JPH04197409A - 機能性繊維 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水道水の濾過、滅菌あるいは工場廃水の浄化
工程等で水の汚濁原因となるカーボンブラック等のコロ
イド粒子や微生物を静電気力で効率よく吸着、除去させ
るのに利用される機能性繊維に関するものである。

従来の技術 従来、水の汚れ原因のうち、除去が難しいとされるコロ
イド状の固体微粒子（１０ｍμ〜１０μφ）やバクテリ
ア等の微生物を水中から繊維材料を用いて除去する場合
、目の細かいｒ布が広く利用されている。

発明が解決しようとする課題 上記のような従来の技術は、織物や不織布の繊維間隙で
コロイド粒子や微生物を捕捉しようとするものであるが
、コロイド粒子や微生物のような微小なものを捕捉する
には繊維間隙を小さくしなければならない。このように
繊維間隙を小さくするとｒ遇すべき液の流れが悪くなる
。そのため、繊維間隙をある程度大きくしなければなら
ないことから非常に微細なものは濾過ができなくなると
いう問題があった。

本発明はこのようなＲ題を解決するもので、コロイド粒
子や微生物の捕捉効果を飛冨的に向上させるようにした
ｒ布に適用するための機能性繊維を提供することを目的
とするものである。

課題を解決するための手段 本発明者は、このような課題を解決するために鋭意検討
した結果、本発明に到達した。

すなわち本発明は、単繊維の表面が正に帯電している繊
維であって、帯電の大きさを表わすゼー夕電位ζ（ｍＶ
）と単糸繊度ｄ（デニール）とがζ≧２ｃ！の関４係を
満足する機能性繊維を要！とするものである。

以下、本発明の詳細な説明する。

本発明において、単繊維の表面を正に帯電させる方法と
しては、正に帯電する薬剤を合成繊維の共重合成分とし
て導入する方法や、正に帯電するポリマー成分をブレン
ド紡糸する方法等を採用して、単繊維の断面全体に帯電
物質を行き渡らせたり、また後処理によって繊維へ正に
帯電する薬剤やポリマーをコーテングする方法等を採用
して単繊維の表面のみに帯電物質を局在させるようにす
ることができる。

本発明の機能性繊維において、原料となる繊維としては
、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル等
の合成繊維を紡糸および後処理による正の帯電付与の方
法において用いることができ、木綿や羊毛等の天然繊維
も後処理による正の帯電付与の方法において用いること
ができる。また、原料となるこれらの繊維は、中性の水
中では何れも、負に帯電していることが知られている。

本発明の機能性繊維において、正の帯電を付与する薬剤
やポリマーとしては、陽イオンを有する低分子化合物や
高分子化合物を用いることができる。低分子化合物とし
ては例えばアミン塩、第４級アンモニウム塩、ピリジニ
ウム塩、スルホニウム塩、アミノ酸、ベタインを含む化
合物等を用いることができ、高分子化合物としては例え
ばポリエチレンポリアミン、ポリエチレンイミン、ビニ
ルピリジン−スチレン共重合体四級塩等を用いることが
できる。

また、本発明の機能性繊維において、原料となる繊維の
単糸繊度は、通常得られる繊度の何れもが適応でき、単
糸繊度ｄの小さいものは表面の正の帯電の大きさ（ゼー
タ電位ζ）が比較的小さくてもよいが、単糸繊度ｄが大
きくなるとゼータ電位がζ≧２ｄの関係に従って大きく
ならないと優れたコロイド粒子や微生物吸着性能を示さ
ない。

本発明の機能性繊維を用いたｒ布によって除去される水
の汚濁原因となるコロイド粒子の例としては、墨やカー
ボン等の負電荷コロイド、シリカや粘土、鉱物等の負電
荷コロイド、鉄サビ、顔料等の負電荷コロイド等がある
。また、バクテリア、大腸菌、ウィルス等の微生物の表
面は殆んどが負に帯電しているため、これらの微生物も
本発明の機能性繊維を用いた枦布により除去される。

作用 上記構成の本発明の機能性繊維は、単繊維表面が正に帯
電しているため、水中における負電荷コロイドや表面が
負に帯電している微生物を静電的引力で吸着することが
できる。従って、繊維間隙で捕捉する従来技術と全く興
なり、職能間隙を大・きくしてｒ過液を流れ易くしても
静電的引力による捕捉作用により、繊維表面から離れた
所を通るコロイド粒子や微生物を表面に吸着でき、通液
速度が大きくて、かつ吸着力の強い実用的価値の高いｒ
過布やフィルターを提供することができる。

