JPH04228081A - Dna物質伝達のためのベクター - Google Patents

Dna物質伝達のためのベクター

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JPH04228081A
JPH04228081A JP3096573A JP9657391A JPH04228081A JP H04228081 A JPH04228081 A JP H04228081A JP 3096573 A JP3096573 A JP 3096573A JP 9657391 A JP9657391 A JP 9657391A JP H04228081 A JPH04228081 A JP H04228081A
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dna
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Nigel J Grinter
ナイジェル・ジョン・グリンター
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor

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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は広い宿主域を有する転位
可能なクローニングベクター、該ベクターを用いてのD
NA挿入方法、該方法で作られた新規微生物、ならびに
それらにおいて用いる新規プラスミドに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、改善された有用な性質を有する新
しい微生物を作り出すための微生物の遺伝子操作法を開
発することに多大な関心が寄せられている。そのような
遺伝子操作法はここ10年のうちに工業的に次第に重要
になって来ると信じられる。遺伝子操作法においては、
普通、ある微生物(場合によっては何か別の源)からD
NA物質を採り、そしてそれを別の微生物中へ伝達する
ことが必要である。DNA物質を伝達するのに用いられ
る担体は、「ベクター」と称される。現在、広い宿主域
の転位可能ベクターの開発に対する要求がある。
【0003】最近、細菌のプラスミドおよびフアージか
ら誘導した多くの特殊ベクターが開発されてきておりこ
れによりクローン化DNA断片の表現の研究およびコン
トロールが可能となってきている。しかしこれらの公知
ベクタは、限定された宿主域を有し、また充分な安定性
を欠くので、潜在的に有用な微生物の生化学において永
久的な変性を行うのには適当でないことが判明している
。これらの変性は、受容体微生物の染色体中へ必要な遺
伝子(DNA物質)を導入することにより最も良く達成
される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】トランスポソンは、プ
ラスミド、その他の(微生物性)粒子および微生物間で
の遺伝子(DNA)物質の伝達に非常に有用なDNA配
列である。トランスポソンは、相異なる微生物、プラス
ミド等の間で容易に移動しうる能力を有している。その
能力は、トランスポソンの全体の配列の中に含まれるD
NA配列によって暗号化(コード化)されているもので
あり、そのようなDNA配列はトランスポソン中の転位
機能規定配列と称される。従って、DNA中にトランス
ポソンを含んでいるプラスミドは、ある微生物から他の
微生物へ遺伝子を運ぶための有用なベクターを形成する
(その際に当該遺伝子はトランスポソンのDNA中へ導
入される)。しかし、そのようなベクターの有用性は、
安定性の欠如のために制限されてきた。すなわち、トラ
ンスポソンの移動性は、トランスポソンが、受容体微生
物における有害な遺伝的変化をもたらしうることあるい
はそのような変化によって喪失されうることを意味する
のである。さらには、従前のトランスポソンの使用によ
っては、受容体微生物中への遺伝子の導入についての選
択が可能でなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、グラム
陰性細菌同志間でのDNA物質の伝達のための、第1の
プラスミドおよび第2のプラスミドを含むベクターであ
って:転位機能を規定する配列を含むDNA部分が取り
除かれているトランスポソン(A)を、該第1のプラス
ミドが有し;トランスポソン(A)の転位機能を規定す
る配列を含むトランスポソン(A)からのDNA断片を
