JPH04209885A - リグノセルロース材料の蒸解法 - Google Patents

リグノセルロース材料の蒸解法

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JPH04209885A
JPH04209885A JP31611290A JP31611290A JPH04209885A JP H04209885 A JPH04209885 A JP H04209885A JP 31611290 A JP31611290 A JP 31611290A JP 31611290 A JP31611290 A JP 31611290A JP H04209885 A JPH04209885 A JP H04209885A
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JP
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cooking
zone
digester
alkaline
liquor
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JP31611290A
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Inventor
Junichiro Kido
城戸 順一郎
Kenji Hanada
花田 賢治
Koji Ukai
鵜飼 宏司
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はリグノセルロース材料の蒸解法に関し、更に詳
しくはリグノセルロース材料のアルカリ性蒸解における
環状ケト化合物(環状ケト化合物系蒸解助剤)添加によ
る修正アルカリ性蒸解法に関する。
〔従来の技術〕
従来から工業的に実施されている木材等のリグノセルロ
ース材料からの化学バルブの製造法の主流はアルカリ性
の蒸解液を用いるアルカリ性蒸解法であり、特に硫化ナ
トリウム含有蒸解液を用いるクラフト法(硫酸塩法)が
バルブ製造におけるバルブ強度、バルブ収率、薬液回収
の容易さ等のバランスより大規模に実施されている。
近年、アルカリ性蒸解法、特にクラフト法における問題
点、例えばバルブ強度の一段の向上要求を改善する目的
でスエーデンの王立工科大学(KTH)のA、 Har
tlerと林産研究所(STF I)のA、Teder
らが、未晒パルプの粘度を保持しながら残リグニンを減
少させる方法の可能性を示唆している[5vensk 
Papperstidn、。
81(15)、 483(1978)、 Tappi、
 62(7)、 49(1979) ”J。
この脱リグニン選択性をもつアルカリ性基解決は、一般
に修正アルカリ性蒸解法(ModifiedConti
nuous Cooking、以下MCC法と称する場
合がある)と呼ばれている。
そしてこの修正アルカリ性蒸解法は浸透ベッセル、およ
びダイジェスタ−の各蒸解ゾーンにおいて、新鮮な蒸解
液を常に補充し、アルカリ濃度を最適化する点、グイジ
ェスター内部において並流蒸解と向流蒸解を実施する点
に、換言段)におけるアルカリ濃度を低くする点、向流
蒸解により蒸解終了段での蒸解液中(すなわち使用済蒸
解液・・・黒液)のアルカリ濃度を低くする点にその特
徴を有るものであり、また得られるパルプに関してはM
CC法では同一カッバー価で測定すると、従来の蒸解と
比較して粘度的100 dm3/kgより高いものが得
られること、換言すればバルブの強度、粘度の損失なし
に蒸解後のカッパー価でN材(針葉樹)で5〜7ポイン
ト、またL材(広葉樹)では3〜4ポイント低く蒸解す
ることが可能であり、このMCC法のメリットはその後
に続く漂白工程においても維持されることが知られてい
る。(紙パルプ技術タイムス 1990年8月号 第5
