JPH04137958U - 車両部品整備台 - Google Patents

車両部品整備台

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JPH04137958U
JPH04137958U JP5488291U JP5488291U JPH04137958U JP H04137958 U JPH04137958 U JP H04137958U JP 5488291 U JP5488291 U JP 5488291U JP 5488291 U JP5488291 U JP 5488291U JP H04137958 U JPH04137958 U JP H04137958U
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正美 小森田
雅彦 坂田
政之 甲田
晃 根津
和紀 木村
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トヨタ自動車株式会社
株式会社バンザイ
株式会社ヤマダコーポレーシヨン
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両部品等の分解清掃作業を周囲を汚さずに
行うことができる、車両部品整備台を提供する。 【構成】 車両部品整備台Hの作業用空間H1内に置か
れた部品等は、開口部H11から作業者の腕が挿入され
て分解され、エアブローガンH28を用いて清掃され
る。壁H12,H16,H20,H32の上縁に沿って
配置されたパイプH13,H22,H33,H34の途
中に設けられた小孔列から水が流下されることによっ
て、壁面および床面に沿って膜状の水流が形成される。
この結果、飛散したフルードや粉塵等は水流により洗い
流され、壁に付着することはない。また、作業用空間H
1に連通する吸引ダクトH37とこの吸引ダクトH37
に接続されて作業用空間中の大気を吸引するモータとが
備えられているため、作業用空間内に舞い上がった粉塵
等は、この吸引ダクトに吸い込まれて排出される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、車両の小型部品等の分解整備作業を行うための作業台に関し、特 にオイル,粉塵等の発生する作業を行うためのクリーン作業台に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の点検整備の際には、ブレーキシリンダの分解整備作業が行われること が多い。特に車両検査(車検)においては、ブレーキシリンダ中のマスターシリ ンダの分解整備は、必須の作業項目である。この際、リザーバタンクから吸引ポ ンプによって可能なかぎりブレーキフルードを抜いた後、マスターシリンダを分 解して、エアブローガンを用いて各部品を清掃する。またエアクリーナエレメン トについても、付着した粉塵をエアブローガンの圧縮空気で吹き飛ばすことによ って清掃が行われる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の如くリザーバタンクからブレーキフルードの吸引除去を 行っても、マスターシリンダ中にはなおブレーキフルードが残存しており、マス ターシリンダを分解するとこの残存フルードが周辺に流れ出す。さらに、分解し たマスターシリンダの各部品にエアガンで圧縮空気を吹きつけて清掃するため、 吹き飛ばされたフルードや粉塵等によっても周囲が汚されてしまう。このため、 作業終了後に周辺の清掃を行わねばならず、また工具や作業者自身もフルードや 粉塵等によって汚れてしまうという問題点があった。エアクリーナエレメントの 分解清掃においても、同様な問題が生じていた。 そこで本考案においては、ブレーキのマスターシリンダ,エアクリーナエレメ ント等の分解清掃作業を周囲を汚さずに行うことができる、クリーン作業台を提 供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 そこで本考案では上記課題を解決するために、車両整備者が腕を挿入して車両 部品の整備作業をするための作業台であり、前記作業をするための作業用空間を 前記作業者が腕を挿入するための開口部を除いて囲繞する壁と、該壁の上縁に沿 って配置され、途中に設けられた小孔列から水を流下させるパイプと、前記作業 用空間に連通する吸引ダクトと、該吸引ダクトに接続されて作業用空間中の大気 を吸引するモータとを備えた車両部品整備台を創出した。
【0005】
【作用】
さて、上記構成を備えた本考案の車両部品整備台によると、まず清掃される部 品等が作業台上の作業用空間内に置かれる。そして開口部から作業者の腕が挿入 されて、作業用空間内に載置された部品等が分解され、エアブローガン等を用い て清掃が行われる。ここで作業用空間は、作業者の腕が挿入される開口部を除い て壁により囲繞されているので、分解・清掃時に発生した汚れや粉塵等は周囲に 飛散することなく、作業用空間内に留まる。
【0006】 そして、壁の上縁に沿って配置されたパイプの途中に設けられた小孔列から水 が流下されることによって、壁面および床面に沿って膜状の水流が形成される。 この結果、床に落下したり壁に向かって飛散したフルードや粉塵等は水流により 洗い流され、床および壁に付着することはない。また、作業用空間に連通する吸 引ダクトとこの吸引ダクトに接続されて作業用空間中の大気を吸引するモータと が備えられているため、作業用空間内に舞い上がった粉塵等は、この吸引ダクト に吸い込まれて排出される。 このようにして、車両部品整備台の作業用空間内で出たフルード,粉塵等の汚 れは、外部に飛散したり周囲に付着することなく、すべて除去される。これによ って、マスターシリンダ等の分解清掃作業が周囲を汚すことなく行われる。
【0007】
【考案の効果】
本考案においては、作業用空間を囲む壁面および底面に沿って水が流れるとと もに真空吸引が行われる車両部品整備台を創出したため、作業用空間内で発生し たフルード,埃等は、周囲に飛散・付着することなくすべて除去される。これに よって、作業場や作業者が汚されることなく分解清掃作業を行うことが可能にな り、清潔で快適な作業環境が維持される。
【0008】
【実施例】
次に車両整備装置の一実施例について説明する。理解の便を図るために次の順 で説明する。 (1) 車両整備装置の全体概要 (2) システム化されたワゴン A.オイル交換用ワゴン B.ブレーキ点検用ワゴン C.エンジンルーム点検用ワゴン D.冷却水交換用ワゴン
【0009】 (3) ワゴン収容ユニット E.オイル交換用ワゴン収容ユニット F.ブレーキ点検用ワゴン収容ユニット G.エンジンルーム点検用ワゴン収容ユニット H.クリーン作業台 I.部品かご置き J.手洗い K.くずかご L.ウェス入れ M.ブレーキフルード給排設備
【0010】 (4) 天井設備 N.レール O.台車とケーブル・ホース P.ホース用コネクタ Q.ダクトとスポットユニット R.排気ガス設備 S.水道ホース T.ブレーキフルード供給ホース U.ブレーキフルード排出ホース
【0011】 (5) リフト・床設備 V.プレセットリフト W.タイヤハンガ X.埋込み照明
【0012】 (1) 車両整備装置の全体概要 本実施例に係わる車両整備装置は、車検等の車両整備作業を良好で清潔な環境 のもとで効率的に楽に実施できるように、統一的デザイン思想のもとで新しく開 発されたものである。図1にこの装置の全体構成が略示されている。この装置は 次のような特徴を有している。
【0013】 イ.車両整備に必要な工具・測定器等の機器類が主要作業毎に分類され、それ ぞれの作業用ワゴンに収容されている。 例えば図示Aはエンジンオイル等の潤滑油の交換作業に必要な機器類の全部が 収容されているワゴンであり、このワゴンAを用いることで潤滑油の交換作業を 実施することができる。 同様にワゴンBにはブレーキ点検作業に必要な工具類、ワゴンCにはエンジン ルームの点検に必要な工具・測定器等の機器類、ワゴンDには冷却水の交換に必 要な機器類が収容されている。 作業者は作業内容に必要なワゴンを手元に置いた状態で整備作業を実施するこ とができ、作業者が必要な機器類を探すのに手間どることがない。
【0014】 ロ.各ワゴンには同時に車両位置との関係で分類された機器類が収容されてい る。 例えば車両を最上位位置に持上げ作業者が車両下に入りこんで行う作業はワゴ ンAを用いることにより全部実施されるようになっており、また車両が中間高さ にあるときに行う作業はワゴンBを用いて全部実施されるようになっている。
【0015】 ハ.ワゴンは通常ワゴン収容ユニットに収容され、作業環境が整理整頓された 状態に保たれるように配慮されている。図1はオイル交換用ワゴンAが使用され ている状態を例示している。 ニ.ワゴンがワゴン収容ユニットに収容されている間に次の整備作業のための 準備が自動的に行われるようになっている。 例えばオイル交換用ワゴンAには廃油を回収するためのタンクと新しいオイル を貯めておく新油タンクが設けられている。これらのタンク容量は限られている 。そこでこのワゴンAを収容ユニットEに収容するとワゴンAと収容ユニットE がコネクタで接続され、廃油タンクからは廃油が排出され新油タンクに新油が供 給される。そこで次にワゴンAを用いる際には廃油タンクは空の状態、新油タン クには新油が貯蔵された状態となっており、次の作業が即実施できる。
【0016】 ホ.収容ユニットに水洗設備Jやクリーン作業台Hが設置され、作業環境を清 潔に保つための配慮がなされている。 ヘ.従来2人作業であったところを1人で実施可能としている。例えばブレー キ点検用ワゴンBにはブレーキフルードを加圧したりしなかったりするスイッチ が設けられており、ブレーキフルードからのエア抜き作業が1人で実施できるよ うになっている。
【0017】 ト.オイルや冷却水等が床に排出されず、全部回収されるようにしている。こ れによって作業環境を良好に保つとともに排水問題が解消される。 チ.クーラ・ヒータ・照明設備を組込んだスポットユニットが車両のまわりを 移動可能に設けられている。これにより作業者は良好な環境で快適に作業するこ とができる。
【0018】 リ.各ワゴンに収容されている動力工具やポンプ等を動かすための電力・信号 ・圧縮空気等が天井の台車からケーブル・ホースを介して接続されるようにして おり、ケーブル・ホースが床を這わないように配慮されている。 ヌ.各ワゴン毎に動力源に接続されるようになっており、あるワゴンが接続さ れるとそのワゴンに収容されている動力工具、すなわち各作業に必要な動力工具 の全部が駆動可能な状態となる。例えばブレーキ点検用ワゴンBが接続されると ブレーキ点検作業に必要なエアインパクトレンチ、エアラチェットレンチ、タイ ヤゲージ、エアガン等の全部が使用可能状態となる。このため作業の都度コネク タをつけかえる必要がない。
