JPH04130400U - トンネル内壁材貼着型枠装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 型枠の拡縮及びトンネル壁面に対する型枠調
整を自動的かつ能率的に行ない，大幅な工期短縮を図
る。 【構成】 トンネル壁面２Ａに多数の内壁材３を貼着す
る型枠７が複数に分割（７Ａ，７Ｂ，７Ｃ）されると共
に，移動式架構６に伸縮自在な油圧シリンダ式支持体
８，９，１０を介して装着されている型枠装置であっ
て，前記油圧シリンダ式支持体８，９，１０はロック機
構を備え，上部の支持体８は水平方向調整シリンダ１１
を介して架構６に支持されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，トンネル壁面に内壁材を貼着するための型枠装置に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来，この種型枠装置としては，型枠が少くとも周方向に複数分割されると共 に，トンネル内に敷設されたレール上を走行する移動式門形架台に，ターンバッ クルからなる手動式ねじ調整機構付支持体を介して装着され，レールの蛇行に伴 なう型枠のトンネル壁面に対する位置調整を前記支持体を伸縮させることにより 行ないうるように構成されたものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで，従来の上記型枠装置では，レールの蛇行に伴なう型枠のトンネル壁 面に対する位置調整及び型枠自体のたわみ調整を，手動により夫々個別に行なっ ているため，非常に多くの時間を要し，極めて能率が悪いという問題がある。

【０００４】 本考案は，上述のような実状に着目して案出されたもので，その目的とすると ころは，型枠の拡縮及びトンネル壁面に対する型枠調整を自動的にかつ能率的に 行ない，大幅な工期短縮を図ることが可能なトンネル内壁材貼着型枠装置を提供 するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では，上記目的を達成するために，次の技術的手段を講じた。 即ち，本考案は，トンネル壁面に多数の内壁材を貼着する型枠が，複数に分割 されると共に，移動式架構に伸縮自在な支持体を介して装着されている型枠装置 において，前記支持体はロック機構付油圧シリンダを備え，少くとも上部の支持 体は水平方向調整シリンダを介して前記架構に支持されている点に特徴がある。

【０００６】

【作用】

本考案によれば，型枠外周面に内壁材を仮保持した状態で，各型枠を支える支 持体の油圧シリンダ内に圧力油を供給して支持体を伸長させ，内壁材をトンネル 壁面に押し付け，その時のたわみ入力信号によって，対応する油圧シリンダが自 動的に操作され，たわみ調整が行なわれると共に，レール蛇行入力信号によって 対応する水平方向調整シリンダが自動的に操作されて，上部支持体と移動式架構 との位置調整が行なわれる。このようにして，各内壁材は型枠によって均等な圧 力で押圧されて貼着され，貼着完了後，各支持体の油圧シリンダが自動的に操作 されて支持体が縮小され，内壁材から型枠が離れる。次いで，移動式架構がトン ネル軸線方向に所定量移動され，型枠に内壁材が仮保持されて前述の操作が繰返 される。

【０００７】

【実施例】

以下，本考案の実施例を図面に基づき説明する。 図面において，（１）はトンネルライニングセグメント，（２）はセグメント （１）の内面に施工されたコンクリート壁，（３）はトンネルコンクリート壁面 （２Ａ）に貼着された内壁材，（４）はトンネル底盤，（５）は左右一対のレー ル，（６）は移動式架構で前記レール（５）上をトンネル軸線方向に移動自在と されており，型枠（７）が支持体（８），（９），（１０）を介して前記架構（ ６）に支持されている。そして，上部支持体（８）は，レール（５）の蛇行に伴 なう型枠（７）の位置調整を行なうための水平方向調整シリンダ（１１）を介し て前記架構（６）に，水平方向移動可能に支持されている。

【０００８】 前記内壁材（３）は，所定形状・寸法の平板状部材（例えば金属製板材）から なり，予め多数がブロックとしてシート材にその表面側が仮貼着されている。 前記移動式架構（６）は，左右の支柱（１２）群と，支柱（１２）の上端を連 結する連結梁（１３）群と，支柱（１２）及び連結梁（１３）群を相互に連結す る連結桁（図示省略）とにより，略門形に形成され，各支柱（１２）下端に設け られた車輪（１４）が前記レール（５）上に載せられている。 前記型枠（７）は，上部型枠（７Ａ）と，左右の側部型枠（７Ｂ），（７Ｂ） と，左右の下部型枠（７Ｃ），（７Ｃ）とからなり，相互にヒンジ（１５），（ １６）を介して連結され，拡縮可能に構成されている。

【０００９】 前記上部支持体（８）は，図２で示すように，ロック機構付油圧シリンダ（１ ７）を介して前記水平方向調整シリンダ（１１）に載架支持されている。この油 圧シリンダ（１７）は，シリンダ本体（１８）と，ピストン（１９）と，ピスト ンロッド（２０）と，ピストン（１９）の外周に取付けられた無圧ロック方式の ロックスリーブ（２１）と，ピストンロッド（２０）下端に固着された載架金物 （２２）とから成り，アンロック用油路（２３）がピストンロッド（２０）の外 端部からピストン（１９）及びロックスリーブ（２１）を貫通して設けられ，ロ ックスリーブ（２１）とシリンダ本体（１８）内面との間にアンロック用圧力油 を供給することにより，ピストン（１９）がシリンダ本体（１８）に対してアン ロックされるようになっている。

