JPH04173774A - グアニジニウム誘導体の機能薄膜 - Google Patents

グアニジニウム誘導体の機能薄膜

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JPH04173774A
JPH04173774A JP2303336A JP30333690A JPH04173774A JP H04173774 A JPH04173774 A JP H04173774A JP 2303336 A JP2303336 A JP 2303336A JP 30333690 A JP30333690 A JP 30333690A JP H04173774 A JPH04173774 A JP H04173774A
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雅之 柳
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ダレリー.ワイ.ササキ
Kazue Kurihara
和枝 栗原
Toyoki Kunitake
豊喜 国武
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、基質選択性及び検出感度が高いセンサー、基
質の輸送抽出等に使用される担体等としての用途が有望
視されるグアニジニウム誘導体及び該誘導体から製膜さ
れた機能薄膜に関する。
[従来の技術] 化学物質に応答するセンサーは、化学センサーと呼ばれ
ており、(1)pHセンサーに代表されるイオンセンサ
ー、 (2)ガスセンサー、(3)バイオセンサー等が
ある。イオンセンサーは、被測定液に含まれている化学
物質の濃度をイオン感応膜の膜電位変化として検出する
。ガスセンサーとしては多種多様なものがあるが、たと
えば半導体ガスセンサーは、ガス分子吸着時の電気抵抗
変化を測定し、定電位電解式及びガルバニ電池式のガス
センサーは、電気化学的酸化還元を利用するものである
。これらイオンセンサー及びガスセンサーでは、被検出
物によって感応部の物性が変化し、その変化量を検出シ
グナルとして取り出している。また、測定される対象と
しては、無機分子が多い。
他方、有機分子の検出は、医療検査9発酵9食品工業、
バイオエンジニアリング等の多くの分野で必要とされる
。この検出手段としては、酵素センサー等のバイオセン
サーが使用されている。このバイオセンサーでは、特定
の物質を選択的に認識できる生体物質を利用し、被測定
物質との化学反応に含まれる物質変化を検出シグナルと
して取り出している。
すなわち、従来のバイオセンサーでは、被検出物質と特
異な反応を行う生体物質を選択し、イオンセンサーやガ
スセンサー等で検出可能な酸素。
過酸化水素等の生成物を与えている。そして、イオンセ
ンサー又はガスセンサーとの組合わせによって、多種類
の有機分子の検出が可能となり、また微量測定も可能と
なる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来から使用されているバイオセンサー
では、その機能上から感応部とシグナル発生部が別個に
構成されているため、複雑な構造を持つものとなってい
る。しかも、固定化酵素等を使用するセンサーでは、酵
素の活性が経時的に変化したり、使用温度が酵素の種類
によって定まる生理温度付近に制限される欠点がある。
この点、無機化合物を対象とするイオンセンサーやガス
センサーと同様な感知応答機構を持った有機物センサー
の開発が要求されており、一部では試験的な研究が行わ
れている。たとえば、岡畑等は、Polymer Pr
eprints、 Japan Vol、37. No
、10p3309−3311 (19881で、二分子
膜で被覆した水晶発振子及び多孔ポリマー膜を使用し、
二分子膜に各種の水性アルコールを吸着させるとき、そ
れぞれ重量、膜電位、膜抵抗等が変化することを見い出
し、センサーとして使用可能なことを報告している。こ
こでの分子識別は、疎水分子が膜の疎水層に分配される
ことによって行われる。
また、小田嶋等は、脂溶性大環状ポリアミンを含む液膜
な分子認識素子とするカテコール類感応センサー[第3
回生体機能関連化学シンポジウム予講集p165−16
7 (19881]やATPセンサー[1989環太平
洋国際化学会議予稿集第1部BIO304−420(1
98911を報告している。前者では、ホスト−ゲスト
間の水素結合相互作用によるプロトンエジェクション、