5〜59頁参照) 以下添付した第3図に示す2反応器型連続ダイジェスタ
ーを用いる系統図により修正アルカリ性蒸解について説
明してみると、第3図においてリグノセルロース材料、
具体的には木材チップ1は大気開放加熱型チップビン2
に供給され、スチーミングベッセル3において加熱脱気
され、次いで高圧フィーダー4によって浸透ベッセル6
の頂部へ導管5を通って送給される。
一方アルカリ性蒸解液(JJ下蒸解液と称する)導管1
7から供給される蒸解液の主分岐流は導管18を通り、
浸透ベッセル6の頂部に供給される。高圧フィーダ4に
おいて木材チップと浸透ベッセル6の頂部からの抽出液
導管7を流れている抽出液は混合され、次いでこの混合
物は導管5を通って浸透ベッセル6の頂部に送給される
。浸透ベッセル6の頂部において充填された木材チップ
は蒸解液とともに下降し、この間に脱リグニン反応が一
部開始される。
浸透ベッセル6の中間部にはストレーナ−39が設けら
れており、ストレーナ−39よりの抽出液は抽出液導管
40を通り浸透ベッセル6の内部のストレーナ−39の
近傍へと循環される。
ストレーナ−39を通過した木材チップと蒸解液は浸透
ベッセル6の底部に達し、浸透ベッセル6の底部からダ
イジェスタ−8の頂部にかけて設置されているトランス
ファー循環液往路導管37を通りダイジェスタ−本体8
の頂部に送給される。そして浸透ベッセル6は下記の蒸
解ゾーンA、B、C及び洗浄ゾーンDとの機能の関係上
浸透ゾーン■ということができる。一方蒸解液導入管1
7からの分岐した蒸解液は蒸解液分岐管19を通り、更
に分岐して蒸解液分岐管20を通り、ダイジェスタ−8
の頂部から浸透ベッセル6の底部にかけて設けられてい
るトランスファー循環液復路導管36を流れる循環液2
2と合体され浸透ベッセル6の底部に供給される。なお
トランスファー循澁液復路導管36ラインの中途にはヒ
ーター1.6が設置されており、ヒーター16は中圧蒸
気35によって加熱されており循環液22は加熱されて
いる。
ダイジェスタ−本体8は頂部から底部にかけて上部蒸解
トリムゾーンA、上部蒸解ゾーンB、下部蒸解ゾーンC
1洗浄ゾーンDの4種類の機能を異にするゾーン(帯域
)に大別されており、それぞれのゾーンを区画するため
に上部蒸解トリムゾーンAと上部蒸解ゾーンBとの境界
にはストレーナ−9が、上部蒸解ゾーンBと下部蒸解ゾ
ーンCとの境界にはストレーナ−10が、下部蒸解ゾー
ンCと洗浄ゾーンDとの境界にはストレーナ−11が設
けられており、さらに洗浄ゾーンDの下部すなわちダイ
ジェスタ−8の底部近傍にはストレーナ−12が設置さ
れている。
上部蒸解トリムゾーンへの下部に設置されているストレ
ーナ−9から抽出された抽出液は抽出液導管38を通り
ダイジェスタ−8の頂部から浸透ベッセル6の底部にか
けて設けられているトランスファー循環液復路導管36
を流れる循環液22と合体される。
上部蒸解トリムゾーンAから下降した一部脱すゲニンさ
れた木材チップは上部蒸解ゾーンBに入りこのゾーンに
おいては木材チップは並流蒸解され、脱リグニン反応が
進行する。上部蒸解ゾーンBの下部に設けられたストレ
ーナ−10から抽出された蒸解黒液は抽出黒液導管30
を通り回収工程(図示されていない)へ移送される。
上部蒸解ゾーンBから下降したある程度脱リグニン(蒸
解)の進行した木材チップは次に下部蒸解ゾーンCに入
り、このゾーンにおいて脱リグニンの進行した木材チッ
プは向流蒸解(Counter Current Co
oking)され、脱リグニン反応が更に進行する。こ
の下部蒸解ゾーンCにおいてはこのゾーンの下部に設置
されたストレーナ−11から抽出された抽出液は抽出液
導管24において蒸解液分岐管19より更に分岐した分
岐管21を流れる蒸解液と合体され、流路に設けられて
いるヒーター14によって中圧蒸気管33によって供給
される中圧蒸気によって加熱される。この循環液は循環
液導管27を介して下部蒸解ゾーンの下部、ストレーナ
