JPH04128704U - 脳波測定用プローブ装着具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】いずれの被検者の頭部にも完全にフィットして
大きさの異なるものを数多く用意する必要がなく、長時
間被っても疲労せず、仰臥して測定する際に苦痛を感じ
ることもない脳波測定用プローブ装着具を提供する。 【構成】脳波測定用プローブ３が装着され、剛性頭覆い
部材１を頭部に被って脳波を測定するプローブ装着具に
おいて、剛性頭覆い部材１の内面に空気を充填すると膨
大するチューブ２を取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、脳波測定用のプローブ装着具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

脳波を測定するためには、頭部の所定部位に例えば２１個もの数多くの脳波 電極を装着しなければならない。このとき、頭部の皮膚と電極間のインピーダン スや電位差を小さくするために、両者の接触を確実にする必要があり、従来は、 例えば銀板からなる電極の表面に導電用の銀ペーストを塗リ付け、これを１枚ず つ、粘着剤が塗布されたテープにて脳波測定点の頭部の皮膚に貼り付けていた。 従って、測定を開始するまでに２〜３時間の準備作業を要するとともに、銀板の 着脱時に、被検者に少なからず苦痛を与えていた。そして、銀板を除去した後に 頭部を洗浄して銀ペーストを取り除く必要があった。また、電極の銀板は１cm² 程度の大きさがあり、ペーストを介して貼り付けても、その間に不純物が介在し やすく、従って、測定が不正確になりやすいが、更には頭部の皮膚が角質化して いると、頭部の皮膚と電極間のインピーダンスや電位差が大きくなって正確な測 定が困難である不具合があった。

【０００３】 そこで、例えば銀ー塩化銀からなる脳波電極と塩化カリなどの電解液を内蔵す る脳波測定用プローブを使用し、プローブ先端から突出して電解液が滲出するチ ップを頭部の脳波測定点に接触させて脳波を測定することが検討されている。こ の電解液による脳波測定方式は、所定個数のプローブが取り付けられたナイトキ ャップ状やヘルメット状のプローブ装着具を被検者の頭部に被せ、複数個のプロ ーブのチップを同時に頭皮に接触させて脳波を測定する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、被検者の頭部は、その大きさや形状はさまざまであるので、剛性帽 子であるヘルメットタイプのプローブ装着具の場合は、大きさの異なるものを多 数用意する必要がある。また、ワイヤーなどで構成されて大きさが調整可能なナ イトキャップタイプのプローブ装着具の場合でも、その大きさの調整に手間を要 している。更には、頭部の形状は意外に複雑であるので、いずれのタイプにして も頭部に完全にはフィットせず、長時間被っていると疲労感を覚える不具合があ る。また、仰臥して測定する際に、プローブ装着具やプローブ自体が頭部に強く 当たり、苦痛を感じることがある。そこで本考案は、いずれの被検者の頭部にも 完全にフィットして大きさの異なるものを数多く用意する必要がなく、長時間被 っても疲労せず、仰臥して測定する際に苦痛を感じることもない脳波測定用プロ ーブ装着具を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するため、本考案は、脳波測定用プローブが装着され、剛性 頭覆い部材を頭部に被って脳波を測定するプローブ装着具において、剛性頭覆い 部材の内面に空気を充填すると膨大するチューブを取り付ける。

【０００６】

【作用】

すなわち、かかるプローブ装着具を被検者の頭部に被せてから剛性頭覆い部材 の内面に取り付けられたチューブに空気を充填して膨張させると、頭部の大きさ や形状の差異にかかわらず完全にフィットする。従って、大きさの異なるものを 数多く用意する必要がなく、かつ長時間被っても疲労せず、更には空気の充填さ れたチューブがクッションとして働くので仰臥して測定する際に苦痛を感じるこ ともない。

【０００７】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図２は、硬質の 合成樹脂で成形されたヘルメットタイプの剛性頭覆い部材１を示すが、所定数、 例えば２１個のプローブ取付孔 11 が所定箇所に穿設されている。図３は、可撓 性に富んだ合成樹脂で成形されたチューブ２を示す。つまり、例えば４本の環状 チューブが連結されたものであり、逆止弁を内蔵した吹込み口 21 から空気を吹 き込んで充填すると膨大する。そして、このチューブ２が剛性頭覆い部材１の内 面に取り付けられている。

