JPH0412419Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動車等の計器に係り、特にケース
内に収納されたメータの表示部を覆う透明な保護
カバーを上記ケースの前面側から組み込み、上記
表示部の周辺をケースの前面側より覆う装飾部材
と上記保護カバーとの当接部を溶着して保護カバ
ーと装飾部材とを一体化する構造の計器の保護カ
バー装置に関する。

〔従来の技術〕

従来から、自動車等の計器において、表示部の
周辺を前面側より覆う装飾部材を有するメータを
ケース内に収納し、上記表示部を透明な保護カバ
ーで覆うことが行われており、欺かる保護カバー
の取り付け方として、保護カバーの前面側よりケ
ース側に螺入されるねじによる締め付けや、保護
カバーの周辺部をケースと上記表示部の周辺の装
飾部材との間に挟持する手段等が採用されてい
る。

しかし、欺かる保護カバーの取り付け手段とし
て、ねじによる場合は、作業性が極めて悪く、ま
たねじ等の部品数が増加して、製造コストが上昇
してしまうという不都合があり、また、保護カバ
ー挟持する場合は、保護カバーの周辺部を挟持可
能に形成する必要があり、保護カバーの構造が複
雑となり、保護カバーの加工が困難であるという
不都合がある。

そこで、従来より、メータを収納したケースの
前面側から保護カバーを組み込み、メータの表示
部の周辺を覆う装飾部材と保護カバーとの当接部
を熱溶着して保護カバーと装飾部材とを一体化
し、これにより保護カバーを取り付けることが行
われている。

第１図及び第２図は、欺かる計器の保護カバー
装置を示したもので、自動車等の計器は、スピー
ドメータ１、タコメータ２、燃料メータ３等が１
つのケース４内に収納され、パネル５に固定され
ている。また、第２図に示したように、計器の駆
動部６と、表示部７と、計器を収納する上記ケー
ス４と、表示部７の表面を保護する透明な材料か
らなる保護カバー８と、上記表示部７の周辺をケ
ース４の前面側より覆う装飾用の見返し部材９と
を備えており、上記保護カバー８の周辺部を上記
見返し部材９に対し前面側から当接し、この当接
部を複数箇所で部分的に超音波溶着して、保護カ
バー８を取り付けるようになつている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来の計器の保護カバー装置にお
いては、上記保護カバー８と見返し部材９との溶
着部がその周辺全周ではなく部分的なスポツト状
であり、製造される計器ごとに上記溶着部の溶融
程度のばらつきがあるために、製品ごとに保護カ
バー８の表面側から、この溶着部が様々な不規則
な模様となつて現れ、外観を損ね、この製品ごと
のばらつきによりデザイン上の完成度が低い計器
となつてしまうという不都合があつた。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、製
品ごとの溶着状態のばらつきを外部から目立たな
いようにし、外観に優れ、デザイン上の完成度が
高い計器を可能とした計器の保護カバー装置の提
供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために本考案に係る計器の
保護カバー装置は、ケース内に収納されたメータ
の表示部を覆う透明な保護カバーと、上記表示部
の周辺をケースの前面側より覆う装飾部材とを有
し、上記保護カバーの周辺部を上記装飾部材に対
し前面側から当接し、この当接部を複数箇所で部
分的に熱溶着して保護カバーとを一体化した計器
の保護カバー装置において、上記保護カバーと装
飾部材との溶着部に対応した保護カバーの表面
に、上記溶着部を覆う粗面を形成したことをその
特徴とするものである。

〔作用〕

本考案によれば、保護カバーと装飾部材との溶
着部に対応した保護カバーの表面に、上記溶着部
を覆う粗面を形成したので、粗面による光の乱反
射で外方からは溶着部がほとんど認識できないよ
うになり、また、形成される粗面が全ての製品に
ついて同様となるようにすることで、外観的にも
良好で、デザイン上完成度の高い計器とすること
ができるものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第３図及び第４図を参
照して説明し、従来と同一部分には同一符号を付
す。

第３図は本考案実施例の腰部を示す断面図であ
り、アクリル透明樹脂にて形成された保護カバー
８の周辺部は、計器の表示部７の周辺をケース４
の前面側より覆う見返し部材９に対し前面側から
当接するようになつており、この当接部において
複数箇所で部分的に超音波溶着されて、保護カバ
ー８と見返し部材９とが一体化されている。ま
た、上記見返し部材９の後面は、計器の駆動部６
を収納するケース４の周縁に固定されている。

保護カバー８と見返し部材９との溶着部１０の
構造をさらに詳細に説明すると、保護カバー８の
周辺部は屈曲部８ａを有し、屈曲部８ａの後面に
溶着用の突起８ｂを備え、一方見返し部材９は外
周壁９ａと、外周壁９ａの内側に形成した見返し
部９ｂとを有し、見返し部９ｂの前面には上記突
起８ｂと接触する面９ｃを形成しているものであ
る。

そして、上記突起８ｂと面９ｃとで形成する溶
着部１０の前面側に位置する上記保護カバー８の
外周部表面を平面状とし、ここにシボ模様等の粗
面８ｃを形成している。

第４図は上記溶着部１０を前方から見た部分拡
大図であり、溶着部１０は保護カバー８の周辺上
にスポツト的に複数箇所形成されるが、上記保護
カバー８の表面の外周部全周にわたつて設けた粗
面８ｃによりこの溶着部１０は覆われ、粗面８ｃ
による光の乱反射で外方からは溶着部１０をほと
んど認識できないようになつている。そして、こ
の粗面８ｃは、全ての製造される計器に同様に形
成されるものであり、製品ごとに粗面の状態がば
らつくものではない。

なお、粗面８ｃは少なくとも溶着部を覆えばよ
く、保護カバー８の外周に沿つて適宜模様を変化
させたり、スポツト状に配することもできる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る計器の保護カバ
ー装置は、保護カバーと装飾部材との溶着部に対
応した保護カバーの表面に、上記溶着部を覆う粗
面を形成したから、製品ごとの溶着部の変形、形
状のばらつき等を外方から認識し難くすることが
でき、かつ、形成される粗面が全ての製品につい
て同様になることで、外観的にも良好で、デザイ
ン上完成度の高い計器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車等の計器の正面図、第２図は第
１図の計器のＡ−Ａ線断面図、第３図は本考案実
施例の要部の断面図、第４図は本考案実施例の要
部の平面図である。 ７……表示部、８……保護カバー、８ｃ……粗
面、９……見返し部材、１０……溶着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース内に収納されたメータの表示部を覆う透
   明な保護カバーと、上記表示部の周辺をケースの
   前面側より覆う装飾部材とを有し、上記保護カバ
   ーの周辺部を上記装飾部材に対し前面側から当接
   し、この当接部を複数箇所で部分的に熱溶着して
   保護カバーと装飾部材とを一体化した計器の保護
   カバー装置において、 上記保護カバーと装飾部材との溶着部に対応し
   た保護カバーの表面に、上記溶着部を覆う粗面を
   形成したことを特徴とする計器の保護カバー装
   置。