【0019】 ル.排気ガスのための設備が常時は天井に収納されており、作業空間が広く確 保されている。 ヲ.排気ガス設備の排気ガスホースと排気ガス分析計を降下させると、排気ガ スホースは車両の排気管に接続できる距離だけ降下する一方、排気ガス分析計は 作業者の目の高さまでしか降下せず、作業し易く工夫されている。 ワ.床に照明設備Xが埋め込まれており、リフトVで車両を持上げると照明設 備Xが自動的に点灯される。このため作業者は車両底面を照明した状態で作業を することができる。
【0020】 次に各部を詳しく説明する。 (2) システム化されたワゴン (2A) オイル交換用ワゴン 図2から図5を参照してオイル交換用ワゴンAとそれを収容するための収容ユ ニットEについて説明する。 図2はワゴンAの略左側方から見た斜視図、図3は略右側方から見た斜視図、 図4は背面図、図5はワゴンAを取出した状態で収容ユニットEを正面から見た 図を示している。 図2において、A1は天井から垂下しているエアホースと接続するためのコネ クタであり、ここに圧縮空気が供給されると、図3にそのホースが図示されてい るエアインパクトレンチA17とエアラチェットレンチA18と図2下部に図示 されているエアポンプA10に圧縮空気が供給されて駆動可能となる。 エアインパクトレンチA17とエアラチェットレンチA18は潤滑油の交換作 業に必要な動力工具であり、両者がともに圧縮空気に接続されるために、潤滑油 の交換作業中エアホースに対して工具を取替える必要はない。
【0021】 図3,4において図示A20はサクションポートであり、ドラムに巻かれたサ クションホースA12に接続されている。サクションホースA12の他端は図示 されない第1切換弁を介してポンプA8の吸入口に接続され、ポンプA8の吐出 端は図示されていない第2切換弁を介して廃油タンクA25に接続されている。 このサクションポートA20は、ドラムから引出されてエンジンのエンジンオイ ルゲージの挿入口に挿入される。 図3中図示A26は新油タンクであり、またA23はエンジンオイル凾である 。新油タンクA26とオイル凾A23に挿入される吸入ポートA28は第3切換 弁を介して前記第1切換弁に接続されている。ワゴン上面にスイッチが設けられ ていて第1切換弁に対して新油タンクA26を連通させるかあるいはオイル凾A 23のための吸入ポートA28を連通させるかを切換可能となっている。またこ のポンプA8の吐出側は前記第2切換弁を介してドラムに巻かれたサプライホー スA11に接続され、このサプライホースA11の先端に供給ポートA19が取 付けられている。この供給ポートA19はエンジンのエンジンオイル供給口に挿 入される。
【0022】 廃油タンクA25、新油タンクA26、オイル凾A23の下部にはそれぞれ重 量センサA30,A29,A31が組込まれている。重量センサA29,A30 ,A31はそれぞれこのワゴンAに収容されているマイクロコンピュータに重量 信号を送る。マイクロコンピュータは重量信号を処理してポンプA8、第1,第 2切換弁を制御する。このマイクロコンピュータとポンプA8はコネクタA2と 接続されている。コネクタA2は天井から垂下している電力ケーブルに接続され る。
【0023】 サクションポートA20と供給ポートA19をそれぞれエンジンにセットした 状態でワゴンAの上面に設けられているスタートスイッチを押すと、まず第1, 第2切換弁によってサクションポートA20から廃エンジンオイルが吸引されて 廃油タンクA25に送込まれる状態に切換えられてポンプA8が駆動される。同 時に廃油タンクA25の下方の重量センサA30の信号が所定時間間隔毎にマイ クロコンピュータに入力される。マイクロコンピュータによって重量センサA3 0の信号が所定時間以上変化しないことが判別されると、ポンプA8は停止され る。ここでポンプA8の運転開始時と停止時の信号差が比較され、それが所定量 以下であるときにはランプA13を点灯させて、作業者にエンジンオイルが不足 していたことを知らせる。
【0024】 その後第3切換弁によって選択されている新油タンクA26ないしエンジンオ イル凾A23のいずれかから新油が吸引されて供給ポートA19に送り出す状態 に第1,第2切換弁が切換えられてポンプA8が再度駆動される。このときも重 量センサA29またはA31の信号が次々マイクロコンピュータに入力され、運 転開始時との差が、ポンプA8の運転開始と停止時の差に等しくなったときにポ ンプA8が停止される。すなわち吸引された廃エンジンオイルと同量の新エンジ ンオイルがエンジンに送込まれる。 ここでエンジンオイル凾A23は、車両オーナがエンジンオイルの銘柄を指定 した場合に用いられるものであり、このオイル凾をセットして前述したスイッチ で第3切換弁を切換えこのオイル凾から吸引する状態を指定しておくと、指定さ れたエンジンオイルがエンジンに供給される。
【0025】 ここまでの運転は全部自動的に行われ、作業者はオイル交換中別作業を実施で きる。作業者が別作業を終えたとき、ランプA13が点灯していなければ順調に オイル交換が完了したことを知り、サクションポートA20、供給ポートA19 をエンジンから外し、初期状態(図3,図4の状態)に復帰させる。図3のA1 4は新油タンクA26にエンジンオイルが入っていない時に点灯し、A15は廃 油タンクA25に廃油が満ちたときに点灯するものである。後述のように、本ワ ゴンAと収容ユニットEではかかる状態が発生しないようにされているが、何ら かの原因で異常が起きたときにはランプA14,A15が点灯することによって それを知ることができる。
【0026】 図3中A16はオイル交換作業と、車両を上方へ持上げて作業者が車両底面の 点検に用いる手工具類であり、これらによってオイル交換作業と車両底面の点検 整備作業が実施できるようになっている。すなわち車両を高位置へ持上げて作業 者が車両底面に対して行なう点検・整備作業に必要な機器類は全部このオイル交 換用ワゴンAに収容されている。すなわちオイル交換用ワゴンAは同時に高位置 作業用のワゴンでもある。
【0027】 図2においてA4は車両を高位置に持上げた状態でディファレンシャル装置や ミッションのドレンからギヤオイルを抜くときに廃オイルを受ける為のロートで あり、受けられた廃油は廃油タンクA25に回収される。 また図示A6はギヤオイル凾置場であり、この函中にサクションポートA5を 挿入し、エアポンプA10を作動させると、ギヤオイルがオイル凾から吸出され てガンA3から吐出される。作業者はこれを用いてギヤオイルの交換が可能とな っている。なおガンA3はドラムA7に巻かれたホースによって引出し可能とな っている。
【0028】 図4において、図示A21はポンプA8を介して廃油タンクA25につながっ ている廃油回収コネクタである。A22はポンプA8を介して新油タンクA26 に接続されている新油供給コネクタである。また図示A27はポンプA8、第1 〜第3切換弁、マイクロコンピュータへの電源並びにマイクロコンピュータから の信号を収容ユニットEに伝えるためのコネクタである。これらはワゴンAを図 5に示す収容ユニットEに収容したときにそれぞれの相手側コネクタE21,E 22とE27に接続される。
【0029】 この状態になるとポンプA8は廃油タンクA25から廃油を汲上げてコネクタ E21に送り出す。送り出された廃油は図示しない大型の廃油タンクに貯蔵され る。重量センサA30から廃油タンクA25が空となったことが検出されるとポ ンプA8は一旦停止される。その後ポンプA8はコネクタE22から新エンジン オイルを吸引して新しいオイルをタンクA26に供給する。なおコネクタE22 の裏面に大型の新油タンクが設置されている。重量センサA29から新油タンク A26に規定量の新油が送込まれたことが判別されるとポンプA8が停止される 。 ここでポンプA8の運転中はランプE3が点灯し、ポンプA8が運転を停止す るとランプE3が消灯する。ランプE3が消灯していることにより作業者は次の オイル交換作業が実施可能となったことを知ることができる。なお図示E4は何 らかの異常時に点灯する異常表示ランプである。
【0030】 本ワゴンAと収容ユニットEを用いることによって作業者は手を汚すことなく 、かなりの部分を無人でオイル交換することができ、オイル交換作業が能率化、 清潔化される。
【0031】 (2B) ブレーキ点検用ワゴン 図6及び図7にブレーキ点検用ワゴンBが斜視図で示されている。このワゴン Bは通常は図1に示されている収容ユニットFに収容されており、ブレーキ点検 作業時にこの収容ユニットFから引き出されて車両周りの作業位置に運ばれてく る。 前記ワゴンBはエアコネクタB2と電源コネクタB4とを備えている。このエ アコネクタB2に、図1に示されている天井設備の台車O4の箇所から下方に延 びているエアホースO5を接続することにより、ブレーキ点検作業に必要な各種 のエア駆動工具及びこのワゴンBに設けられているタイヤリフターB30のエア シリンダB36が全て使用可能となる。
【0032】 一方、前記電源コネクタB4には、前記エアホースO5と共に天井設備の台車 O4のから下方に延びている電気ケーブルO3が接続される。またワゴンBには スイッチB6が設けられている。このスイッチB6は、前記電源コネクタB4に 電気ケーブルO3を接続することで図1のユニットにおけるブレーキフルード給 排設備Mの電磁弁を遠隔操作で開閉制御できる。 前記電磁弁は、後で詳細に説明するようにブレーキフルード給排設備Mにおけ るフルード供給用ポンプの吐出路に組込まれている。そしてこの吐出路は、図1 において天井から下がっているブレーキフルード供給用のホースT20に通じて いる。したがって前記スイッチB6の遠隔操作によって電気電磁弁を開閉制御す れば、前記ブレーキフルード供給用のホースT20から所定圧のブレーキフルー ドの供給、あるいはその停止が可能である。
【0033】 前記ワゴンBは工具入れB8を備えている。この工具入れB8の中には、前記 エア駆動工具(インパクトレンチ、ラチェットレンチ及びタイヤエア圧ゲージな ど)の他にブレーキ点検作業に必要な各種の手工具(ハンマーやドライバーなど )が入れられている。さらにワゴンBは、ブレーキホイールシリンダのブリーダ プラグに接続可能な透明のチューブB12及びフルード受け皿B14を備えてい る。このチューブB12及びフルード受け皿B14で回収される古いブレーキフ ルードはワゴンBに対して取外し可能に設けられた廃油タンクB10に集められ る。
【0034】 前記ワゴンBを使用してブレーキ点検及びブレーキフルードの交換を実施する とき、車両は中間高さにリフトアップされている。ここでワゴンBの前記エアコ ネクタB2に前記エアホースO5を接続し、かつ電源コネクタB4に電気ケーブ ルO3を接続する。そして前記工具入れB8内のエア駆動工具を使用してタイヤ のハブナットを弛め、タイヤを取外す。この状態で各種の点検作業を行う。
