JPH0354087Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はカツターシヤツのカラーの保護カバー
（以下、単に保護カバーという）に関する。さら
に詳しくは、新品またはクリーニング後などにプ
レスされたカツターシヤツのカラーにかぶせて取
り付け、カラーが折れたりつぶれたりしないよう
に外力から保護するためのカバーに関する。

［従来の技術］ 従来のカツターシヤツのカラーの保護部材とし
ては、帯状板紙または合成樹脂シートからなり、
カラーの折り返しの裏側に沿つて挿入することに
より剛性を増加させて外力から保護するものが知
られている。またカラー全周の1/4程度の長さの
板紙や合成樹脂製シートも用いられている。この
保護部材は通常中心に設けられたスリツト部にカ
ツターシヤツの第１ボタンを差し込んで固定し、
カラーの折り返しの裏側へ挿入して前記スリツト
を中心に両側へ延びた状態で使用する。このもの
はカラーの襟元のつぶれを防止するものである。

［考案が解決しようとする課題］ 従来の保護部材は前述のごとく、シート部材を
カラーの折り返しの裏側へ挿入して用いるため、
カラー表面への局部的な外力による損傷は防止し
がたい。また後者のものにおいてはカラーの前方
部分の保護をなしうるだけである。さらにこれら
の保護部材は人間の手によつてカラーの折り返し
の裏側に挿入するため、その作業中はカラー表面
の汚損や損傷に注意を払う必要があり手間がかか
る。

そこで本考案は、叙上の不便不都合を排し、カ
ラーに簡単にしかもしつかりと取り付けることが
でき、カラーを全面、全周にわたつて保護し、さ
らに従来品より強度を向上させた保護カバーを提
供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 本考案の保護カバーは１枚のシートから成形さ
れ、左右の襟および奥襟に対応する三角形の環状
に連なる山部と、該山部に取り囲まれた三角形状
の凹部と、該凹部の前方に形成される襟の両端間
に嵌入されるべき三角形状の谷部とを有し、前記
山部の外側斜面がカツターシヤツのカラーの斜度
に対応する斜度を有し、前記山部の裾全周と前記
凹部と底部とが同一平面内にあるように成形され
ていることを構成上の特徴としている。

また前記三角形状の谷部の前端辺中央部から後
方へ、カツターシヤツのボタンを係止するための
スリツトを延設したものが好ましい。さらに全体
が透明であるものが好ましい。

［作用］ 本考案の保護カバーはカツターシヤツのカラー
の全体を覆う状態で取り付けられる。またスリツ
トのあるものでは最前端中央に設けられたスリツ
トにカツターシヤツのボタン部を差し込んで固定
する。

したがつて、ワンタツチで取り付けられ、カラ
ー表面の損傷や汚れをも防止することができる。
また透明な保護カバーにあつてはカラーがかくれ
ることがないため従来と同じく、カラー表面がよ
く観察できる。

さらにこの保護カバーはカラーの内外両側を保
護カバー壁が山形となつて覆うため、従来のもの
より強度および耐久性に優れている。

［実施例］ つぎに図面を参照しながら本考案の保護カバー
を説明する。

第１図は本考案の保護カバーの一実施例を示す
斜視図、第２図および第３図はそれぞれ第１図の
保護カバーの−線断面図および−線断面
図、第４図は第１図の保護カバーをカツターシヤ
ツに取り付けた状態を示す斜視図である。

第１図に示される保護カバー１は、たとえばポ
リスチレン（PS）、ポリ塩化ビニル（PVC）、ポ
リプロピレン（PP）、または２軸延伸ポリスチレ
ン（OPS）などの合成樹脂シート（通常厚さ0.18
〜0.35mm程度）からカツターシヤツのカラーの形
状にほぼ沿つた環状の山形に成形されたものであ
る。成形にはたとえば真空成形、圧空成形などの
方法が用いられる。その山部２の後部と両側部の
外側斜面３はプレス後のカラーの斜度や灣曲形状
にほぼ対応するような形状にされており、その斜
面の裾全周にわたつて５mm程度の幅のつば部４が
形成されている。

環状に連なる山部の内側は三角形の凹部５とな
つており、底部６を有している。その底部の一部
はさらに凹状に窪んだ中央支持部７を形成してい
る（第２図参照）。この中央支持部７は前述のつ
ば部４と同一平面内にあるように形成されてい
る。

