JPH0374133B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は主として米又は豆類など水より比重が
大きい粒体を水で洗う装置であり、例えば炊飯可
能な状態に米を水洗する粒体洗浄装置に関する。

「従来の技術」 従来、空気を混入させた水で洗浄ケース内部の
粒体である米を水洗することにより、米表面に付
着している油性成分である糠の除去を効率よく行
う技術があつた。また水中に浮遊する糠を洗浄ケ
ース上部から水と共に排出することにより、糠を
含んだ汚水を洗浄ケース底部の米を通過させるこ
となく排出する技術があつた。

「発明が解決しようとする問題点」 上記のような二つの従来技術を同時に用いた場
合、水中での米及び糠の活動が水流だけのものに
くらべて激しく、特に糠が安定せず水面方向（上
方）へ浮上り難くなるため、糠を効率よく排出で
きなくなり、多量の洗浄水を必要とし、また洗米
時間も長くなり、引いては米を傷める等の不都合
が生じ上記従来技術の作用効果だけを同時に得る
ことができなかつた。

「問題点を解決するための手段」 然るに本発明は、空気を混入させた水で洗浄ケ
ース内部の粒体を水洗し、水中の浮遊物を洗浄ケ
ース側壁上部に設けたスリツトから水とともに排
出する粒体洗浄装置において、洗浄ケース内部に
給水管を垂設させ、粒体の安息角以上に傾斜させ
た洗浄ケース底面より上方で粒体沈下層の上面よ
り高い位置に給水管出口を開口させると共に、給
水管中間に上端側を連結させるサイホン管を設
け、給水管中間に一端を連結させた空気吸入管他
端をサイホン管に連結させ、洗浄ケースの水位上
昇に伴い給水管に取入れる空気量及び給水管出口
から噴出する空気泡を含んだ水流の勢いを漸減さ
せるように構成したものである。

「作用」 従つて本発明によれば、洗浄ケースの水位がサ
イホン管を連結させた給水管中間に達するまで
は、空気を多く混入させた水を給水管出口から勢
いよく噴出させ、水中での粒体の活動を活発に行
わせ、また界面活性を促進させることにより、粒
体表面に付着している油性成分の除去を効率よく
行い得、また前記水位上昇に伴い給水管に取入れ
られる空気量を漸減し、また給水管中間を過ぎた
以後はゼロにすると共に、給水管出口から噴出す
る空気泡を含んだ又は含まない水流の勢いを漸減
させ、水中での粒体及び油性成分の活動を沈静化
して、粒体の沈下及び油性成分の浮上（粒体と油
性成分の分離）を促進させることにより、洗浄ケ
ース側壁上部のスリツトから水とともに効率よく
油性成分を排出し得、非常に高い洗米性能が得ら
れるものである。

「実施例」 以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述す
る。第１図は要部説明図、第２図は全体図、第３
図及び第４図は部分説明図であり、炊飯器１を入
れる炊飯部２と、洗浄ケース３を内設する水洗部
４と、計量ホツパー５を内設する計量部６と精米
シリンダ７を有する精米部８と、玄米タンク９を
設ける貯留部１０とを備え、前記各部２，４，
６，８，１０を基台１１上に多層形に重ねると共
に、下端側に投入ホツパー１２を有する揚穀コン
ベア１３を立設させている。

そして、投入ホツパー１２の玄米をコンベア１
３により玄米タンク９に搬入させ、該タンク９の
玄米をシリンダ７で精米して計量ホツパー５に送
出すると共に、前記ホツパー５で計量した米を洗
浄ケース３に落下させて水洗し、該ケース３の洗
米を炊飯器１に供出して炊飯するもので、玄米タ
ンク９からの玄米取出し乃至炊飯器１の炊飯を一
連の連続動作で自動的に行わせるように構成して
いる。

さらに、立設円筒形の前記洗浄ケース３の側壁
部３ａ下端側に漏斗形底部３ｂを一体連設し、粒
体である米の安息角以上に大きな傾斜角Ａで前記
ケース３と底部３ｂを傾斜させ、ソレノイド１４
を有する電磁排出バルブ１５を設けた送出口１６
をその底部３ｂ傾斜下端側に連設させると共に、
基台１１に連結支持させる洗浄ケース３の上端開
口部に開閉自在な蓋１７を嵌合固定する。

また、洗浄ケース３の略中心位置に支持フレー
ム１８を介して給水管１９を垂設させ、ソレノイ
ド２０を有する電磁給水バルブ２１を介して給水
管１９上端に通水管２２をジヨイント２３により
着脱自在に連結させると共に、給水バルブ２１及
び通水管２２を前記蓋１７上面に一体固設させ、
蛇口などから上水道水を導通させる水道管２４を
通水管２２に着脱自在管断手２５により連結して
いる。