【0035】 ブレーキフルードの交換及びエア抜き作業に際しては、図1に示されている前 記ブレーキフルード供給用のホースT20を、エンジンルーム内にあるブレーキ マスタシリンダのリザーバタンクに連通させる。またブレーキホイールシリンダ のブリーダプラグにはワゴンBの前記チューブB12を接続する。 この準備が完了したら前記ブリーダプラグを弛め、かつ前記スイッチB6を操 作してブレーキフルード給排設備Mの電磁弁を開く。これによりブレーキフルー ド給排設備Mのフルード供給用ポンプから前記ブレーキフルード供給用のホース T20を通じてブレーキマスタシリンダのリザーバタンクに新しいブレーキフル ードが供給され、フルードの交換あるいは補充が行われる。 なおブレーキホイールシリンダを分解する場合には、前記フルード受け皿B1 4をハブの下に配置してフルードの滴下を受け、これを廃油タンクB10に回収 する。そしてこのときは新しいブレーキフルードの圧力を減ずるために、前記ス イッチB6の操作によって電磁弁を閉じておく。
【0036】 ブレーキ油圧系のフルードのエア抜きに際しては、前記スイッチB6をオンオ フ操作してブレーキマスタシリンダのリザーバタンクに対するフルードの供給及 び停止を繰り返す。これによりブレーキ油圧系のフルードに対する加圧が繰り返 されることとなり、この加圧に伴って前記ブリーダプラグから透明のチューブB 12内に気泡の混じったフルードが出てくる。この気泡が消えたらブリーダプラ グを締付けてエア抜きを終える。この後、タイヤをハブに取付けてハブナットを 締付ける。 以上のタイヤ取外し、ブレーキ点検、フルード交換とエア抜き及びタイヤ取付 けを各車輪の箇所でそれぞれ実施し、車両の周りを一巡することでブレーキ関係 の整備作業は全て完了する。そしてこの間においてワゴンBの前記エアコネクタ B2及び電源コネクタB4には、それぞれエアホースO5及び電気ケーブルO3 が接続されたままであり、ワゴンBを移動させる度にコネクタを脱着する必要は ない。
【0037】 つぎに前記ブレーキ点検用ワゴンBに備え付けられているタイヤリフターB3 0について説明する。すでに述べたようにブレーキ点検作業にはタイヤの脱着作 業が必要である。そこでワゴンBの背面にはタイヤリフターB30が装着されて いる。このタイヤリフターB30は、ワゴンBの背面においてその左右に固定さ れた一対のコラムB32を備えているとともに、リフターB34がこのコラムB 32に沿って昇降動作可能に設けられている。このリフターB34は、ワゴンB の前記エアコネクタB2に接続されるエアホースO5を通じて供給されるエアを 駆動源とする前記エアシリンダB36の作動によって昇降動作する。なおエアシ リンダB36に対するエアの切換え、あるいはその停止はワゴンBに設けられて いるスイッチB38の操作で行われる。
【0038】 前記リフターB34には、フォークB40が図6の収納状態あるいは図7のタ イヤの載置可能な状態に回動できるように取付けられている。このフォークB4 0には、そこに載せられたタイヤを倒れないように支持するためのタイヤ支持枠 B42が折り畳み可能に取付けられている。またフォークB40は、心棒の外周 にパイプを被せたコロのような構造になっており、ここに載せられたタイヤをス ムースに回転させれる。
【0039】 さてタイヤリフターB30を使用してタイヤを取外す場合は、すでに説明した ブレーキ点検作業に際して中間高さにリフトアップされている車両のタイヤ下方 に前記ワゴンBを位置させる。そして前記スイッチB38を操作してリフターB 34と共にフォークB40を上昇させ、このフォークB40でタイヤを下から受 ける。ここでハブナットをハブボルトから外し、タイヤをハブ側から取外せば、 このタイヤはフォークB40に載せられた状態となる。 このままではタイヤがブレーキ点検作業の障害になるので、前記スイッチB3 8の操作によりフォークB40を下降させ、タイヤをワゴンBの背面に位置させ ておく。
【0040】 ブレーキ点検作業が終了したら再びスイッチB38を操作してフォークB40 とタイヤとをハブ側に取付けやすい高さまで上昇させる。ここでフォークB40 の高さを微調整し、ハブボルトとタイヤのボルト孔との高さを一致させる。また ハブボルトとボルト孔との周方向のずれは、タイヤをフォークB40上で回転さ せることで修正される。この調整後は、ワゴンBの移動を利用してタイヤをハブ 側に押し付けるようにして組付け、ハブナットを締付けてタイヤの脱着が完了す る。 なおワゴンBをその収容ユニットFに収容するときは、前記フォークB40は 図6のように折り畳んでおく。
【0041】 (2C) エンジンルーム点検用ワゴン 図8から図11を参照してエンジンルーム点検用ワゴンCとそれを収容するた めの収容ユニットGについて説明する。 図8は、エンジンルーム点検用ワゴンCの全体斜視図、図9は、図8のIX−IX 矢視図、図10はワゴンCの電源配線図を表しており、図11はワゴンCを取出 した状態でエンジンルーム点検用ワゴン収容ユニットG(以下、収容ユニットG )を正面から見た図を示している。 図8に示すように、エンジンルーム点検用ワゴンCはキャスターC2付の台車 C4を有しており、この台車C4上にボックス状のワークスタンドC6が載置さ れている。このワークスタンドC6の側面には、エンジンの回転数等を検出する ためのチューンナップテスターC8が収納されている。さらにワークスタンドC 6の脇には上部開放型の収納箱C10が設置されており、この収納箱C10にエ ンジンルームの点検に必要な工具C12や点火時期調整用のタイミングライトC 14等が納められている。 このエンジンルーム点検用ワゴンCは、図11に示す収容ユニットG内に収納 できる形状に製作されており、車両の点検時にこの収容ユニットGから引き出さ れて車両の近傍で使用される。なお、エンジンルーム点検用ワゴンCが収容ユニ ットGに収納されているときには、図8において左端が前面になる。
【0042】 チューンナップテスターC8(図10参照)は、前述のようにエンジンの回転 数を検出するための測定器であり、測定用のクリップC81をエンジンの回転数 チェックターミナル(図示されていない)に接続することにより、エンジンの回 転数信号を受けてこの値を表示する。なお、本チューンナップテスターC8はガ ソリンエンジン用およびジーゼルエンジン用に兼用できる構造となっている。 さらに前記チューンナップテスターC8の内部には、バッテリー電源装置(直 流12.6V)が収納されている。この電源装置は、チューンナップテスターC 8自身の電源として使用されるだけではなく車両用のバックアップ電源としても 使用される。即ち、前記バッテリー電源装置はシガーライタ用コネクタC82を 有しており、このシガーライタ用コネクタC82が車両のシガーライタ・ソケッ トに差し込まれることにより、前記バッテリー電源装置が車両の電気回路に接続 される。これによって、例えば車両からエンジンルーム内のバッテリーが取外さ れたとしても電気回路中のCPUには電圧が加えられるためにデータの保存が可 能となる。
【0043】 タイミングライトC14は、点火プラグに接続される二次高圧線の通電状態か ら間接的に点火プラグの放電(点火)を検出し、点火のタイミングに同期してラ イトを点灯させる計器である。このタイミングライトC14も内部にライト点灯 用のバッテリーを備えている。
【0044】 上記チューンナップテスターC8およびタイミングライトC14等の計器電源 (直流12.6V電源)は、図10に示すように、収容ユニットGの充電装置G 2から充電接続用コネクタCG30を介してエンジンルーム点検用ワゴンCに供 給される。ここで、チューンナップテスターC8およびタイミングライトC14 には各々に電源用のコネクタC83,C141が設けられているため、このコネ クタC83,C141を外すことによりチューンナップテスターC8およびタイ ミングライトC14はエンジンルーム点検用ワゴンCから取外した状態でも使用 することができる。
【0045】 エンジンルーム点検用ワゴンCの後面には、図8、図9に示すように前記充電 接続用コネクタCG30の雄側コネクタC30が突出した状態で取付けられてお り、一方収容ユニットGの内側には、図11に示すように充電接続用コネクタC G30の雌側コネクタG30が取付けられている。そして、エンジンルーム点検 用ワゴンCが収容ユニットGの内部に限界位置まで収納された状態でこの充電接 続用コネクタCG30の係合が自動的に行われる。したがってエンジンルーム点 検用ワゴンCが収容ユニットGの内部に収納されると、チューンナップテスター C8やタイミングライトC14には自動的に電源が供給されて充電が行われる。 また、エンジンルーム点検用ワゴンCを収容ユニットGから引き出せば、充電 接続用コネクタCG30の係合が解除されチューンナップテスター8Cやタイミ ングライトC14の充電が自動的にストップされる。
【0046】 このように、エンジンルーム点検用ワゴンCが使用されていない状態、即ち、 エンジンルーム点検用ワゴンCが収容ユニットGに納められている状態では、自 動的にチューンナップテスターC8やタイミングライトC14等の充電が行われ るために、次の車両の点検で使用されるときにはこれらの計器類C8,C14は 十分に充電された状態になっている。このため、使用途中に電源電圧が低下して 計器の作動不良等が発生することがなくなる。 また、チューンナップテスターC8は、ガソリンエンジンおよびジーゼルエン ジンに兼用できるタイプであり、かつ車両用のバックアップ電源としても使用で きるために車両の点検修理時に必要とされる計器の種類が減少する。
【0047】 (2D) 冷却水交換用ワゴン 次に冷却水交換用ワゴンDについて、図12〜図16を参照しつつ説明する。 この冷却水交換用ワゴンDは、エンジン用の冷却水およびロングライフクーラン ト(以下、LLCとも略す)の交換を行うための作業ユニットである。 従来、エンジン冷却水を交換する際には、古い冷却水をエンジンおよびラジエ ータのドレーンコックを開けて落下させ、ラジエータのキャップ口から新しい冷 却水を注入していた。このため、古い冷却水が車体下部のメンバ等に当たって飛 散したり、新しい冷却水に空気が混入しやすいという問題点があった。 そこで、このような問題が生じないように、本実施例においては旧冷却水を加 圧水で追い出す方式で冷却水の交換が行われる。すなわち、冷却水路の一方の口 から水道水を注入し、他方の口から旧冷却水を排出することによって、エンジン およびラジエータ内の冷却水を入れ替える。このとき、排出される水のLLC( 通常赤色あるいは緑色)による着色がなくなるまで排出すれば、旧冷却水の完全 な排出を行うことができる。のみならず、加圧水で追い出すので、空気抜きが完 全に行える。 このような冷却水の加圧押し出しに必要な装置一式をまとめたのが、この冷却 水交換用ワゴンDである。
