JPH04137481U - ブラシ付き回転電機 - Google Patents

ブラシ付き回転電機

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JPH04137481U
JPH04137481U JP4355891U JP4355891U JPH04137481U JP H04137481 U JPH04137481 U JP H04137481U JP 4355891 U JP4355891 U JP 4355891U JP 4355891 U JP4355891 U JP 4355891U JP H04137481 U JPH04137481 U JP H04137481U
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吉之助 大野
泰之 住田
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国産電機株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回転電機に用いるブラシの有効寿命を長くす
る。 【構成】渦巻きバネ5の先端部5aを当接させるブラシ
3の後端部の端面に、傾斜面3eを有するバネ嵌合溝3
dを設けて、ブラシ3が消耗していない初期状態で渦巻
きバネ5の渦巻きの中心位置と先端部5aとの間の距離
Lが従来よりも短くなるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、直流電動機、直流発電機、同期発電機等のブラシを備えた回転電機 に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電動機、直流発電機、同期発電機等のブラシを備えた回転電機では、図4 に示したように、固定子側に配置されたブラシ保持プレート1に取付けられたブ ラシホルダー2の内側にブラシ3がスライド自在に保持されている。図5に示し たように、ブラシ3は四角柱状に形成されていて、このブラシの先端部3aが回 転子側に設けられた整流子または摺動環4に接触させられている。そして、ブラ シ3を整流子または摺動環4の方向に付勢するために、ブラシホルダー2に渦巻 きバネ5が取付けられて、該渦巻きバネ5の先端部5aが、ブラシ3の後端部3 bに当接されている。ブラシホルダ2の側壁部には、渦巻きバネ5の幅よりも大 きな幅寸法を有する切り欠き溝2hが設けられ、ブラシが磨耗したときに渦巻き バネ5がこの切り欠き溝部2hを通してブラシ3に当接するようになっている。 また図5に示したように、ブラシ3にはリード線3cが接続されていて、該リ ード線3cはブラシホルダ2の側壁に設けられた切り欠き溝部2g内に挿入され るようになっている。
【0003】 従来のこの種のブラシ付き回転電機においては、図4及び図5に見られるよう に、渦巻きバネ5の先端部5aが当接するブラシの後端部3bの端面が、該ブラ シのスライド方向に対して直角をなす平坦面であったため、図4に実線で示した ブラシ3の使用初期の状態においては、渦巻きバネ5の中心位置から先端部5a までの径方向の長さLが比較的大きくなっている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
従来のブラシ付き回転電機では、ブラシの使用初期の状態において渦巻きバネ の中心位置から該渦巻きバネの先端までの長さLが比較的大きいため、ブラシの 摩耗が進行して図4に破線で示す状態になったときに、摩耗量hがブラシ単体と しての許容摩耗量よりはまだ相当小さいにも拘らず、渦巻きバネの先端部5aが ブラシホルダー2の側壁部2aに当接してしまい、渦巻きバネによるブラシの押 圧ができなくなってブラシの有効寿命が短くなるという問題があった。
【0005】 尚ブラシが磨耗したときに渦巻きバネの先端部5aがブラシホルダーの側壁部 2aに当接しないようにするために、該側壁部2aに、渦巻きバネの幅よりも大 きい幅寸法を有する切り欠き溝を設けて、渦巻きバネ5の先端部5aがこの切欠 き溝を通して外側に逃げるようにしておくことも考えられるが、この場合にはブ ラシホルダー2の強度が低下したり、ブラシがスライドするブラシホルダーの内 側の寸法精度が悪くなって作動時にブラシの振動が生じたり、ブラシの異常摩耗 が生じたりする恐れがある。