後者ではイオン対形成を電位応答のメカニズムと推察し
ている。
ところが、岡畑等が報告したセンサーは、対象とする化
合物が脂溶性のものに限られるという欠点がある。他方
、小田嶋等のセンサーは、応答のpH依存性が大きいと
共に、液膜型であることから、測定できる物性量が電位
変化に限られる。また、利用しているホスト−ゲスト相
互作用が均−溶液系のものであることから、被検出物を
均−溶液系で結合する分子の合成が必要とされる。その
ため、選択性、感度、操作性が低(なる欠点がある。
そこで、本発明は、前述したイオンセンサーやガスセン
サー等のタイプに相当する新規な有機物センサーとして
有用な物質を提供することを目的とする。また、センサ
ーに限らず、基質の輸送や抽出等に使用される担体とし
て使用される新規なグアニジニウム誘導体及び該誘導体
を使用して製膜された機能薄膜を提供することを目的と
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のグアニジニウム誘導体は、その目的を達成する
ために、−綴代 %式% で表される構造をもっている。
このグアニジニウム誘導体は、LB法、キャスト法又は
分散法で製膜すると、分子の自己組織化によりグアニジ
ニウム基が膜表面に向かって配列されて配向組織をもつ
。また、この機能薄膜は、物理的或いは化学的吸着によ
り固体表面に固定化することもできる。
[作用] 本発明で使用するグアニジニウム誘導体は、次式で表さ
れる構造をもっている。
ここで、Rは、炭素数10〜22の長鎖アルキル、長鎖
フルオロアルキル基又はその誘導体である。この化合物
を製膜することにより、親木基であるグアニジニウム基
の方向が制御された化合物の薄膜が得られる。
グアニジニウム誘導体は、イオン性の基質と結合するこ
とができるため、生物学的な受容器として重要な作用を
呈することは従来から知られていることである。また、
グアニジニウム基は、約13.5と高いpKa値をもっ
ているため、広いpH領域で陽イオン性の状態を維持す
ることができる。しかも、アミン部位は水素結合能も備
えている。
このグアニジニウム誘導体に関し、Yarus等はBi
ochemistry、 Vol、28. p、980
〜98g (1989)で、L−アルギニンは、GTP
とTetrahymenaのイントロンとの反応を競合
的に抑制するが、これはアルギニンのもつグアニジニウ
ム基が水素結合能及び陽イオン性によってリボ核酸と特
異的に結合することが原因であると報告している。
また、グアニジニウム基を低分子の人工レセプターとし
て利用する研究も行われている。たとえば、Lehn等
は、J、 Am、 Chem、 Soc、、 Vol、
111. p。
4994〜4995 (19891で、グアニジニウム
基を分子認識部位として有する人工レセプターとして設
計し、それによるカルボン酸、リン酸化合物等の結合を
報告している。ただし、この場合の分子認識は均一溶媒
中で行われており、認識能の効率化はグアニジニウム基
を含む複雑な分子認識部位をもつ化合物を合成すること
によって達成している。
これに対し、本発明では、グアニジニウム基にアルキル
誘導体を導入することによって薄膜を形成し、グアニジ
ニウム基の配向を制御し、その部位を利用し特異な基質
の結合を行っている。しかも、本発明のグアニジニウム
誘導体は、LB法。
キャスト法5分散法等で製膜することによって、水、水
性溶媒、有機溶媒等の各種の溶媒中で使用され、高密度
及び高感度の選択性を有する機能薄膜となる。 本発明
のグアニジニウム誘導体は、次のように合成される。
先ず、長鎖アルキル臭化物をアジ化ナトリウムによって
アジド化し、次いで水素リチウムアルミニウムと反応さ
せ長鎖アルキルアミン誘導体を合成する。更に、この長
鎖アルキルアミン誘導体に硫酸S−メチルイソチオ硫酸
を反応させた後、対イオンを硫酸イオンから適当な陰イ
オンに交換する。これによって、グアニジニウム誘導体
が得られる。次式は、その合成過程を示すものである。
C以下、このページ余白) NaNs      LiAffH4 R−Br−一→R−Nz        R−NH2合
成されたグアニジニウム誘導体は、自己組織性及び会合
性をもっている。たとえば、このグアニジニウム誘導体
を水性の液面に展開するとき、親木基−NHC(NH)
−NH2が界面に指向して、疎水基Rが逆方向に指向し
た配列形態をとる。更に、界面に展開された薄膜を基板
に累積すると、この配向性を維持したLB累積膜が得ら
れる。
