JPH0369569B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、砂利のような比較的大粒の粒子で形
成された流動層上に固体燃料である石炭を供給
し、更に熱移送物体として砂の如き微粒子を循環
させて熱効率を向上させる循環型流動層ボイラに
おいて、その排気ガス中に効果的に薬液を分散
し、接触させて脱硝する方法に関するものであ
る。

〔従来技術〕

排ガスの排出基準を満たしながら固体燃料を効
率よく燃焼させることができるボイラとして、砂
利のような比較的大粒の粒子で形成された流動
層、即ちデンスベツドの上に、灰および石灰石等
の微粒子の再循環層を形成した循環型流動層ボイ
ラが提案されている。

この循環型流動層ボイラの概要について第３図
を参照して説明すると、このボイラは、燃焼器で
あるコンバスタ１と、このコンバスタ１に隣接し
て設けられた外部熱交換器２と、この外部熱交換
器２上にあつて、前記コンバスタ１の頂部と連結
ダクト３を介して流体供給口が連結されたサイク
ロン４等から構成されている。そして前記外部熱
交換器２は、仕切壁５によつて内部が２分され、
一方にホツトウエル６が、そして他方に熱交換部
７がそれぞれ形成され、前記外部熱交換器２の下
部には流動空気供給管２１が設けられている。ま
た、熱交換部７内には伝熱部２２が設けられ、こ
れに供給された水を加熱して水蒸気を発生させる
ようになつている。

また、前記コンバスタ１は、下部のデンスベツ
ド領域Ａと、これの上部の大径部分のフリーボー
ド領域Ｂより構成されている。

前記デンスベツド領域Ａには、砂利等からなる
デンスベツド材８が収容されているデンスベツド
９が形成される。また、このデンスベツド９には
固燃料としての石炭１０及び硫黄分の捕獲の目的
とし、循環ベツド材の一部となる粉砕された石灰
石が供給管１１より供給される。

また、デンスベツド領域Ａの最下部には、供給
管１３等によつて構成される流動化空気系が設け
られ、前記デンスベツド９を流動化させる流動化
空気ａがコンバスタ１内に供給される。

この流動化空気ａは、分散板によつてデツスベ
ツド９の全領域にわたつて送り込まれ、デンスベ
ツド材８を全体的に流動化させる役割をしている
が、一部は燃焼用に利用される。なお、この流動
化空気ａは燃焼負荷の増大如何にかかわらずデン
スベツド材８が常に一定の流動化状態を維持する
ように供給される。

前記デンスベツド領域Ａの上縁部分に相当する
個所には、供給管１４等によつて構成される燃焼
空気系が設けられ、燃焼用空気ｂが流量調整部１
５によつて供給量が自動的に調整されながらコン
バスタ１内に供給される。

一方、コンバスタ１の上部の拡大部分に形成さ
れたフリーボード領域Ｂは、デンスベツド領域Ａ
及びこのフリーボード領域Ｂの下部において燃焼
によつて発生したカーボンや灰あるいは微粒子化
した石灰石が浮遊循環する循環層１６を形成して
いる。この循環層１６には二次空気系１７より二
次空気ｃが供給され、より完全な燃焼が行なわれ
る。

前記のように、コンバスタ１内においては石炭
１０等の固体燃料の燃焼が行なわれるが、デンス
ベツド領域Ａ及びフリーボード領域Ｂ内で発生し
たカーボンや灰、あるいは微粒子化した石灰石等
からなる循環ベツド材ｒを含むガスｇが連結ダク
ト３を経由してサイクロン４内に供給され、ここ
でガスｇと循環ベツド材ｒに分離され、ガスｇは
図示しない対流ボイラに供給されて蒸気発生のエ
ネルギ源として利用される。

そして石灰石、灰、カーボン等からなる循環ベ
ツド材ｒは、サイクロン４の下部に延長されてい
る取出管２０より外部熱交換器２のホツトウエル
６内に自重で落下し、供給される。この外部熱交
換器２内には、流動空気供給管２１より空気が供
給されているので、循環ベツド材ｒは流動化され
ている。

前記ホツトウエル６内に供給された循環ベツド
材ｒは、仕切壁５の上端部よりオーバーフローし
て伝熱管２２を内蔵している熱交換部７内に流入
してここで熱を回収して蒸気Ｓを発生させる。な
お、前記熱交換部７内においては、循環ベツド材
ｒに含まれている灰ｄは流動化している循環ベツ
ド材ｒの上層部に浮上し、熱交換部７の上部に設
けた排出管２３を介して外部に排出される。