そして、蓋１７に設けた投入口２６から洗浄ケ
ース３内部に米など粒体を入れると共に、給水バ
ルブ２１の開放によりケース３内部に水を送り込
むもので、洗浄ケース３底部に沈下する洗米層２
７の上面より高い位置に給水管１９下端のラツパ
形出口管２８を開口させている。

さらに、第１図の如く、前記出口管２８を給水
管１９の下端側に調節ネジ２８ａを介して昇降自
在に固定させ、前記出口管２８の上下動により給
水管１９の下端開口高さを調節するもので、給水
管１９に送給された水を出口管２８のラツパ形下
向き開口から下方に放散させるように構成してい
る。

また、洗浄ケース３底部より低い位置にまで下
端側を延設されるサイホン管２９を備え、洗浄ケ
ース３内部に延設させるサイホン管２９上端側を
給水管１９中間に連結させ、サイホン管２９及び
給水管１９下端側を介して洗浄ケース３内部の水
を出口管２８からサイホン作用により流出される
と共に、給水管１９とサイホン管２９の連結部よ
り上端側の給水管１９にベンチユリ管３０を設け
給水管１９から流出させる水に空気を混入される
空気供給手段である空気吸入管３１を備え、前記
ベンチユリ管３０の小径部３０ａ略中央位置で水
の流出方向に向けて吸入管３１の一端を開口させ
る一方、吸入管３１の他端をサイホン管２９中間
に連結させ、給水管１９を流出する水の負圧作用
によつて吸入管３１を介してサイホン管２９から
空気を取入れ、給水管１９から流出させる水の中
に多数に気泡を発生させるように構成している。

さらに、洗浄ケース３の側壁部３ａに複数の縦
長のスリツト３２…を設け、米の外形より小幅に
スリツト３２を形成すると共に、前記ケース３外
側に排水管３３を一体連設させ、前記ケース３内
部で洗浄水量が増えて水位がスリツト３２まで上
昇したとき、浮遊する糠及び籾殻などの夾雑物を
水の流出によりスリツト３２から排出管３３に送
出させるように構成している。

また、洗浄ケース３の内部の注水残量を調節す
る手段である水量調節管３４を備え、最小注水残
量の水位より低位置の洗浄ケース３の底部３ｂに
前記調節管３４の一端側を連結させ、また底部３
ｂに連通させる調節管３４の開口面積を米の外形
より小さく形成すると共に、基台１１に固設する
水量ゲージフレーム３５に水量調節レバー３６を
介して調節管３４の排水側端部を連結支持させ、
サイホンを形成する調節管３４の排水側端面開口
の高さ位置を前記レバー３６操作により調節する
もので、洗浄ケース３内部の水が調節管３４の排
水側開口３４ａからこの下方の排水管３７にサイ
ホン作用により流出すると共に、前記ケース３内
部の水位と調節管３４の排水側開口３４ａの高さ
とが一致したとき、調節管３４からの排水が停止
し、炊飯に必要な水量を前記ケース３内部に残す
一方、送出弁１５を開動させたとき、そのケース
３内部の水の流出作用により、底部３ｂに沈下し
ている米を送出口１６から下方の炊飯器１に排水
させるように構成している。

さらに、洗浄ケース３内部の最高水位を検出す
る給水センサ３８と、給水管１９の出口管２８ま
で水位が下がるのを検出する排出センサ３９とを
備え、各センサ３８，３９を洗浄ケース３の側壁
部３ｂに固設させると共に、ソレノイド４０を有
する電磁洗浄バルブ４１を介して下水管４２を洗
浄ケース３の底部３ｂに連結させるもので、前記
各センサ３８，３９によつて前記各バルブ１５，
２１，４１の開閉制御を自動的に行う一方、洗米
を送出口１６から取出して米の洗浄が終了したと
き、給水管１９から洗浄ケース３に入れた水を下
水管４２から排出し、前記ケース３内部を水荒す
るように構成している。

本実施例は上記の如く構成しており、炊飯器１
の炊飯完了時間を入力することにより、自動的に
逆算されてタイマを作動開始するもので、所定時
間になつたとき精米シリンダ７を介して玄米タン
ク９から計量ホツパー５に米が送出され、設定量
の米がホツパー１５から洗浄ケース３に投入され
る。

そして、第５図に示す如く、給水バルブ２１が
開動して前記ケース３内部に水を入れることによ
り、給水管１９の途中で水に空気が混入し、水と
気泡とにより米の方面に付着してある糠を水中に
分離させると共に、水より比重が小さい糠及び刃
殻などはスリツト３２から流出する一方、水位が
上昇して給水センサ３８が作動することにより、
給水バルブ２１が閉動し、そしてサイホン管２９
及び給水管１９の出口管２８からケース３内部の
水がサイホン作用によつて流出するもので、この
とき、米は出口管２８より下方のケース３の底部
３ｂに沈下しているから、沈下している米の上方
側から汚れた水が排出される。

そして、前記ケース３内部の水位が下降して排
水センサ３９が作動することにより、給水バルブ
２１を再び開動させるもので、各センサ３８，３
９出力によつて給水バルブ２１の開閉制御を複数
回繰返して行い、米の洗浄を終了する。