また、展開法によらず、アセトン、クロロホルム等の有
機溶媒にグアニジニウム誘導体を溶解したものを、ガラ
ス板等の基板上にキャストし、自然乾燥させるキャスト
法で製膜するときにも、更に適宜の方法によって水に分
散させてリポソームを形成しても、同様な分子の自己組
織化が行われる。
配向したグアニジニウム基は、それのもつ正電荷による
イオン対形成能及びアミン部位がもつ水素結合形成能に
より、基質を選択的に結合する。
たとえば、種々のカルボン酸1 リン酸、ヌクレオチド
等を添加した水性液体を使用して単分子膜を形成すると
き、基質に応じてそれぞれ膜形成挙動が異なる基質選択
性を示す。
このように、本発明のグアニジニウム誘導体におけるグ
アニジニウム基は、イオン対形成に必要な正電荷をもつ
と共に、そのアミン部位が水素結合形成能を併せもって
いる。そのため、このグアニジニウム基とジカルボン酸
或いはATP等のヌクレオチドの複数個の官能基とによ
り、多数のイオン対及び水素結合の組合せをもたせるこ
とができる。
この組合せにより、二つの化合物間に生じる相互作用の
強さが変化し、その強度及び基質となる化合物の分子構
造に応じて膜形成時の挙動が変化する。
この性質を利用して、本発明の機能薄膜は、広範な分野
におけるセンサーや担体等として使用される。特に、本
発明のグアニジニウム誘導体は、ATPをio−’M程
度の非常に低濃度でも結合することから、高感度のAT
Pセンザーとしての利用が期待される。
4′−オククノキシフェニルアゾ−4−(10−ブロモ
デカノキシ)ベンゼン2.OOg (3゜67mmof
f)及びアジ化ナトリウム0262g (4,03mm
off)をジメチルホルムアミド10mj2に溶解し、
80℃で17時間加熱撹拌して、アジド化合物(I)1
.75gを得た。
CH,1(CH2)、0−CFN=N−C>O(CH2
)+aNz・・・・ (I) 次に、水素化リチウムアルミニウム0.112g (2
,96mmo氾)をテトラヒドロフラン20m!2に溶
解し、室温で撹拌した。この溶液にテトラヒドロフラン
20rrlに溶解した合成化合物(I)1.50g (
2,96mmoff)を加え、1時間加熱還流した。こ
れにより、次式(II )で示すアミン化合物1.20
gが得られた。
CHfffCH2)70−C>N=tJ−C>OfCI
−(、)+oNHt・・・・ (II) 化合物(11)1.OOg (2,08mmon)。
硫酸メチルイソチオ尿素0.869g (3,11mm
oI2)及びピリジン2.00g (25,3mm02
)をジメチルホルムアミド40rr+9に溶解し、80
℃で20時間撹拌した。この反応液を室温まで冷却し、
濾過して得られた固体をクロロホルムで十分洗浄した。
得られたオレンジ色の固体をジメチルスルホキシドで3
度再結晶させることにより、目的とする化合物(FIT
)0.435g得た。このときの収率は、36.6%で
あった。
・ ・ ・ ・ (III) 得られた化合物(nl)の物性は、次の通りである。
・赤外線吸収スペクトル(IR) [KBr錠斉月  vcrrV’ 3362.3142,2918,1664,1633.
1600,1579,1500,1470.1244,
1146,1106.838また、元素分析の結果、C
:64.96%、H2S、81%、N: 12.24%
であり、上記の構造式から求めた計算値C:65.00
%、H:8.80%、N: 12.23%に実質的に一
致していた。
実施例1に合成で得られた化合物(III)300mg
(0,262mmoI2)及びピリジン50mg (0
,63mmoff)をクロロホルム10mfi中で15
分間撹拌還流させた。この不均一な反応液を冷却した後
、p−トルエンスルホン酸−水和物250mg (1,
31mmon)を固体のまま加え、静かに還流させた。
反応液は、還流時間が経過するにつれて、黄色の不均一
溶液から赤色の均一溶液に変化した。還流を14時間継
続した後で、反応液を室温に冷却して、数時間放置し、
固体の沈殿を得た。この沈殿物を減圧濾過によって集め
、ベンゼン、クロロホルム及びエタノールで洗浄した。
得られたオレンジ色の固体をクロロホルムで3度再結晶
させ、次式(TV)の構造をもつ目的化合物を125m
g得た。このときの収率は、34゜3%であった。
門・ ・・・・ (IV) 得られた化合物(IV)の物性は、次の通りである。
・融点 237〜240℃ ・赤外線吸収スペクトル(IR) [KBr錠剤] シcm−’ 3178.2920,1677.1631,1600.