、該第2のプラスミドが有する;ことを特徴とするベク
ターが提供される。
【0006】さらに本発明のベクターは、ある受容体グ
ラム陰性細菌の染色体中へ該細菌が本来有しない外来D
NA物質(B)を挿入するに際して: (i)  キャリヤープラスミドとヘルパープラスミド
とを含むベクターを含有する微生物を構成する工程、〔
ただし、受容体細菌中へ挿入されるべき外来DNA物質
(B)がそのDNA中に既に含まれ、そして転位機能を
規定する配列を含むDNA部分が取り除かれている適宜
なトランスポソン(A)を、該キャリヤープラスミドが
担持し;そしてトランスポソン(A)の転位機能を規定
する配列を含む、トランスポソン(A)からのDNA断
片を、該ヘルパープラスミドが担持している。〕(ii
)  該キャリヤーおよびヘルパー両プラスミドを、ベ
クター含有微生物から、直接または間接的に、受容体細
菌中へ伝達する工程、そして (iii)   挿入外来DNA物質(B)が受容体細
菌の染色体中へ入り込むのに充分な世代にわたって適切
な条件下で該受容体細菌を増殖させる工程、を含むこと
を特徴とする上記外来DNA物質(B)の挿入方法にお
いて使用されうる。
【0007】ベクター含有微生物から受容体細菌へのキ
ャリヤープラスミドおよびヘルパープラスミドの「間接
的な伝達」とは、複数の工程を含むいずれかの伝達方式
を意味するものであり、例えばベクター含有微生物から
出したプラスミドを、一またはその以上の中間(媒介)
微生物中へ一端入れた後に受容体細菌中へ導入する伝達
方式がある。
【0008】適当には、上記の方法の工程(iii)中
またはその後に、受容体細菌からキャリヤープラスミド
を喪失させる。適当には、挿入外来DNA物質(B)が
受容体細菌の染色体中へ入り込んだ後に、該受容体細菌
中にヘルパープラスミドと非相容性のプラスミド(非相
容性プラスミド)を導入することによりヘルパープラス
ミドを受容体細菌から排除する。
【0009】さらに本発明によれば、本発明の前記ベク
ターおよび前記挿入方法により染色体中へ外来DNA物
質を導入された新規なグラム陰性細菌;そのような変性
細菌を用いて実施する方法(例えば単細胞蛋白の生産方
法);ならびに前記のベクターや挿入方法において用い
るための新規なプラスミドおよびトランスポソン(これ
らはこの明細書中に言及されている);が提供される。 本発明の新規なプラスミドとしては、本発明のベクター
中の第1のプラスミドとして有用なもの;本発明のベク
ター中の第2のプラスミド(本発明の挿入方法における
ヘルパープラスミドに対応)として有用なもの;本発明
の挿入方法のキャリヤープラスミド〔すなわち、DNA
物質(B)を含むトランスポソンを運ぶ第1のプラスミ
ド〕として有用なもの;および非相容性プラスミド(す
なわち、ヘルパープラスミドと非相容性)として使用す
るのに指示された新規なプラスミド;が包含される。本
発明が関連する特定なプラスミドの例としては、キャリ
ヤープラスミドpNJ5073、該プラスミドの修飾体
、および該プラスミドまたは該修飾体から由来する第1
のプラスミド;第2すなわちヘルパープラスミドpN9
279および該プラスミドの修飾体;ならびに非相容性
プラスミドpGSS15および該プスミドの修飾体;が
ある。
【0010】以下では、本発明を外来DNA物質挿入方
法に関して説明することにする。本発明の挿入方法にお
いて、実際上は、使用トランスプソンは、部分部分に分
割されているように見做すことができる。トランスポソ
ンの転位機能を規定するDNA配列を含む一方の部分は
、ヘルパープラスミド上に位置しているが;本発明方法
を用いて伝達されるべきDNA物質によってその転位機
能規定配列が置換えされている他方の部分は、キャリヤ
ープラスミド上に位置している。ヘルパープラスミドお
よびキャリヤープラスミドの両者が受容体細菌中へ伝達
される。キャリヤープラスミドは不安定なプラスミドで
それが受容体細菌から容易に失なわれるものであるのが
適当である。受容体細菌が多数の世代(好ましくは少な
くとも50世代)にわたって適当な条件下で増殖された
場合、伝達された外来DNA物質は、受容体細菌の染色
中へ入り込み、そしてもしキャリヤープラスミドが不安
定であるならばそれは該細菌から失われる。この段階で
、ヘルパープラスミドと非相容性のあるプラスミド(非
相容性プラスミド)を受容体細菌中へ導入して、ヘルパ
ープラスミドも該細菌から失なわれるようにすることが
できる。もちろん、以上の記述においては、トランスポ
ソンの該二つの部分は、必ずしも同一個のトランスポソ
