JPH037360Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上利用分野〕 本考案は、たとえば給油所等に設置される給油
装置のポンプユニツトに関し、特にポンプ１台に
対して複数の流量計を接続する場合に用いて好適
なポンプユニツトに関する。

〔従来技術〕

一般に、モータによつて駆動され、吸込口から
吸込んだ油液を吐出口から吐出させるポンプと、
基端側が該ポンプの吐出口と接続され、先端側が
管継手を介して複数に分岐された分岐配管と、該
分岐配管の各先端に接続さた複数の流量計と、該
各流量計の流出口にそれぞれ接続され、先端側に
それぞれ給油ノズルが設けられる複数の給油ホー
スとからなる給油装置は知られている。

そして、この種の給油装置では、１台のポンプ
に分岐配管を介して２個以上の流量計、給油ホー
スおよび給油ノズル等をそれぞれ接続しているか
ら、１台のポンプから吐出される油液を各給油ノ
ズルによつて複数の車輌に対して同時に給油でき
るという利点がある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、上述した従来技術では、ポンプと複
数の流量計との間を分岐配管で接続し、該分岐配
管の途中にはＴ字形等の管継手を介在させている
から、この分岐配管の配管作業に手間がかかると
いう欠点がある。さらに、この分岐配管の基端側
と各先端側とをそれぞれポンプと複数の流量計と
に接続する場合に、各配管の端部にねじ部を形成
し、この各ねじ部をポンプの吐出口や各流量計の
流入口に螺着しなければならず、接続作業が非常
に面倒になるという欠点がある。

本考案は上述した従来技術の欠点に鑑みなされ
たもので、本考案は、配管作業に手間がかかる分
岐配管を省略でき、ポンプの吐出口と各流量計の
流入口とを簡単かつ確実に接続できるようにした
ポンプユニツトを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

上述した問題点を解決するために、本考案が採
用する構成は、モータによつて駆動され、吸込口
から吸込んだ油液を吐出口から吐出させるポンプ
と、該ポンプの吐出口を覆うように取付けられる
蓋部材とを備え、該蓋部材は、一側が前記ポンプ
の吐出口と連通する流入路となり、他側が該流入
路から径方向に複数に分岐して開口する分岐路と
なつた内部通路と、該内部通路の流入路側開口端
に設けられ、前記ポンプの吐出口面に取付けられ
た下側フランジと、前記内部通路の分岐路側各開
口端にそれぞれ設けられ、流量計を載置状態で取
付け可能な複数の上側フランジとを一体成形する
ことにより構成し、前記内部通路の各分岐路には
それぞれ逆止弁を内蔵したことにある。

〔作用〕

このように構成にすることにより、単一成形体
からなる蓋体の下側フランジを、ポンプの吐出口
面に取付け、各上側フランジに各流量計を載置し
て取付ければよく、１台のポンプに対して複数台
の流量計の取付け作業性を向上させる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図ないし第７図に
基づき、１台のポンプに対して２個の流量計を接
続するようにした１ポンプ２メータ式の給油装置
を例に挙げて説明する。

図におて、１は給油装置のケーシングで、該ケ
ーシング１は高さ方向に長く伸長する長方形の箱
体状に形成されている。そして、該ケーシング１
は給油所のアイランド（図示せず）上に設置さ
れ、このアイランド内には一端が給油所の地下タ
ンクに接続され他端が後述するポンプ３の吸込口
と接続された固定配管（図示せず）が埋設されて
いる。２はこのアイランド上に位置してケーシン
グ１内に配設された支持台で、該支持台２内には
後述のポンプ３を駆動するモータ（図示せず）が
配設されている。

３はケーシング１内に位置して支持台２上に固
設されたポンプで、該ポンプ３には回転軸３Ａが
突設され、該回転軸３Ａの突出端にはプーリ４が
固着されている。また、該ポンプ３の下端側には
油液の吸込口（図示せず）が設けられ、、この吸
込口は前記固定配管を介して給油所の地下タンク
に接続されている。一方、該ポンプ３の上端側に
は油液の吐出口３Ｂが設けられている（第６図参
照）。そして、該ポンプ３はプーリ４に張設され
るベルト（図示せず）を介して前記モータにより
駆動され、前記吸込口から吸込んだ油液を吐出口
３Ｂから吐出するようになつている。５は該ポン
プ３の一側面に設けられたリリーフ弁で、該リリ
ーフ弁はポンプ３の吐出口３Ｂにおける液圧が所
定の設定圧を越えたときに開弁して、該吐出口３
Ｂからポンプ３の吸込口へと油液を戻すことによ
り、ポンプ３に過負荷がかかるのを防止してい
る。

