JPH04120298U - フエライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法 - Google Patents

フエライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法

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JPH04120298U
JPH04120298U JP4179791U JP4179791U JPH04120298U JP H04120298 U JPH04120298 U JP H04120298U JP 4179791 U JP4179791 U JP 4179791U JP 4179791 U JP4179791 U JP 4179791U JP H04120298 U JPH04120298 U JP H04120298U
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radio wave
ferrite
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thickness
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JP4179791U
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洋司 小塚
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学校法人東海大学
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 同じ組成の電波吸収材を使用しても、整合周
波数帯域よりも広帯域で使用できるとともに電波吸収特
性を変化させ得るようにする。 【構成】 フェライト電波吸収材の厚みを本来の整合厚
さよりも薄くする一方、該フェライト電波吸収材に電波
進行方向と一致する方向の直流磁界を印加して整合周波
数帯域を任意周波数に変更させたり、またフェライト電
波吸収材の厚みを変化させるに伴って印加する前記直流
磁界も変化させるようにしている。また、フェライト電
波吸収材の電波入射面の反対側の面に、電波進行方向と
一致する方向の直流磁界を前記フェライト電波吸収材に
印加する電磁石を設け、電磁石のオンオフによって整合
特性と非整合特性とを切替えるようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は電波吸収体の電波吸収特性の改良に関する。更に詳述すると本考案は 、フェライト組成を変更せずにフェライト電波吸収体の電波吸収特性を変更する 方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フェライトを用いる電波吸収体としては、図3に示すように、電波吸収 材料としてのソフトフェライト1をタイル状、またはシート状に製造し、これに 金属板2を裏打ちして成る。このフェライト電波吸収体の電波吸収特性は、フェ ライト材の材質に左右されることから、従来にあっては電波吸収特性を改善する ために種々の材料が組成面から検討されている。
【0003】 この特性のうち、特に電波を吸収することができるフェライト材の厚さ、すな わち整合厚は、材料組成の混合割合、温度、圧力等の焼成条件等によって、その 材料固有の厚さが定まり、整合周波数に対して、これ以上薄くすることができな いという一定の限界が存在していた。例えば、通常の多結晶フェライトをUHF 帯で使用する場合の平均整合厚は、約6〜8mm程度である。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、この6〜8mmの厚さのフェライトの吸収体をビルの壁面等に実 装することを考えると、剥離し落下する危険性があることから実用上問題がある 。そこで、この重量を軽くする必要があり、整合厚をできるだけ薄くすることが 望まれているにもかかわらず、従来一般に実用に供されているものは尚その整合 厚が厚すぎるという欠点を有していた。また、従来の電波吸収体は材質によって その整合特性が決められてしまうという欠点を有する。即ち、1つの組成のフェ ライトからは1つの整合厚さ、整合周波数しか得られないため、例えば整合周波 数帯域を変更したり、電波を吸収したりしなかったりといった切替えもできなか った。このため、吸収しよとする電波毎にフェライトを開発したり、ある程度吸 収能が落ちることを前提にして既存のフェライト電波吸収材を使用せざるを得な かった。
【0005】 本考案は同じ組成の電波吸収材で広帯域に使用できるフェライト電波吸収体の 電波吸収特性の変更方法を提供することを目的とする。また、本考案は、フェラ イト電波吸収体の電波吸収特性を、そのフェライト電波吸収体の組成から定まる 整合厚さより薄い整合厚さでかつ必要に応じて電波を吸収し得るように変化させ 得る電波吸収特性変更方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本考案のフェライト電波吸収体の電波吸収特性変 更方法は、フェライト電波吸収材の厚みをその組成から定まる本来の整合厚さよ りも薄くする一方、該フェライト電波吸収材に電波進行方向と一致する方向の直 流磁界を印加して整合周波数帯域を任意周波数に変更させるようにしている。