−11の近傍において供給される。このゾーンにおいて
はある程度脱リグニンの進行した木材チップはストレー
ナ−10の下部よりストレーナ−11の上部に向って下
降するが、この間、ストレーナ−11の近傍において循
環液導管27から供給された蒸解液の補充された循環液
はストレーナ−10に向って上昇しこの向流蒸解によっ
て脱リグニン反応は更に進行する。ストレーナ−10に
向って上昇した循環液は使用ずみ蒸解液、すなわち黒液
となり、上部蒸解ゾーンBの黒液と混合されて抽出黒液
導管30を通り回収工程(図示されていない)へ移送さ
れる。
下部蒸解ゾーンCの向流蒸解によって脱リグニン反応が
更に進行した木材チップはストレーナ−11の下部の洗
浄ゾーンDに下降する。このゾーンにおいては、洗浄ゾ
ーンDの下部、ダイジェスタ−8の底部のすぐ上部にお
いて洗浄液導管29を通って導入された洗浄液はストレ
ーナ−11に向って上昇する。一方ストレーナ−12に
より抽出された抽出液は抽出液導管25を通り、流路に
設置されているヒーター15に中圧蒸気管34によって
供給される中圧蒸気によって加熱され循環液導管28を
通って洗浄ゾーンDの下部に設けられているストレーナ
−12の近傍において供給される、この循環液は洗浄液
導管29によって供給された洗浄液と合体してストレー
ナ−11に向って上昇しこのゾーンにおいて脱リグニン
の終了した木材チップ(バルブ)は向流洗浄される。洗
浄されたバルブは蒸解バルブ排出管31を通って洗浄機
(図示されていない)に送られる。なおスチーミングベ
ッセル3においては圧力は0.5 = 2.0 kg/
cn+”(ゲージ圧)、温度は110℃〜130℃程度
であり、浸透ベッセル6における頂部圧力は12、0〜
14.0 kg/cm’ (ゲージ圧)温度は110〜
130℃程度であり、浸透ベッセル6出の一部脱すゲニ
ンされた木材チップのカッパー価は100〜160程度
である。
そしてダイジェスタ−本体8においては、上部蒸解トリ
ムゾーンAでは温度145〜165℃に、上部蒸解ゾー
ンBでは温度150〜170℃に、下部蒸解ゾーンCで
は温度155〜170℃に、洗浄ゾーンDではストレー
ナ−12より抽出された抽出液はヒーター15によって
加熱され循環液導管28を流れる循環液は140〜15
0℃に加熱されている。
ダイジェスタ−8本体の頂部圧力は10〜13kg/c
m2(ゲージ圧)に保持されているのが一般的である。
蒸解バルブ排出管31を介して排出されるバルブ温度は
75〜95℃に保持されている。なお抽出黒液導管30
から排出される黒液温度は150〜170℃に保持され
ている。
蒸解液導入管17によって供給される蒸解液は分岐管1
8によって浸透ベッセル6の頂部へまた、分岐管19の
分岐管20によって浸透ベッセル6の底部へ供給される
。分岐管18、分岐管20によって供給される蒸解液は
最終的にはトランスファー循環液往路導管37内を通る
木材チップと供に合体されてダイジェスタ−8の頂部に
送給される。また分岐管19の分岐管20の他の分岐管
21を流れる蒸解液は下部蒸解ゾーンC下部、ストレー
ナ−11の近傍に導管24、ヒーター14、循環液導管
27を通って供給される。
この蒸解液の分配比率は蒸解液導入管17から供給され
る蒸解液を100とすれば分岐管18へは50〜90%
、分岐管19へは10〜50%供給される。そして分岐
管19に導入された蒸解液は更に分岐管20によって5
〜45%、分岐管21によって5〜45%と分配され、
その結果として蒸解液導入管17から導入した蒸解液の
50〜90%が導入管18を介して浸透ベッセル6に供
給され、導入管19を介して残部の蒸解液50〜10%
のうち、5〜45%が上部蒸解トリムゾーンAに、蒸解
液の5〜45%が下部蒸解ゾーンCに分配して供給され
るのが一般的である。
第4図は修正アルカリ性蒸解法の別の態様であり、第3
図との相違は浸透ベッセル6におけるストレーナ−39