【0048】 図12の参照符号D20は、冷却水交換用ワゴンDの台板である。この台板D 20は、キャスター受けD18に取付けられた4輪のキャスターD16を有して おり、ワゴンDは容易に押して移動させることができる。台板D20には枠体D 14が固定され、さらに枠体D14のワゴン前面側には、取り付け金具D12に よって前板D10が固定されている。この前板D10は、ワゴンDが冷却水交換 用ワゴン収容ユニット(図1のD1)に収容されたときには、他のワゴン収容ユ ニットの前面と一致して、美観を保つデザインとなっている。 前記台板D20上の枠体D14で仕切られた下部には、排出された古い冷却水 を受けるための排水タンクD22が載置されている。この排水タンクD22は把 手D23を持って引き出すことが可能である。さらに枠体D14の一角から排水 タンクD22内に向けて、排水流入ホースD24が取り付けられている。この排 水流入ホースD24の図示しない接続口に、後述する冷却水排出ホースD42の 先端をつなぐことにより、古い冷却水を排水タンクD22内に流れ込ませること ができる。
【0049】 一方、枠体D14の上には収納箱D40が載置されており、この収納箱D40 には、冷却水の交換に用いられる冷却水排出ホースD42およびアダプタ類が収 納されている。 枠体D14の上にはまた、粉末状の吸水性ポリマーが貯蔵された吸水性ポリマ ータンクD31が固定されている。この吸水性ポリマータンクD31は、投入レ バーD32および計量ケースD39とともに吸水ポリマー計量装置D30を構成 しており、投入レバーD32が押し下げられることによって、計量ケースD39 内の吸水性ポリマーD30が排水タンクD22内に投入される。
【0050】 さらにLLC注入タンクD50が、注入タンク支持柱D51によって枠体D1 4に固定されている。この注入タンク支持柱D51は、伸縮性ジョイントD52 およびD53を有しており、LLC注入タンクD50の高さを必要に応じて変化 させることができる。 このLLC注入タンクD50は、その一端に図15の断面図に示されるような 注入口D55(図12ではタンクD50の向こう側に隠れている)を有している 。また同図に示されるように、タンクD50の底面には傾斜板D54が設けられ て漏斗状になっており、タンクD50に注がれたLLCはこの注入口D55に集 められて、ラジエター内に注入されることになる。この注入の際、前記注入タン ク支持柱D51の長さを伸縮性ジョイントD52,D53により変化させて、注 入口D55の高さの調節を行う。
【0051】 前記収納箱D40にはさらに、図13に示される注入用ゴム栓D43,排出用 パイプD44,排出用アダプタD45および注入用パイプD46が収納されてい る。これらの部品は、図1に示される水道ホースSおよび図12に示される冷却 水排出ホースD42の先端に取り付けて、ラジエターキャップ等に接続するため に用いられる。このうち排出用パイプD44は、排出水の色を観察できるように 透明な材質で作られている。
【0052】 次に、図16を参照しつつ、吸水ポリマー計量装置D30について説明する。 この吸水ポリマー計量装置D30は、古い冷却水を固化させるために必要な吸水 ポリマー量を計量して、排水タンクD22内に投入するための装置である。 前述した、粉末状の吸水性ポリマーを貯蔵しておく吸水性ポリマータンクD3 1の底部に、スリット状の落下口D34が設けられ、これに対応した形状のスリ ットが開閉プレートD33にも設けられている。この開閉プレートD33が落下 口D34に対してスライドすることによって、両者のスリットの重なり方により 任意の大きさの落下口開口が得られる。この開閉プレートD33は、第1継手D 37によって投入レバーD32と接続されており、投入レバーD32を上下させ ることにより、開閉プレートD33がスライドする。 さらに前記投入レバーD32の先端には、第2継手D38が接続されている。 この第2継手D38は投入口プレートD36と接続されており、投入レバーD3 2を上下させることによって、投入口プレートD36が投入口D35に対して開 閉する。
【0053】 通常時は投入レバーD32が上端位置にあるので、開閉プレートD33は全開 状態、投入口プレートD36は全閉状態にある。従って、吸水性ポリマータンク D31内の吸水性ポリマーは、開閉プレートD33のスリットを通過して落下し 、計量ケースD39内に充填される。この状態から投入レバーD32を押し下げ ると、開閉プレートD33は全閉状態、投入口プレートD36は全開状態となり 、計量ケースD39内にあった所定量の吸水性ポリマーが排水タンクD22に投 入される。その後投入レバーD32を引き上げて上端位置に戻せば、新しい吸水 性ポリマーが開閉プレートD33のスリットを通過して計量ケースD39内に充 填され、次の投入の準備がされた状態になる。
【0054】 さて以上の構成を有する冷却水交換用ワゴンDを用いた、冷却水の交換方法に ついて、図12〜図16を参照しつつ説明する。 まず、図14の100で示されるエンジンルーム側からヒータ側につながる冷 却水配管を途中で分離する。すなわち、エンジンルーム側の配管とヒータ側の配 管とをつないでいるゴムチューブを、ワゴンDに備えられた工具によりゴムチュ ーブを押さえているクランプを外して、図14の100の部分すなわちエンジン ルーム側から抜き取る。 続いて、図1に示される水道ホースSの先端を天井から引き下ろし、図13に 示される注入用パイプD46に接続する。さらにこの注入用パイプD46を、先 に分離したゴムチューブの口に接続するとともに、一方のエンジンルームにつな がる側の口100は、注入用ゴム栓D43を嵌合させて閉鎖する。このようにし て、図14の図示しないヒータ側にのみ水道水が流れるようにする。 一方、ラジエターキャップ部103には、排出用アダプタD45および排出用 パイプD44を介して、冷却水排出ホースD42を取付ける。 なお、エンジンルーム側の分離した口100は、エンジン冷却水循環路の最も 高い位置にあり、ヒータ側の切断口から水道水が供給されても先にラジエターキ ャップ103から溢れるので、必ずしもキャップにより閉鎖しなくともよい。
【0055】 この状態で水道ホースSから水道水を供給して、図14の100部からヒータ 側へ向かって水道水を送り込む。水道水は図示しないヒータを経由して図示10 6部で2つに分かれ、101部と104部を通過して103部から排出される。 排出された古い冷却水は、排出用アダプタD45,排出用パイプD44から冷却 水排出ホースD42を通って、ワゴンDの排水タンクD22内に流れ込む。なお 、図示105はラジエータファンである。 このとき、古い冷却水が新しい水道水と完全に入れ替わったことは、透明な排 出用パイプD44を透して、排出される水の色を観察することにより判別される 。古い冷却水には、赤色あるいは緑色に着色されたLLCが混入されているため 、この判別は容易にできる。
【0056】 新しい水道水に完全に入れ替わったことを確認後、水道ホースSからの水道水 の供給を止めて、注入用パイプD46を水道ホースSの先端から外し、LLC注 入タンクD50に接続してLLCを注入する。LLC注入タンクD50の注入口 D55は、図15の断面図に示されるように漏斗状になっており、かつ伸縮性ジ ョイントD52およびD53によって上方に伸長できるので、排水口101部よ り高い位置からLLCを投入することができ、その高低差により確実に早くエン ジン内にLLCを注入することができる。この際注入したLLCの量だけ、冷却 水が排水口101部より排出される。
【0057】 一方、排水タンクD22内に受けられた古い冷却水には、吸水ポリマー計量装 置D30を用いて、吸水性ポリマーを投入して固化させる。 このようにして所定量の吸水性ポリマーが投入されることによって、排水タン クD22内の旧冷却水は固形状態になる。また前記吸水性ポリマーはアルコール 分を主体としているので、固形化された旧冷却水は可燃物となる。従って、後は この固形状態の旧冷却水を排水タンクD22から抜き取り、廃水焼却処理設備に よって焼却処理する。以上で、エンジン冷却水およびLLC(ロングライフクー ラント)の交換作業が終了する。
【0058】 このように、本冷却水交換用ワゴンDを用いることにより、作業場を汚すこと なく快適に冷却水交換作業を行うことができ、また冷却水路内の空気抜きが完全 に行われる。さらに、ワゴン機能を持たせることにより、移動性が非常に向上し て作業が楽になるとともに、必要部品を一つのワゴン内にまとめたため、冷却水 入替え作業が短時間で行えるという効果も得られる。のみならず旧冷却水が固形 になるので処理し易く、また一般排水へ流して水質汚濁を引き起こすというトラ ブルも未然に防がれるのである。
【0059】 (3) ワゴン収容ユニット 上述の各ワゴンA〜Dは、不使用時には図1に示されるように、作業場の車両 出入口と反対側の端に設けられたワゴン収容ユニットに収容され、作業環境が整 理整頓された状態に保たれるように配慮されている。それと同時に、収容状態に おいて各ワゴンはワゴン収容ユニットと完全に一体化し、作業場全体の美観を保 つようにデザインされている。図1は、オイル交換用ワゴンAが使用され、その 他のワゴンはワゴン収容ユニットに収容されている状態を示している。次に、こ のワゴン収容ユニットの各部について説明する。
【0060】 (3E) オイル交換用ワゴン収容ユニット 図1の参照符号Eは、オイル交換用ワゴン収容ユニットであり、オイル交換用 ワゴンAがぴったり収容される幅と奥行きを持っている。従ってワゴンAの収容 時には、収容ユニットEの前面が他の収容されたワゴンB,C,D,K,L,M の前面と一致し、作業場の整理整頓を保つとともに作業者の安全を確保し、かつ 美観を損ねないように考慮されている。 さらに、オイル交換用ワゴンAの項で説明したように、収容ユニットEには図 5で示される廃油回収コネクタE21,新油供給コネクタE22,電源コネクタ E27が設けられており、ワゴンAを収容ユニットEに収容することによって、 これらのコネクタはワゴンA側の相当するコネクタと接続され、自動的に廃油回 収および新油供給が開始される。
【0061】 オイル交換用ワゴンAから廃油回収コネクタE21に送り込まれた廃油は、廃 油パイプE2を通って、収容ユニットの背後に設置された図示しない大型の廃油 タンクに貯蔵される。また、新油供給コネクタE22の裏面には、図示しない大 型の新油タンクが設置されている。そしてワゴンAのポンプによって、この新油 タンクから新油パイプE1および新油供給コネクタE22を通じて、新エンジン オイルが吸引されタンクA26に供給される。これら廃油の回収と新油の供給は 、ワゴンAの重量センサによってその終了が判別され、自動的に停止される。