【００１０】 前記支持体（９），（１０）は，水平ピン（２４），（２５）を介して上下揺 動可能に型枠（７Ｂ），（７Ｃ）及び架構（６）に連結され，図３に示すように ロック機構付油圧シリンダからなっている。このロック機構付油圧シリンダは， シリンダ本体（２６）と，ピストン（２７）と，ピストンロッド（２８）と，ピ ストン（２７）外周面に外嵌された無圧ロック方式のロックスリーブ（２９）と ，シリンダカバー（３０），（３１）と， 両カバー（３０），（３１）を連結 するタイロッド（３２）とから成り，アンロック用油路（３３）がピストンロッ ド（２８）外端からピストン（２７）及びロックスリーブ（２９）を貫通して設 けられ，ロックスリーブ（２９）とシリンダ本体（２６）内面との間にアンロッ ク用圧力油を供給することにより，ピストン（２７）がシリンダ本体（２６）に 対してアンロックされるようになっている。なお，（３４）はピストンロッド外 端金物である。

【００１１】 前記水平方向調整シリンダ（１１）は，両ロッド形複動油圧シリンダから成り ，図２に示すように，シリンダ本体（３５）と，ピストン（３６）と，両ピスト ンロッド（３７），（３８）と，シリンダ取付フレーム（３９）とから成り，該 フレーム（３９）が移動式架構（６）の連結梁（１３）両端上面に支柱（１２） 直上に位置してボルト（４０）等により固定され，前記両ピストンロッド（３７ ），（３８）の外端が前記フレーム（３９）に支持されナット（４１）により固 定されており，シリンダ本体（３５）の中央上に前記支持体（８）の載架金物（ ２２）が跨架状に取付けられている。そして，両ロッド（３７），（３８）に外 端から各油室に圧力油を供給する油路（４２），（４３）が設けられている。

【００１２】 図４は，油圧回路図で，切換電磁弁（４４）とカウンターバランス弁（４５） とからなる上部支持体（８）の上下調整用油圧回路（４６）と，切換電磁弁（４ ７）とパイロットチェック弁（４８）とからなる水平方向調整シリンダ用油圧回 路（４９）と，切換電磁弁（５０）とパイロットチェック弁（５１）及び圧力ス イッチ（５２）とからなる上下調整用アンロック回路（５３）と，切換電磁弁（ ５４）とパイロットチェック弁（５５）及び流量制御弁（５６）とからなる支持 体（９），（１０）の左右調整用油圧回路（５７）と，切換電磁弁（５８）とパ イロットチェック弁（５９）及び圧力スイッチ（６０）からなる支持体（９）， （１０）のアンロック回路（６１）と，油圧ポンプ（６２），（６３）等から構 成されている。

【００１３】 上記実施例において，各支持体（８），（９），（１０）の油圧シリンダ（１ ７），水平方向調整シリンダ（１１）の操作は，電磁弁（４４），（４７），（ ５０），（５４），（５８）を順次コンピュータによって開閉制御することによ り行なわれ，左右の各シリンダの圧力差によって，各支持体（８），（９），（ １０）の位置調整が行なわれ，型枠（７Ａ），（７Ｂ），（７Ｃ）のたわみ取り が行なわれると共に，レール（５）の蛇行に伴なう型枠（７）の位置調整も同時 にかつ自動的に行なわれる。 なお，ロックスリーブ（２１）及び（２９）のアンロック状態検出は圧力スイ ッチ（５２），（６０）により行なわれ，アンロック検出後に各シリンダ（１７ ）及び各支持体（９），（１０）の伸縮操作が開始されるようになっている。 本考案は，上記実施例に限定されるものではなく，適宜設計変更することがで きる。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は，上述のように，トンネル壁面に多数の内壁材を貼着する型枠が，複 数に分割されると共に，移動式架構に伸縮自在な支持体を介して装着されている 型枠装置において，前記支持体はロック機構付油圧シリンダを備え，少くとも上 部の支持体は水平方向調整シリンダを介して前記架構に支持されているので，型 枠の拡縮及びトンネル壁面に対する型枠調整を自動的にかつ能率的に行ない，ト ンネルの蛇行に伴なう位置調整はもとより型枠のたわみ取りをも容易に行なうこ とができ，大幅な工期短縮と省力化を図ることが可能である。また，支持体の油 圧シリンダはロック機構を備えているので，位置調整後の狂いがなく精度を確保 し，かつ安全性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正面図である。

【図２】上部支持体及び水平方向調整シリンダを示す一
部破断正面図である。

【図３】側部及び下部支持体の一部破断正面図である。

【図４】油圧回路図である。

【符号の説明】

（２） コンクリート壁 （２Ａ） トンネル壁面 （３） 内壁材 （６） 移動式架構 （７） 型枠 （８） 上部支持体 （９） 側部支持体 （１０） 下部支持体 （１１） 水平方向調整シリンダ （１７） ロック機構付油圧シリンダ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 トンネル壁面に多数の内壁材を貼着する
   型枠が，複数に分割されると共に移動式架構に伸縮自在
   な支持体を介して装着されている型枠装置において，前
   記支持体はロック機構付油圧シリンダを備え，少くとも
   上部の支持体は水平方向調整シリンダを介して前記架構
   に支持されていることを特徴とするトンネル内壁材貼着
   型枠装置。