ホツトウエル６の下部とコンバスタ１の下部と
の間はホツトリサイクル管２４で、また、熱交換
部７の下部とコンバスタ１の下部の間はコールド
サイクル管２５でそれぞれ連結されている。そし
てホツトウエル６より高温の循環ベツド材ｒがホ
ツトリサイクル管２４を経由して流動床領域Ａ内
に還流し、熱交換部７において熱交換され、温度
が低下した循環ベツド材ｒはコールドリサイクル
管２５を経由してデンスベツド領域Ａ内に還流す
る。ホツトリサイクル管２４で還流する高温の循
環ベツド材ｒはデンスベツド領域Ａおよびフリー
ボード領域Ｂを所定の濃度に保持するためのもの
である。そしてコールドリサイクル管２５で還流
する低温の循環ベツド材ｒは、燃焼温度を制御す
るものである。

なお、外部熱交換器２の頂部にはガス抜管２７
の一端が接続され、他端はコンバスタ１のフリー
ボード領域Ｂを形成する太径部に接続されてお
り、外部熱交換器２内のガスをコンバスタ１のフ
リーボード領域Ｂ内に戻すように構成されてい
る。

〔本発明が解決すべき問題点〕

循環流動層ボイラは二段燃焼を行なつており
NOx低く押さえられている。しかし低負荷で空
気過剰率が大きい場合NOxが増える。このNOx
が公害規制値を越える場合は脱硝をする必要がで
てくる。

そこでガスｇがサイクロンから出たあと、ダク
ト等の経路内、或いは別に設置した脱硝処理装置
内に尿素水溶液等の脱硝剤を噴霧し、その噴霧中
にガスｇを通すことによつて、ガスｇの中の
NOxを還元し脱硝する方法がとられている。

しかしながら、この方法はダクトを流れるガス
のフローパターンが不均一で、かつ複雑であり、
またダクトの断面形状が比較的大きいためダクト
全体に均一に脱硝剤を注入拡散するのが困難であ
り、したがつてノズル付の枝管を多数配置した非
常に大きな脱硝処理装置を必要としていたが、そ
の割には脱硝剤の拡散、混合が悪く、設備費がか
さむと共に、運転費、特に脱硝剤を多量に消費す
るという問題があつた。

〔発明の目的〕

本発明は、前記従来の循環型流動層ボイラの脱
硝方法の問題点を解消するものであつて、外部熱
交換器とコンバスタの間を循環する熱媒体として
のフリーボード材には、全く影響を及ぼさず、排
出するガスにのみ脱硝剤を噴霧するようにしたの
で、ボイラ本来のコントロールを乱すことがな
く、ガス中に万遍なく、確実に脱硝剤を混合させ
ることができ、しかも小型で特別に処理装置を設
置することなく、高効率の循環型流動層ボイラの
脱硝方法を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

前記目的を達成するための本発明は、デンスベ
ツドを有するコンバスタと、該コンバスタに連通
され、かつ下部が外部熱交換器に連通するサイク
ロンと、該外部熱交換器と前記コンバスタとを連
通させるようにした循環型流動層ボイラにおい
て、前記サイクロンの排気筒内又は後流側の旋回
気流中に脱硝剤を分散注入することを特徴とする
ものである。

即ち、コンバスタで加熱され、サイクロンでフ
リーボード材等の固形分が分級された排ガスが、
高速で旋回しながらサイクロン内を上昇し、排気
筒又は該排気筒の直上及びその付近で排ガスが旋
回エネルギを維持しているダクト内に脱硝剤注入
装置を設けるものである。

前記注入装置は、ノズルから旋回流動中の排ガ
ス中に脱硝剤を放射状に噴霧し、排ガス中の
NOxを還元させ、脱硝させるものである。

前記脱硝剤注入装置は、脱硝剤注入管を旋回気
流で十分拡散・混合する位置例えばサイクロンの
排気筒内の断面方向に噴霧するように設けるか、
前記排気筒に接続され、まだ旋回エネルギーを有
している排ガスを案内するダクト内に、前記排気
筒もしくはダクトを横断する如く脱硝剤を噴霧さ
せるようにする。