ン配列からのものではなく、あるいは同一個のトランス
ポソン配列からのものであることもある。ことは理解さ
れるべきである。転位機能を含むDNAは、公知の方法
でトランスポソンの全DNA配列から切り出すことがで
きる。理想的には、転位機能を規定するその配列のみを
切り出し、そしてヘルパープラスミド上に位置させる。 しかし、これは達成され難いので、一般的には、ヘルパ
ープラスミドで運ばれるトランスポソンDNAは、転位
機能規定配列以外のDNAをも含むことになる。このよ
うな余分のDNAは出来る限り少なくするのが好ましい
【0011】本発明のDNA挿入方法は、ある細菌中へ
、その細菌の一般的生化学特性を変性またはそれに別の
特性を付加する遺伝子物質を伝達したい場合に非常に有
用である。
【0012】キャリヤープラスミドおよびヘルパープラ
スミドは、ペクター含有微生物(普通は、細菌)から受
容体細菌中へ一段階で接合により伝達されるのが好まし
い。キャリヤーおよびヘルパー両プラスミドは、広い宿
主域を有するプラスミドであるのが適当であり、そして
少なくともキャリヤープラスミドは、受容体細菌から容
易に失なわれる不安定プラスミドであるのが好ましい。 好ましいキャリヤープラスミドは、無差別プラスミドR
P4の誘導体であり、そして好ましいヘルパープラスミ
ドはプラスミドR300Bの誘導体である。その他の好
ましいキャリヤープラスミドとしては、R751および
R7Kがあり、またその他の適当なヘルパープラスミド
としてはR678およびPB165がある。適当な非相
容性プラスミドの例としてはpGSS15およびAp2
01がある。使用されるプラスミドは、それぞれに適当
なマーカー(標識)を有するべきであり、そのような標
準は、普通、特定な抗生物質に対する耐性、例えばカナ
マイシン耐性(KmR )、テラマイシン耐性(TcR
 )、トリメトプリン耐性(TpR )、およびストレ
プトマイシン耐性(SmR )を規定するDNA配列で
あり、このようにして細体中における特定のプラスミド
の存在、不存在が確認できるようにすべきである。本発
明のDNA挿入方法は、広範囲の有用な遺伝子操作を実
施するのに使用できる。実施しうる遺伝子操作の例とし
ては、ある細菌を新規なエネルギー源を使用しうるよう
にする遺伝情報またはエネルギー転換効率を改善する遺
伝情報を、その細菌の染色体中へ導入することがある。 ベクター含有微生物として、あるいは受容体細菌として
使用しうる細菌の例としては、E、coliの菌株およ
びメチルロフイルス・メチロトロフス(Methylo
philus methylotrophus;従前は
シュードモナス・メチロトロファPseudomona
s methylotropha と命名されていた)
の菌株がある。シュードモナス・メチロトロファ種の細
菌については、我々の英国特許第1370892号明細
書にその諸性質が記載されており、また多くの特定な菌
株、すなわちNCIB寄託第10508〜10515号
、および同第10592〜10596号菌株も記載され
ている。
【0013】本発明の実施例では、E.coliおよび
メチロフイルス・メチロトロフス種に本発明の挿入方法
を使用したものが例示されている。変性された菌株の培
養物は、NCIBすなわちザ・ナショナル・コレクショ
ン・オブ・インダストリアル・バクテリア(英国スコッ
トランド、アバーティーン、トーリイ・リサーチ・ステ
ーション)に寄託されており、NCIB寄託第1171
4号および同第11715号(変性E.coli菌株)
の寄託番号が付与されている。
【0014】トランスポソンのほとんどのものは(例え
ばTn1からTn7までのいずれのものも)、本発明の
挿入方法において使用できる(我々はトランスポソンT
n8またはTn10については関知してない)。しかし
、トランスポソンTn7が好ましい。制限酵素Hind
 III またはBam  HIによって発生されたい
ずれのDNA断片も、Th7のDNA中へ(例えば実施
例2および第1図に示すようなプラスミドpNJ507
0で)直接に挿入できる。
【0015】本発明の添付図によって説明する。
【0016】図1〜2は、以下の実施例1の(a)に記
載されているキャリヤープラスミドpNJ5073の誘
導操作を示す。図3は実施例1の(b)に記載されてい
るヘルパープラスミドの誘導操作を示す。
【0017】本発明を以下の実施例で説明する。実施例
1はベクターの成分プラスミドであるキャリヤープラス
ミドpNJ5073およびヘルパープラスミドpNJ9
279の誘導を示すものであり、実施例2および3E.
