JPH04111833U - 傷防止用クツシヨン体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ビル等の引越し作業において発生する壁面の
傷を防止する。 【構成】 発泡シートの片面もしくは両面に保護シート
を貼りあわせてなり、その両端部には継ぎあわせのため
の着脱可能なテープが取付けられており、かつ貼りあわ
せシートの片面もしくは両面には、継ぎあわせする方向
と直角方向に多数本のスリットを設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、特にビル内などの引越で、一時的に使用される壁面保護用クッショ ン体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、ビル内などで引越を行う場合、一時的に壁面などの傷防止を行えば済む との考えから、クラフト紙、紙ダンボール、プラスチック段ボールを、廊下、エ レベーター、ドアなどの壁面に巡し、粘着テープなどで仮留めする方法が一般的 に採用されて来た。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、近年ビルの高級化が進むにつれ、使用される建材類も増々高額 化、大型化し、僅かな傷、汚れ、色違いなどの発生は全く許されなくなって来 た。仮に、このようなトラブルが発生した場合には、多額の保証にまで発展する ケースも有り得る程で、勢い傷防止用材料もただ単に使い捨て的な安価なものか ら、よりクッション機能を有し、高級感のある、できれば繰り返し使用できる製 品が求められるようになって来た。

【０００４】 本考案は、かかる状況に鑑みてなされたもので、傷防止用に優れることは勿 論、簡単に施工準備や取り外しができ、また、耐久性に優れることから繰り返し 使用も可能であるクッション体を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

かかる目的は、本考案によれば、発泡シートの片面もしくは両面に保護シート を一方向に重ね合わせ可能なひだを設けて貼着し、該ひだの内面側および対とな る保護シート外面部分に着脱容易なテープを取りつけ、さらに該ひだと同方向も しくは両面に多数本のスリット溝を設けることで達成される。

【０００６】 本考案に用いられる発泡シートとしては、エチレン樹脂、エチレン−プロピレ ン共重合体、エチレン−酢ビ共重合体、熱可塑製エラストマー樹脂などの単独も しくは、混合物を化学架橋や、放射線架橋により架橋構造を導入し、独立気泡発 泡させたものである。

【０００７】 発泡体シートの厚みは、薄すぎるとクッション効果が乏しくなり、逆に厚すぎ ると持ち運びずらく、また価格も高価なものとなる。このため、発泡シートの厚 みは１０〜５０ｍｍが好ましいものといえる。 発泡シートのみかけ密度は、クッション性、耐久性などを考慮して０．１０〜 ０．０２０ｇ／ｃｍ³ が望ましい。 次に保護シートとしては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、熱可塑性 エラストマー樹脂、軟質塩化ビニル樹脂などによるシート品、ナイロンクロスと 軟質塩化ビニル樹脂シートとを貼り合わせた複合品、また架硫や未架硫ゴムシー ト、およびポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂製のワリフ、ポリプロピレン 樹脂やポリエステル樹脂製の不織布など引張強さ、引裂強さ、耐突きさし性に優 れたものが挙げられる。 これらシートの厚みについては、特に規定しないが、価格、重量などから０． １〜５．０ｍｍの範囲のものが主に使用される。

【０００８】 本考案にかかる簡易型傷防止用クッション体の製造方法としては、発泡シート と保護シートの両表面に熱をかけて軟化させ、加圧することにより貼合わせる方 法や、接着剤を介して同様に貼合わせる方法などが挙げられるが、その最適方法 については、シート同士の組み合わせによって自ずと決定される。 但し、ここで注意しなければならないことは、保護シートを一方向に重ね合わ せ可能なひだを設けることである。このひだの寸法としては２０〜１５０ｍｍ、 好ましくは５０〜１００ｍｍが望ましい。 更に、このひだ部分と、重ね合わせる相手となる保護シート部分に着脱容易な テープ（いわゆるマジックテープ）を接着剤により固定する。これにより１つ１ つのクッション体をひだを設けた方向に順次組み合わせることが可能となり、広 い面積部分も容易に本クッション体で覆うことができることになる。

