JPH04114352U - マスク - Google Patents

マスク

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JPH04114352U
JPH04114352U JP2736691U JP2736691U JPH04114352U JP H04114352 U JPH04114352 U JP H04114352U JP 2736691 U JP2736691 U JP 2736691U JP 2736691 U JP2736691 U JP 2736691U JP H04114352 U JPH04114352 U JP H04114352U
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純 明 鶴
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ベステクス株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マスクに病原性あるいは抗原性微粒子を吸着
する能力を付与する。 【構成】 通気性を有する素材シートに、グルカンを介
して多孔性アパタイトの粉末を付着させ、これを所定の
大きさに裁断してマスク要素片とする。使用時、多孔性
アパタイトの粉末が高表面活性化して孔内に微粒子を取
り込むほか、グルカンの水酸基が、真菌、花粉などの表
面糖鎖やムコ多糖体と水素結合し、これらを吸着する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、マスクに係り、特に、ウイルス、バクテリア、真菌あるいは花粉な どの病原性あるいは抗原性微粒子も吸着することができる高性能のマスクに関す る。
【0002】
【従来の技術】
従来のマスクは、例えばガーゼなどの繊維よりなるマスク要素片の隅部に、耳 掛けなどの固定条を結合してなる。
【0003】 かかるマスクは、マスクを装着する人の呼気および吸気によって生じる空気流 中に含まれる塵埃を、マスク要素片のメッシュにより機械的にふるいにかける、 という技術的思想に基くものである。
【0004】 また、主にガス吸着機能を向上させる目的で、繊維シートと繊維シートとの間 に活性炭などのガス吸着剤を挟持してなるマスク要素片を有するマスクも実用に 供されている。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
上記した従来のマスクは、塵埃、異臭ガス成分の吸着能は向上させることはで きるが、ウイルス、バクテリア、真菌、花粉などの病原性あるいは抗原性微粒子 はほとんど吸着できないことが培養試験により確認されている。
【0006】 そのため、従来のマスクは、手術中術者の呼気中のウイルス、バクテリアある いは真菌などを患者に放散することを防止できず、また、患者から飛散してくる 体液、血液のミストに含まれたウイルス、バクテリアあるいは真菌などを術者の 前で遮断することができないので、手術用マスクには向かず、現在使用されてい るものは気休めに過ぎない、という不都合がある。
【0007】 また、近年いわゆる杉花粉症に悩む人が増加しているが、従来のマスクは、杉 の花粉を遮断できないので、杉花粉症の予防に用いることができない、という不 満が残る。
【0008】 本考案は、ウイルス、バクテリア、真菌あるいは花粉等、人体に医学的あるい は化学的に悪影響を及ぼす病原性あるいは抗原性微粒子を吸着できるマスクを提 供し、もって上記した不都合を解消することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の考案は、多孔性アパタイトの微 粉末をすき込んだ通気性のあるパルプ紙よりなるマスク要素片を有することを特 徴とする。
【0010】 また、請求項3に記載の考案は、通気性を有する素材シートにグルカンを介し て多孔性アパタイトの粉末を付着させたマスク要素片を有することを特徴とする 。
【0011】
【作用】
上記のように構成された請求項1に記載の考案によるマスクは、マスク装着者 の呼気及び吸気がマスク要素片を透過する際、マスク要素片に含まれた多孔性ア パタイトの微粉末が、高表面活性化して孔内に微粒子を取り込むほか、イオン結 合、水素結合ファンデルワールス力による、あるいは双極子モーメント間の相互 作用による多様な結合様式とコンホメーションにより、ウイルス、原核細胞、真 菌あるいは花粉などを吸着する。
【0012】 請求項2に記載の考案によるマスクは、上記アパタイト粉末の吸着作用に加え て、グルカンの分子中の豊富な水酸基(−OH)と、真菌、花粉などの表面糖鎖 やムコ多糖体との水素結合により真菌、花粉などを吸着する。
【0013】 また、グルカンやアパタイト分子の水素基などが次々に水素結合していって多 重結合となり網目を拡大していく。そして、あたかも蜘蛛の巣の糸に獲物がかか るように微粒子を捕獲しやすくなる。
【0014】
【実施例】
以下本考案の実施例を図面を参照して説明する。