よりの抽出液の流れる抽出液導管40には蒸解液分岐管
19の分岐管42によって導入される蒸解液が導入され
ている点、トランスファー循環液復路導管36には蒸解
液が導入されない点、および上部蒸解トリムゾーンAの
下部に設置されているストレーナ−9からの抽出液は抽
出液導管23を通り、流路に設けられているヒーター1
3によって中圧蒸気管32によって供給される中圧蒸気
によって加熱され循環液導管26を介して上部蒸解トリ
ムゾーンAの下部、ストレーナ−9に近傍に供給され、
抽出液はトランスファー循環液復路導管36を流れる循
環液と合体されない点である。
なお第3図、第4図ともダイジェスタ−の内部には洗浄
ゾーンDが設けられている態様であるが、この洗浄ゾー
ンは必要に応じてダイジェスタ−8の外部に設けること
も可能であることはいうまでもない。
上記した従来の修正アルカリ性基解決は浸透ベッセルと
グイジェスターから構成されているために、−船釣には
2反応器型連続グイジェスター(Two Vessel
 Type Continuous Digestor
)と呼ばれることもある。
ところで2反応器型連続グイジェスターの第3図に示す
実機を用いて連続運転により修正アルカリ性基解決、具
体的には修正クラフト蒸解決を実施してみたところ、前
記の蒸解液の配分により修正アルカリ性蒸解法に属する
修正クラフト蒸解法は未晒パルプの漂白薬品及び排水の
負荷を確実に低減するが、蒸解温度の上昇、蒸解液の対
リグノセルロース材料当りの増加という新らたな問題点
が発生することを知得した。
本発明者の一人は修正アルカリ性基解決における前記問
題点を解決するためにリグノセルロース材料をアルカリ
性蒸解液を用いて修正アルカリ性蒸解するに当り、環状
ケト化合物をアルカリ性蒸解液に対して対リグノセルロ
ース材料に基づきo、 o o i〜1.0重量%添加
して蒸解する方法を提案した。
更に具体的にはダイジェスタ−の前に浸透ベッセルが設
置されており、かつグイジエスターの内部が頂部から底
部にかけて、上部蒸解トリムゾーンA1上部蒸解ゾーン
B1下部蒸解ゾーンC1及び場合によっては洗浄ゾーン
Dが設けられており、上部蒸解トリムゾーンA及び上部
蒸解ゾーンBでは並流蒸解が、下部蒸解ゾーンCでは向
流蒸解が実施され、洗浄ゾーンDでは洗浄が実施される
2反応器型連続ダイジェスターを使用する蒸解法におい
て、蒸解系に導入された環状ケト化合物含有アルカリ性
蒸解液の50〜90%が浸透ベッセルに、5〜45%が
上記蒸解トリムゾーンAに、5〜45%が下部蒸解ゾー
ンCに供給され、かつ環状ケト化合物を対リグノセルロ
ース材料に基づき0.001〜1.0重量%含むアルカ
リ性蒸解液で蒸解する方法(特願平2’−235563
号明細書参照)を提案した。
この方法の基本的な装置系列を第2図に示す。
この装置は第3図に示した2反応器型連続ダイジェスタ
ーの実機(王子製紙株式会社春日井工場 1989年2
月稼働、生産能力 NUKP800T/日)に仮配管し
、第4図に示した蒸解液導入管42を浸透ベッセル6の
ストレーナ−39→抽出液導管40ラインに設置した。
また第4図に示したような上部蒸解トリムゾーンにおけ
るストレーナ−9→抽出液導管23→ヒーター13−循
環液導管26ラインを設け、抽出液導管23には蒸解液
分岐管44を接続した。
この配管により蒸解液の分岐管21は分岐管43と分岐
管44と更に分岐し、分岐管43は下部蒸解ゾーンの導
管24と接続した。また蒸解液導入管17に環状ケト化
合物導入管45を設けた。か\る配管を備えた装置の系
統図を第2図に示す。
前記方法すなわち環状ケト化合物導入管45により環状
ケト化合物を添加する修正アルカリ性蒸解法により、従
来法に比して蒸解液添加量の低減、パルプ収率の向上が
達成された。またパルプ品質(バルブ粘度、バルブ強度
)が改善され、その結果として紙の抄造スピードが向上
するという副次的効果が達成されたが高価な蒸解助剤で