６はポンプ３の吐出口面としての上側面３Ｃに
設けられ、該ポンプ３と共にポンプユニツトを構
成している蓋部材で、該蓋部材６は第５図ないし
第７図に示す通り、例えば鋳鉄、アルミニウム等
の金属材によつて一体的に鋳造されている。ここ
で、前記蓋部材６は、一側がポンプ３の吐出口３
Ｂと連通するように下向きに開口して流入路７Ａ
となり、他側が該流入路７Ａから径方向に相対向
して２個に分岐し、それぞれ上向きに開口する分
岐路７Ｂ，７Ｂとなつた内部通路７と、該内部通
路７の流入路７Ａ側に位置する開口端７Ｃから径
方向外向きに突設され、円板状に形成された下側
フランジ８と、内部通路７の各分岐路７Ｂ側に位
置する開口端７Ｄ，７Ｄから径方向外向きに突設
され、それぞれ円板状に形成された上側フランジ
９，９とからなり、該各上側フランジ９の下面側
には所定間隔をもつて略三角形状の補強リブ９
Ａ，９Ａ，…が立設されている。

ここで、内部通路７は第５図に示すように下側
フランジ８および各上側フランジ９に対して周方
向に所定角度だけ傾斜し、各分岐路７Ｂの先端側
は各開口端７Ｄ近傍で径方向および軸方向に屈曲
するように形成されているから、該内部通路７内
を流通する油液は流入路７Ａ側の開口端７Ｃから
各分岐路７Ｂ側の開口端７Ｄに向けて円滑に流動
できるようになつている。また、下側フランジ８
の外周側には周方向に、例えば60度または30度の
角度間隔をもつてボルト挿通孔８Ａ，８Ａ，…が
穿設され、該下側フランジ８の下面はポンプ３の
上側面３Ｃに対する衝合面８Ｂとなつている。そ
して該衝合面８Ｂと上側面３Ｃとの間にＯリング
１０を介挿した状態で、下側フランジ８は３個の
ボルト挿通孔８Ａに挿通されるボルト１１，１
１，…によつてポンプ３の上側面３Ｃ上に各上側
フランジ９をポンプ３の対角線上に位置させるよ
うにして締着されている。なお、ポンプ３の上側
面３Ｃには120度の角度間隔をもつて３個のねじ
穴３Ｄが設けられ、該各ねじ穴３Ｄと各ボルト挿
通孔８Ａとを選択的に位置合わせをした状態で、
下側フランジ８は内部通路７、各上側フランジ９
をポンプ３に対して適宜に配向させるようにして
各ボルト１１によつて上側面３Ｃ上に固設するこ
とが可能である。

一方、各上側フランジ９の外周側には120度の
角度間隔をもつて３個のねじ穴９Ｂ，９Ｂ，…が
穿設され、該各上側フランジ９の上面は後述の各
流量計１３を支持するための台座面９Ｃとなつて
いる。そして、該各台座面９Ｃ上には各流量計１
３が載置状態で取付けられるようになつている。
１２，１２は前記各分岐路７Ｂの開口端７Ｄ側に
内蔵された逆止弁で、該各逆止弁１２は各開口端
７Ｄ側に設けた弁座７Ｅ上に離着座するようにば
ね１２Ａによつて付勢されている。そして、該各
逆止弁１２は各分岐路７Ｂ内の油液が各開口端７
Ｄから流出するのを許し、逆流するのを防止して
いる。

さらに、１３，１３は前記上側フランジ９の台
座面９Ｃ上に載置状態で取付けられた流量計で、
該各流量計１３は各上側フランジ９の各ねじ穴９
Ｂに螺着されるボルト１４，１４，…によつて台
座面９Ｃ上に図示しないシール部材を介して固設
されている。そして、該各流量計１３の流入口は
各分岐路７Ｂの開口端７Ｄと連通され、流出口に
はそれぞれ先端側にホースおよび給油ノズルを設
けた吐出配管（いずれも図示せず）の基端が取付
けられるようになつている。かくして、各給油ノ
ズルによつて給油を行なうときには、該各流量計
１３によつてそれぞれの給油量が検出さるように
なつている。

本実施例によるポンプユニツトが設けられた給
油装置は上述の構成を有するもので、その基本的
な作動については従来技術のものと格別差異はな
い。

然るに、本実施例では、ポンプ３の上側面３Ｃ
に蓋部材を６を設け、該蓋部材６を、一側がポン
プ３の吐出口３Ｂに連通する流入路７Ａとなり、
他側が該流入路７Ａから径方向で対向するように
分岐する分岐路７Ｂ，７Ｂとなつた内部通路７
と、流入路７Ａ側の開口端７Ｃから径方向に突設
された下側フランジ８と、前記分岐路７Ｂ，７Ｂ
側の各開口端７Ｄから径方向に突設された上側フ
ランジ９，９とで構成し、下側フランジ８をポン
プ３の上側面３Ｃに載置して固設すると共に、各
上側フランジ９の台座面９Ｃ上には各流量計１３
を載置状態で固設し、該各流量計１３の流入口を
各開口端７Ｄと連通させるようにしたから、ポン
プ３の吐出口３Ｂを各流量計１３の流入口に対し
て簡単かつ確実に接続することができ、、従来技
術のように分岐配管の途中に管継手を設けたり、
各配管の端部にねじ部を形成してポンプや各流量
計に螺着したりする面倒な接続作業をを省略で
き、作業性を大幅に向上させることができる。