【0006】 本考案の目的は、従来と同じ寸法のブラシホルダーとブラシとを使用した場合 でも、ブラシの摩耗が進行したときに渦巻きバネの先端部がブラシホルダーの側 壁部に当接することがないようにして、ブラシの有効寿命の延長を図ったブラシ 付き回転電機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、その実施例を示す図1ないし図3に見られるように、固定子側に配 置されたブラシ保持プレート1に取付けられたブラシホルダー2と、このブラシ ホルダーの内側にスライド自在に保持されて先端部3aが回転子側に設けられた 整流子または摺動環4に接触させられたブラシ3と、ブラシホルダー2に取付け られて先端部5aがブラシ3後端部3bに当接した渦巻きバネ5とを備え、渦巻 きバネ5によりブラシ3が整流子または摺動環4側に付勢されているブラシ付き 回転電機に係わるものである。
【0008】 本考案においては、ブラシ3の後端部3bに、渦巻きバネ側に向うに従って回 転子に近付く向きに傾斜した傾斜面3eを有するバネ嵌合溝3dを設け、渦巻き バネの先端部5aをこのバネ嵌合溝の傾斜面に当接させるようにした。
【0009】
【作用】
上記のように傾斜面を有するバネ嵌合溝をブラシの後端部に設けて、この傾斜 面に渦巻きバネの先端部を当接させるようにすると、ブラシがまだ摩耗しない使 用初期の段階では渦巻きバネの先端部はバネ嵌合溝の傾斜面の渦巻きバネに近い 側の位置でブラシに当接するので、初期状態での渦巻きバネの中心位置から先端 部までの距離Lは従来より短くなる。渦巻きバネの先端部5aは、ブラシ3の磨 耗の進行に伴って、バネ嵌合溝の傾斜面3e上をブラシホルダー2の側壁部2a 側にスライドしていくが、本考案では、渦巻きバネの中心位置から先端部までの 距離Lが従来より短いため、渦巻きバネの先端部5aがブラシホルダーの側壁部 2aに当接する状態になるまでに許容されるブラシの摩耗を従来よりも大きくす ることができる。そのためブラシの許容磨耗量を従来よりも大きくすることがで き、ブラシの有効寿命を従来よりも長くすることができる。
【0010】
【実施例】
以下図面を参照して本考案の実施例を説明する。
【0011】 図1は本考案の実施例を示したもので、同図において1は合成樹脂等の絶縁材 料からなるブラシ保持プレートであり、このブラシ保持プレートは回転電機の図 示しない固定子本体の軸方向の一方側に配置されている。2はブラシ保持プレー ト1の一方の面にリベット6により取付けられたブラシホルダー、3はブラシホ ルダー2内にスライド自在に保持されて先端部3aが整流子または摺動環4に接 触させられたブラシであり、該ブラシの後端部3b寄りの位置からリード線3c が導出されている。5はブラシ3を整流子または摺動環4側へ付勢する渦巻きバ ネである。
【0012】 ブラシホルダー2は黄銅板等からなり、図2に示すように、側壁部2a及び2 bと底壁部2cとにより断面がコ字状に形成されたブラシ挿入部と、側壁部2a 及び2bの端部からそれぞれ延長されて形成された取付部2d及び2eと、取付 部2eの端部から側壁部2bと平行な方向に起立するように設けられたバネ取付 部2fとを一体に有している。このブラシホルダーはその取付部2d及び2eを ブラシ保持プレート1に当接させた状態で配置されて、取付部2d,2eがブラ シ保持プレートにねじ止めされる。このようにブラシホルダーをブラシ保持プレ ートに取付けた状態で、断面コの字形のブラシ挿入部とブラシ保持プレート1と の間に断面が矩形状を呈するブラシ挿入孔が形成されるようになっている。
【0013】 ブラシホルダーの底壁部2cにはブラシのリード線3cを貫通させるために、 一端2g1が開口した切欠き溝2gが形成され、また側壁部2bには、渦巻きバネ 5の先端部5aを貫通させるための切欠き溝2hが形成されている。このブラシ ホルダー2としては従来と同様のものを使用することができる。
【0014】 ブラシ3は図3に示したようにほぼ直方体状に形成されており、その長さ方向 の先端部3aの端面が整流子または摺動環4に接触させられる接触面となってい る。またブラシ3の後端部3bの端面には、バネ嵌合溝3dが設けられている。 バネ嵌合溝3dは、ブラシ3をブラシホルダー2内に挿入して保持した状態で渦 巻きバネ5側に向うに従って回転子側に近付く向きに傾斜して伸びる傾斜面3e を有している。ブラシ3の後端部3b寄りの位置から撚り銅線等からなるリード 線3cが導出されている。
【0015】 尚ブラシ3の材質及び大きさは、回転電機の種類や容量等に応じて適宜に選定 することができる。
【0016】 渦巻きバネ5はバネ鋼板等を渦巻状に形成した公知のもので、渦巻きの中心部 がブラシホルダーのバネ取付部2fに嵌着されて取付けられている。渦巻きバネ の巻き終り側の先端部5aはほぼ半円状に成形されていて、該先端部5aがバネ 嵌合溝3d内に嵌合されて、傾斜面3eに当接されている。この渦巻きバネ5の 付勢力によりブラシ3が整流子(直流機の場合)または摺動環(交流機の場合) 4に所定の圧力で当接させられる。
