JPH0357476Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、インクジエツト方式の記録装置に用
いるインクベルトに関するものである。

〔考案の概要〕

多数の孔又は凹部を設けたベルト本体を、ガイ
ドベルトによつて挾持し、一体のループ状のイン
クベルトを形成するようにしたものである。

〔従来の技術〕

特開昭60−71260号にて提案されたインクジエ
ツト方式の記録装置に用いられるインクベルトは
単純なベルトで、エンドレス形状のものであつ
た。

〔考案が解決しようとする問題点〕

インクベルトの形状が単純な平ベルトである
と、記録装置において使用する時に、前記インク
ベルトを駆動および支持するローラ類の外周面に
記録インクが付着する事がある。その結果、イン
クベルトの走行に悪影響を及ぼす事があり、特に
長い休止状態に記録装置を置くと、インクベルト
とプーリがインクの乾燥ではり付くトラブルもあ
る。さらに、カラー記録を行う記録装置におい
て、１本のインクベルトによる方式ではプーリ表
面に付着したカラーインクが他のカラーインクと
混色するトラブルもある。さらに、エンドレスの
インクベルトは製作が困難であり高価なものとな
つてしまう為に、短冊形のインクベルト端部を接
合してエンドレスベルトを得る方が安価で、大量
生産も可能となる。しかし、短冊形のインクベル
トの短部を接合したベルトでは、前記接合部分が
記録不可能となつたり、記録ヘツドに対し摩耗の
促進、あるいは特別な記録ヘツド逃がし機構が必
要とされる等の問題点があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記問題点に鑑み、多数の孔又は凹部を設けた
ベルト本体をガイドベルトで挾持し、一体のイン
クベルトを形成し、安価で安定した記録を実現し
ようとするものである。

〔作用〕

多数の孔又は凹部を設けたベルト本体をガイド
ベルトで挾持し、一体のインクベルトを形成し、
前記インクベルトを使用する記録装置では、イン
クベルト走行が安定し、特に、カラー記録を１本
のインクベルトで行う方式でもインクの混色が防
止でき、さらに、短冊形のベルト本体からインク
ベルトが製造できるので大量生産が可能となり、
安価なインクベルトが入手できる。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて、本考案の一実施例を説
明する。第１図は本発明によるインクベルトの外
観図である。１は例えば合成ゴム等の弾性材料か
ら成るガイドベルトで、その端面には全円周に渡
つて溝が形成されている。２は10〜200μm径の孔
又は凹部を多数設けられた、例えばＡ等の薄い
金属フイルムやポリイミド等の耐熱性の高い有機
フイルム等から成るベルト本体である。第２図は
インクベルト断面図である。第３図ａ，ｂはベル
ト本体接合部分の断面図である。

次にインクベルトの構成について説明する。ベ
ルト本体２はガイドベルト１の端面に設けた溝に
第２図に示すように挾持されている。通常は単に
挾持するだけで実使用上問題はないが、挾持部を
接着しても良い。さらに、短冊形のベルト本体２
を用いる場合も同様だが、特に、ベルト本体２の
長さをガイドベルト１の円周の長さより僅かに長
くした場合、ベルト本体２の両端部は第３図ａに
示すようにオーバーラツプするが、記録装置取付
け時に第１図矢印Ａの方向へ少しテンシヨンを与
えれば、第３図ｂに示すように、ベルト本体２の
両端部は全く一致する。従つて、高精度をベルト
本体２とガイドベルト１に要求する事も必要な
く、安価なインクベルトが得られる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、安定し
たインクベルト走行や、カラー記録時の混色を防
止し、さらに、安価で大量生産可能な、インクジ
エツト方式用のインクベルトが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はインクベルトの外観斜視図であり、第
２図はインクベルト断面図であり、第３図ａ，ｂ
はベルト本体接合部の断面図である。 １……ガイドベルト、２……ベルト本体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 多数の孔又は凹部を設けたベルト本体と、前
   記ベルト本体を挟持するガイドベルトによつて
   構成されるインクベルトにおいて、ベルト本
   体、ガイドベルト共に継ぎ目のないエンドレス
   ベルトとした事を特徴とするインクベルト。 (2) 前記ベルト本体を短冊形とした、実用新案登
   録請求の範囲第１項記載のインクベルト。 (3) 前記ベルト本体を短冊形とし、長さを前記ガ
   イドベルトの円周の長さより僅かに長くした、
   実用新案登録請求の範囲第１項記載のインクベ
   ルト。