【０００９】 本考案の大きな特徴は、更にひだと同方向にスリット溝を片面もしくは両面に 設けていることである。これは、ビル内においては、直線的な面は極めて少なく 、様々なコーナーや曲線部から成り立っているため、クッション体は自由に折り 曲げれることにより、この面に追随できることが必要となってくるからである。 スリット溝を片面に設けるか、両面に設けるかは、施工する現場状況を見て判 断すればよい。例えばエレべーター内のみに使用するのであれば、片面のみにス リット溝を設ければよく、またコーナーの入り組んだ廊下などの場合には凸角、 凹角がどこにくるのか現地合わせしかできないため、いずれの方向にも曲げられ るよう両面にスリット溝を設けておくことが不可欠となってくる。 このスリット溝のピッチについては、細かくすれば、よりきめ細かいコーナー にも対応できるが、加工工賃のアップや、クッション体全体の強度低下につなが るため、３０〜１００ｍｍ位が望ましい。 また、スリット溝の深さについては、発泡シート厚みの半分以上、特に両面に 保護シートが貼りつけられている場合には、保護シート一層のみを残す程度まで 切断する方が、コーナーへの追随がスムースになり、また施工された形状もシャ ープとなって、見栄のよいものとなる。 このスリット溝加工については、ＮＴカッターや回転丸刃などで可能であるが 、切断面の切れ味性や、寿命などから回転丸刃が好ましい。特にこの回転丸刃を 何枚か所定のピッチでセットし、クッション体を移動させることにより、一度に 多数本の溝加工を行うことができる。 なお、本クッション体と各種壁面との仮固定については、いろいろな方法があ る。例えばテープによる接着法や、部分的にＬ字型の金具を置いて倒れたり、た るんだりするのを防ぐ方法である。近年壁面建材が高価となり、また僅かな接着 剤の糊残りでも大問題となることから、後者を主として使用し、テープは部分的 に仮留め使用するケースが多い。

【００１０】

【作用】

上記の構成により、中芯部に設けられた発泡シートの緩衝性能と、保護シート の補強効果により傷防止効果が図られ、またひだに設けた着脱容易なテープとス リット溝との組み合わせで、どのような形状、大きさの現場にも繰り返し使用す ることが可能となる。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案を実施例により更に説明する。 図１は、１の架橋化ポリエチレン発泡シート（みかけ密度０．０３５ｇ／ｃｍ ³ 、厚さ３０ｍｍ）と、２のナイロンターポリン（１．０ｔ）とを、３の重ね合 わせ用ひだを設けるよう接着し、４で示すマジックテープを２ケ所対に貼りつけ 、更にスリット溝を両面からひだと同方向に切り込んだ状態を示している。 図２は、このクッション体を用いて実際に出入りコーナーを有する廊下の壁面 に施工された状態を示す。 従来方法のテープやダンボールを用いた方法に比べ本考案品による方法では、 施工が極めて短時間ですみ、また仕上がり状態も非常に美麗であることが確かめ られた。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の簡易型傷防止用クッション体は、ユニット化されているため、引越作 業などのように、近年増々その需要は急増しているものの、時間的制約や人的確 保の厳しい分野において、非常に有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示すクッション体の斜視
図である。

【図２】 上記品を用いて施工した状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１ 発泡シート ２ ターポリン ３ ひだ ４ マジックテー
プ ５ スリット溝 ６ 壁面 ７ 仮留め立て金具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 発泡シートの片面もしくは両面に保護シ
   ートを貼り合わせたクッション体において、それを連続
   的に継ぎ合わせする方向の片側端部の発泡体を取除いた
   保護シート内面部分と、他端部の保護シート外面部分に
   着脱可能なテープを取付け、更に継ぎ合わせする方向と
   直角方向に片面もしくは両面から多数本のスリット溝を
   設けたことを特徴とする折り曲げ自由な傷防止用クッシ
   ョン体。