【0017】 上記構成のブラシ付き回転電機において、ブラシ3がまだ摩耗していない使用 初期の段階では、図1に実線で示したように、渦巻きバネの先端部5aがバネ嵌 合溝3dの傾斜面3eの、渦巻きバネ5寄りの位置に当接するので、渦巻きバネ の中心位置から先端部5aまでの距離Lはバネ嵌合溝3dが設けられていない場 合に比べて短くなる。ブラシ3の摩耗が進行するにつれて渦巻きバネの先端部5 aがバネ嵌合溝の傾斜面3e上をブラシホルダー2の側壁部2a側に移動してい くが、初期状態での渦巻きバネの中心から先端部5aまでの距離が短いため、渦 巻きバネの先端部5aがブラシホルダー2の側壁部2aに当接する状態になるま でに許容されるブラシ3の摩耗量は、従来のものよりも大きくなる。そのため、 図1に破線で示したようにブラシ3の磨耗量が許容限界hに達した状態でも渦巻 きバネの先端部5aがブラシホルダー2の側壁部2aに当接しないようにするこ とができ、ブラシの寿命を長くすることができる。
【0018】
【考案の効果】
以上のように、本考案によれば、ブラシの後端部に渦巻きバネ側に向うに従っ て回転子側に近付く向きに傾斜した傾斜面を有するバネ嵌合溝を設けて、渦巻き バネの先端部をこのバネ嵌合溝の傾斜面に当接させるようにしたので、ブラシが 未だ摩耗していない使用初期の段階では、渦巻きバネの先端部をバネ嵌合溝の傾 斜面の渦巻きバネ寄りの位置に当接させて、渦巻きバネの中心位置から先端部ま での距離を、従来のものより小さくすることができる。そのため、ブラシの摩耗 が進行して渦巻きバネの先端部がブラシのバネ嵌合溝の傾斜面の渦巻きバネと反 対方向の側に移動していってブラシホルダーの側壁部に突き当たる状態になるま でに許容されるブラシの磨耗量を大きくすることができ、ブラシの有効寿命を従 来より長くすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の要部を一部断面して示した正
面図である。
【図2】従来例及び本考案の実施例で用いられるブラシ
ホルダーの斜視図である。
【図3】本考案の実施例で用いられるブラシの斜視図で
ある。
【図4】従来例の要部を一部断面して示した正面図であ
る。
【図5】従来例で用いられるブラシの斜視図である。
【符号の説明】
1…ブラシ保持プレート、2…ブラシホルダー、3…ブ
ラシ、3a…先端部、3b…後端部、3d…バネ嵌合
溝、3e…傾斜面、4…整流子または摺動環、5…渦巻
きバネ、5a…先端部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定子側に配置されたブラシ保持プレー
    トに取付けられたブラシホルダーと、前記ブラシホルダ
    ー内にスライド自在に保持されて先端部が回転子側に設
    けられた整流子または摺動環に接触させられたブラシ
    と、前記ブラシホルダーに取付けられて先端部が前記ブ
    ラシの後端部に当接された渦巻きバネとを備え、前記渦
    巻きバネにより前記ブラシが前記整流子または摺動環側
    に付勢されているブラシ付き回転電機において、前記渦
    巻きバネ側に向うに従って前記回転子に近付く向きに傾
    斜した傾斜面を有するバネ嵌合溝を前記ブラシの後端部
    に設け、前記渦巻きバネの先端部を前記バネ嵌合溝の傾
    斜面に当接させたことを特徴とするブラシ付き回転電
    機。
JP1991043558U 1991-06-11 1991-06-11 ブラシ付き回転電機 Expired - Lifetime JP2530989Y2 (ja)

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JPH04137481U true JPH04137481U (ja) 1992-12-22
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61171468U (ja) * 1985-04-11 1986-10-24
JPH01120759U (ja) * 1988-02-05 1989-08-16

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61171468U (ja) * 1985-04-11 1986-10-24
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JP2530989Y2 (ja) 1997-04-02

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