また、最終の排出センサ３９の出力からの一定
時間ｔはケース３内部の水量調節が行われるもの
で、予め設定している水量調節管３４の排水側開
口３４ａと略同一高さまでケース３の水位を低下
させると共に、水量調節時間ｔの経過によつて排
出バルブ１５を開動させ、ケース３内部に残して
いる炊飯に必要な水によつてケース底部３ｂの洗
米を送出口１６から排出させ、その水と洗米を炊
飯器１に落下させ、所定時間後に炊飯器１をタイ
マ作動させて炊飯を行わせる。

さらに、送出口１６からの洗米排出が行われて
排出バルブ１５が閉動したとき、給水バルブ２１
が開動し、ケース３内部の水位が上昇によつて給
水センサ３８が作動し、給水バルブ２１が閉動
し、洗浄バルブ４１が開動してケース３の水を下
水管４２から流出させると共に、ケース３の内部
の水位の下降によつて排水センサ３９が作動し、
洗浄バルブ４１が閉動し、給水バルブ２１が再び
開動するもので、ケース３内部の水洗を複数回繰
返して後洗浄を行うものである。

また出口管２８の高さ調節手段である調節ネジ
２８ａと、水量調節管３４の排水側開口３４ａの
高さ調節手段である水量調節レバー３６とを連動
連結させ、出口管２８の高さ調節動作と開口３４
ａの高さ調節動作とを連動させ、出口管２８下側
開口と開口３４ａの相対高さ位置関係を略一定に
保つことにより、開口３４ａからの排水時間が長
時間になる不具合、並びに出口管２８から洗米が
吸い出される不具合などが生じるのを防止でき
る。

なお、上記実施例では炊飯器１と洗浄ケース３
とを独立させて各別に設けたが、炊飯器１の蓋な
どに洗浄ケース３を組込み、炊飯器１と洗浄ケー
ス３を一体的に構成することも容易に行えるもの
である。

「発明の効果」 以上実施例から明らかなように本発明は、空気
の混入させた水で洗浄ケース３内部の粒体を水洗
し、水中で浮遊物を洗浄ケース３側壁上部に設け
たスリツト３２から水とともに排出する粒体洗浄
装置において、洗浄ケース３内部に給水管１９を
垂設させ、粒体の安息角以上に傾斜させた洗浄ケ
ース３底面より上方で粒体沈下層の上面より高い
位置に給水管１９出口を開口させると共に、給水
管１９中間に上端側を連結させるサイホン管２９
を設け、給水管１９中間に一端を連結させた空気
吸入管３１他端をサイホン管２９に連結させ、洗
浄ケース３の水位上昇に伴い給水管１９に取入れ
る空気量及び給水管１９出口から噴出する空気泡
を含んだ水流の勢いを漸減させるように構成した
もので、洗浄ケース３の水位がサイホン管２９を
連結させた給水管１９中間に達するまでは、空気
を多く混入させた水を給水管１９出口から勢いよ
く噴出させ、水中で粒体の活動を活発に行わせ、
また界面活性を促進させることにより、粒体表面
に付着している油性成分の除去を効率よく行うこ
とができ、また前記水位上昇に伴い給水管１９に
取入れられる空気量を漸減し、また給水管１９中
間を過ぎた以後はゼロにすると共に、給水管１９
出口から噴出する空気泡を含んだ又は含まない水
流の勢いを漸減させ、水中での粒体及び油性成分
の活動を沈静化して、粒体の沈下及び油性成分の
浮上（粒体と油性成分の分離）を促進させること
により、洗浄ケース３側壁上部のスリツト３２か
ら水とともに効率よく油性成分を排出でき、非常
に高い洗米性能を得ることができる顕著な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す要部説明図、
第２図は全体図、第３図及び第４図は部分説明
図、第５図はタイミングチヤートを示す出力線図
である。 ３……洗浄ケース、１９……給水管、２９……
サイホン管、３１……空気吸入管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 空気を混入させた水で洗浄ケース３内部の粒
   体を水洗し、水中の浮遊物を洗浄ケース３側壁上
   部に設けたスリツト３２から水とともに排出する
   粒体洗浄装置において、洗浄ケース３内部に給水
   管１９を垂設させ、粒体の安息角以上に傾斜させ
   た洗浄ケース３底面より上方で粒体沈下層の上面
   より高い位置に給水管１９出口を開口させると共
   に、給水管１９中間に上端側を連結させるサイホ
   ン管２９を設け、給水管１９中間に一端を連結さ
   せた空気吸入管３１他端をサイホン管２９に連結
   させ、洗浄ケース３の水位上昇に伴い給水管１９
   に取入れる空気量及び給水管１９出口から噴出す
   る空気泡を含んだ水流の勢いを漸減させるように
   構成したことを特徴とする粒体洗浄装置。