【０００８】 しかして、プローブ取付孔 11 にプローブ３を取り付け、剛性頭覆い部材１を 被検者の頭部に被せる。そして、チューブ２に空気を充填するとチューブ２が膨 大し、図１に示すように、チューブ２が頭部に圧接するが、チューブ２は可撓性 に富んでいるので、頭部の大きさや形状の差異にかかわらず頭部に完全にフィッ トする。これと同時に、プロー部３先端のチップが頭皮に接触し、チップから電 解液が滲出して正確に脳波を測定することができる。このように、被検者の頭部 の大きさや形状の差異にかかわらず頭部に完全にフィットするので、大きさの異 なる剛性頭覆い部材１を数多く用意する必要がなく、かつ長時間被っていても疲 労感がない。また、仰臥して測定する際に、チューブ２がクッションとして働く ので苦痛を感じない。

【０００９】 剛性頭覆い部材１はヘルメットタイプに限られず、例えば図４に示すように、 鉢巻きタイプの剛性頭覆い部材１であってもよい。この剛性頭覆い部材１に、２ 本の平行なワイヤーからなる円弧状のホルダー保持バンド４が３本取り付けられ ており、ホルダー保持バンド４にプロープが装着されるホルダー５が所定数取り 付けられている。なお、図４ではホルダー５は１個のみ図示した。そして、剛性 頭覆い部材１の内面に環状のチューブ２を取り付ける。この実施例においても、 前記と同様に剛性頭覆い部材１を被検者の頭部に被せ、チューブ２に空気を充填 すると、頭部の大きさや形状の差異にかかわらず頭部に完全にフィットし、同じ 効果を得ることができる。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の脳波測定用プローブ装着具は、剛性頭覆い部材 の内面に空気を充填すると膨大するチューブを取り付けたので、プローブ装着具 を被検者の頭部に被せ、剛性頭覆い部材の内面に取り付けられたチューブに空気 を充填して膨大させると、頭部の大きさや形状の差異にかかわらず完全にフィッ トする。従って、大きさの異なる剛性頭覆い部材を数多く用意する必要がなく、 長時間被っても疲労せず、空気が充填されたチューブがクッションとして働くの で仰臥して測定する際にも苦痛を感じない。

【提出日】平成３年７月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】

【従来の技術】

脳波を測定するためには、頭部の所定部位に例えば２１個もの数多くの脳波 電極を装着しなければならない。このとき、頭部の皮膚と電極間のインピーダン スや電位差を小さくするために、両者の接触を確実にする必要があり、従来は、 例えば銀板からなる電極の表面に導電用の銀ペーストを塗リ付け、これを１枚ず つ、粘着剤が塗布されたテープにて脳波測定点の頭部の皮膚に貼り付けていた。 従って、測定を開始するまでに３０分程度の準備作業を要するとともに、銀板の 着脱時に、被検者に少なからず苦痛を与えていた。そして、銀板を除去した後に 頭部を洗浄して銀ペーストを取り除く必要があった。また、頭部の皮膚が角質化 しているため、頭部の皮膚と電極間のインピーダンスが大きくなって正確な測定 が困難である不具合があった。

【図面の簡単な説明】

【図１】使用状態の説明図である。

【図２】剛性頭覆い部材の斜視図である。

【図３】チューブの斜視図である。

【図４】他の実施例の説明図である。

【符号の説明】

１ 剛性頭覆い部材 １１ プローブ取付孔 ２ チューブ ２１ 吹込み口 ３ プローブ ４ ホルダー保持バンド ５ ホルダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 脳波測定用プローブが装着され、剛性頭
   覆い部材を頭部に被って脳波を測定するプローブ装着具
   において、剛性頭覆い部材の内面に空気を充填すると膨
   大するチューブが取り付けられたことを特徴とする脳波
   測定用プローブ装着具。