1580,1499,1470,1246.1146,
1127,1035,1011.840 ・構造式(IV )の元素分析計算値 C:65.58%、H:8.26%。
N:10.06% ・元素分析実測値 C:55.50%、H:8.24%。
N:10.05% このように、グアニジニウム誘導体の対イオンを硫酸イ
オンからp−1ルエンスルホン酸イオンに交換すること
により、有機溶媒に対する溶解度が向上する。そのため
、化合物(rv)の単分子膜は、単一イオン対として水
面上に展開される。
実施例3:亀立玉牒匁U 実施例<IV)で得られたグアニジニウム誘導体(IV
)5mgを、クロロホルム4ニジメチルスルホキシド1
の混合溶媒10rr+J2に溶解したものを20℃に保
持した市販のLB膜製造装置にはった純水面上に200
LLI2展開し、Q、2mm/秒及び0.4mm/秒の
速度で圧縮することにより、単分子膜を作製した。
第1図は、このときの純水上における表面圧−分子占有
面積(π−A)曲線を示す。第1図から明らかなように
、純水の表面にグアニジニウム誘導体(IV )の安定
な単分子膜が形成されていることが判る。
この単分子膜を圧縮し、その表面圧を25mN/mの一
定値に保ち、ガラス基板を垂直下方に1100rn/分
、垂直上方に20mm/分の一定速度で上下に移動させ
、水面上に形成された単分子膜をガラス基板に移し取り
累積させ、LB累積膜を得た。得られたLB累積膜は、
Z型構造をもっていた。
このLB累積膜のFT−IR(RAS法)スペクトルを
測定したところ、第2図に示すように、C=Nの吸収ピ
ークが1696cm−’及び1634cm−’にみられ
、p−トルエンスルホン酸のフリル基の吸収ピークが1
129cm”’、]−037cm−’及び1014cm
−’にみられた。このことから、グアニジニウム誘導体
(IV )の単分子膜が基板表面に累積されていること
が確認される。
実施例4;莫に・する基 の、士人、主呼 Iグアニジ
ニウム誘導体(IV)を、各種の基質を濃度1.○X 
10−”Mで含有する水溶液上に展開し、実施例3と同
様に水面上に形成された単分子膜を累積してLB膜を作
製した。基質としては、酢酸、コハク酸、ATP、  
トリポリリン酸すトリウム、リン酸二水素ナトリウムを
使用した。
作製されたLB膜のFT−IR(RAS法)スペクトル
測定の結果から得られたグアニジニウム基の吸収及びp
−トルエンスルホン酸のアリル基の吸収を指標とし、グ
アニジニウム誘導体のLB膜に対する基質の結合を定性
的に調べた。第1表は、各基質を含有する水溶液の界面
から基板に単分子膜を移しとって作製したLB膜のFT
−I R(RAS法)スペクトル測定の結果を示す。
第1表:基質の結合特性J 第1表に示したように、たとえば酢酸を含む水溶液上か
ら得られたLB膜は、C=N伸縮振動ピークが1680
cm−’及び1633cm−’付近にあり、またp−1
−ルエンスルホン酸のアリル基のピークが1130cm
−’、1037cm−’及び10110l4’にもみら
れた。これは、純水上から得たLB膜と同様の結果を示
していることから、酢酸が膜に結合しておらず、p−ト
ルエンスルホン酸が依然として対イオンの状態で存在し
ていることを示すものである。
他方、コハク酸及びATPを基質とするとき、C=Nの
ピークがそれぞれ1670cm−’及び1679cm−
’の単一ピークにシフトしている。また、I)−トルエ
ンスルホン酸のアリル基の吸収ピークもなくなっている
。そのため、これらの基質は、p−トルエンスルホン酸
と交換して、膜に結合しているものと考えられる。また
、リン酸二水素ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウ
ムに関しても、同様に膜に結合しているものと考えられ
る。
実施例5: に・する基 のLi4、 評 ■実施例4
と同様に調製したLB膜のXPS(X線光電子分光法)
測定を行い、膜に結合している基質の量を定量的に評価
した。
リン酸系の基質を溶解した水溶液上から得られたLBl
liには、リン(P)の含有量を指標とし、またxPS
測定で検出可能な元素が存在しないカルボン酸系の基質
に関しては、膜分子の元の対イオンであるp−トルエン
スルホン酸の量[イオウ(S)のピークから求めること
ができる〕の減少に基づいて、各基質の結合量を調べた
測定結果を、第2表に示す。第2表では、膜分子1個あ
たりの基質の割合C%基基質護膜分子として、基質の含
有量を表している。
第2表二基質の結合特性■ 第2表に示されているように、元の量を100%とする
とき、純水上から得たLB膜に含まれているp−トルエ
ンスルホン酸の量は47%であった。また、低pH領域
で酢酸水溶液上から累積されたLB膜では、存在するp
−トルエンスルホン酸の量は、純水上から得られたLB
膜の値とほぼ同じであった。
これに対し、コハク酸を含有する水溶液上から得られた
LBlliでは、元のp−トルエンスルホン酸の8%が
