JPH04140670A - ケーブル絶縁体の空間電荷分布測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、直流電力送電用ケーブル等のケーブル絶縁体
に蓄積された空間電荷分布を測定するケーブル絶縁体の
空間電荷分布測定装置に関し、特にパルス静電応力法を
使用したケーブル絶縁体の空間電荷分布測定装置に関す
る。

［従来の技術］ Ｃ■ケーブル等を直流送電に使用した場合、ケーブル絶
縁体中に蓄積される空間電荷分布が、ケーブルの劣化等
を診断するうえで極めて重要な判断材料となる。このた
め、従来から、ケーブル絶縁体中の空間電荷分布を測定
するための各種の方法が提案されている。

絶縁体内部の空間電荷分布を測定する方法としては、熱
刺激電流法、マクスウェル応力法及び熱パルス法等が知
られているが、これらは空間電荷分布を直接求めること
ができない。また、空間電荷分布を直接求める方法とし
ては、電子ビーム法が知られているが、これは破壊検査
であり、−旦測定すると蓄積電荷が喪失されてしまい、
電荷分布の経時変化を求めることができない。このため
、これらの方法はケーブル絶縁体の空間電荷分布測定に
は適していない。

一方、絶縁体中の空間電荷分布を定量的に測定する他の
方法として、パルス静電応力法が知られている。この方
法は、空間電荷が蓄積されている絶縁体中の電荷に静電
力を作用させて試料に歪みを生じさせ、この歪みによっ
て試料から発生した弾性波を圧電素子で検出する方法で
ある。この圧電素子の出力信号レベルは、絶縁体内部の
空間電荷量に依存しており、また、高電圧パルスの印加
から弾性波が検出されるまでの時間が電荷蓄積位置から
の距離に依存している。このため、これらの信号レベル
及び到達時間から絶縁体内部の電荷分布を定量的に測定
することができる。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、上述した従来のパルス静電応力法による
測定方法をケーブル絶縁体の空間電荷測定方法に応用し
た場合、検出電極をケーブルの外周に配置することにな
るが、このように検出電極をケーブルの外周に配置する
と、内部導体近傍の電荷によって発生した弾性波が絶縁
体中を伝播する間に（１／ケーブル半径）に半減してし
まうという問題点がある。したがって、信号が得られれ
ば、比例計算によって電荷量を算出することができるが
、蓄積電荷が微量であると、検出することができないと
いう問題点があった。

本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、ケー
ブルに蓄積された電荷量が微量であっても、良好な測定
結果を得ることができるケーブル絶縁体の空間電荷分布
測定装置を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明に係るケーブル絶縁体の空間電荷分布測定装置は
、内部導体を収容するケーブル絶縁体の外周に高電圧パ
ルスを印加する高電圧印加手段と、前記ケーブル絶縁体
の前記内部導体の収容部に前記内部導体に代えて収容さ
れると共に前記ケーブル絶縁体の内周に密着配置され前
記高電圧パルスの印加に伴って前記ケーブル絶縁体から
発生される弾性波を検出する音響センサと、この音響セ
ンサの出力信号に基づいて前記ケーブル絶縁体に蓄積さ
れた空間電荷分布を測定する手段とを有することを特徴
とする。

［作用コ 本発明によれば、ケーブル絶縁体の内部導体収容部に、
内部導体に代えて音響センサを設置し、ケーブル絶縁体
の外周部から高電圧パルスを印加するようにしたので、
ケーブル絶縁体の内部導体近傍に存在する電荷によって
発生した弾性波は、絶縁体中を伝播しないで直ちに音響
センサに検出される。このため、弾性波が絶縁体中で減
衰することがなく、微量な電荷量についても良好な検出
精度を得ることができる。

［実施例］ 以下、添付の図面に基づいて本発明の実施例について説
明する。

第１図は、本発明の実施例に係るケーブル絶縁体の空間
電荷測定装置の構成を示す図である。

被測定対象である電カケープル１のケーブル絶縁体２は
、内部導体を抜き去った数ｃｍの試料である。

このケーブル絶縁体２の外周には、所定の範囲で接触抵
抗を低減するために使用されるドータイト３が塗布され
、このドータイト３を介してアルミニウム製の電極４が
装着されている。この電極４には、高電圧パルス発生器
１１からの高電圧パルスが印加されるようになっている
。