【0015】 図1は請求項1に記載の考案によるマスクのマスク要素片の構成を模式的に示 し、同図において符号1はパルプ紙を、多数の点(付番せず)はこのパルプ紙1 にすき込まれた多孔性アパタイトの微粉末をそれぞれ示す。
【0016】 多孔性アパタイトとしては、その表面を被吸着微粒子のサイズと同等あるいは 大なるポア径を付与して多孔性に形成したハイドロキシカルシウムアパタイト( 以下「HAP」という)、フッ化アパタイト(以下「FAP」という)、あるい はHAPとFAPの混合体の何れかを微粉末にしたものが最適である。この多孔 性アパタイトを製造するには、焼結前にポリビニルアルコールなどのガス発生物 質を混入すればよい。
【0017】 微粉末としての多孔性アパタイトの粒径は、中心粒径3ミクロンの粒径分布を 有する0.1〜10ミクロン程度が好適である。かかる多孔性アパタイトの微粉 末の1グラムあたりの表面積は約20〜45平方メートルである。
【0018】 本考案者等は、蒸留水中に平均粒径3ミクロン、比表面積45平方メートル/ グラムの多孔性アパタイトの微粉末を0.15重量%、およびカナダ標準ろ水度 (パルプの水切れの程度を表わす数値:JISP8121参照)650ccの針葉 樹パルプを0.15重量%含有する懸濁液を調整し、JISP8209に規定す る抄紙方法に準じてアパタイト含有紙を得た。この紙の秤量は1平方メートルあ たり98グラム、アパタイト含有率は50重量%であった。
【0019】 上記実施例におけるアパタイト含有量は、アパタイト含有紙100平方センチ メートルあたり約490ミリグラムとなるが、これは調整懸濁液におけるアパタ イト微粉末の重量比を変化させることにより調整可能である。しかしながら、ア パタイト含有紙100平方センチメートルあたり40ミリグラム以下では抗原性 微粒子を吸着する能力が低下するし、また、800ミリグラムを越えると通気性 及び柔軟性が失われ、マスク材料として不適当となるので、結局アパタイト含有 量は100平方センチメートルあたり40〜800ミリグラムが好適である。
【0020】 また、アパタイト粉末の粒径も、前記した以上に大きくすると調整懸濁液中に 沈殿するので、微粉末とするのがよい。但し、あまり粒径を小さくすると紙の繊 維を抜けてしまうから、上記したように0.1ミクロン以上とするのがよい。
【0021】 上記したようにして得られたアパタイト含有紙を、例えば10cm×5cm程度の 大きさの矩形に裁断してマスク要素片として用いる。
【0022】 しかして、通常はマスク要素片を裸で用いることはせず、図2に示すように、 マスク要素片2の外側および口元側をポリエステルやレーヨンなどの不織布、あ るいは、ガーゼなどのカバー片3で被覆し、マスク要素片の補強をすると共に、 肌ざわりを良くしてマスク本体片4とする。
【0023】 このマスク本体片4の周辺を、図3に示すように、超音波シール加工あるいは ミシン掛け等により接合し、側辺に例えばウレタンゴム条による耳かけのような 装着条5を結合してマスクとする。なお、本考案を手術用のマスクに適用する場 合には、マスク本体片4を充分大きくし、その四隅に首の後ろおよび頭上で結ぶ ひものような装着条の一端を結合する(図示せず)。
【0024】 また、装着したときマスクが凸面である顔面に合うように(図4参照)、また 口元とマスクの間に隙間を確保して息が楽にできるように、マスク本体片4にプ リーツ6(図5参照)を形成することが望ましい。
【0025】 図6は請求項3に記載の考案によるマスクのマスク要素片4の構成を模式的に 示し、このマスク要素片4は、素材シート7に水溶性グルカン8を介してアパタ イト粉末9,9を付着させたものである。
【0026】 アパタイト粉末9としては、前記HAPやFAPあるいはこれらの混合体を粉 末にしたものを用いる。 粉末としての多孔性アパタイトの粒径は、中心粒径50ミクロンの粒径分布を 有する10〜100ミクロン程度が好適である。かかる多孔性アパタイトの粉末 の1グラムあたりの表面積は約5〜30平方メートルである。
【0027】 一方、水溶性グルカンとしては、例えば分子量3万〜30万程度のトリオース を用いる。トリオースはそれ自体が飛来通過する病原性あるいは抗原性微粒子を 捕獲吸着するほか、素材シートの繊維表面との結合の仲介をする分子でもある。 トリオースは、分子中に豊富に水酸基をもち、胞子、花粉、真菌といった表面が 糖鎖やムコ多糖体でおおわれた構造の粒子を水素結合などの作用により捕獲吸着 する。
【0028】 他方、素材シートにグルカンを介してアパタイト粉末を付着させるには、特願 平2−278487号をもって、本出願人が先に提案したいわゆる浸漬法を用い ることができる。
【0029】 この浸漬法は、0.5〜30重量%の多孔性アパタイト粉末、および0.5〜 15重量%の水溶性グルカンを水に分散、溶解してなる処理液に、繊維性濾材を 浸漬した後、引き上げて乾燥する。
【0030】 上記繊維性濾材として、天然繊維、合成繊維あるいはこれらの混紡糸による織 布、不織布は綿状の繊維体を採用することができる。