ある環状ケト化合物をより効率的に使用して、パルプ収
率の向上、バルブ品質の一層の向上という点において問
題があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は環状ケト化合物を蒸解助剤とする修正アルカリ
性蒸解法における前記問題点を解決するためになされた
もので、その目的は環状ケト化合物の効率的な使用方法
を提供するにある。
更に本発明の目的は修正アルカリ性蒸解法における蒸解
温度の低下を達成する改良方法を提供するものであり、
本発明の別の目的は修正アルカリ外蓋解決におけるアル
カリ性蒸解液の対リグノセルロース材料光りの使用量の
削減を達成する改良方法を提供するものであり、本発明
の他の目的は修正アルカリ性蒸解法におけるパルプ収率
の向上を達成する改良方法を提供するものであり、本発
明の別の他の目的は修正アルカリ外蓋解決によって得ら
れるパルプ強度の一層の向上を達成する改良方法を提供
するものであり、更に他の目的は以下の記載から明らか
になるであろう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは蒸解系に最初に導入されるアルカリ性蒸解
液に環状ケト化合物を全量添加してリグノセルロース材
料を蒸解する修正アルカリ外蓋解決、すなわち蒸解系に
導入された環状ケト化合物含有アルカリ性蒸解液の50
〜90%が浸透ベッセルに、5〜45%が上部蒸解トリ
ムゾーンA及び上部蒸解ゾーンBに、5〜45%が下部
蒸解ゾーンCに供給され、かつ環状ケト化合物を対リグ
ノセルロース材料に基づき0、001〜1.0重量%含
(アルカリ性蒸解液で蒸解する方法において環状ケト化
合物の添加場所ニラいて更に多層的に検討したところ、
グイジェスターの向流蒸解部(下部蒸解ゾーンC)に導
入されるアルカリ性蒸解液に環状ケト化合物を主として
供給して蒸解することにより問題点が一挙に解決される
こという知見に基づき、本発明を完成するに到ったもの
である。
前記目的を達成する本発明のリグノセルロース材料の蒸
解法はダイジェスタ−の前に浸透ベッセルが設置されて
おり、かつダイジェスタ−の内部が頂部から底部にかけ
て、上部蒸解トリムゾーンA、上部蒸解ゾーンB、下部
蒸解ゾーンC及び場合によっては洗浄ゾーンDが設けら
れており、上部蒸解トリムゾーンA及び上部蒸解ゾーン
Bでは並流蒸解が、下部蒸解ゾーンCでは向流蒸解が実
施され、洗浄ゾーンDでは洗浄が実施される2反応器型
連続ダイジエスターを使用する蒸解法において、蒸解系
に導入されたアルカリ性蒸解液の50〜90%が浸透ベ
ッセルに、5〜45%が上部蒸解トリムゾーンA及び上
部蒸解ゾーンBに、5〜45%が下部蒸解ゾーンCに供
給され、かつ環状ケト化合物を対リグノセルロース材料
に基づき0.001〜1.0重量%含むアルカリ性蒸解
液を下部蒸解ゾーンCに供給して蒸解することを特徴と
する。
本発明について概説すると、修正アルカリ外蓋解決に使
用するアルカリ性蒸解薬液としては、ソーダ蒸解決、ク
ラフト法蒸解決(硫酸塩法)、ポリサルファイド蒸解決
、アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、炭酸ソーダ蒸解法に使用
される薬液の使用が可能であるが、好ましいのは前記し
た第3図に示す2反応器型連続ダイジェスターを適用す
るクラフト法蒸解決、ポリサルファイド蒸解決であり、
硫化度は5〜75%、好ましくは5〜50%である。ま
た前述した蒸解液の有効アルカリ添加率は5〜30%、
好ましくは10〜20%である。
本発明において使用される環状ケト化合物としてはベン
ゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、アントロン
、フェナントレンキノン及び前記キノン系化合物の核置
換体、例えばそのアルキル、アルコキシ、アミノ、ニト