さらに、内部通路７の各開口端７Ｄ側には逆止
弁１２を内蔵させたから、各流量計１３にそれぞ
れホース等を介して接続される各給油ノズルによ
つて給油作業を行なう場合に、各開口端７Ｄから
各給油ノズルへと通じる流路が相互に干渉し合う
のを防止でき、一方の給油ノズルを開き、他方を
閉じたときでも、他側の流量計１３が差圧等によ
つて逆回転し検出誤りを起すような事態を確実に
なくすことができる。

また、本実施例では、蓋部材６の下側フランジ
８に例えば30度の角度間隔をもつてボルト挿通孔
８Ａ，８Ａ，…を穿設し、ポンプ３の上側面３Ｃ
に120度の角度間隔をもつてねじ穴３Ｄを設け、
これらを選択的に位置合わせして各ボルト１１に
よりねじ止めするようにしたから、蓋部材６をポ
ンプ３に対して、第４図に示すように対角線上に
配向させたり、または種々の角度をもつて取付け
ることができ、ケーシング１内のスペースに応じ
て、ポンプ３に対する蓋部材６の取付角度を変更
することができる。

なお、前記実施例では、１ポンプ２メータ式の
給油装置を例に挙げて説明したが、本考案はこれ
に限定されず、１ポンプ３メータ、１ポンプ４メ
ータ等の給油装置に設けられるポンプユニツトに
も適用できる。この場合、蓋部材６の内部通路７
を流入路７Ａから３個以上に分岐される分岐路７
Ｂでもつて形成すればよい。

〔考案の効果〕

以上詳述した通り、本考案によれば、ポンプの
吐出口面に取付けられる蓋部材を、一側がポンプ
の吐出口と連通する流入路となり、他側が該流入
路から径方向に複数に分岐して分岐路となつた内
部通路と、該内部通路の流入側開口端に設けられ
る下側フランジと、分岐路側各開口端に設けられ
る上側フランジとを一体成形することにより構成
し、内部通路の各分岐路にはそれぞれ逆止弁を内
蔵させたから、蓋部材の下側フランジをポンプの
吐出口面に取付けた状態で、各上側フランジ上に
各流量計を載置して簡単に取付けることが可能と
なり、各流量計をポンプに対して容易に接続でき
る。また、各逆止弁によつて各流量計を正確に作
動させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例のポンプユニツトに流量計を
取付けた状態で示す外観図、第２図は第１図中に
示すポンプユニツトの正面図、第３図は第２図の
左側面図、第４図は第２図の平面図、第５図は第
４図中の蓋部材を拡大して示す平面図、第６図は
蓋部材をポンプの上側面に取付けた状態で示す第
５図中の矢示−方向断面図、第７図は第６図
中の矢示−方向断面図である。 １……ケーシング、３……ポンプ、３Ｂ……吐
出口、３Ｃ……上側面、３Ｄ……ねじ穴、４……
プーリ、６……蓋部材、７………内部通路、７Ａ
……流入路、７Ｂ……分岐路、７Ｃ，７Ｄ……開
口端、８……下側フランジ、８Ａ……ボルト挿通
孔、９……上側フランジ、９Ｂ……ねじ穴、９Ｃ
……台座面、１０……Ｏリング、１１，１４……
ボルト、１２……逆止弁、１３……流量計。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モータによつて駆動され、吸込口から吸込んだ
   油液を吐出口から吐出させるポンプと、該ポンプ
   の吐出口を覆うように取付けられる蓋部材とを備
   え、該蓋部材は、一側が前記ポンプの吐出口と連
   通する流入路となり、他側が該流入路から径方向
   に複数に分岐して開口する分岐路となつた内部通
   路と、該内部通路の流入路側開口端に設けられ、
   前記ポンプの吐出口面に取付けられた下側フラン
   ジと、前記内部通路の分岐路側各開口端にそれぞ
   れ設けられ、流量計を載置状態で取付け可能な複
   数の上側フランジとを一体成形することにより構
   成し、前記内部通路の各分岐路にはそれぞれ逆止
   弁を内蔵してなるポンプユニツト。