coliおよびメチロトフイラス・メチロトロフスにお
ける上記ベクターの使用を示す。
【0018】
【実施例】実施例1 転位可能ベクター系で使用されるプラスミドの調製(a
)プラスミドpNJ5073 出発点プライミドRP4であり、このものは非相容性グ
ループP(I nep)に属し、そして抗生物質アンピ
シリン(Ap)、テトラサイクリン(Te)およびカナ
マイシン((Km)に対する耐性を暗号化する天然プラ
スミドである。このプラスミドは、広範囲のグラム陰性
細菌中へ接合により自身を伝達する能力を決定する遺伝
子をも有している。その分子寸法はほぼ56キロベース
(kb)であり、DNA分子上における遺伝子の配置は
図1に示される通りである。図1は接合伝達に関与する
領域(Tra1、Tra2およびTra3)の位置と、
その細菌宿主内での該プラスミドの復製および維持に必
須な機能の位置( trfA trfBおよびori 
V)とを示している。
【0019】次の段階は、図示した部位において前記の
13Kb(キロベース)DNA配列のトランスポソン7
(Tn7)を挿入して、誘導体pRP1を与えることで
ある。このような挿入を行なうための標準的な方法は、
トランスポソン7(Tn7)を含むプラスミドからの転
位であり、かかる方法操作の詳細は、例えば「Mole
cular and General Genetic
s」(183,2,1981年第380〜387頁)に
記載されている。Tn7は、抗生物質トリメトプリン(
Tp)およびストレプトマイシン(Sm)に対する抗性
を暗号化する遺伝子、ならびに、この13KbDNA配
列が自身を一方のDNA分子から他方のDNA分子へ転
位する能力を授与する遺伝子を有している。図1には、
pRP1のマップも示されている。pRP1DNA分子
の周囲に文字Pで印を付けられている8個の部位は、制
限酵素PstIがそのプラスミド分子を開裂する位置を
示している。試験管内Pst1切断の後に、pRP1の
各断片は酵素DNAリガーゼを用いて種々の組合せでア
ニールされ(接合され)、次いでトランスフォーメーシ
ョンにより、細菌エシエリキア・コリ(Escheri
chiacoli )K12中へ再導入される。 この方法により得られた新規なタイプのプラスミドの一
つを次の工程のために使用した。
【0020】pRP1上に存在してApR 、KmR 
、TpR およびSmR を決定する遺伝子を、pNJ
5000は失なっているが、そのpNJ5000はTc
R ならびに複製、維持および、接合による伝達に関す
るすべての遺伝子を保持している。pNJ5000増殖
媒地中にテラマイシンの存在により選択されないと、一
世代につき約5%の細胞ポピュレーションを喪失されて
、高度に不安定になってもいる。トランスポソン7(T
n7)はこの段階で、図示のように再挿入されてプラス
ミドpNJ5070を発生させる。
【0021】pNJ5000の形成の際にpRP1から
削除されるDNA配列は、該プラスミド上に、制限酵素
Hind III およびBamH1によって認識され
るすべての部位を含んでいる。従って、Tn7をpNJ
5000に挿入してpNJ5070を発生させるときに
、pNJ5070上のHindIII およびBamH
1部位のみがTn7内のものである(図2参照)。
【0022】pNJ5070はHind III で切
断し(それによってTn7の大きな中央部を除き)、次
いで、エシエリキア・コリK12のtrpE遺伝子を含
むHind III 発生DNA断片と結合させてpN
J5073を発生させた(図2)。
【0023】(b)  プラスミドpNJ9279pN
J9279は、プラスミドpTB92から誘導した。p
TB92自体は、天然の広宿主域プラスミドのR300
Bの誘導体である。pTB92は、非相容性グループQ
(IncQ)に属し、抗生物質スルフォンアミド(Su
)およびカナマイシン(Km)に対する耐性を与える。 それは接合による伝達についての機能をエンコードしな
いが、接合系を決定する別のプラスミド(例:RP4)
が同一細菌細胞中に存在すれば、容易に伝達(可動化)
される。
【0024】pTB92は、制限酵素PstIにより認
識される二つのDNA配列を含んでいる(図3)。これ
らの配列はSu耐性を規定する遺伝子の両端にある。p
TB92DNAをPstIで切断し(それによりSu耐
性遺伝子を除き)、Tn7のほとんどを含むPstI断
片(pRPIの)と、DNAリガーゼにより、結合させ
た。この断片は、pNJ5073から除かれた抗生物質