含有されているに過ぎなかった。これは、酢酸の結合は
生じないが、コハク酸は、p−トルエンスルホン酸と交
換して結合していることを示す。
また、リン酸二水素ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
ウム及びATPを基質とする水溶液上から得られたLB
膜には、リンの含有が見られ、p−トルエンスルホン酸
はほとんど検出されなかった。このことから、このLB
膜は、リン酸系基質を結合していることが判る。
実施例6:L11度個豆拒 実施例4と同様にして、基質として10−”Mから10
−’MのATPを含有する水溶液からグアニジニウム誘
導体(IV )のLB膜を作製した。得られたLB膜の
xPS測定結果を、第3表に示す。
第3表二基質濃度依存性 第3表から明らかなように、膜に対するATPの結合量
は、水相中のATP濃度が10−’Mから10−’Mに
増すことにより、急激に増加していることが判る。また
、10−’M以上の濃度では、はぼATP結合量は、飽
和している。
実施例7; の   亡による       評 実施例3と同様にして、グアニジニウム誘導体(IV)
を純水上及び基質として10−”M−10−’MのAT
Pを含有する水溶液上に展開して単分子膜を作製し、表
面電位(Δ■)を次のように測定した。
先ず、先端部にアメリシウム241を付けたイオン化空
気電極を作用極として単分子膜上2〜3mmの位置に固
定し、対極には銀−塩化銀参照電極を使用した。そして
、飽和塩化カリウム寒天橋な介し参照電極を水相側に接
続し、両電極間の電位差をエレクトロメータで測定し、
表面電位(Δ■)を求めた。
第3図は、分子占有面積0.30nm” 7分子のとき
の表面電位(ΔV)をATP濃度の対数に対してプロッ
トしたものである。第3図から明らかなように、ATP
濃度を10−”Mから101Mに上げることにより、表
面電位(△■)が急激に減少し、ATPの結合が生じて
いることが判る。
この結果は、実施例6で説明したxPSの測定結果に良
く対応している。このように、グアニジニウム誘導体の
単分子膜とATPの相互作用の基質濃度依存性が表面電
位(ΔV)によって検出できることから、作製された単
分子膜のATPセンサーとして用途が期待される。
[発明の効果] 以上に説明したように、本発明のグアニジニウム誘導体
を使用すると、ジカルボン酸、ATP等を膜構造内の層
間に分子レベルで規則的に取り込んだリポソーム、LB
膜、単分子膜、キャスト膜等の薄膜を製造することがで
きる。また、自己組織性をもつ化合物単独或いは分子の
組織化で薄膜上に規則的に配列されたグアニジニウム基
の作用に着目して、各種の物質に対するセンサーとして
使用することができる。そして、グアニジニウム基は広
範囲のpH領域で安定であり、しかも非常に低濃度でも
有機物を結合できることから、高感度の有機物センサー
として有望なものである。
更に、膜内に取り込まれた基質を溶媒抽出、pH調整、
熱処理等によって解離させることができるため、抽出、
輸送、貯蔵用等の担体としても使用することができる。
このように、本発明のグアニジニウム誘導体及びこの誘
導体から作製された機能薄膜は、広範な分野で使用され
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例3で得られた単分子膜の表面圧−分子占
有面積曲線を示したグラフ、第2図は実施例3で得られ
たLB膜のFT−I Rスペクトルを示し、第3図は実
施例7で得られたATP濃度と単分子膜の表面電位との
関係を表したグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)次の一般式 ▲数式、化学式、表等があります▼ 〔ただし、Rは炭素数10〜22の長鎖アルキル基、長
    鎖フルオロアルキル基又はそれらの誘導体を示し、HX
    は酸を示す。〕 で表されるグアニジニウム誘導体。
  2. (2)請求項1に記載のグアニジニウム誘導体をLB法
    、キャスト法又は分散法で製膜し、分子の自己組織化に
    よってグアニジニウム基が膜表面に向かって配列されて
    いることを特徴とする機能薄膜。
  3. (3)請求項2に記載の機能薄膜を物理的或いは化学的
    吸着により固体表面に固定化したことを特徴とする機能
    薄膜。
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JP2012207980A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology フッ素化不飽和炭化水素の検出方法及び検出センサー
JP2017211322A (ja) * 2016-05-27 2017-11-30 国立大学法人北海道大学 構造体および成膜方法

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