【0062】 ここで運転ランプE3は、ワゴンAのポンプの運転中は点灯し、ポンプが停止 すると消灯する。従って運転ランプE3が消灯していれば、ワゴンAの廃油の回 収と新油の補給が終了して、準備完了状態になっていることを示している。なお 異常表示ランプE4は、何らかの異常が発生したときに点灯して警告する。また 、電源コネクタE27と収容ユニットEの制御部E6、および制御部E6と収容 ユニットの裏側に設置された図示しない電源ラインとは、電源ケーブルE5によ って接続されている。 このようにして、ワゴンAを収容ユニットEに収容するだけで自動的に次の作 業の準備が行われ、ワゴンAが待機状態になるのである。
【0063】 (3F) ブレーキ点検用ワゴン収容ユニット 次に図示Fは、ブレーキ点検用ワゴンBが収容されるブレーキ点検用ワゴン収 容ユニットである。この収容ユニットFはブレーキ点検用ワゴンBの単なる収容 スペースであり、ワゴンBと接続するコネクタ等は有していないが、その上部傾 斜板には図21に示されるように、ポンプ電源スイッチM40が設けられている 。このポンプ電源スイッチM40は、ワゴンBの使用時に稼動するブレーキフル ード給排設備Mの、供給ポンプおよび排出ポンプに電力を供給するためのもので ある。このブレーキフルード給排設備Mについては後述する((3M)参照)。
【0064】 (3G) エンジンルーム点検用ワゴン収容ユニット さらに図1の参照符号Gは、エンジンルーム点検用ワゴン収容ユニットであり 、先に述べたエンジンルーム点検用ワゴンCが収容される。そして図11に示さ れるように、収容ユニットGの内側には、充電接続用コネクタCG30の雌側コ ネクタG30が取付けられている。この雌側コネクタG30は前述の如く、ワゴ ンCの背面に設けられた雄側コネクタC30が収容時に嵌合する位置に取付けら れている。従って、ワゴンCを収容ユニットGに収容するだけで両コネクタC3 0,G30が接続され、自動的にワゴンC内の充電池の充電が行われる。
【0065】 (3H) クリーン作業台(車両部品整備台) 次に、図17〜図18および図21を参照して、クリーン作業台(車両部品整 備台)Hについて説明する。このクリーン作業台Hは、ブレーキのマスターシリ ンダの分解整備を効率よくかつ清潔に行うためのものである。また、エアクリー ナエレメントの清掃もこのクリーン作業台Hにおいて行われる。 特に車両点検においては、マスターシリンダの点検は必須項目とされており、 自動車整備には欠かすことのできない作業である。この作業は実際には、前述の ブレーキ点検用ワゴンBによるブレーキフルードの交換およびブレーキの点検作 業に先立って行われる。
【0066】 まず、図21について説明する。参照符号U20は、ブレーキシリンダのリザ ーバタンクのフルードを吸引除去するために用いられる、排出用引出しホースで ある。この排出用引出しホースU20は、天井の上に設けられたホースドラムU 10に巻き付けられて収納されており、ホースドラムU10を回転させることに よって、排出用引出しホースU20の先端を作業場の床面近くまで下ろすことが 可能である。排出用引出しホースU20の後端は、ホースドラムU10のホース 接続部U12と連通しており、このホース接続部U12にはブレーキフルード排 出ホースUが接続されている。
【0067】 このブレーキフルード排出ホースUは天井の上側を通って、各ワゴン収容ユニ ットの背面板に接している図示しない壁面の裏側を下り、さらに収容ユニットM 1の背面板を貫通して、後述するブレーキフルード給排設備Mに接続されている 。そして、先に(3F)の項で述べたポンプ電源スイッチM40をオン状態にするこ とによって、給排設備Mの排出ポンプM24が作動し、排出用引出しホースU2 0の先端から使用済みのブレーキフルードを吸入して、ブレーキフルード排出ホ ースUを通じて排出することができる。 ここで、マスターシリンダの分解整備に先立って抜かれるのはリザーバタンク のフルードのみであり、マスターシリンダ中にはなおフルードが残存している。 従ってマスターシリンダを分解すると、この残存フルードが溢れて周囲を汚すこ とになる。これを防ぐために、図17〜図18に示されるクリーン作業台(車両 部品整備台)Hが設けられている。
【0068】 クリーン作業台Hの枠組みは、図17によく示されるように、作業台ベースH 50の上に床板H10,左側板H12,背板H16,右側板H32および上部傾 斜板H20により構成されている。上部傾斜板H20には大きく開口部H11が 設けられ、この開口部H11内に上記各板材H10,H12,H16,H32, H20によって、分解整備作業を行うための作業用空間H1が形成されている。 そしてクリーン作業台H全体の外形は、他のワゴン収容ユニットの外形と一致す るデザインとなっている。 床板H10の中央には、台座H38を介して、マスターシリンダ等の自動車部 品を挟持するためのバイスH40が取り付けられている。一方、背板H16の右 寄りには、エアガンホルダH24が斜め上向きに固定されており、このエアガン ホルダH24にエアブローガンH28の先端を挿入して掛け置きするようになっ ている。エアブローガンH28には、圧縮空気を供給するためのエアホースH3 0が接続されている。エアホースH30は背板H16を貫通して、背後にある図 示しないエアコンプレッサーに接続されている。
【0069】 上部傾斜板H20の内側の、開口部上側および下側には図17に点線で示され るように、それぞれ流水供給パイプH13,H22,H33およびH34が設け られている。この流水供給パイプH13,H22,H33,H34には、図1に 示される水道ホースSから配管された図示しない水道配管が接続され、この水道 配管は図示しない電磁弁によって開閉される。そして流水供給パイプH13,H 22,H33,H34にはその軸線方向に沿って小さな孔が多数開けられており 、水道配管から水が供給されると、図18によく示されるようにシャワー状の水 流H42,H44が生じる。 これらの水流は作業用空間H1の三方の壁面および床板面を流れて、床板H1 0の奥に設けられた長溝型の排水口H53に集められ、排水パイプH54を落下 して排水口H60から排出される。ここで排水口H53は、流水供給パイプH3 4と同様に、床板H10の左端から右端まで連続した長溝型に設けられているた めに、流水供給パイプH34からのシャワー状の水流は途中で細くなることなく 、最初の幅を保って床板H10の全体を覆って流れる。 この排水は後述する手洗いJの排水とは区別されて、ワゴン収容ユニットの背 後に設けられた、図示しない専用のタンクに貯蔵される。
【0070】 さらに背板H16の裏側には、図17に点線で示されるように吸引パイプH3 6が設けられ、その上端は作業用空間H1内に開いた、水平方向に長い吸引ダク トH37になっている。この吸引パイプH36は、図18の側断面図によく示さ れるように、バキュームモータH52の吸入口と接続されており、バキュームモ ータH52の作動によって吸引ダクトH37,吸引パイプH36を通じて、作業 用空間H1内で発生した埃,粉塵等を吸引除去することができる。 なお、作業用空間H1内の左右と上側には、計三枚の粉塵はね返り防止ウイン グH14,H18およびH26が設けられ、粉塵溜りを形成させることで、吸引 粉塵効果の向上を図っている。
【0071】 ここで、前記排水パイプH54と排水口H60をつなぐ排気管H58内には、 給水チューブH56と、その先端に取付けられたシャワーアンブレラH57が設 けられている。このシャワーアンブレラH57によって給水チューブH56から 出る水流が広げられ、傘状の水膜H46が形成される。従って排気管H58をバ キュームモータH52の吐出口から排出された排気が通過する際に、排気中に含 まれる粉塵がこの水膜に吸着されて洗い流される。 これによって、吸引ダクトH37から吸引された粉塵が、大気中へ放出される のを防止して、作業場の空気をより清浄に保つことができる。 なお、前記エアガンホルダH24には図示しないセンサスイッチが設けられて おり、エアブローガンH28の抜き取りをこのセンサスイッチが感知することに よって、前記流水パイプH13,H22,H33,H34に水道水を供給する図 示しない電磁弁、およびバキュームモータH52のスイッチが自動的に入るよう になっている。従ってエアブローガンH28の使用時には、作業用空間H1内の 流水機構および吸引機構が自動的に起動する。
【0072】 さて、以上のような構造を有するクリーン作業台H等を用いた、マスターシリ ンダの分解整備作業について説明する。 まず作業者は収容ユニットFの所に行き、ポンプ電源スイッチM40をオン状 態にして排出ポンプM24を作動させる。続いてホースドラムU10の下に移動 し、前記ホースドラムU10を回転させて、排出ホースU20を作業場の床面近 くまで下ろす。そして、車両のブレーキシリンダの上部からリザーバタンク内に 排出ホースU20の先端を入れて、リザーバタンク内のフルードを吸入排出する 。リザーバタンクのフルードの排出が完了すれば、次に作業者はこのブレーキシ リンダをクリーン作業台Hまで運び、バイスH40に挟持固定する。
【0073】 そしてマスターシリンダを分解して、内部をエアブローガンH28によって清 掃する。このとき前記エアガンホルダH24のセンサスイッチが働き、前述の如 く流水機構および吸引機構が自動的に起動して、マスターシリンダ内の残存フル ードやエアガンで吹き飛ばされた埃等を洗い流すとともに、作業用空間H1内で 発生した粉塵を吸引ダクトH37から吸引する。 エアブローガンH28をエアガンホルダH24に戻せば、流水と吸引は自動的 に停止する。このようにして、作業用空間H1内でマスターシリンダのオーバー ホール作業が行われる。
【0074】 以上説明したように、作業用空間H1の三方の壁面および底面に沿って水が流 れ、同時に真空吸引がされることによって、ブレーキフルードやゴミ,埃等の付 着および飛散を防いで、作業場内を清潔に保つことができるのである。 マスターシリンダの分解洗浄,点検および消耗した部品の交換が終われば、マ スターシリンダは元通りに組み立てられ、車両に組付けられる。このあと前述し たように、ブレーキ点検用ワゴンBによるブレーキ点検作業が行われる。 なお、エアクリーナエレメントの清掃作業も、同様にこのクリーン作業台Hに おいて行われる。この作業においても、流水と吸引の効果によって、エレメント に付着していた埃等が作業場内へ飛散するのを防ぐことができる。