耐性遺伝子および領域を含んでいる。しかし、これは転
位ができない、なんとなればトランスポソンの一端部か
らのDNA配列を欠くからである。かくして得られるプ
ラスミドpNJ9270はトランスフォーメーションに
よりエシエリキア・コリK12中へ再導入された。
【0025】最終の段階として、もはやTp耐性を与え
ない突然変異株を選択した。これをpNJ9279と指
称することにした。
【0026】実施例2 E.coliにおける転位可能ベクター系の使用ここに
おける実験はすべて、trpE遺伝子における突然変異
のためにアミノ酸トリプトファンの不存在下で増殖しえ
ない細菌細胞について実施した。特に言及するもの以外
のすべての段階はトリプトファンの存在下に実施した。
【0027】プラスミドpTB92およびpNJ927
9を、カナマイシン耐性(KmR )についての選択に
よるトランスフォーメーションで導入した。pNJ50
70およびpNJ5073は、テトラサイクリン耐性(
TcR )についての選択を行い、接合により伝達した
。そして下記の組合せが確立された。
【0028】1.  pNJ  50702.  pN
J  5073 3.  pNJ  5073+pTB924.  pN
J  5073+pNJ9279各プラスミド組合せの
代表を、トリプトファンなしでの増殖能力につき試験し
た。pNJ5073(これはTn7中へ挿入されたtr
pE遺伝子を有する)を取込んだ細菌のみがトリプトフ
ァンなしで増殖できた。
【0029】各プラスミド組合せを有する細菌の代表例
を、次いで、トリプトファンおよびTp(Tn7につい
て選択のため)を含む培地中で増殖させた。pTB92
またはpNJ9279が存在した場合にはKmも添加し
た。そのときに、培養物はその培地中に細菌生育の約5
0世代の間保持した。このような時間によって、不安定
プラスミド(pNJ5070またはpNJ5073)は
喪失されうるようになる(ただし、それがまずTn7の
コピイを細菌染色体に与え得ることを条件とする)。こ
の不安定プラスミドの喪失によって、細菌はTcに対し
感受性となる。前記の四つのプラスミド組合せのそれぞ
れからの30の別々の単離物をTcに対する感受性、T
pR 、およびトリプトファンなしでの増殖能力につい
て試験し、下記の結果を得た。
【0030】   1.  30/30TcS TpR トリプトファ
ン依存(Trp− )  2.  30/30TcR 
TpR トリプトファン不依存(Trp+ )  3.
  30/30TcR TpR Trp+   4. 
 16/30  TcR TpR Trp+     
      8/30  TcR TpR Trp+ 
          6/30  TcR TpR T
rp− 上記の結果は、正常Tn7を含むpNJ507
0はトランスポソンを与えてから細菌宿主から失なわれ
うること;しかし中央域からのDNA除去を受けたTn
7を含むpNJ5073とトランスポソンを与えること
ができず、従ってそのプラスミドは細菌によって保持さ
れたままであること;を示している。さらには、pTB
92の存在はこれに何らの影響を与えない。しかし、N
o4におけるようにTn7の中央域を有するpNJ92
79が存在する場合には、試験した単離体の約1/2は
それらが受けた転位と一致する特性を有する。これはN
o4から二つのTcS TpR Trp+ 単離体を採
り、アンピシリン耐性(ApR )について選択するプ
ラスミドpGSS15のDNAでそれらをトランスフォ
ーメーション(転換)することにより、確認された。p
GSS15はpNJ9279と同じ非相容性グループ(
IneQ)のプラスミドであり、従ってそれを導入する
ことによりpNJ9279が喪失されることになる(こ
れはKmに対して細菌が感受性となることによって示さ
れる)。しかし両方の場合にpGSS15を含む細菌は
TpR を維持し、またトリプトファンなしでもなお増
殖できた。このことはクローン化trp E遺伝子をも
つTn7の転位は細菌染色体に対し起ったことを示して
いる。Tn7およびtrp Eの染色体への挿入が安定
であることを示すために、それを含む単離物中へRP4
を接合により導入し、また染色体中に正常Tnを含む単
離物へもRP4を接合により導入した。両方のRP4含
有細菌を次いで、RP4(TcR )またはTn7(T
pR )のいずれかの伝達についての選択をもつ区別し
うるE.coliへの接合ドナーとして用いた。そのド
ナーが正常Tn7を含んだ場合には、10,000個の
