Kasei Chemicals Corporation Method for producing a dialkyl carbonate and a diol
WO2007060894A1 (ja) 2005-11-25 2007-05-31 Asahi Kasei Chemicals Corporation ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法
US8058465B2 (en) 2005-11-25 2011-11-15 Asahi Kasei Chemicals Corporation Process for industrially producing dialkyl carbonate and diol
US8049028B2 (en) 2005-12-26 2011-11-01 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for separating out dialkyl carbonate
US8071819B2 (en) 2006-01-10 2011-12-06 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for production of high-purity diol
US8093437B2 (en) 2006-01-26 2012-01-10 Asahi Kasei Chemicals Corporation Industrial process for production of diol
US9249082B2 (en) 2010-02-09 2016-02-02 King Abdulaziz City for Science and Technology (KACST) Synthesis of dimethyl carbonate from carbon dioxide and methanol

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0768180B2 (ja) 1995-07-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6479689B1 (en) Process for continuously producing dialkyl carbonate and diol
JP4565742B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオールを連続的に製造する方法
JP3686086B2 (ja) ジアルキルカ−ボネ−トとジオ−ルを連続的に製造する方法
JP4818103B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオールの製造方法
JP3652035B2 (ja) ジアルキルカーボネートおよびジオールの連続的製造法
JP2529025B2 (ja) ジアルキルカ―ボネ―トとジオ―ル類の連続的製造法
JP4937140B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造方法
JP4424898B2 (ja) ジアルキルカーボネートおよびジオールを製造する方法
JP4236207B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオール類の工業的製造法
JPH04230243A (ja) ジアルキルカーボネートとジオール類の連続的製法
JP4246779B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオール類を工業的に製造する方法
JP2006182683A (ja) ジオールおよびジアルキルカーボネートを製造する方法
JP4467204B2 (ja) ジアルキルカーボネートおよびジオールの製造方法
EP1953132B1 (en) Process for industrial production of dialkyl carbonates and diols
JP4272686B2 (ja) ジアルキルカーボネートとジオールの製造方法
JPH09176061A (ja) ジアルキルカーボネートとジオールの連続的製造法
JP4093607B2 (ja) ジアルキルカーボネートおよびジオールの連続的製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19960122

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 14

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 14

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 15

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110726

Year of fee payment: 16