【0075】 (3I) 部品かご置き 以上述べた各ワゴン収容ユニットの上面は、いずれも図1に示されるように急 な傾斜を有する上部傾斜板であり、この上にみだりに物を置くことはできないよ うになっている。これによって、作業場の整理整頓と美観の保存という目的が自 然に達成される。 しかし車両整備においては、交換部品等を一時的に収納しておく部品かごが用 いられる。この部品かごを作業場の床面に置いたのでは、かえって乱雑となり美 観を損ねるばかりか、作業者が躓く危険すらある。そこで、この部品かごを置く 場所を一箇所に限定して、作業場の整理整頓と安全を確保するとともに、かごの 内容物を見やすくして部品の取り付け忘れ等を防止する目的で、部品かご置きI が設けられている。
【0076】 この部品かご置きIについて図19〜図20を参照しつつ説明する。 参照符号I10は部品かご置きベースである。この上に部品かご置きIの本体 I20が設けられ、その上部傾斜板I21は、他のワゴン収容ユニット等と同じ 傾斜角に作られている。上部傾斜板I21には開口部I23が設けられ、この開 口部I23を内側から覆う形でパンチングボードI22が取付けられている。
【0077】 同パンチングボードI22は、図20(a),(b)の側断面図によく示され るように、その下端においてばね付き蝶番I26によって本体I20に取付けら れている。前記開口部I23およびパンチングボードI22の寸法は、使用され る部品かごI30に合わせて作られている。さらに本体I20の内部には、両側 板をつなぐ形でボード受け台I28が設けられている。また、パンチングボード I22の上端付近には、ストッパI24が突出している。 なお部品かごI30としては、図19(b)に示されるように、内容物を見や すくする目的で、プラスチック材料からなる網状のかごが用いられる。
【0078】 この部品かご置きIに部品かごI30を置く場合には、部品かごI30の先端 でパンチングボードI22をストッパI24で止まるまで押しながら、部品かご I30を開口部I23内に押し込む。これによって部品かごI30は、ボード受 け台I28に支えられたパンチングボードI22の上に載置される。 一方、部品かごI30が置かれないときには、パンチングボードI22がばね 付き蝶番I26の付勢力によって上部傾斜板I21に密着して、開口部I23が 塞がれた状態になっている。従って、パンチングボードI22の傾斜が上部傾斜 板I21の傾斜と一致しているので、収納ユニット全体の美観を損ねることはな い。
【0079】 さらに、部品かごI30が網状のプラスチックからなり、かつ部品かごI30 を置く高さを作業者の目の高さに近くしたため、作業場内の離れた位置からも部 品かごI30の内容がよく見え、部品の取り付け忘れ等が防止される。部品かご I30としては、本実施例における網状のかご以外にも、透明のプラスチックか らなるかご等を用いてもよい。
【0080】 (3J) 手洗い 図1の参照符号Jは手洗いであり、後述する屑かごKおよびウェス入れLの上 に設けられている。この手洗いJは、他のワゴン収容ユニット等と同じ傾斜角の 上部傾斜板J10を有し、この上部傾斜板J10が大きく切り取られて、その中 に通常の水道水配管を備えた流しJ20が設けられている。作業者はここで手洗 いや、汚れの少ない水洗作業をすることができる。 なお、排水は手洗いJの排水と前記クリーン作業台Hの排水とに区別されて、 それぞれワゴン収容ユニットの背面に設けられた、図示しない専用のタンクに貯 蔵される。
【0081】 (3K) くずかご 図1の参照符号Kは、作業中に生ずる鉄屑,紙屑等を捨てるためのくずかごで あり、手洗いJの下部右側に設けられている。このくずかごKもワゴン収容ユニ ットから出し入れ可能なワゴンとなっており、その内部は前後に2つに区分され ている。その前部は鉄屑収納部であり、くずかごKの前面上部に設けられた開閉 蓋L20から通じていて、この開閉蓋K20を開けて鉄屑が投入される。また後 部は紙屑収納部であり、くずかごKの上面最後部に設けられた紙屑投入口K10 の真下に位置していて、この紙屑投入口K10から紙屑等が投入される。
【0082】 (3L) ウェス入れ また図1の参照符号Lは、作業者が部品の汚れ,埃,オイル等を拭き取るため のウェスが入っているウェス入れであり、くずかごKと並んで手洗いJの下に設 けられている。このウェス入れLも出し入れ可能なワゴンであり、その内部は前 後方向に2つに区分されたウェス収納ボックスとなっている。その前部ボックス には未使用のウェスが入っており、この未使用のウェスはウェス入れLの前面上 部に設けられた開閉蓋L20を開けて取出される。一方、後部ボックスは使用済 みウェスの収納部であり、使用済みのウェスはウェス入れLの上面最後部に設け られた旧ウェス投入口L10から投入される。
【0083】 (3M) ブレーキフルード給排設備 さらに図1の参照符号Mは、ブレーキフルード給排設備である。このブレーキ フルード給排設備Mは、先に述べたように、ブレーキ点検用ワゴンBに関連した 設備である。 ワゴンBの項で説明したように、ブレーキフルードの交換のためには、ブレー キを踏んだ状態すなわちブレーキフルードに圧力がかかった状態と、踏んでいな い状態すなわちフルードに圧力がかかっていない状態とをつくり出す必要がある 。従来の交換方法においては、このためには2人の作業者が必要であった。つま り、1人が車内でブレーキペダルを操作しながら、もう1人がエア抜きのための 操作をする必要があった。このブレーキフルード給排設備Mと前述のブレーキ点 検用ワゴンBを用いることにより、1人でしかも安全確実にこの作業を行うこと ができる。
【0084】 このブレーキフルード給排設備Mは、図21に示されるように、他のワゴンと 同様の4個のキャスターM10を有する本体M12に、ブレーキ廃油凾M14, ブレーキフルード凾M16,供給ポンプM22,排出ポンプM24,電磁弁M2 6等が備えられたものである。 ブレーキ廃油凾M14は、後述する排出ポンプM24によって回収されたブレ ーキ廃油を受ける凾である。このブレーキ廃油凾M14には、図示しない配管が 排出ポンプM24の吐出口から連結されており、排出ポンプM24の吸入口には 、排出用配管M30が接続されている。この排出用配管M30は、ブレーキフル ード給排設備Mの収納ユニットM1(前記部品かご置きIの下にある)の背面板 を貫通して、ブレーキフルード排出ホースUに接続されている。
【0085】 このブレーキフルード排出ホースUは、先に述べたように、図示しない壁面の 裏側から天井の上を通ってホースドラムU10のホース接続部U12に接続され ている。同ホース接続部U12はホースドラムU10に巻き付けられて収納され る排出用引出しホースU20と連通しており、このホースドラムU10が回転す ることによって、排出用引出しホースU20は天井から作業場に下ろすことがで きる。
【0086】 一方、ブレーキフルード凾M16には、新しいブレーキフルードが蓄えられる 。このブレーキフルード凾M16は、図示しない配管によって供給ポンプM22 の吸入口と連結されており、供給ポンプM22の吐出口には、電磁弁M26を介 して、供給用配管M28が接続されている。この電磁弁M26は、供給ポンプM 22と供給用配管M28との間を開閉可能に接続している。 この供給用配管M28も収納ユニットM1の背面板を貫通して、ブレーキフル ード供給ホースTに接続されている。ブレーキフルード供給ホースTも壁面の裏 側から天井の上を通って、天井の上に設けられたホースドラムT10のホース接 続部T12に接続されている。そして同ホース接続部T12は、ホースドラムT 10に巻き付けられた供給用引出しホースT20と連通している。
【0087】 前記の供給ポンプM22の電源線M32および排出ポンプM24の電源線M3 4は、ブレーキフルード給排設備Mの背面から伸びて、途中で一本のポンプ電源 線M38にまとめられている。このポンプ電源線M38は、図に示されるように 収納ユニットM1の背面板を貫通して、ブレーキ点検用ワゴン収容ユニットFの 背面板からユニットF内に入り、このユニットFの上部傾斜板に設けられたポン プ電源スイッチM40に、電気的に接続されている。
【0088】 さらに、前記電磁弁M26を開閉させるための電磁弁信号線M36も、同様に 収納ユニットM1の背面板を貫通して、前記ブレーキフルード供給ホースT,ブ レーキフルード排出ホースUと平行して天井まで伸びている。そして天井裏から 下がり、ケーブル・ホース用コネクタPを介してレールN1と接続されている。 このレールN1から、図6に示すように配線ケーブルO3を通じて前記ブレーキ 点検用ワゴンBのリモートコントロールスイッチB6に電気的な接続がされてい る。従って、このスイッチB6の操作によって電磁弁M26が開閉され、リモー トコントロールにより、車両のブレーキフルードの加圧−非加圧の状態の切換を 行うことができるのである(ワゴンBの説明(2B)参照)。
【0089】 なお、このブレーキフルード給排設備Mの前面板M18も、収納時には他の収 容ユニットと同一面になって、美観を保つようにデザインされていることは言う までもない。また、給排設備Mの前面上部には開閉可能な開閉板M20が設けら れている。
【0090】 (4) 天井設備 (4N)レール 図1によく示されているように、この車両整備装置は天井に設置されたレール Nを有している。このレールNは車両の周囲を周回するループ状に配設されてい る。 図22によく示されているように、レールNは内側レールN1と外側レールN 2が一対になって構成されており、内側のレールN1にはレールN1に沿って伸 びる3本の導体が相互に絶縁された状態で固定されている。外側のレールN2は 後記する台車O4とスポットユニットQ20を案内する。
【0091】 (4O)台車とケーブル・ホース 図23に前記レールN1,N2の一部とこれに沿って移動する台車O4とが斜 視図で示されている。この図面において台車O4には下方へ伸びるエアホース操 作杆O5が設けられている。この操作杆O5は図1で示されているように、作業 者の手が届く位置まで伸びて端部にグリップO6を備えている。したがってこの 操作杆O5を持って移動すれば、台車O4もレールN2に沿って移動することと なる。
【0092】 またレールN1にはこれに沿って移動するトロリーO1が設けられている。ト ロリーO1はレールN1に沿って移動するとともに、トロリーO1から延びるケ ーブルO3に内包されている3本のコイルをレールN1に固定されている前記3 本の導体と接触させる。3本の導体のうちの2本には電源電圧が供給され、また 残りの1本を介して信号が送受される。この構成によって、ケーブルO3がワゴ ンに接続されるとワゴンに電力が供給されるとともにワゴンに対する信号の送受 が可能となる。 トロリーO1は連結具O2によって台車O4に従動するようになっている。