細菌のうちのほぼ5個がRP4を受け取りまた遺伝性T
n7は転位によりRP4へ伝達され次いで接合中に伝達
された。しかしドナーが、挿入trpE遺伝子をもつ欠
陥Tn7を含んだ場合には、TpR の伝達は検出され
なかった(すなわち少なくとも1000倍効率が劣る)
。このことは、その能力化されたTn7が染色体の安定
な部分であることを示している。
【0031】実施例3 メチロフイルス・メチロトロフスNCIB第10515
号菌株における転位可能ベクター系の使用pNJ507
3およびpNJ9279の両者を含むE.coli菌株
を用いて、接合により両プラスミドメチロフイルス・メ
チロトロフス菌株へ伝達した(TcR およびKmR 
について選択)。この二重耐性メチロフイルス・メチロ
トロフス菌株の単離物をTpおよびKm選択で約50世
代にわたり増殖させた。この増殖時間の終了時に、それ
ぞれからの10の単離物を、それらの抗生物質耐性パタ
ーンについて試験した。すべてはTcS TpR Km
R であった。すなわち、それらはそれらが受けた転位
と一致する特性を有していた。染色体への転位が起った
ことを確認するために、pGSS15を三つのTcS 
TpR KmR 単離物中へ、pNJ5055での可動
化により導入した。(pNJ5055はRP4から得ら
れる不安定な誘導体の1つである)。KmSによって示
されるように、pNJ9279は排除されたが、TpR
 は三つの場合のすべてにおいて保持された。このこと
は、メチロフイルス・メチロトロフス菌株染色体への転
位が生じたことを確認するものである。さらには、約5
0世代にわたりTp選択なしで増殖させ、次いでTpR
 の喪失について試験することにより、挿入は安定であ
ることが示された。試験した100の単離物のうちの1
00について喪失が認められなかった。
【0032】E.coliの菌株中のプラスミドpNJ
5073およびpNJ9279は、英国スコットランド
、アバーデイーン、トーリイ・リサーチ・ステーション
のザ・ナショナル・コレクション・オブ・インダストリ
アル・バクテリア(NCIB)において寄託番号第11
714および11715号でそれぞれ寄託されている(
ブタペスト条約に基く受託日:1982年1月27日)
【0033】プラスミドの接頭記号「pNJ」は米国コ
ネチカット州スタンフォード大学医学微生物学部のエス
サー・M・レーダーバーグ(Lederberg )に
よって維持されているザ・プラスミド・リファレンス。 センターに登録されている。
【0034】
【図面の簡単な説明〕
【0035】
【図1】プラスミドRP4からのプラスミドpNJ50
00の誘導操作の線図である。
【0036】
【図2】プラスミドpNJ5070からのプラスミドp
NJ5073の誘導操作の線図である。
【0037】
【図3】プラスミドpTB92からのプラスミドpNJ
9279の誘導操作の線図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  グラム陰性細菌同志間でのDNA物質
    の伝達のための、第1のプラスミドおよび第2のプラス
    ミドを含むベクターであって:転位機能を規定する配列
    を含むDNA部分が取り除かれているトランスポソン(
    A)を、該第1のプラスミドが有し、トランスポソン(
    A)の転位機能を規定する配列を含む、トランスポソン
    (A)からのDNA断片を、該第2のプラスミドが有す
    る、ことを特徴とする上記ベクター。
  2. 【請求項2】  プラスミドpNJ5073。
  3. 【請求項3】  プラスミドpNJ9279。
  4. 【請求項4】  NCIB寄託第11714号のE.c
    oli菌株、およびプラスミドpNJ5073を含む該
    菌株の変異株および突然変異株。
  5. 【請求項5】  NCIB寄託第11715号のE.c
    oli菌株およびプラスミドpNJ9279を含む該菌
    株の変異株および突然変異株。
JP3096573A 1982-02-17 1991-04-26 Dna物質伝達のためのベクター Expired - Lifetime JPH0771494B2 (ja)

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JPH0771500B2 (ja) 1995-08-02
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