【0031】 素材シートにグルカンを介してアパタイト粉末を付着させるには、上記したい わゆる浸漬法の他に、本出願人が特願平3−29301号をもって先に提案した いわゆる噴霧法を採用することができる。
【0032】 この噴霧法は、0.5〜30重量%の多孔性アパタイト粉末、および0.5〜 15重量%の水溶性グルカンを水に分散、溶解して処理液を調整し、この処理液 をスプレーガン等を用いて素材シートに噴霧した後、処理液を噴霧された素材シ ートを乾燥する。
【0033】 この噴霧法における素材シートとして、上記浸漬法において採用された繊維性 濾材の他に、通気性のある薄いパルプ紙あるいは和紙を採用することができる。 それは、処理液を素材シートに噴霧するときアパタイト粉末に運動エネルギーが 付与され、紙に衝突したとき紙の繊維に食い込むことができるからである。
【0034】 なお、これは上記した浸漬法および噴霧法の必須の構成要件ではないが、フィ ルタ材を例えば熱ロール間を通すなどして、約150℃程度で加熱プレスし、ヒ ートセットするのが望ましい。それは、素材シートの繊維に食い込んでいる多孔 性アパタイトの粉末は別として、弱い水素結合や静電結合等による繊維と多孔性 アパタイトの粉末の結合は、折り曲げをくり返すうちに切れ易くなるからである 。ヒートセットは、繊維のネットワーク構造を加熱プレスして構造を密にしてこ の切れやすい結合を物理的に補強するものである。ヒートセットにより結合水は 抜け出さず、自由水のみ追い出されるので、マスクとしての吸着能が向上すると いう効果もある。また、プレスによりアパタイトの粉末が素材シートの繊維に食 い込み、あるいはさらに食い込む、という効果もある。
【0035】 上記のようにして製造されたマスク要素片のウイルス吸着能の一例を下記の表 1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】 表1は、サンプルにインフルエンザウイルス(A/PR/8)浮遊液を通過さ せ、通過液のウイルス力価をニワトリ赤血球凝集反応および中和反応より求めた 。サンプルの欄のブランクはインフルエンザウイルス浮遊液を全然こさなかった 場合を示す。 また、赤血球凝集反応とは、ニワトリの赤血球がインフルエンザウイルスを介 して相互に凝集する反応をいい、これを利用して、凝集の有無によりインフルエ ンザウイルスの有無を検定することができる。力価256は、通過液を1/25 6に稀釈しても凝集が生じたことを示す。 さらにまた、中和反応とは、インフルエンザウイルスがヒトの胎児の肺細胞に 付着するとこれを破壊する反応をいい、力価の10は破壊された細胞の数を示 す。
【0038】 なお、本考案は、上述した実施例に限定されることなく、種々に変形して実施 することができる。
【0039】 例えば、請求項2に記載の考案によるマスクにおける前記多孔性アパタイト、 水溶性グルカンの二要素の他に第3の要素として、繊維間と上記二要素との結合 性を強固にするため、低分子量のポリビニルアルコールなどを加えてもよい。第 4の要素としてZn、Cu、Agなどの抗菌性の強い金属を、HAPのCaと置 換したりHAPの結晶格子間に挿入した、いわゆる抗菌性HAPを混入して、抗 菌性を増してもよい。
【0040】
【考案の効果】
以上の説明から明らかなように、本考案は、マスク要素片としてアパタイト微 粉末をすき込んだパルプ紙、あるいは素材シートにグルカンを介してアパタイト 粉末を付着させたものを採用したので、マスクに表1に示すような驚異的な微粒 子吸着能力を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の考案の一実施例によるマスク
要素片の拡大断面図。
【図2】マスク本体片の拡大断面図。
【図3】マスクの外観斜視図。
【図4】マスクの装着状態を示す線図。
【図5】マスク本体片の断面図。
【図6】請求項2に記載の考案の一実施例によるマスク
要素片の拡大断面図。
【符号の説明】
1 パルプ紙 2 マスク要素片 7 素材シート 8 グルカン 9 アパタイト粉末

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔性アパタイトの微粉末をすき込んだ通
    気性のあるパルプ紙よりなるマスク要素片を有すること
    を特徴とするマスク。
  2. 【請求項2】マスク要素片のアパタイト含有量が100
    平方センチメートルあたり40ミリグラムから800ミ
    リグラムまでであることを特徴とする請求項1に記載の
    マスク。
  3. 【請求項3】通気性を有する素材シートにグルカンを介
    して多孔性アパタイトの粉末を付着させたマスク要素片
    を有することを特徴とするマスク。
  4. 【請求項4】マスク要素片のアパタイト含有量が100
    平方センチメートルあたり40ミリグラムから200ミ
    リグラムまでであることを特徴とする請求項3に記載の
    マスク。
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