【0093】 (4P)ホース用コネクター 外側のレールN2には図1に示すように予め定められた所定位置、すなわち車 両周りのフロント及びリヤの両サイドと、車両の前後の計6箇所と対応する箇所 においてホース用コネクターPが組付けられている。 このホース用コネクターPはレールN2に組付けられたタッピングバルブP1 を主体として構成されている。タッピングバルブP1にはエアホースP2を介し て圧縮空気が供給されている。 タッピングバルブP1には弁子が下方に引下げられるとエアホースP2からの 圧縮空気を放出し、一方弁子が上方に押し上げられるとエアホースP2の圧縮空 気をシールする弁が内蔵されている。
【0094】 台車O4には永久磁石が組込まれており、台車O4がホース用コネクターPに 対応する位置に移動すると、前記タッピングバルブP1の弁子を下方に引下げエ アホースP2からの圧縮空気が台車O4中に供給される。圧縮空気が台車O4中 に送込まれると、台車O4とレールN2間がシールされ、エアホースP2からの 圧縮空気が操作杆兼エアホースO5中に導かれる。すなわち台車O4がレールN 2にそって移動される際にホース用コネクタPに対応する位置に移動されると、 台車O4は自動停止され、圧縮空気がエアホースO5に供給される。 そこでエアホースO5がワゴンに接続されると接続されたワゴンに圧縮空気が 供給される。
【0095】 前記操作杆O5を下方へ押し下げると弁子が永久磁石から離れ、エアホースP 2はシールされる。また台車O4中に内蔵されているバルブによってエアホース O5中の圧縮空気もシールされる。同時に台車O4とレールN2間のシール状態 が解除され、台車O4はレールN2に沿って自由に移動可能な状態となる。
【0096】 (4Q) ダクトとスポットユニット 図22にクーラダクトQ4とスポットユニットQ20とが、天井に配置された 前記レールNと共に斜視図で示されている。この図面からも明らかなように、レ ールNに囲まれた天井部分のほぼ中央には、天井裏に設けられたスポットクーラ (図示しない)の吹出パイプQ2が突出している。この吹出パイプQ2にはクー ラダクトQ4が、スイベルジョイントQ6により吹出パイプQ2の周りを旋回で きるように接続されている。なおクーラダクトQ4は第一ダクトQ4aと第二ダ クトQ2bとに分割されていて、これらはスイベルジョイントQ7により互いに 折れ曲がり可能に接続されている。
【0097】 前記クーラダクトQ4における第二ダクトQ4bの先端部には、下方へ延びる 支持パイプQ14がスイベルジョイントQ16により接続されている。この支持 パイプQ14の下端部には、スポットユニットQ20が装着されている。またク ーラダクトQ4における第一ダクトQ4aの基端部にはカウンタウェイトQ8が 設けられている。
【0098】 図23に前記レールNとクーラダクトQ4との一部が拡大斜視図で示されてい る。この図面において外側のレールN2には吊下げ台車Q10が、このレールN 2に沿って移動できるように取付けられている。この吊下げ台車Q10には、前 記第二ダクトQ4bの先端部が回動自在に結合されている。またこの吊下げ台車 Q10は、前記台車04の移動に追従するようにショックアブソーバQ12を介 して連結されている。
【0099】 したがって前記台車O4がレールN2に沿って移動操作されると前記吊下げ台 車Q10もこれに追従し、この吊下げ台車Q10の移動によってクーラダクトQ 4が前記カウンタウェイトQ8でバランスを保たれながら前記吹出パイプQ2の 周りを旋回する。そして前記台車O4が車両周りの所定位置(計六箇所)で、す でに説明したように自動停止されると、吊下げ台車Q10も停止して車両周りの 各作業位置に前記スポットユニットQ20が位置することとなる。なお台車O4 0の停止によって吊下げ台車Q10が受ける衝撃は前記ショックアブソーバQ1 2により吸収される。
【0100】 図24に前記スポットユニットQ20が拡大して示されている。このスポット ユニットQ20には、スポットライトQ22、遠赤外線ヒータQ24及びスポッ トクーラの吹出口Q26がコンパクトに収容されている。天井裏の前記スポット クーラからクーラダクトQ4及び支持パイプQ14を通じて送られてくる冷風は スポットユニットQ20の吹出口Q26から吹き出される。またスポットユニッ トQ20はスポットライトQ22、遠赤外線ヒータQ24及びスポットクーラを それぞれオンオフできるスイッチQ28を備えている。
【0101】 前記台車O4をレールN2に沿って移動させ、かつこの台車O4が予め定めら れた各作業位置で自動停止することで、前記スポットユニットQ20も車両周り の各作業位置に移動して停止することとなる。そして前記スポットライトQ22 で車両の作業箇所を的確に照明でき、また遠赤外線ヒータQ24あるいはスポッ トクーラで各作業位置の環境を良好にできる。
【0102】 (4R) 排気ガス設備 図1に示されているように車両整備場後方の天井裏には、排気ガスホースR6 と排気ガス分析計R20を吊っている二本のベルトR28とを巻取るための電動 リールR4が設置されている。この電動リールR4は図1に示されている前記収 納ユニットFの操作パネル上にあるスイッチの操作で正逆回転及び停止の切換が 行われる。また排気ガスホースR6及び排気ガス分析計R20は天井の開口部か ら車両の後方に下降してくるようになっている。
【0103】 図25に排気ガスホースR6及び排気ガス分析計R20を収納した状態が斜視 図で示され、図26にこれらの使用状態が斜視図で示されれている。これらの図 面において前記電動リールR4は天井裏の固定フレームR2に装着されている。 そして前記排気ガスホースR6は電動リールR4のホースリール部R4aに巻き 取られるようになっており、排気ガス分析計R20の二本のベルトR28は二個 のベルトリール部R4bにそれぞれ巻き取られるようになっている。
【0104】 図27に電動リールR4と排気ガス分析計R20の関係が示されている。この 図面において、前記の各ベルトR28は排気ガス分析計R20に設けられた二個 の滑車R26に掛けられている。しかも各ベルトR28の一端は各ベルトリール 部R4bによる巻取り端となっており、他端は天井裏の固定フレームR2に結合 されている。 すなわち排気ガス分析計R20は、それ自体が動滑車となってる。したがって 電動リールR4の正逆回転による排気ガス分析計R20の昇降ストロークは排気 ガスホースR6のストロークの二分の一となる。これにより排気ガスホースR6 をその使用に適した状態に下降させたとき、前記排気ガス分析計R20は作業者 が見やすい目の高さに降りてくるようにできる。
【0105】 前記排気ガス分析計R20は、二本のベルトR28をそれぞれ二個の滑車R2 6に掛けることで四点支持の吊り下げとなっており、その揺れが少なくなる。ま た仮に一本のベルトが切れても排気ガス分析計R20の落下は防止されるので安 全である。 なお図26に示されているように前記排気ガス分析計R20には、車両のブレ ーキランプなどの点灯具合を運転席から確認するためのライト点検ミラーR24 が設けられている。
【0106】 図28に前記排気ガスホースR6の端部に設けられたカプラR10が斜視図で 示されている。このカプラR10は、車両の排気管R30の太さに合わせて可動 部R12を矢印方向へ回動させて開口量を変えれるようになっている。この可動 部R12の回動はレバーR14の操作で行える。 なお排気ガスホースR6の端は、図26で示されているように二本に分岐され てそれぞれカプラR10が付けられている。これは排気管R30を二本備えたタ イプの車両に対処するための工夫である。
【0107】 図28において前記カプラR10はこれを車両の排気管R30に接続したとき に、この排気管R30の中に挿入されるパイプR16を備えている。このパイプ R16の先端部には、閉じる方向にばねで付勢されたキャップR18が設けられ ている。車両の排気管R30にカプラR10を接続した状態で、前記パイプR1 6に排気ガス分析計R20の分析計プローグR22を差し込めば、この分析計プ ローグR22は前記キャップR18を押し開いて排気管R30の中に位置する。 そして排気ガスの分析結果は、前記排気ガス分析計R20に表示される。 したがって車両の排気管R30に排気ガスホースR6を接続したままで排気ガ スの分析ができる。また前記パイプR16から分析計プローグR22を抜き取れ ば、前記キャップR18がばね力で閉じ、排気ガスの洩れが防止される。 なお排気ガスは排気ガスホースR6から天井裏の配管などを通じて屋外へ排出 される。
【0108】 (4S) 水道ホース 図1において天井の一部から繰り出し及び巻取り可能に設けられた水道ホース Sは、すでに述べたようにエンジンの冷却水を交換するときに使用される。
【0109】 (4T) ブレーキフルード供給ホース 同じく図1において天井の一部から繰り出し及び巻取り可能に設けられたブレ ーキフルード供給ホースT20には、前記ブレーキフルード給排設備Mのポンプ M22によってブレーキフルードが送られている。
【0110】 (4U) ブレーキフルード排出ホース 同じく天井において前記ブレーキフルード供給ホースT20の傍から繰り出し 及び巻取り可能に設けられたブレーキフルード排出ホースU20は、ブレーキフ ルード給排設備MのポンプM24によりバキュームがかけられている。したがっ てこのホースU20を通じて前述したようにブレーキマスタシリンダのリザーバ タンクからブレーキフルードを抜き取ることができる。
【0111】 (5) リフト・床設備 (5V) プレセットリフト 図29に、プレセットリフトV(以下、リフトV)の全体斜視図が示されてい る。このリフトVは埋込み二柱式リフトであり、モータ(図示されていない)の 回転によって発生した油圧を昇降の駆動源に利用している。なお、この油圧昇降 機構は床下に設置されている。 リフトVは、車両の左右車輪間の距離とほぼ等しい距離をおいて設置された一 対の支柱V2を備えており、この支柱V2が前記油圧昇降機構によって軸方向に 昇降駆動される。両支柱V2の上端には、車両の前輪と後輪との間の車体部分を 下側から支えるための略長方形のプレート受台V4が互いに平行になるように設 置されている。また両支柱V2の直近には、支柱V2とともに昇降する棒状の歯 車であるラックV6が支柱V2と平行に設置されている。これらのラックV6に は歯車機構(図示されていない)が係合されており、これによって両支柱V2が 同調して昇降できるようになっている。さらにこの歯車機構によって油圧昇降機 構が故障した場合でもリフトVが車両の重量で降下しないようなっている。また 、前記ラックV6には、リフトVの高さ(プレート受台V4の高さ)を検出する ためのパルス発生器(図示されていない)がピニオンを介して連結されている。
【0112】 リフトVの操作は、ブレーキ点検用ワゴン収容ユニットFに設置されている操 作パネルF2から行われる。この操作パネルF2には、最上位置押しボタンスイ ッチ、中間高さ押しボタンスイッチおよび最低位置押しボタンスイッチが配設さ れており、押しボタンの操作によってリフトVの高さを三段階に選択できるよう になっている。なお、リフトVの最上位置、中間高さ及び最低位置の具体的な高 さ設定は作業者の好みに合わせて任意に設定できるようになっている。
