JPH04132894U - 自転車における車輪装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車輪ハブの中空車軸に枢着した軸棒一端に取
付けた偏心カムレバーを回動してそれ自体を枢着または
離脱させ、車輪を迅速にフレームの前両ホークに取付け
または取外し、かつ、走行中震動から車輪が緩んで離脱
しないようにする。 【構成】 自転車の両前ホーク爪部に装着される車輪ハ
ブ及び車軸を一体に組合せ、該車輪ハブの中空車軸に軸
棒（30）を枢着し、該軸棒の一端をスリーブ体（10）内
部空間に嵌入した箇所に、軸向きに直交して偏心カムレ
バー（40）を貫挿枢着し、前記スリーブ体頂端面、及び
それに嵌着した軸棒端部に、軸向きにそれぞれ螺着通孔
（11）と円孔(312) を穿ち、圧着体（20）下端のねじ部
（22）の先端が前記偏心カムレバーのカム部周壁面の凹
み溝に当接するように、前記該螺着通孔と円孔に挿通
し、前記圧着体を適当に回動することから、そのねじ部
を上・下に作動するにともない、上記偏心カムレバーを
適当な角度回動してそれ自体が枢着・離脱可能にされ、
迅速に車輪を装着・分解できる構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自転車における車輪装着装置に関し、特に車輪ハブを容易に自転車前 ホーク先端のつめ部に取付けまたは取外して、車輪を迅速に装着または分解でき る自転車における車輪装着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

現在、一般の自転車の前車輪をフレーム前ホークに装着する場合、二つの方式 があって、その一つは、フレームの両前ホーク先端部にそれぞれ設けられた板状 つめ部の枢着孔に、車輪ハブの軸心棒両端を挿着し、且つ、ナットによって軸心 両端を所定位置に螺着固定するのであるが、このような構成は、車輪ハブを取外 すのに、いちいちそれぞれナットを緩めてから、軸心棒両端を枢着孔から抜き出 して取外すのであり、相当時間がかかり又手間がいるため、現在、比較的高級な 自転車は殆ど使用していない。他の一つは、上記車輪の装着または分解の不便か ら着想されたもので、車輪ハブ及び車輪を一体に組合せ、並びに車体フレームの 両前ホーク先端に一端を開口にした嵌着溝を形成して、車輪軸両端に跨がるよう 嵌着するのであり、ハブは快速に取付け取り外し可能な装着装置を備えている。 即ち、図６に示す如く、該装着装置（１）は、軸向きに車輪ハブの中空車軸に貫 挿する軸棒（２）を備えて、該軸棒両端にそれぞれ調整可能な係着手段を設けて おり、該係着手段は、一端側が軸棒（２）と一体の定着ナット（３）及び他端側 が上記軸棒（２）先端部に冠着するスリーブ体（４）を含み、該スリーブ体（４ ）は直交方向に交差貫設された締付孔より偏心カムレバー（５）によって上記軸 棒（２）から装着・離脱するようにされ、迅速に車輪を取外すことができるよう にしており、そして、該偏心カムレバー（５）の上記スリーブ体（４）に貫挿し た先端に定着リング（６）を嵌着して、偏心カムレバー（５）が容易にスリーブ 体（４）から離脱しないようにされているので、その車輪の装着・分解が迅速と なり、レース中に車輪を屡々取り替えなければならない点から見て、時間を節減 出来て優勝につながる可能性があるから、現在、レース用自転車は殆どこの方式 を採用している。然し乍ら、このように迅速に車輪ハブなどを取外すために構成 された車輪装着装置は、惜しくも自転車走行中に道路コンディションから震動が 生じて該偏心カムレバー（５）が緩み、また、定着リング（６）も容易に緩み落 ちて該偏心カムレバー（５）がスリーブ体（４）から離脱し、更に、車輪ハブも それにつれて緩むと、それが開口状嵌着溝の中に嵌着されていることから、フレ ーム前ホークに車輪を固持する力がなくなり、従って継続的に騎乗すると、勢い 車輪が離脱するような事故が生じ、ライダーの重心が前にのめり込んで傷害を受 け、仮に、自転車の速度がとても速い時には生命まで脅かされる可能性もある。 特に、この車輪の快速装着装置（１）は主としてレース用自転車のために設計さ れたものであるゆえ、高速疾駆している状態で万一車輪が離脱でもしようとなれ ば、ライダーの命まで奪われ兼ねない。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、上記従来の自転車車輪装着装置の問題点に鑑み、車輪ハブ及び車 軸を一体に組合せた、該車輪ハブの中空車軸に貫挿枢着する軸棒に偏心レバーを 取付け、更に、該偏心カムレバーの凹み溝に当接する圧着当接体を設けて、該ハ ブなどの組立機構が容易に緩んで離脱しないようにしてライダーの安全性を保持 し、かつ、車輪の装着・分解を迅速に行ない得る自転車における車輪装着装置を 提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