ロ、ヒドロキシもしくはハロゲンもしくはカルボキシ誘
導体、スルホン酸塩、又はカルボン酸塩が適している。
又前記キノン系化合物の還元型であるヒドロキノン系化
合物が使用され、具体的にはアントラヒドロキノン、ア
ルキルアントラヒドロキノン、アルコキシアントラヒド
ロキノン、アミノアントラヒドロキノン、ハロアントラ
ヒドロキノン、ヒドロキシアントラヒドロキノン及びカ
ルボキシアントラヒドロキノン並びに前記アントラヒド
ロキノン化合物の互変異性体更には前記化合物のうちの
任意のものの混合物から適宜選ばれる。前記の化合物の
互変異性体としては10−ヒドロキシ−アントロン、1
−及び2−アルキル−10〜ヒドロキシ−アントロン、
1−及び2−アミノ−]]0−ヒドロキシーアントロン
1−及び2−ヒドロキシ−10−ヒドロキシ−アントロ
ン、1−及び2−ハ0−10−ヒドロキシ−アントロン
並びに前記アントロン化合物の任意の混合物が挙げられ
る。
環状ケト化合物としては更にディールス−アルダ−法に
よるアントラキノン合成法の中間体として安定な化合物
として得られる9、10−ジケトヒドロアントラセン系
化合物及び9,1〇−ジオキシヒドロアントラセン系化
合物からなる群から選ばれた一種以上の化合物が使用で
きる。
前記の9.10−ジケトヒドロアントラセン系化合物と
しては、例えば1,4−ジヒドロ−9,10−ジケトア
ントラセン、1.2.3゜4−テトラヒドロ−9,lG
−ジケトアントラセン、1,4,4a、9a−テトラヒ
ドロ−9゜10−ジケトアントラセン、2−エチル−1
゜4.4a、9a−テトラヒドロ−9,10−ジケトア
ントラセン、2.3−ジメチル−1,4゜4a、9a−
テトラヒドロ−9,10−ジケトアントラセン、1,3
−ジメチル−1,4,4a、9a−テトラヒドロ−9,
10−ジケトアントラセン、1−メチル−1,2,3,
4−テトラヒドロ−9,10−ジケトアントラセン、1
.2,3.4.5.8−ヘキサヒドロ−9゜IO−ジケ
トアントラセン、1,4.4a、5゜8.8a、9a、
10a−オクタヒドロ−9゜IO−ジケトアントラセン
1.2,3,6.7−チトラメチルー1.4.4a、5
.8.8a。
9a、10a−オクタヒドロ−9,10−ジケトアント
ラセン、1,2,3.4.5.6,7゜8−オクタヒド
ロ−9,10−ジケトアントラセン、並びに2,6−及
び2.7−ジニチルー1.4.4a、5,8.8a、9
a、10a−オクタヒドロ−9,10−ジケトアントラ
センの混合物等で好ましくはナフトキノン及びベンゾキ
ノンの非置換及び低級アルキル置換のディールス−アル
ダ−付加物から選ばれる化合物であり効果、経済性の面
からは、1.4−ジヒドロ−9,10−ジケトアントラ
セン、■、4゜4a、9a〜テトラヒドロ−9,10−
ジケトアントラセン及び1,4.4a、5,8.8a。
9a、10a−オクタヒトo−9,10−ジケトアント
ラセンが適している。
又9,10一ジオキシヒドロアントラセン系化合物とし
ては、1.4−ジヒドロ−9,1゜−ジオキシアントラ
セン、1.4.5.8−テトラヒドロ−9,10−ジオ
キシアントラセン、1.4,5.8.8a、10a−へ
キサヒドロ−9,10〜ジオキシアントラセン等であり
、1.4−ジヒドロ−9,10−ジオキシアントラセン
のす)IJウム、カリウム塩も使用可能である。
本発明においては環状ケト化合物を対リグノセルロース
材料に基づき、0.001〜1.0重量%、好ましくは
0.005〜1.0重量%添加して蒸解されるが通常は
蒸解液に対して添加され、液比(蒸解液/リグノセルロ
ース材料)を考慮して対リグノセルロース材料に基づき
0.001〜1.0重量%となるように環状ケト化合物
をダイジェスタ−の下部蒸解ゾーンに導入される蒸解液
に主として添加すればよい。
本発明のバルブ化方法を実施するには種々のリグノセル
ロース材料を用いることができ、例えばパルプ製造用リ
グノセルロース材料としては、針葉樹チップ、広葉樹チ
