JPH0417549Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、観賞用、信号用等の打揚煙火及び仕
掛煙火等を点火する際に用いる煙火用点火具に関
する。

〔従来の技術〕

従来から、打揚煙火や仕掛煙火の点火方法は、
人の手で打揚筒に落し火を入れたりする方式や、
点火用速火線に点火する方式があるが、過早発、
筒割れ等の危険性があつた。また、スターマイン
（速射連発、菊花壇）では、特に危険性が大きい
ため、点火時の安全性を考慮した電気点火方法が
あり、遠隔から点火玉方式により、直接発射薬に
点火する方式や、点火玉で速火線か落し火に点火
する方式などがある。そして、段発で打揚げる場
合、消費時に、点火用速火線、延時用導火線、速
火線などを薬紙コヨリで接続し、該速火線の一端
をポリエチレン袋に充填された打揚火薬の中に挿
入し、段発打揚火薬を作成する。このように準備
された段発打揚火薬は点火用速火線に連結され、
打揚火薬の部分は筒の下部に装填され、その上部
に煙火玉を装填して使用される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、段発打揚火薬を作成する準備作業は、
熟練及び経験が必要で、また繁雑で、作業能率性
が著しく悪い。さらに点火用速火線、延時用導火
線及び速火線が吸湿したり、あるいは雨天時の水
濡れにより不点火になつたり、立消えになつた
り、点火時間がバラツクという欠点を有する。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案者らは、上記の如き、段発で打揚げる方
法について種々検討を行つた結果、延時装置と着
火薬とから構成される点火具とすることにより、
上記問題点のない段発打揚方法が得られることを
見出した。

即ち、本考案は、延時装置と着火薬を同一管体
に充填することにより、打揚火薬等の段発性及び
打揚火薬等への着火性を可能にした煙火用点火具
である。

以下、第１図により本考案を説明する。

第１図は、本考案の煙火用点火具の一実施態様
の、一部切欠正面図である。第１図において、１
は塞栓、２は有底円筒カツプ、３は脚線、４ａ，
４ｂは芯線、５は電橋、６は点火薬、Ａは管体締
結部、Ｂは有底円筒カツプ締結部で、特許第
1150272にて知られている耐静電気性能を有する
絶縁型耐静電気雷管の点火装置部であり、本考案
の煙火用点火具も静電気に対する安全性を考慮
し、耐静電気性能を有する点火装置部となつてい
る。尚、該点火装置部は、従来から雷管に使用さ
れている点火玉方式でもよい。７は管体、８は空
間部、９は延時装置、１０は着火薬、１１は底
板、１２は管体底部であり、管体７は例えば、
銅、鉄、アルミニウムなどの円筒状のケースで、
その内部に延時装置９、着火薬１０等が充填でき
る構造のものである。延時装置９は燃焼組成物の
燃焼速度、充填量等により、着火薬１０の打揚火
薬等への着火時間を任意に設定するためのもの
で、例えば、過酸化バリウム、クロム酸鉛、鉛丹
等の酸化剤と、ジルコニウム、ボロン、ケイ素鉄
等の金属粉及び有機ゴム等の可燃物を混合したも
のを直填方式にするか、従来から使用されている
延時導火線を任意の長さに切断し、管体７の内部
に装填しても良い。着火装置１０は、打揚火薬等
に確実に着火させるためのもので、燃焼時の火炎
が大で、かつ、高温となるものが望ましく、例え
ば、過ジルコニウム−鉛丹、ジルコニウム−塩素
酸カリウム、アルミニウムとマグネシウムの合金
−過酸化バリウムなどの、金属と酸化剤を混合し
たもの、又は黒色火薬、あるいはそれらの混合物
などがある。底板１１は、着火薬の火炎により確
実に破壊され、着火薬１０が管体７の外部に脱落
せず、又、吸湿を防止する材質のもので、例え
ば、ポリエチレン、塩化ビニール等の合成樹脂か
らなるシート、あるいは、アルミニウム箔、錫箔
等の金属フイルムを管体底部１２の内面に置いた
状態か接着されたものでよい。管体底部１２は、
管体７と一体になつたものが強度の面から望まし
いが、底板１１を管体７の底部に接着するなどし
て、着火薬１０の脱落防止及び吸湿防止が可能な
ら設けなくても良い。空間部８は、延時装置９の
燃焼ガス圧で、管体７が破壊されない程度の空間
長を設ける必要がある。

本考案の煙火用点火具は、第２，３，４図に示
すようにして用いられる。即ち、第２図に示すよ
うに、任意の秒時間隔に設定された煙火用点火具
１６は、ポリエチレン袋１４に充填された打揚火
薬１５の中に装填され、ポリエチレン袋１４の上
部は糸等１３により締結されるか、又は第４図の
ように筒の下部に装填された打揚火薬に挿入され
る。

上記の如くして組立てられた煙火用点火具付打
揚火薬１７は第３，４図に示すように、筒１８に
装填された打揚ようとする煙火玉２０ａ，２０ｂ
の下部に装填され、煙火用点火具１６の脚線３は
筒の外部に出され、芯線４ａ，４ｂは他の芯線に
直列又は並列に結線される。

〔考案の効果〕

本考案の煙火用点火具は、管体の内部に延時装
置が設けられた構造であるため、準備作業が簡単
に行え熟練及び経験がなくても使用でき、また、
速火線、あるいは、延時用導火線の損傷、吸湿、
水濡れなどの原因による不点火、立消え等がなく
なるという効果を有する。また、点火秒時精度が
良く、かつ、任意の秒時設定が可能である為、観
賞としての演出効果も向上する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の煙火用点火具の一実施態様
の一部切欠正面図、第２図は、本考案の煙火用点
火具を打揚火薬に装填した場合の正面図、第３，
４図は、本考案の煙火用点火具が装填された打揚
火薬の、一態様断面図である。図中、１は塞栓、
２はカツプ、３は脚線、４ａ，４ｂは芯線、５は
電橋、６は点火薬、７は管体、８は空間部、９は
延時装置、１０は着火薬、１１は底板、１２は管
体底部、１３は糸等、１４はポリエチレン袋、１
５は打揚火薬、１６は煙火用点火具、１７は煙火
用点火具付打揚火薬、１８は筒、１９は圧板、２
０ａ，２０ｂは煙火玉、２１は座を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端が開放された管体７の一方端に点火装置を
   有し、内部に延時装置９と、その下部に着火薬１
   ０及び底板１１を有する煙火用点火具。