JPH0417115Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は、クリーム状の石鹸等の洗顔料を使用
して洗顔を行なう際に使用する美容用洗顔具に関
する。

〈従来の技術〉 従来、入浴時や化粧落とし時等に美容等の目的
を兼ねて洗顔を行うための洗浄具等としては、例
えば獣毛あるいは合成繊維等のモノフイラメント
を植毛したブラシ・刷毛類あるいはパフ・スポン
ジ類さらには特殊布帛類等が用いられ、前記洗浄
具に洗顔用クリーム又は石鹸等を施与して洗顔を
行う方法が極めて一般的であつた。これ等の洗浄
具中、獣毛や合成繊維のモノフイラメントを植毛
したブラシ・刷毛類を用いた場合、その毛先が皮
膚と圧着すると痛感にさえなる強い刺激を使用者
に与えることもあり、最悪の場合には皮膚損傷、
眼球傷害等の不本意な事態を生ずることもある。
さらに通常の洗浄状態にあつても洗顔効果や使用
感等が良好であるとは言い難く、また、洗浄用具
を構成するモノフイラメント自体の毛先の消耗及
び折損も、使用頻度に比例して上昇するため皮膚
に対する悪影響の一因となり、最悪の場合には洗
浄用具に植毛したモノフイラメントが脱落して使
用に耐ええぬ状態となるものである。また、従来
のスポンジ・パフ類についてもその洗浄面が略平
面により構成される為、皮膚に対して与える洗浄
時の爽快感及び適度な刺激性に欠け、加えて素材
的にも充分な洗浄効果を有するとは言い難く洗浄
具としては不充分であつた。

更に、これ等上述の問題点を解決するために、
本出願人は、親水性の多孔質弾性体からなる突起
により洗浄面を形成した洗浄具を既に提案してい
るが（実願昭61−118688号公報）、これにも次の
ような問題点があり、完全なものとは言い難かつ
た。即ち、上記提案は全面に突起を配列したもの
であり、感触等に問題はないが使用前にクリーム
等を保持するスペースがないため、クリーム等を
ぬりつけにくく、また、突起を含めた部分にクリ
ーム等をぬりつけても、泡立てにくいので、使用
時に皮膚に対して均一に付着できないことがあつ
た。また、突起の形状が円柱状の場合は、使用時
に力の加わり方によつては折れ曲がつたりして先
端頂部面以外が、皮膚に接触してやや使用感を疎
害したり、それが複元するときにはね返つて飛沫
を飛散させたりする事がある。更に、繰り返し使
用することにより、屈曲が繰り返されると、その
部分が疲労し、ちぎれたりする事があり、耐久性
に問題が出て来ることがあつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 本考案者等は、上述の点に鑑み鋭意研究を行つ
た結果、本考案を完成したものであつて、その目
的とするところは、皮膚に対しては適度な皮膚刺
激性及びマツサージ効果を有して、使用者に心地
よい爽快感を与えるとともに、皮膚損傷等の危険
性を少なくし、優れた洗浄効果を有し、かつ、耐
久性にすぐれ、実際の使用時に極めて使い易い形
態の洗顔具を提供するにある。他の目的並びに効
果は以下の説明から明らかにされよう。

〈問題点を解決するための手段〉 上述の目的は、表面に洗顔用作用面を形成する
多数の突起２を突設したポリビニルアセタール系
多孔質弾性体よりなる洗顔具１であつて、前記突
起は下記式を満足する円錐台形状を有すると共
に、表面中央部の一部には突起を切欠いた洗顔料
収納部３を形成してなる洗顔具にて達成しうる。

l₁／l₂×100≦80，ｈ／l₂≦１ 〔ただし、l₁：突起の頂部直径、l₂：突起の底部
直径、ｈ：突起の高さ〕 本考案に係る洗顔具を図面に基づいて説明す
る。

第１図は本考案による洗顔具の説明図であり、
第２図は突起部分２の拡大説明図である。

図面において明らかな如く、本考案による洗顔
具は一体成型もののポリビニルアセタール系多孔
質弾性体よりなる本体１から成り、その表面には
円錐台形状の突起２が、その頂部が平坦な均一作
用面を形成する様多数突設されている。

洗顔具の中央部には、突起２を切欠いた洗顔料
収納部３が形成されている。そして、実際に使用
する場合において、洗顔用クリーム等の洗顔料を
洗顔具の中央部の洗顔料収納部３に施与し、手指
を用いて泡立てたり、あるいは全体をもむ等して
泡立てた後、洗顔具の突起のある面を顔面に押し
あてるようにして皮膚面を擦過しながら洗顔を行
うものである。

表面に具備した突起２は、それ自体が顔面に圧
着される事により適度な刺激を顔面に与え、マツ
サージ的な要素を有して極めて快適な使用感を与
えるだけでなく、本考案により突起の形状を改良
したことから、使用時の折れ曲りを効果的に防止
し、常に先端作用面が顔面にあたるような形態で
あり、更に繰り返し使用による突起の損傷、ちぎ
れを防止することができるようになつた。