また、ケーブル絶縁体２の内部導体収容部には、内部導
体に代えて、次の検出手段が収容されている。

即ち、ケーブル絶縁体２の内周には、前記電極４と対向
する位置に、アルミニウム製の電極５を介して、例えば
ポリフッ化ビニリデン（ＰｖｄＦ）からなるフィルム状
の音響センサ６が密着配置されている。また、音響セン
サ６の電極５と反対側の面には、例えばポリメチルメタ
アクリレート（ＰＭＭＡ）からなる吸収体７が設けられ
ている。この吸収体７は、ケーブル絶縁体２の内周部の
電極５と反対側に配置された支持部材９とバネ８とによ
って支持されると共に、音響センサ６を電極５側に押し
つけるものとなっている。なお、音響センサ６は、吸収
体７に蒸着形成されたものでもよい。

音響センサ６と吸収体７との間には、例えばすず箔等か
らなるリード１２が挟着されており、このリード１２が
外部に引き出されて広帯域アンプ１３の入力端子に接続
されている。広帯域アンプ１３の出力は、アベレージン
グ処理等を行う信号処理回路１４を介してコンピュータ
１５に供給されており、ここで空間電荷分布が算出され
るようになっている。

次に、このように構成された本実施例に係るケーブル絶
縁体の空間電荷分布測定装置の動作について説明する。

先ず、内部導体抜き取り前の電カケープル１の内部導体
に２０ｋＶ程度の高電圧を印加する。これにより、内部
導体外周部に電荷が蓄積される。

次に、上記内部導体を蓄積電荷が消滅しないように抜き
取り、残ったケーブル絶縁体２を第１図に示す測定装置
にセットする。この状態で、高電圧パルス発生器１１か
ら電極４に、例えば−１ｋＶ。

９０ｎｓ程度の高電圧パルスを印加すると、ケーブル絶
縁体２の外周面と内周面とに夫々誘起されていた誘導電
荷に歪みが生じる。これにより、弾性波が発生する。こ
のとき、ケーブル絶縁体２の内周から発生する弾性波は
、電極５を介して音響センサ６に直ちに検出されるので
、殆ど減衰することなく検出されることになる。

音響センサ６に入力された弾性波は、ここで電圧信号に
変換され、その下面のリード１２を介して検出信号とし
て外部に取り出される。また、音響センサ６と吸収体７
との界面に到達した弾性波は、反射されることなしに音
響整合がとれた吸収体７に吸収され減衰する。これによ
り、反射波の影響が除去される。

この音響センサ６の出力信号は、広帯域アンプ１３で増
幅され、信号処理回路１４に入力される。

信号処理回路１４では、例えば高電圧パルスをトリガと
して、検出信号を繰り返し重ね合わせるアベレージング
処理を行うことにより、ランダムノイズが除去された検
出信号を得ることができる。

この信号は、検出データとしてフンピユータ１５に入力
される。コンピュータ１５では、入力されたデータを電
荷量に換算することにより、電カケープル１の空間電荷
分布を算出する。

このように、本実施例の測定装置によれば、ケーブル絶
縁体２の内周部に蓄積された電荷によって発生する弾性
波を殆ど減衰させることなく検出することができる。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明によれば、ケーブル絶縁体の
外周側から高電圧パルスを印加し、ケーブル絶縁体の内
周に配置された音響センサによって、弾性波を検出する
ようにしたので、ケーブル絶縁体の内周に蓄積された電
荷を減衰させることなく検出することができ、微量な電
荷分布を精度良く測定することができるという効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係るケーブル絶縁体の空間電
荷分布測定装置の構成を示すブロック図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）内部導体を収容するケーブル絶縁体の外周に高電
   圧パルスを印加する高電圧印加手段と、前記ケーブル絶
   縁体の前記内部導体の収容部に前記内部導体に代えて収
   容されると共に前記ケーブル絶縁体の内周に密着配置さ
   れ前記高電圧パルスの印加に伴って前記ケーブル絶縁体
   から発生される弾性波を検出する音響センサと、この音
   響センサの出力信号に基づいて前記ケーブル絶縁体に蓄
   積された空間電荷分布を測定する手段とを有することを
   特徴とするケーブル絶縁体の空間電荷分布測定装置。