【0007】 また、本考案のフェライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法は、前記フェラ イト電波吸収材の厚みを変化させるに伴って印加する前記直流磁界も変化させる ようにしている。
【0008】 また、本考案のフェライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法は、フェライト 電波吸収材の電波入射面の反対側の面に、電波進行方向と一致する方向の直流磁 界を前記フェライト電波吸収材に印加する電磁石を設け、前記電磁石の制御によ って磁界強度を変化させ、電波吸収を可変にするようにしている。
【0009】 また、本考案のフェライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法は、前記フェラ イト電波吸収材は直流磁界を印加しないときには非整合厚さとなる厚みで前記電 磁石のオンオフによって整合特性と非整合特性とを切替えるようにしている。
【0010】
【作用】
したがって、フェライト電波吸収材に常時印加される直流磁界によってスピン が制御され、電波エネルギーが効率的に熱に変えられて吸収される。そして、こ の直流磁界並びにフェライト電波吸収材の厚さの変化によってスピン制御量が変 化するため、整合周波数並びに電波吸収量が変化する。
【0011】
【実施例】
以下、本考案の構成を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
【0012】 図1に本考案を具体化した電波吸収体の一例を斜視図で示す。この電波吸収体 はサマリウムコバルト磁石のような強い磁石板3即ち磁束密度の大きな磁石板を フェライト電波吸収材(以下フェライトと略称する)4の背面に密着し、フェラ イト4を磁化した実施例である。該図において、4は磁石3によって磁化された フェライト、5は磁化された状態のフェライトを吸引することができる鉄材等を 使用した導体板である。尚、サマリウムコバルト磁石はそれ自体が導電性を有す ることから、導体板としての鉄板5は場合によっては無くとも良い。
【0013】 本実施例で用いる磁化フェライト4は、磁石板3によって直流磁界を電波進行 方向と一致させて印加するようにしているが、電磁石や硬磁性材料を使用するこ とも可能である。例えば、フェロクスプレーナ(オランダのフィリップス社製品 :硬磁性材料)を用いる場合、直流磁界を着磁した後の保持している磁界によっ て決まる一定の定在波特性VSWRを有する電波吸収体が構成できる。この場合 、電波吸収材としてのフェライト4自体があらかじめ直流磁界によって着磁され ているため、フェライト4の背面側に磁石板3を貼着する必要はない。また磁石 板3に代えて電磁石を採用すれば、直流磁界を印加した場合のみ、その磁界に対 応した定在波特性VSWRを示す電波吸収体が構成できる。即ち、電波吸収能を なくしたり、磁界強度をコントロールすることによって吸収特性をコントロール することができる。更に、電磁石の制御を単にオンオフだけでなく、直流磁界強 度を可変とするような通電制御とすれば、VSWR特性が変化する。例えば、図 2に示すように、2〜3mmの厚さでは、従来、整合特性が全く得られなかった( VSWRが1,2以上であったということ)フェライトに対し、直流磁界を加え ると、即ち磁界強度を0から750ガウス(Guss)程度に変化させると、整 合特性が得られるようにVSWR特性が全体に変化した。したがって、着磁磁束 密度あるいはフェライトの背面の磁石板3の磁界の強さを変えることによって異 なる定在波特性VSWRを示す吸収体が構成できる。
【0014】 本考案を適用したフェライト電波吸収体の電波吸収特性の実測例を図2に示す 。
【0015】 この実験では磁化するフェライトとしてNi−Zn系のフェライト材を用い、 磁石板3としてサマリウムコバルト磁石を用いると共にその厚さを1mmの厚さと し、フェライト4の厚さを変化させた場合の定在波特性を示してある。通常、従 来のフェライト電波吸収体では、吸収しようとする電波の磁界と直交する直流磁 界を印加しない場合のフェライトの整合厚は約8mmで、その吸収帯域幅は0.2 3[GHz]と狭く、整合の中心周波数が0.2[GHz]の低い周波数帯域で ある。この実験結果より、直流磁界を印加しないときの整合厚8mmのフェライト が、磁石板3を用いて直流磁界を印加すると3mm以下の厚さで定在波比VSWR が1.2以下の特性に達し、整合特性が改善されていることが理解できる。更に 、同じ材質、同じ磁界強度でありながらフェライト厚さが変わることによって異 なる整合特性を示していることが理解できる。換言すれば一定の磁界を印加する ときにはフェライトの厚さの変化によってVSWRを変化させ得ることが理解で きる。