即ち、突起の形状を円錐台形として底部直径が
頂部直径より大きくなるようにした事をその肝要
とするものである。

前記突起は、 l₁／l₂×100≦80，ｈ／l₂≦１ 〔ただし、l₁：突起の頂部直径、l₂：突起の底部
直径、ｈ：突起の高さ〕 を満足していれば、使用時に突起の折れ曲り等の
好ましからざる現象を回避する事ができ、常に複
数の突起の頂部が形成する作用面が顔面に接触
し、効果的な洗顔作用を行う事ができる。

しかし、 l₁／l₂×100＞80 であると、突起を円錐台形にした効果は顕著にあ
らわれず、また、 ｈ／l₂＞１ であると、使用時の折れ曲り等の現象が出る傾向
にあり、使用感に優れたものとは言い難い。

本考案による洗顔具は全体としては平面状の形
態をなすが素材自体がポリビニルアセタール系
（以下PVAt系と略記す）多孔質の弾性体である
ことから、柔軟で、手や指で軽く握る事で容易に
変形し自由な形となると共に、反発弾性、複元性
に富んでいることから洗顔作用時において顔面の
起伏凹凸に自在に追随する事ができる。

また、本考案の洗顔具の素材は親水性、洗顔用
クリーム等の洗顔料との親和性の点からPVAt系
多孔質弾性体が好適である。

本考案の洗顔料は、公知の方法によつて適宜容
易に得ることができる。例えば、平均重合度300
乃至2000、鹸化度80モル％以上のポリビニルアル
コールを一種又はそれ以上混合して水溶液とな
し、それにアルデヒド類等の架橋剤、酸類等の触
媒及び澱粉類等の気孔生成剤を加え、所定の型枠
に注液した後50〜80℃の温度で10〜30時間反応せ
しめた後、型より取り出し充分に洗浄することに
より得られるものである。前記のPVAt系多孔質
弾性体はその分子構造内に多数の水酸基を有して
なり、極めて親水性に優れた弾性体であるため湿
潤時には優れた柔軟性を有し、また、微細な三次
元網目状気孔構造であるために洗顔用クリーム及
び石鹸等の起泡性に優れ、肌触り、洗浄効果に優
れた細かい泡立てをも可能とする。また、気孔径
については40〜500μのものが好ましいが、気孔
生成剤として使用する澱粉の種類を選択すること
により任意の大きさとすることができる。

本考案に係る洗顔具の有する作用についてさら
に詳述すると、親水性を有するPVAt系多孔質弾
性体からなる洗顔具は、石鹸・水等を施与された
後回転しつつ皮膚に圧着される。よつて洗顔具と
被洗浄体である皮膚面との間には摩擦が生じ、該
摩擦力により皮膚に付着していた老廃物等は皮膚
面から分離し、水等と共に洗浄体に転写される。
すなわち老廃物は洗浄体の有する表面気孔に水等
と共に捕捉されるのである。さらに前記老廃物
は、洗浄体と皮膚とが圧接を解く際に生じる吸引
力により内部気孔へと運搬されるため、洗浄体表
面は常に老廃物受入可能な状況であり連続的な洗
浄が可能となり、結果として他の洗浄具に比べて
優れた洗浄力を発揮する。

〈考案の効果〉 本考案に係わる洗顔具は素材をPVAt系多孔質
弾性体とし、更に、その表面に円錐台形状の多数
の突起を具備させることにより、従来の洗顔具に
比較して使用感に優れ、マツサージ効果をも併せ
もつものであつて、加えて使用時に使い易くかつ
耐久性をも向上せしめたものである。

更に、適度な弾性と可撓性を有する事で複雑な
形状を有する顔面の起伏に対する追随性に優れ、
隅々まで良好な洗浄が行きわたり抜群の洗浄効果
を発揮しうるものである。

色調、色彩あるいは表面のプリント等に適宜変
更する事により、フアツシヨン性を併せもつた化
粧具ともなり、美観を伴う用具として極めて有用
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による洗顔具の説明図、第２図
は突起部分２の拡大説明図である。 １……洗顔具本体基底部、２……突起、３……
洗顔料収納部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表面に洗顔用作用面を形成する多数の突起２を
   突設したポリビニルアセタール系多孔質弾性体よ
   りなる洗顔具１であつて、前記突起は下記式を満
   足する円錐台形状を有すると共に、表面中央部の
   一部には突起を切欠いた洗顔料収納部３を形成し
   てなる洗顔具 l₁／l₂×100≦80，ｈ／l₂≦１ 〔ただし、l₁：突起の頂部直径、l₂：突起の底部
   直径、ｈ：突起の高さ〕