それ故、この考案は、車輪ハブ及び中空車軸を一体に組合せて、該中空車軸に 、一端に定着ナットを締着した軸棒を貫挿枢着し、該軸棒他端にその直径を横断 する長方形貫挿孔を穿設して、同じくその周壁直径上に枢着孔を穿ったスリーブ 体内部空間に嵌着すると共に、偏心カムレバーをそのカム部が該貫挿孔に対応す るよう該枢着孔に枢着して車輪を装着する構成とし、該偏心カムレバーを回動し てカム部と該貫挿孔との協働によって離脱させ、進んで、該軸棒が上記中空車軸 から離脱して、迅速に車輪を取外せるようにしてなる自転車の車輪装着装置にお いて、

【０００５】 上記スリーブ体頂端面中央に螺着通孔を穿ち、及び上記軸棒他端面に円孔を穿 って、該スリーブ体上面に被着する圧着体下端に形成された突起状ねじ部先端を 、該螺着通孔から挿入して該円孔をへて偏心カムレバーのカム部周壁に穿設され た凹み溝内に挿入圧着するように螺着して、適時に該ねじ部を上・下動すること から、該ねじ部先端を該凹み溝に当接しまたは離れさせ、同時に該偏心カムレバ ーを適当な角度回動して固着・離脱し、迅速に車輪を装着・分解できるようにし て目的を達成する。

【０００６】 そして、上記圧着体下端のねじ部先端に、ねじ紋を螺刻されていない当接部を 形成して、容易に上記凹み溝内に挿入圧着するようにすれば一層好ましくなる。

【０００７】

【作用】

この考案は上記のように構成されたので、該スリーブ体に軸棒を嵌着する時は 、偏心カムレバーを枢着孔及び貫挿孔に挿入枢着した後、偏心カムレバーを適当 な角度に回して、該偏心カムレバーのもっとも出張った周壁面を該貫挿孔内周壁 に圧着当接させ、かつ、圧着体を適当に回動して、該圧着体下端のねじ部先端を 上記軸棒の円孔を通して偏心カムレバーのカム部周壁に穿設された凹み溝に圧着 当接させて不動に定着するのであり、震動によって該偏心カムレバーが緩んで離 脱するようなことがなく、従って、車輪と一体に組合わせられたハブも離脱する ようなことが起こらない。また、上記の操作を逆の順に行なえば、上記カム部の もっとも出張った周壁面が上記軸棒の貫挿孔内周壁に圧接した状態から開放され 、偏心カムレバー、軸棒と順次に離脱させて車輪を迅速に取り外すことができる 。

【０００８】 そして、上記圧着体下端のねじ部先端に、ねじ紋を螺刻されていない当接部を 形成して、容易に上記凹み溝内に挿入圧着するようにすれば、上記圧着体のねじ 部先端の当接部を偏心カムレバーに圧着当接して離脱させない状態がより強化さ れる。

【０００９】 この考案の上記またはその他の目的、特徴および利点は、図画を参照しての以 下の実施例の詳細な説明から一層あきらかとなろう。

【００１０】

【実施例】

図１，２に示すように、この考案の自転車における車輪装着装置は、ほぼ、ス リーブ体（10）、圧着体（20）、軸棒（30）、偏心カムレバー（40）、定着リン グ（50）などから形成され、その中；

【００１１】 上記スリーブ体（10）は、その円筒状底面（10ａ）に開口を備えて、中空内部 に適当な広さの容置空間（10ｂ）を形成し、頂端面中央に螺着通孔（11）を穿っ て、その軸向き外周壁に直径上において互いの中心点が相対するよう大小異なる 二つの枢着孔（12，13）を穿設している。