さらに、単糸繊度が太くなると剛直になっ丈小さな曲率
で曲り難くなるため、間隙が平均的に大きくなり、表面
ゼータ電位を高めないと静電的吸着力が空隙の全体に及
ばないことから必然的にζ≧２ｄの関係が出ると推定さ
れる。

実施例 次に本発明を実施例により具体的に説明する。

なお、ゼータ電位ζは以下の方法に従って評価した。ゼ
ータ電位ζ測定法：繊維を織物または筒編地にした後、
５−幅に切断し、これを円筒状に巻き付けて直径２ａｍ
φの円筒状の測定試料を作成する。■島津製作所製流動
電位測定装置Ｚ　Ｐ　−１０Ｂを用い、ＫＣＩ塩１０−
’モル濃度水溶液、２５℃においてゼータ電位を測定し
た。

実施例１ ポリエーテル型非イオン性油剤を用いて紡糸巻取後延伸
して得たポリエチレンテレフタレート繊ｆｉ２１０　ｄ
／７２ｆを巻き返し時に温水で洗った後、ステアリルト
リメチルアンモニウムクロライド（陽イオン化合物）１
０％水溶液浴を通過させた後、熱風乾燥機で乾燥させて
巻き取った。この糸を織密度を経ｉｓｏ本／　ｉ　ｎ、
緯７６本／　ｉ　ｎの２７３の綾織に製織した。この糸
の単糸繊度は２，９ｄであり、ゼータ電位は＋１１ｍ　
Ｖであった。この織物をｒ布として用いると、空隙率３
１％、Ｐ液の流速は０．１７ｍρ／　ｍ　ｉ　ｎ−１２
（圧力差０．０８輸／■２）であった、このｒ布のカー
ボンブラック（粒子径０．５μｍ、ゼータ電位−５０ｍ
Ｖ）汚濁水からのカーボンブラック捕集率は９９．８％
であった。また、微生物として一般的なバクテリアＥ、
Ｃｏ１１　Ｂ菌体を７．８ｘ　ｉｏ’個／ｍρ含む水を
と過したところ、濾過後は１．２　Ｘ１０’個／ｍＡに
減少し、捕集率９９．９％であった。一方、ステアリル
トリメチルアンモニウムクロライドを付与しなかった以
外は実施例１と同様にして作った比較例１の枦布はゼー
タ電位が−３２ｍ　Ｖであり、カーボンブラックおよび
バクテリアＥ、Ｃｏ１１　Ｂの捕集率は６％および３％
であった。

実施例１のｒ布について、蒸留水を用いて２週間の連続
通水テスト（流速０．２ｍλ／ｍｉｎ・ｃｍ２）を行な
った後、ゼータ電位を測定したところ通水テスト前と全
く変化がな（＋１１ｍＶであった。この理由は正の帯電
付与化合物ステアリルトリメチルアンモニウムクロライ
ド（陽イオン化合物）は、ポリエチレンテレフタレート
繊維と乾燥時に静電的引力によってより強固に固着して
いるためと推定される。

実施例２〜５および比較例２〜４ 単糸繊度の異なるポリエチレンテレフタレートマルチフ
ィラメントから実施例１と同様にして、単繊維表面が正
に帯電した繊維を作った。この際、ステアリルトリメチ
ルアンモニウムクロライドの代りに、ポリビニルピリジ
ン−スチレン共重合体四級塩をコーティングによって付
与した繊維も製造した。このようにして製造された実施
例２〜５および比較例２〜４の繊維の特性値および枦布
にしたときのカーボンブラックとバクテリアＥ、Ｃｏ１
１　Ｂの捕集率を第１表に示す。

（以下余白） 上記第１表からも、ζ≧２ｄを満足しない場合はｒ布と
したときの性能が不十分であることがわかる。

発明の効果 以上のように本発明の機能性繊維は、静電的引力によっ
てカーボンブラック等のコロイド粒子や微生物を捕集す
るので、空隙率の大きな枦布を構成することができる。

その結果、湿式Ｐ布として用いて汚濁水の処理速度を大
きく、かつ目詰まりを少なくすることができる。さらに
、乾式沢布として用いて大気中の永久浮ａｍやバクテリ
ア、ビールス等の細菌を捕集する空気清浄化フィルター
にら適用できる。

代理人　　　森　　本　　義　　弘

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、単繊維の表面が正に帯電している繊維であって、帯
   電の大きさを表わすゼータ電位ζ（ｍＶ）と単糸繊度ｄ
   （デニール）とがζ≧２ｄの関係を満足する機能性繊維
   。