JPH04135379U - 投票用紙 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 開票作業において最も手間、時間を要する投
票用紙の展開、束ね作業を頗る容易とする。 【構成】 投票用紙に折り目２を設け、候補者氏名欄を
設けた裏面が現出する様に折り目２で二つ折りすること
によって、投票された投票用紙が投票箱内、或いは開票
台上で自然に二つ折り状態から略平面的な一枚の用紙状
態、即ち展開状態に転化する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、多数の投票用紙の開票作業を容易とする様にした投票用紙に関する ものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、国、地方自治体等の首長、議会、委員等の選挙においては、数十万人か ら数千万人の有権者、投票者が投票しており、その開票作業は即日開票が主流と なり、又要望される様になって来た。

【０００３】 現在の投票、開票状況は、多数の投票所で投票が行われ、投票締切後に投票箱 が閉鎖されて特定少数の開票所に集合され、適宜面積の開票台上に無差別、無作 為に投票用紙が山積み状になる様に投票箱を開梱しており、その後投票用紙を候 補者毎に束ね、手作業で、或いは集計機械にて枚数を数え、集計している。

【０００４】 そして、投票時に投票者へ選挙管理人が投票用紙を手渡す（一部機械化されて いる）際には、無垢な折り目のない長方形の投票用紙が使用されており、有権者 、投票者は候補者氏名を記入した後に、候補者氏名記入欄が内側となる様に二つ 折りにして投票箱に投入しており、従って投票箱内は勿論、開票台上でも投票用 紙は候補者氏名記入欄が内側の二つ折り状態のままであった。

【０００５】 その結果、開票作業時には、候補者氏名記入欄が現出、露顕する様に二つ折り 状態の投票用紙を展開する作業が必要となったり、不完全な展開状態の投票用紙 の候補者氏名を確認したり、候補者毎に投票用紙を束ねる作業が必要となり、後 刻の集計作業よりもかかる展開、束ね作業に多大な手間、時間を要する欠点を有 していた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は、開票作業において最も手間、時間を要する投票用紙の展開、束ね作 業を頗る容易とする様にした投票用紙を提供せんとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来技術に基づく、二つ折りの投票用紙は開票作業時に手間を 要する課題に鑑み、投票用紙に折り目を設け、候補者氏名欄を設けた裏面が現出 する様に折り目で二つ折りすることによって、投票された投票用紙が投票箱内、 或いは開票台上で自然に二つ折り状態から略平面的な一枚の用紙状態、即ち展開 状態に転化する様にして、上記課題を解決せんとしたものである。

【０００８】

【作用】

本考案にあっては、選挙管理人は投票者へ投票用紙を手渡す際に、候補者氏名 欄を設けた裏面を表側にして手渡し、有権者、投票者は投票用紙の候補者氏名欄 に候補者氏名を記入後、かかる候補者氏名欄が内側となる様に二つ折りし、投票 箱へ投入し、投入された投票用紙には二つ折り状態に対する外力がなくなるため に、投票用紙の有する性質により、裏面が現出、露顕する様に展開状態に転化す るのである。

【０００９】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、 １は本考案に係る各種選挙用の投票用紙であり、該投票用紙１には中央部縦方 向に後述する様な折り目２（実際に折った状態及び細線、破線その他で表示した 場合を含む）を設け、投票用紙１の表面３には対象となる選挙名４等を明記し、 裏面５には候補者氏名欄６等を設けている。

【００１０】 そして、上記の折り目２の形成状態としては、投票箱７内に投票用紙１が投入 された時、且つ開票台上で、即ち投票用紙１に対して外力が作用しなくなった時 に、裏面５の左右葉が分離して裏面５の候補者氏名欄６が現出、露顕する様に、 １８０度又は開票作業が容易となる１２０度程度の展開状態となる様にしている 。

【００１１】 そこで、上記投票用紙１又は投票用紙１の折り目２について具体的に例示する と、 先ず、投票用紙１の材質等に関しては厚手の原紙８を使用しており、例えば秤 量７０ｇ／m²以上程度の原紙８が適当であり、第１番目には候補者氏名欄６を設 けた裏面５が現出する様に、表面３の左右葉が面接触する様に投票用紙１を折り 目２で二つ折りし、かかる二つ折り状態を維持する様にその癖を残した状態で保 存、保管し投票者に手渡す様にしている。

【００１２】 次に、第２番目には投票用紙１の裏面５の折り目２に対して罫線入れ加工（筋 押し加工）を行い、候補者氏名欄６を設けた裏面５が現出する様に二つ折りして おり、或いは平面状態で保管して投票者に手渡したり、手渡し時又はその直前に 上記と同様状態で二つ折りしている。

【００１３】 上記折り目２に対する罫線入れ加工において、裏面５の折り目２部で原紙８に 対して凹部９を設ける罫線入れ加工を行うが、表面３側に対しては影響を与えな い状態（図７の(a) 参照）、或いは凸部10（図７の(b) 参照）を形成する様にし ても良い。