また前記保護カバーの、カツターシヤツの襟元
に対応する部位には、襟の両前端が構成する三角
形部（第４図のＤ）にはまり込むような三角状の
底面を有する谷部８が形成されている。その谷部
の外端辺９にも前記つば部４が形成されており、
そのつば部より後側の底面８ａはつば部の面より
若干上へ上げられている（第３図参照）。谷部８
の底面には、外端辺中央から後方向へ30mm程度伸
びるスリツト１０が設けられている。そのスリツ
ト１０は保護カバーをカツターシヤツのカラーに
かぶせると同時にカツターシヤツのボタン（第４
図のＥ）の取付糸の部分を差し込むようにして取
り付けるためのものである。

この保護カバーをカツターシヤツのカラーに取
り付けた状態（第４図参照）で前記つば部４と中
央支持部７とが保護カバーの頂部１１などに加わ
る外力を支持してカラーを保護する。

また前記凹部５の最前端１３と前記三角状の谷
部８の最後端１４との間には、カツターシヤツの
襟の最前端部が入るようにスペースＡが設けられ
ている（第３図参照）。このスペースＡはたとえ
ば前後20〜30mm間隔にしておくと、１つのサイズ
の保護カバーで多種のカラーサイズのカツターシ
ヤツに対して使用できる。

また保護カバーの前面の幅Ｂを、両前端の開き
角度の大きいカラーに対応する寸法にし、一方前
記谷部８の前面開口部１５の角度Ｃを両前端の開
き角度の小さいカラーに対応させて小さくしてお
けば、一つの保護カバーを種々の襟先形状のカツ
ターシヤツに用いることができる。

また保護カバーが透明であるばあい、カラーに
取り付けられてもカラーが隠れることがないので
新品のカツターシヤツに用いるのにも適してい
る。

新品のカツターシヤツのばあい、通常は長方形
の板紙が、折りたたまれたカツターシヤツの前面
にわたつて挿入されているため、カラー部の折れ
曲がりの防止には役立つている。しかし、複数着
のカツターシヤツを積み重ねて運搬保管するばあ
いなどには、カラーが押しつぶされるのを防止す
るために本考案の保護カバーが適している。

一方、クリーニング業界では一般に前記板紙は
用いられていないため、とくにこの保護カバーが
効果を発揮する。またクリーニングされたカツタ
ーシヤツをそのまま旅行カバンにつめ込んで運ぶ
ばあいなど、各家庭においてもこの保護カバーは
有効である。

図面に示される実施例の保護カバーにおいて
は、山部が比較的明瞭な三角形状に連なつて形成
されているが、たとえば丸みを帯びた三角形であ
つてもよい。

［考案の効果］ 本考案の保護カバーはカツターシヤツのカラー
に簡単にしかもしつかりと取り付けることがで
き、カラーの内側（人間の首が通る開口部）に没
入される中央支持部とカラーの外側の裾のつば部
とで外力を受けるため従来のものより強度が高
い。また透明であるばあいは取り付けられた状態
でもカツターシヤツのカラー部はよく見える。さ
らにカラー全体を覆うので汚れ、傷などを防止す
るという利点をも有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の保護カバーの実施例を示す斜
視図、第２図および第３図はそれぞれ第１図の保
護カバーの−線断面図および−線断面
図、第４図は第１図の保護カバーをカツターシヤ
ツに取り付けた状態を示す斜視図である。 図面の主要符号、１……保護カバー、２……山
部、５……凹部、８……谷部、１０……スリツ
ト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ １枚のシートから成形され、左右の襟および
   奥襟に対応する三角形の環状に連なる山部と、
   該山部に取り囲まれる三角形状の凹部と、該凹
   部の前方に設けられる襟の両端間に嵌入される
   べき三角形状の谷部とを有し、前記山部の外側
   斜面がカツターシヤツのカラーの斜度に対応す
   る斜度を有し、前記山部の裾全周と前記凹部の
   底部とが同一平面内にあるように成形されるカ
   ツターシヤツのカラー保護カバー。 ２ 前記三角形状の谷部の前端辺中央部から後方
   へ、カツターシヤツのボタンを係止するための
   スリツトが延設されている請求項１記載のカツ
   ターシヤツのカラー保護カバー。 ３ 全体が透明である請求項１記載のカツターシ
   ヤツのカラー保護カバー。