JPH0411723Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は例えば持続輸液等において患者の血管
内に長時間留置される翼付留置針のような注射針
に接続したタコ管のような医療器具からなる医療
用装置に関する。

（従来の技術） 従来、この種の装置にあつては、注射針の針基
に他の医療器具に連通する持続管を嵌合して接続
する。

前記針基及び接続管は通常は共に硬質樹脂材料
から形成されてなり、両者を接続するときには両
者の嵌合面をルアーテーパーに形成して嵌合する
ことがよく行われている。しかし、このルアーテ
ーパー接続のみによるときには両者が単に嵌合し
ているだけなので、なにかのはずみで外れること
があり、これを避けるために強く嵌合すると硬質
樹脂からなる嵌合部にクラツクが発生し、これか
ら液漏れが生じることがある。

このため、更にこのルアーテーパー接続に加え
て針基の外面に形成した螺条に他方の接続管の外
面に一体に設けた螺筒を螺着するか、又はルアー
テーパー接続された両者の外面に差し渡してゴム
管を装着することが行われている。

しかし、螺合による接続は、接続部分に螺筒が
隆起して形成されるので、その隆起部分が身体に
当接するため、タコ管で接続された留置針のよう
に長時間にわたり身体に固定して置くものにあつ
ては痛みを伴う不都合がある。また、ゴム管によ
る接続では、ゴム管を装着する作業に手数が掛
り、また、一度ゴム管で接続したのちに、針基を
他方の医療器具に対して回転させる必要が生じた
時にゴム管を外した後に回転させなければならな
い不都合がある。

一方、両接続管の嵌合面に弾性を有するパツキ
ン部材を介在させて接続することが考えられる。
しかし、パツキン部材が介在させただけでは、両
者が該パツキン部材を介して十分に嵌合していな
いと外れることがあり、確実に固定されにくいと
の不都合がある。

（本考案の解決すべき問題点） 本考案は、かかる不都合を解消して、接続が容
易であると共に確実に固定され、接続された箇所
からの液漏れを確実に防止できる構造簡単な医療
用装置を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の目的を達成するために、刺通針
が埋設された針取付先端部を備える注射針の針基
に、他の医療器具に連通する接続管を嵌合して接
続する医療用装置であつて、該針基は軟質樹脂で
形成され、該接続管端部は硬質材料で形成されて
いて、該針基に該接続管端部が嵌合されたとき
に、該針取付先端部を含む針基の外周面を一体に
挟圧する開閉自在の硬質樹脂からなる筒状挟圧部
材を設けてなることを特徴とする。

（作用） 本考案は、かかる構成を採用したので、針基に
他の医療器具が連通される接続管を嵌合する時に
は、軟質樹脂からなる針基の外周が拘束されて支
持されているので、硬質樹脂からなる接続管端部
の挿入が容易で十分に嵌合接続することが可能で
ある。そして、該針基を筒状挟圧部材により挟圧
することにより硬質材料からなる接続管端部に容
易に密着させることが可能になり針基を接続管端
部に確実に固定することができる。

また、前記筒状挟圧部材は針基をその外周面か
ら接続管端部に挟圧しているので、筒状挟圧部材
の挟圧を解除することにより針基と接続管とが互
に他方に対して回転することが容易である。

さらに、針基と接続管との嵌合を強くしても、
針基を形成する軟質合成樹脂がその力を緩和する
ので、嵌合部分に無理な力が加わらない。

（実施例） 本考案の実施の一例を示す図面に従つて更に詳
説する。

第１図及び第２図に示す医療用装置は、留置針
１の刺通針１ａが埋設された針取付先端部２ａを
備える針基２に、他の医療器具であるタコ管３の
接続管４を嵌合させるものである。留置針１の針
基２は軟質塩化ビニル樹脂により形成し、接続管
４は硬質塩化ビニル樹脂により形成した。針基２
の外周には、針基２にタコ管３の接続管４が嵌合
されたときに、針取付先端部２ａを含む針基２の
外周面を一体に挟圧する筒状挟圧部材としてのク
ランプ６を設けた。該装置では、針基２及び接続
管４及び嵌合面は、ルアーテーパー（傾斜6/100）
に形成した。

該クランプ６は硬質ビニル樹脂からなり、第３
図示のように２分割され一側がヒンジ６ａで連結
されたクランプ部材６ｂ，６ｃからなり、他側が
掛止できるように構成されている。従つて、クラ
ンプ６は開閉自在であり、容易に挟圧を解除でき
る。

この構成によるときには、通常の接続の際に
は、針基２をクランプ６で外周を拘束した状態で
接続管４を挿入して接続するので、針基２が軟質
塩化ビニル樹脂からなるにもかかわらず、挿入が
容易で十分に嵌合接続することができる。このと
き、針基２に接続管４が嵌合されて接続されてい
る際には、針基２の外周が針取付先端２ａを含め
てクランプ６で拘束されており、針基２を軟質塩
化ビニル樹脂で形成したことに起因する刺通針１
ａが揺動するのを阻止している。

さらに、その後、留置針１を身体に穿刺して留
置した後に、クランプ６を取り外して該留置針１
を留置するときには、針基２が屈曲自在であるの
で、身体を動かしたときにも血管を損傷させるよ
うなことがない。

また、クランプ６を取り外した状態では外周か
らの挟圧が解除されるので、針基２と接続管４と
が互いに他に対して回転することが容易である。

この実施例では、前記接続管４は、硬質塩化ビ
ニル樹脂で形成したが、ポリプロピレン、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリカーボネイト、
ABS樹脂等で形成してもよい。また、軟質合成
樹脂部材５は、前記実施例では軟質塩化ビニル樹
脂で形成したが、天然ゴム、シリコンゴム、その
他の合成ゴムで形成してもよい。

前記の実施例では、一方の医療器具として留置
針、他方の医療器具としてタコ管を用いた例を示
したが、本考案はこれらにのみ限定されるもので
はなく、針基に他方の医療器具が連通される接続
管を嵌合して接続する医療用装置の全てに適用さ
れる。

（効果） 以上の説明から明らかなように、本考案による
ときは、針基が接続管端部に容易に密着されて液
漏れを防止できるとともに、針取付先端部まで含
めて確実に固定されるので、針取付先端部に埋設
されている刺通針が安定して支持される。

針基は筒状挟圧部材による挟圧を解除したとき
には、針基と接続管端部との両者は単に嵌合して
連結されているだけなので互に他方に対して容易
に回転させることができ、良好な操作性を得るこ
とができる。

さらに、針基は軟質樹脂からなり、接続管端部
と強く嵌合しても嵌合部分に無理な力が加わらな
いので、クラツクを生じる恐れがない。

従つて、操作性に優れ、液漏れの心配がなく、
しかも構造簡単な医療用装置を提供するとの効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の実施の一例を示すもので、
第１図は一部を截除した正面図、第２図は第１図
の−線断面図、第３図は第１図の−線断
面図である。 １……注射針、１ａ……刺通針、２……針基、
２ａ……先端部、３……医療器具、４……接続
管、６……挟圧部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 刺通針が埋設された針取付先端部を備える注射
   針の針基に、他の医療器具に連通する接続管を嵌
   合して接続する医療用装置であつて、 該針基は軟質樹脂で形成され、該接続管端部は
   硬質材料で形成されていて、該針基に該接続管端
   部が嵌合されたときに、該針取付先端部を含む針
   基の外周面を一体に挟圧する開閉自在の硬質樹脂
   からなる筒状挟圧部材を設けてなることを特徴と
   する医療用装置。