【００１４】 又、第３番目には投票用紙１の原紙８自体の材質を改良し、原紙８を貼付した 複数枚の異種材質等の原紙11、11a により形成したり、原紙12に対して樹脂層13 をコーティング、貼付したり、原紙８に樹脂等を含浸（図示せず）させても良く 、かかる原紙８の加工においては折り目２の周辺だけに加工しても良い。

【００１５】 尚、上記の折り目２の形成状態においては、中央部の１本の折り目２だけでな く、図６に例示する様に多段の折り目２を設けても良い。

【００１６】 次に本考案に係る投票用紙の作用について説明すると、 選挙管理人は投票者へ投票用紙１を手渡す際に、候補者氏名欄６を設けた裏面 ５を表側にして手渡し、有権者、投票者は投票用紙１の候補者氏名欄６に候補者 氏名を記入後、かかる候補者氏名欄６が内側となる様に二つ折りし、投票箱７へ 投入し、投入された投票用紙１には二つ折り状態に対する外力がなくなるために 、投票用紙１の有する性質により、裏面５が現出、露顕する様に展開状態に転化 する。

【００１７】 上記の転化作用を発生する投票用紙１の性質において、第１番目の実施例にお いては、投票時とは逆の二つ折り状態で投票前には保管されているために、原紙 ８に対して展開状態となる残留応力、癖、習性を付与しているので、外力がなく なった時には（投票箱７内への投入後、及び開票台上では）原紙８の復元作用に より、例えば１２０度〜１８０度等の二つ折りでない展開状態となる。

【００１８】 又、第２番目の実施例においては折り目２に対する罫線入れ加工の凹部９及び 凸部10の存在により、凹部９単独又は両者形状が協働して復元、拡開作用により 上記と同様に二つ折りでない展開状態となるのであり、更に第１番目の特徴と第 ２番目の特徴を合わせ持った投票用紙１では、両者の作用により上記と同様の展 開状態となる。

【００１９】 又、上記作用と共に、原紙８、11、11a 、12、樹脂層13の材質に起因して材質 の弾性力、弾性差、復元力、その差等の作用により、投票用紙１は上記と同様に 二つ折りでない展開状態となる。

【００２０】

【考案の効果】

要するに本考案は、投票用紙１に折り目２を設け、候補者氏名欄６を設けた裏 面５が現出する様に折り目２で二つ折りしたり、裏面５に罫線入れ加工を施した ので、投票された投票用紙１が投票箱７内、及び開票台上では自然に二つ折りで ない展開状態となり、従来必要であった投票用紙１の展開作業が不要となり開票 作業の大幅なスピードアップを図ることが出来るのである。

【００２１】 又、投票用紙１の原紙８を複数枚の原紙11、11a を貼付して形成したり、投票 用紙１の原紙12に対して裏面５に樹脂層13をコーティング、貼付したり、投票用 紙１の原紙８に対して樹脂等を含浸したので、二つ折り状態から展開状態への転 化が更に確実化出来る等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】投票者への手渡し時の投票用紙の斜視図であ
る。

【図２】投票後における投票用紙の転化時の斜視図であ
る。

【図３】投票箱に投入された投票用紙の転化時を示す説
明段階図である。

【図４】投票用紙の表面図である。

【図５】投票用紙の裏面図である。

【図６】３種類の折り目を示す投票用紙の斜視図であ
る。

【図７】２種類の折り目の罫線入れ加工状態を示し、説
明用に厚手とした投票用紙の斜視図である。

【図８】２種類の折り目の罫線入れ加工状態を示し、説
明用に厚手とすると共に原紙の材質を示す投票用紙の斜
視図である。

【符号の説明】

１ 投票用紙 ２ 折り目 ５ 裏面 ６ 候補者氏名欄 ８ 原紙 11、11a 原紙 12 原紙 13 樹脂層

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 投票用紙に折り目を設け、候補者氏名欄
   を設けた裏面が現出する様に折り目で二つ折りしたこと
   を特徴とする投票用紙。
2. 【請求項２】 投票用紙に折り目を設け、候補者氏名欄
   を設けた裏面に罫線入れ加工を施したことを特徴とする
   投票用紙。
3. 【請求項３】 投票用紙に折り目を設け、候補者氏名欄
   を設けた裏面に罫線入れ加工を施し、裏面が現出する様
   に折り目で二つ折りしたことを特徴とする投票用紙。
4. 【請求項４】 投票用紙の原紙を複数枚の原紙を貼付し
   て形成したことを特徴とする請求項１、２又は３の投票
   用紙。
5. 【請求項５】 投票用紙の原紙に対して裏面に樹脂層を
   コーティング、貼付したことを特徴とする請求項１、２
   又は３の投票用紙。
6. 【請求項６】 投票用紙の原紙に対して樹脂等を含浸し
   たことを特徴とする請求項１、２又は３の投票用紙。