【0113】 (5W) タイヤハンガ リフトVの上端に設けられたプレート受台V4の側面V41には、リフトアッ プされた車両の側面から外側に張り出すようにタイヤハンガWが取り付けられて いる。 タイヤハンガWは、車両から取り外された車輪およびその付属品を車両の近傍 に保持するためのもので、パイプでほぼ四角形に成形されたタイヤ受け主スイン グアームW2を備えている。このタイヤ受け主スイングアームW2の一辺を形成 するパイプW21には、プレート受台V4の側面V41のほぼ中央位置から水平 方向に突出したシャフト(図示されていない)が挿通されている。さらにタイヤ 受け主スイングアームW2の前記パイプW21に直角な一辺であるパイプW24 が、ジョイントW22,V42およびジョイント部に長孔が設けられたレバーW 23によってプレート受台V4の側面V41に連結されている。この構造によっ て、タイヤ受け主スイングアームW2は、リフトVのプレート受台V4と等しい 高さ位置から、図29に示すように、レバーW23によって支持される位置まで 、前記シャフトの軸心を中心に自重で回動できるようになっている。
【0114】 前記シャフトが挿通されているタイヤ受け主スイングアームW2の一辺W21 とこれに垂直な一辺W24には、同じくパイプでほぼ四角形に成形されたタイヤ 受け副スイングアームW6がヒンジW61およびジョイントW62,W25およ びジョイント部に長孔が設けられたレバーW64によって所定範囲だけ回動でき るように連結されている。また、このタイヤ受け副スイングアームW6に対向す る位置には、同様な構造でタイヤ受け副スイングアームW4が設置されている。 この構造によって、タイヤ受け副スイングアームW4,W6は、タイヤ受け主ス イングアームW2と等しい高さ位置から、図29に示すように、各々レバーW6 4,W44によって支持される位置まで、ヒンジW41,W61を中心に自重で 回動できるようになっている。 図29に示す状態では、タイヤハンガWの側面形状は、タイヤ受け主スイング アームW2を下底、タイヤ受け副スイングアームW4,W6を脚とする台形状に なっている。このため、タイヤ受け主スイングアームW2に通された車輪Tは、 その接地面がタイヤ受け副スイングアームW4,W6に当接して、このタイヤハ ンガWの内に保持される。
【0115】 リフトVの一台のプレート受台V4には二セットのタイヤハンガWが取付けら れており、これらのタイヤハンガWの端部がプレート受台V4の長手方向の端部 とほぼ揃えられている。これによって、リフトアップされた車両から車輪を取外 すときにこのタイヤハンガWが邪魔になることがない。また、この二セットのタ イヤハンガWの中間位置には、ホイールキャップハンガW70,センタオーナメ ント・ハーフホイールキャップハンガW72およびハブナット受け皿W74が配 設されている。 図30はリフトVが下限位置まで下降した状態を示している。リフトVが下降 すると、下降途中でタイヤハンガWは、そのタイヤ受け主スイングアームW2の 一部とタイヤ受け副スイングアームW4,W6の一部とが床面に当接し、その反 力で両スイングアームW2,W4,W6が前記シャフトおよびヒンジW41,6 1を中心に回動される。そしてプレート受台V4が床面に当接したときにはタイ ヤ受け主スイングアームW2とタイヤ受け副スイングアームW4,W6とはプレ ート受台V4の高さに等しくなる。
【0116】 このタイヤハンガWによると、リフトアップされた車両から取外された車輪を 、床に置くことなくこの車両の近傍の邪魔にならない位置に保持することができ る。このために、車両から取外された車輪が作業の邪魔になることがない。また 、ホイールキャップやハブナット等の車輪の付属品もホイールキャップハンガW 70やハブナット受け皿W74等においてまとめ保管して置けるために、紛失等 のトラブルも生じない。
【0117】 (5X) 埋込み照明 埋込み照明装置Xは、図29、図30に示すように、リフトVの周囲に四箇所 配置されており、リフトVのプレート受台V4が床位置にあるときにはこのプレ ート受台V4によってカバーされている。 この照明装置Xの平面図が図31に示されており、側面図が図32に示されて いる。照明装置Xは二台のスポットライトX2を有しており、このスポットライ トX2が上面開放型のボックスX4の内部に収納されている。なお、スポットラ イトX2の向きは車両の下廻りを効率的に照らせるように微調整が可能となって いる。 ボックスX4の上面開放部にはフランジX6が固定されており、このフランジ X6の上にゴムパッキンX7を介して耐熱ガラスX8が配置されている。この耐 熱ガラスX8の周囲はステンレス成形板X10によって押さえられており、この ステンレス成形板X10とフランジX6とが重ね合わされた状態で床鋼板Zにボ ルト止めされる。これによって、照明装置Xは床鋼板Zに堅固に固定される。な お、照明装置Xの耐熱ガラスX8の表面位置は床面の高さにほぼ等しくなる。
【0118】 前記スポットライトX2は、リフトVが所定の高さ以上に上昇したタイミング で点灯し、逆にリフトVがこの高さより下降したタイミングで消灯する。ここで リフトVの高さを検出するセンサーとしてはリミットスイッチ(図示されていな い)が使用される。なお、スポットライトX2が点灯するタイミングについては 前記リミットスイッチの高さ調整によって自由に変更することが可能である。
【0119】 埋込み照明装置Xによると、リフトVが所定の高さ以上に上昇したタイミング で自動的にスポットライトX2が点灯するために、従来ライトを点灯させるため に必要とされたスイッチ操作が不要となる。また、照明装置Xは床に埋め込まれ ているために邪魔にならず、電源コードが床上を這うこともないために作業場の 美観を損なうこともない。さらに、作業が終了してリフトVが下限位置にある時 には、照明装置Xはプレート受台V4によって覆われているために、車両の進入 あるいは退出時に照明装置Xに荷重が加わることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両整備装置の全体を示す図である。
【図2】オイル交換用ワゴンの斜視図である。
【図3】オイル交換用ワゴンの異なる方向からの斜視図
である。
【図4】オイル交換用ワゴンの背面図である。
【図5】オイル交換用ワゴンを取り出したときの収容ユ
ニット正面図である。
【図6】ブレーキ点検用ワゴンの斜視図である。
【図7】タイヤリフター使用時のブレーキ点検用ワゴン
の斜視図である。
【図8】エンジンルーム点検用ワゴンの全体斜視図であ
る。
【図9】図8の IX−IX 矢視図である。
【図10】エンジンルーム点検用ワゴンの電源配線図で
ある。
【図11】エンジンルーム点検用ワゴン収容ユニットの
正面図である。
【図12】冷却水交換用ワゴンの一実施例を示す斜視図
である。
【図13】冷却水の交換時に使用されるアダプタ類を示
す図である。
【図14】車両のエンジンおよびラジエータの冷却水循
環路を示す部分断面図である。
【図15】冷却水交換用ワゴンのLLC注入装置を示す
断面図である。
【図16】冷却水交換用ワゴンの吸水性ポリマー計量装
置の構造を示す斜視図である。
【図17】車両部品整備台の一実施例を示す斜視図であ
る。
【図18】車両部品整備台の内部構造を示す側断面図で
ある。
【図19】部品かご置きの一実施例を示す斜視図であ
る。
【図20】部品かご置きの内部構造を示す側断面図であ
る。
【図21】ブレーキフルード給排設備と関連する配管等
を示す斜視図である。
【図22】クーラダクトとスポットユニットとをレール
と共に示す斜視図である。
【図23】レールの一部とその関連部材とを拡大して示
す斜視図である。
【図24】スポットユニットを示す拡大斜視図である。
【図25】排気ガスホース及び排気ガス分析計の収納状
態を示す斜視図である。
【図26】排気ガスホース及び排気ガス分析計の使用状
態を示す斜視図である。
【図27】電動リールと排気ガス分析計との関係を示す
説明図である。
【図28】排気ガスホースのカプラを拡大して示す趣旨
図である。
【図29】プレセットリフトの全体斜視図である。
【図30】プレセットリフトが下限位置まで降下した状
態の斜視図である。
【図31】照明装置の平面図である。
【図32】照明装置の側面図である。 H 車両部品整備台 H1 作業用空間 H11 開口部 H12,H16,H20,H32 壁 H13,H22,H33,H34 パイプ H37 吸引ダクト H52 モータ
フロントページの続き (72)考案者 坂田 雅彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 甲田 政之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)考案者 根津 晃 東京都港区芝二丁目31番19号 株式会社バ ンザイ内 (72)考案者 木村 和紀 東京都大田区南馬込1丁目1番3号 株式 会社ヤマダコーポレーシヨン内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両整備者が腕を挿入して車両部品の整
    備作業をするための作業台であり、前記作業をするため
    の作業用空間を前記作業者が腕を挿入するための開口部
    を除いて囲繞する壁と、該壁の上縁に沿って配置され、
    途中に設けられた小孔列から水を流下させるパイプと、
    前記作業用空間に連通する吸引ダクトと、該吸引ダクト
    に接続されて作業用空間中の大気を吸引するモータ、と
    を備えた車両部品整備台。
JP5488291U 1991-06-18 1991-06-18 車両部品整備台 Expired - Lifetime JP2539750Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020040597A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 株式会社バンザイ 車両整備用リフト装置
JP2023035728A (ja) * 2021-09-01 2023-03-13 小野谷機工株式会社 車両用作業装置

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JP2023035728A (ja) * 2021-09-01 2023-03-13 小野谷機工株式会社 車両用作業装置

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