ップ、ソーダスト、並びに非木材セルロース材料、例え
ばバガス、ケナフ、ワラ、アシ及び他の7平生植物を挙
げることができる。
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれに
よって何ら限定されるものではない。
実施例 第3図に示した2反応器型連続ダイジェスターの実機(
王子製紙株式会社春日井工場 1989年2月稼働、生
産能力 NUKP  800T/日)に仮配管し、蒸解
液の分岐管18の分岐管18′を抽出液導管40に接続
した。また第4図に示したような上部蒸解トリムゾーン
におけるストレーナ−9→抽出液導管23→ヒーター1
3−循環液導管26ラインを設け、抽出液導管23には
蒸解液分岐管44を接続した。この配管により蒸解液の
分岐管21は分岐管43と分岐管44と更に分岐し、分
岐管43は下部蒸解ゾーンの抽出液導管24と接続した
。また蒸解液導入管17に環状ケト化合物導入管45を
設け、更に蒸解液の分岐管18.18’、20,43゜
44にそれぞれ対応して環状ケト化合物導入管46.4
7.48.50.49を設けた。か\る配管を備えた装
置の系統図を第1図に示す。
環状ケト化合物導入管45の設置位置は既に述べたよう
に特願平2−235563号発明における環状ケト化合
物の添加位置であり、本発明においては環状ケト化合物
を導入管50より蒸解液に添加し、導入管45.46,
47,48゜49を閉鎖して第1図に示す装置を用いて
修正クラフト法蒸解を実施した。そして環状ケト化合物
を導入管50より導入することにより該化合物は下部蒸
解ゾーンCに供給される。
蒸解液の分割比率、浸透ベッセル6の頂部圧力、温度条
件、ダイジェスタ−8の頂部圧力条件、上部蒸解トリム
ゾーンA1上部蒸解ゾーンB、下部蒸解ゾーンC1洗浄
ゾーンDの温度条件は以下の第1表に示した。
比較例は溝状ケト化合物を添加しない従来のMMC法及
び該化合物を環状ケト化合物導入管45より添加する方
法すなわち特願平2−235563号発明の方法を示す
。なお実施例、比較例における環状ケト化合物の分割比
率は蒸解液の分割比率と同一である。
比較例1〜3、実施例1〜2においてはマツ材を、比較
例4〜6、実施例3〜4においてはブナ材を、比較例7
〜9、実施例5.6においてはダクラスファー材を蒸解
した。
環状ケト化合物は実施例1〜3においては9゜10−ア
ントラキノン(AQ)を、実施例4〜10においては1
,4−ジヒドロ−9,10−ジオキシアントラセンのジ
ナトリウム塩(DDA)を使用した。第2表〜第4表に
は添加場所として溝状ケト化合物が添加された場所とし
て浸透ゾーンI、上部蒸解トリムゾーンA、上部蒸解ゾ
ーンB、下部蒸解ゾーンC及び導入管の位置45、46
.47.48.49.50を併記した。
バルブの物理的性質については、粕を除去した精選バル
ブ(未晒)をPFIミルでカナデイアンフリーネス50
0ccに叩解し、TAPPI試験法T 205 、s−
71(JIS P8209)に従って手抄した坪量60
g/m2のシートで測定した。
なお、各々の試験法については次の方法に従って行なっ
た。
カッパー価 TAPPI試験法T 236hm−85パ
ルプ粘度 TAPP’l試験法T 230om−82白
色度  JIS P8123 又下記の測定は製紙用バルブの強さ試験方法(JIS 
P8210)に従い 裂断長  JIS P8113 比破裂  JIS P8112 比引裂  JIS P8116 の各々の装置を用いて行なった。
漂白性の試験については漂白性の試験は、粕を除去した
精選バルブを常法によるC(塩素)−E (苛性ソーダ
)−H(ハイポ)−D(二酸化塩素)の順序で行なった
結果を第2〜第4表に示した。
なお第2〜4表における温度と時間は以下の値を用いた
温度は上部蒸解トリムゾーンAと下部蒸解ゾーンCの各
蒸解温度の平均値。
時間は上部蒸解トリムゾーンA+上部蒸解ゾーンB十下