具体的には、脱硝剤注入管に設けるノズルは排
気筒の内部に導設した注入管から排気筒の下方に
円錐状に噴霧させるもの、横方向に円周方向に噴
霧させるもの、或いは排気筒の外周面から排気筒
の内部に向かつて噴霧させるもの等いずれでもよ
い。

〔実施例〕

次に第１，２図を参照して本発明の実施例を説
明する。

脱硝装置３０は注入管３１から供給される脱硝
剤Ｋは、枝管３２ａ，３２ｂ，３３及びリング管
３４、並びにノズル３５，３６，３７を介してサ
イクロン内筒４５内に霧状に噴出させるようにし
たものである。

これを更に詳細に説明すると、前記枝管３２ａ
は排気筒４５の壁を貫通し、排気筒４５の中心Ｌ
に沿つて下方に垂直方向の枝管３２ｂを延在さ
せ、その先端にノズル３５を設け、脱硝剤Ｋを下
方に円錐状に噴出させる。

また、前記枝管３２ｂには横方向に放射状に噴
出させる複数のノズル３６を設ける。

更に、前記枝管３３は排気筒４５の外周面に設
けた断面半円形のリング管３４に接続する。そし
て、前記リング管３４の内面、つま排気筒４５に
は第２図に示すように内筒４５の中心Ｌの方向に
向かつて噴出させるノズル３７を設ける。

前記枝管３２ｂに設けるノズル３６、並びにリ
ング管３４及びノズル３７は上下に所定の間隔を
おいて複数段に設けてもよい。

このように構成された脱硝装置３０のノズル３
５，３６，３７は排気筒４５内に脱硝剤Ｋを万遍
なく噴霧させることができる。一方サイクロン４
から高速で旋回しながら上昇する排ガスｇは排気
筒４５内を旋回エネルギーを維持しながら上昇
し、前記排気筒内を横断する噴霧状の脱硝剤Ｋと
混合するので、効率よく、少量の脱硝剤で脱硝処
理を行うことができる。

なお、本実施例では排気筒４５内に設けた例を
あげたが、排気筒４５の直上で排ガスｇが旋回エ
ネルギを維持しているダクト４６内に設けても同
様の効果がある。

また、前記脱硝剤に用いる薬剤は一般にアンモ
ニアガス、アンモニア水溶液、尿素水溶液が用い
られ、ノズルからの噴出手段は圧縮空気による噴
霧か蒸気噴霧又は圧力噴霧によつて行われる。

〔発明の効果〕

以上のように本発明による循環型流動層ボイラ
の脱硝方法は、デンスベツドを有するコンバスタ
と、該コンバスタに連通され、かつ下部が外部熱
交換器に連通するサイクロンと、該外部熱交換器
と前記コンバスタとを連通させるようにした循環
型流動層ボイラにおいて、前記サイクロンの排気
筒内又は後流の旋回気流中に脱硝剤を分散注入す
ることを特徴とするものであつて、次の効果を奏
することができる。

排ガスが旋回エネルギーを維持しながら排出さ
れる途中の排気筒又は排気筒後流のダクト内で、
脱硝剤を排ガスと交差する方向に噴霧することに
よつて、脱硝剤と、排ガスが万遍なく拡散、混合
するので、小型の装置で少量の脱硝剤で、確実
に、効率的に処理できて、かつ運転費が極めて少
なくて済む。

更に、ボイラ内を循環する熱媒体としての循環
ベツド材には全く影響がないので、ボイラ本来の
コントロールを乱すことがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による脱硝方法の一実施例を示
す拡大図、第２図は同−矢視断面図、第３図
は循環型流動層ボイラの一般説明図を示す。 ３……連結ダクト、４……サイクロン、３０…
…脱硝装置、３１……注入管、３２ａ，３２ｂ，
３３……枝管、３４……リング管、３５，３６，
３７……ノズル、４５……排気筒、４６……ダク
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ デンスベツドを有するコンバスタと、該コン
   バスタに連通され、かつ下部が外部熱交換器に連
   通するサイクロンと、該外部熱交換器と前記コン
   バスタとを連通させるようにした循環型流動層ボ
   イラにおいて、 前記サイクロンの排気筒内又は後流の旋回気流
   中に脱硝剤を分散注入することを特徴とする循環
   型流動層ボイラの脱硝方法。