【００１２】 上記圧着体（20）は、その円盤（21）底面中央部に軸向きに凸伸するねじ棒（ 22）を設けて、上記スリーブ体（10）の螺着通孔（11）に螺着するようにし、か つ、該ねじ棒（22）先端はねじ紋を螺刻されずに当接部(221) を形成する。

【００１３】 上記軸棒（30）は、図４に示す車輪ハブ（35）の中空車軸に貫挿装着される所 定長の細いロッド体であって、その一端を外径が比較的太い嵌着柱体（31）に形 成して上記スリーブ体（10）内の容置空間（10ｂ）に嵌着し、かつ、該嵌着柱体 （31）周壁にその直径を横断して貫挿孔(311) を穿設すると共に、該嵌着柱体（ 31）頂端面に円孔(312) を穿って上記圧着体（20）のねじ棒（22）先端を挿通す るようにし、また、該軸棒（30）他端をねじ端部（32）に形成してナット（Ａ） と強固に螺合できるようにする。

【００１４】 上記偏心カムレバー（40）は、カム部（41）とハンドル部（42）を備えてほぼ “Ｌ”字型の形状をしており、そのカム部（41）は偏心ロッド(411) に設計され て、上記軸棒（30）の嵌着柱体（31）に穿設された貫挿孔(311) 内周壁に緊密に 圧接するようにし、かつ、該偏心ロッド(411) 両端はそれぞれ外径が異なる大・ 小の枢着部(412，413)を設けて、上記スリーブ体（10）の大・小枢着孔（12，13 ）に嵌合枢着するようにし、更に、該カム部（41）周壁に軸向きの凹み溝(414) を設けて、上記圧着体（20）のねじ棒（22）先端の当接部(221) に当接して定着 させるようにする。

【００１５】 上記定着リング（50）は、上記偏心カムレバー（40）のカム部（41）末端に形 成されたリング状嵌着溝（41ａ）に嵌着して、偏心カムレバー（40）が容易にス リーブ体（10）から離脱できないようにする。

【００１６】 そして、図３に示す如く、該スリーブ体（10）に軸棒（30）を緊着する時には 、偏心カムレバー（40）のハンドル部（42）をある程度の角度に回せば、該偏心 カムレバー（40）のカム部（41）が偏心ロッド(411) に設計されていると共に、 両端がそれぞれ外径が異なる大・小の枢着部(412，413)に設けられて、スリーブ 体（10）の大・小枢着孔（12，13）に枢着していることから、そのもっとも出張 った偏心側面(411ａ）を利用して上記軸棒（30）の嵌着柱体（31）に穿設した貫 挿孔(411) 内周壁に圧接（図３（ａ）に示す）して固着させるのであり、この際 、該カム部（41）の凹み溝(414) もちょうど圧着体（20）のねじ部（22）直下に 位置するように設計されているので、該圧着体（20）を回動してそのねじ部（22 ）先端の当接部(221) を該凹み溝(414) に当接圧着させ、このように偏心カムレ バー（40）を緊着した後さらに堅固に定着させることができ、震動による緩み離 脱が生じる現象を避けると共に、車軸ハブ（35）及び車軸などの組合せ機構も離 脱しない。他方、該スリーブ体（10）と軸棒（30）を分解する時には、上記の緊 着操作を逆に行なえば良く、即ち、図３（ｂ）に示すように、上記圧着体（20） を緩め上記偏心ロッド(411) のもっとも出張った偏心側面(411ａ）が上記軸棒（ 30）の嵌着柱体（31）に穿設した貫挿孔(311) 内周壁に圧接した状態を開放すれ ば良い。

【００１７】 更に、この考案における車輪ハブ（35）の装着表示図である図４に示す如く、 該車輪ハブ（35）両端縁にはそれぞれカップ体（36）が設けられて車輪のスポー ク(361) を装着し、かつ、それぞれカップ体（36）の外側はフレームの両前ホー ク（37）を固着するのに使われ、その為、この考案を装着した自転車は車輪の取 付けや取り外しが迅速容易となる。

【００１８】 他に、強調したいのは、この考案はシートポスト（60）に応用してもよく、図 ５に示すように、迅速にサドル（Ｂ）の高低を調整でき、取り外し交換すること ができる。