部蒸解ゾーンCの各蒸解時間の合計値。
以上実施例1〜6、比較例1〜9との対比より本発明の
真状ケト化合物を主として導入管50によりグイジェス
ターの向流蒸解部(下部蒸解ゾーンC)に添加すること
による修正クラフト法蒸解は環状ケト化合物を蒸解系に
最初に導入される蒸解液に全量添加する特願平2−23
5563号発明すなわち導入管45より添加する方法に
比較してその結果が著るしいことは明白である。
更に本発明は一反応器型連続グイジェスターによる修正
アルカリ性基解決に適用できることはいうまでもない。
〔発明の効果〕
以上の説明から明らかなように、環状ケト化合物を主と
してダイジェスタ−の向流蒸解部(下部蒸解ゾーンC)
に添加することによる修正アルカリ性基解決により、蒸
解液添加量の低減、パルプ収率の向上が達成された。ま
たパルプ品質(パルプ粘度、パルプ強度)が改善され、
その結果として紙の抄造スピードが向上するという副次
的効果もあり、本発明は紙)<)レプ産業lこ寄与する
ところ大である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の修正アルカリ性基解決を実施する装置
の系統図であり、第2図は特願平2−235563号発
明のリグノセルロース材料の蒸解法に使用される装置の
系統図であり、第3図及び第4図は修正アルカリ性蒸解
法を実施する装置の系統図である。 図中1・・・木材チップ、6−・・浸透ベッセル、8・
・・ダイジェスタ−19,10,11,12゜39・・
・ストレーナ−1■−・・浸透ゾーン、A・・・上部蒸
解トリムゾーン、B・・・上部蒸解ゾーン、C・・・下
部蒸解ゾーン、D・・・洗浄ゾーン、13゜14.15
.16・・・ヒーター、17・・・蒸解液導入管、18
.18’、19.20,21゜43.44・・・蒸解液
分岐管、45. 46.47゜48.49.50・・・
環状ケト化合物導入管、29−・・洗浄液導入管、30
・・・抽出黒液導管、31・・・蒸解パルプ排出管

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. ダイジェスターの前に浸透ベッセルが設置されており、
    かつダイジェスターの内部が頂部から底部にかけて、上
    部蒸解トリムゾーン、上部蒸解ゾーン、下部蒸解ゾーン
    及び場合によっては洗浄ゾーンが設けられており、上部
    蒸解トリムゾーン及び上部蒸解ゾーンでは並流蒸解が、
    下部蒸解ゾーンでは向流蒸解が実施され、洗浄ゾーンで
    は洗浄が実施される2反応器型連続ダイジェスターを使
    用する蒸解法において、蒸解系に導入されたアルカリ性
    蒸解液の50〜90%が浸透ベッセルに、5〜45%が
    上部蒸解トリムゾーン及び上部蒸解ゾーンに、5〜45
    %が下部蒸解ゾーンに供給され、かつ環状ケト化合物を
    対リグノセルロース材料に基づき0.001〜1.0重
    量%含むアルカリ性蒸解液を下部蒸解ゾーンに供給して
    蒸解することを特徴とするリグノセルロース材料の蒸解
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008248450A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Nippon Paper Industries Co Ltd リグノセルロース材料の蒸解法

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JP2008248450A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Nippon Paper Industries Co Ltd リグノセルロース材料の蒸解法

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