フェライト厚さが3mmから2.9mmに薄くなる場合、特性曲線の低域側が 高周波域側に変更しているのに対し、特性曲線の高域側では帯域幅の縮小化の影 響を受けて3mmの場合と同じになっている。即ち、フェライト厚さを薄くするほ ど整合周波数帯域が高周波域側に変更する。しかも、低域側ほど変更が大きく高 域側の変更量が少なく全体に帯域幅が狭くなる。この場合、整合がとれる磁界許 容幅が大きいため、0.1mm程度の肉厚の変化ではそれほど整合特性に違いはで ていない。しかし、更にフェライト幅が薄くなり2.8mmになると、外磁界に対 する反磁界の影響が大きくなり実際にフェライトに作用する磁界が弱まり整合特 性が悪くなる傾向がある。即ち、フェライトを薄くするほど磁界を強くしなけれ ば整合特性が悪くなるのである。
【0016】
【考案の効果】
斯様にフェライト厚さが一定の場合には外部直流磁界が印加されることによっ て整合特性が向上し(図2上縦軸方向に整合特性が移動し)、フェライト厚さが 薄くなるほど整合帯域が高帯域側に変更(図2上横軸方向に整合特性が移動し) して整合帯域幅が狭くなる傾向がある。ここで、整合帯域幅が狭くなるといって も、直流磁界を付与しないフェライト電波吸収体に比べれば帯域幅は相当広いた め、実用上問題とならない。このため、同じ組成・材質のフェライトであっても 、厚さと印加する直流磁界の強さとを変えることによってフェライト組成によっ て定まる本来の整合周波数とは異なる周波数帯域において整合を取ること即ち電 波を吸収することができる。即ち、フェライト電波吸収材の広帯域化が可能とな る。しかも、このような電波吸収特性変更方法を用いる場合、従来のフェライト 電波吸収体の整合厚さのほぼ1/2 の厚さまでフェライト材1を薄層化することが できる。このため、電波吸収体の総重量が軽くなり、剥離落下の虞が極めて低く なる。
【0017】 更に、既存の組成の電波吸収体材料に電波信仰方向と一致する方向の直流磁界 を印加することにより、新たな整合特性を引き出すことができるので、同じ組成 のフェライト材であっても印加磁界と厚みを変えることによって異なる周波数帯 域に整合特性をとることができる。したがって、単一電波吸収材によって広い周 波数帯域において整合特性を得ることができる。
【0018】 また、厚さの薄いフェライトを用い電磁石によって直流磁界を印加すれば、磁 界印加時のみ一定の整合特性を示し、無印加時では非整合特性を示すため、或る ときは電波を吸収し或るときは反射させる可変整合負荷を構成できる。更に、電 磁石によって印加する直流磁界を連続的に変化させれば、同じフェライト電波吸 収体でも印加磁界が強くなるほどVSWR特性が向上しあるいは磁界が弱くなる ほどVSWR特性が劣化するため、電波吸収能を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のフェライト電波吸収体の一実施例を示
す斜視図である。
【図2】図2は図1の電波吸収体のVSWR特性図であ
る。
【図3】従来のフェライト電波吸収体の構造を示す斜視
図である。
【符号の説明】
3 磁石板 4 磁化フェライト 5 鉄製導体板

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト電波吸収材の厚みをその組成
    から定まる本来の整合厚さよりも薄くする一方、該フェ
    ライト電波吸収材に電波進行方向と一致する方向の直流
    磁界を印加して整合周波数帯域を任意周波数に変更させ
    ることを特徴とするフェライト電波吸収体の電波吸収特
    性変更方法。
  2. 【請求項2】 前記フェライト電波吸収材の厚みを変化
    させるに伴って印加する前記直流磁界も変化させること
    を特徴とする実用新案登録請求の範囲第1項に記載のフ
    ェライト電波吸収体の電波吸収特性変更方法。
  3. 【請求項3】 フェライト電波吸収材の電波入射面の反
    対側の面に、電波進行方向と一致する方向の直流磁界を
    前記フェライト電波吸収材に印加する電磁石を設け、前
    記電磁石の制御によって磁界強度を変化させ、電波吸収
    量を可変にしたことを特徴とするフェライト電波吸収体
    の電波吸収特性変更方法。
  4. 【請求項4】 前記フェライト電波吸収材は直流磁界を
    印加しないときには非整合厚さとなる厚みで、前記電磁
    石のオンオフによって整合特性と非整合特性とを切替え
    るようにしたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
    第3項に記載のフェライト電波吸収体の電波吸収特性変
    更方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017228747A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 ソマール株式会社 通信用フィルタ

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