【００１９】

【考案の効果】

上記のように構成されたこの考案は、該スリーブ体に軸棒を嵌着する時は、偏 心カムレバーを枢着孔及び貫挿孔に挿入枢着した後、偏心カムレバーを適当な角 度に回して、該偏心カムレバーのもっとも出張った周壁面を該貫挿孔内周壁に圧 着当接させ、かつ、圧着体を適当に回動して、該圧着体下端のねじ部先端を上記 軸棒の円孔を通して偏心カムレバーのカム部周壁に設けた凹み溝に圧着当接させ て不動に定着するのであり、震動によって該偏心カムレバーが緩んで離脱するよ うなことがなく、従って、車輪と一体に組合わせられた車輪ハブも離脱するよう なことが起こらない。即ち、道路コンディションによる震動から車輪が緩み離脱 するような現象が生じないので、ライダーの安全性が保持される。また、上記の 操作を逆の順に行なえば、上記カム部のもっとも出張った周壁面が上記軸棒の貫 挿孔内周壁に圧接した状態から開放され、偏心カムレバー、軸棒と順次に離脱さ せて車輪を迅速に取り外すことができる。

【００２０】 そして、上記圧着体下端のねじ部先端に、ねじ紋を螺刻されていない当接部を 形成して、容易に上記凹み溝内に挿入圧着するようにすれば、上記圧着体のねじ 部先端の当接部を偏心カムレバーに圧着当接して離脱させないことがより強化さ れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施例の分解立体図である。

【図２】この考案の実施例の組立て断面図である。

【図３】この考案の作動状態を示し、（ａ）はこの考案
の緊着状態表示図、（ｂ）はこの考案の開放状態表示図
である。

【図４】この考案の装置を車輪ハブに装着した表示図で
ある。

【図５】この考案の装置をシートポストに装着した表示
図である。

【図６】従来の車輪装着、分解装置の分解立体図であ
る。

【符号の説明】

10…スリーブ体 11…螺着通孔 12，13…枢着孔 20…圧着体 22…ねじ部 221 …当接部 30…軸棒 311 …貫挿孔 312 …円孔 40…偏心カムレバー 414 …凹み溝 50…定着リング Ａ…定着ナット

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車輪ハブ及び中空車軸を一体に組合せ
   て、該中空車軸に、一端に定着ナット（Ａ）を締着した
   軸棒（30）を貫挿枢着し、該軸棒（30）他端にその直径
   を横断する長方形貫挿孔(311) を穿設して、同じくその
   周壁直径上に枢着孔（12，13）を穿ったスリーブ体（1
   0）内部空間に嵌着すると共に、偏心カムレバー（40）
   をそのカム部（41）が該貫挿孔(311) に対応するよう該
   枢着孔（12，13）に枢着して車輪を装着する構成とし、
   該偏心カムレバー（40）を回動してカム部（41）と該貫
   挿孔(311) との協働によって離脱させ、進んで、該軸棒
   （30）が上記中空車軸から離脱して、迅速に車輪を取外
   せるようにしてなる自転車の車輪装着装置において、上
   記スリーブ体（10）頂端面中央に螺着通孔（11）を穿
   ち、及び上記軸棒(30)他端面に円孔(312) を穿って、該
   スリーブ体（10）上面に被着する圧着体（20）下端に形
   成された突起状ねじ部（22）先端を、該螺着通孔（11）
   から挿入して該円孔（312)をへて偏心カムレバー（40）
   のカム部（41）周壁に穿設された凹み溝(414) 内に挿入
   圧着するように螺着して、適時に該ねじ部（22）を上・
   下動することから、該ねじ部（22）先端を該凹溝(414)
   に当接しまたは離れさせ、同時に該偏心カムレバー（4
   0）を適当な角度回動して固着・離脱し、迅速に車輪を
   装着・分解できるようしてなる自転車における車輪装着
   装置。
2. 【請求項２】 上記着体（20）下端のねじ部（22）先端
   に、ねじ紋を螺刻されていない当接部(221) を形成し
   て、容易に上記凹み溝(414) 内に挿入圧着するようにし
   てなる請求項１記載の自転車における車輪装着装置。