JPH0353766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） 本考案は押出し形材を製造するための治具に係
わり、形材を螺旋状に押し出すためのものに関す
る。

（従来の技術） 螺旋状に形材を押し出すことはすでに知られて
いる。押し出された形材の先端を把持して回転さ
せながら押し出せばよい。金型を形材が螺旋状に
押し出されるように特殊形状として押し出す場合
もあるが、その特殊金型を使用した場合でも形材
先端を把持して回転させながら押し出すものが併
用される場合がある。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のように形材の先端を回転させながら押し
出す場合には、押出し速度と回転速度とを正確に
同期させないと一定なピツチの螺旋にはならな
い。ところが、押し出されて出てくる形材の速度
は通常一定とは限らないので、従来は押出し速度
を検出してその速度情報から回転速度を調節する
という複雑な制御手段を用いなければならなかつ
た。

本考案は上記のような複雑な制御手段を用いず
とも形材を簡単に一定のピツチの螺旋状とするこ
とができる治具を提供することを目的とするもの
である。

［考案の構成］ （問題点を解決するための手段） 本考案は円筒に一定のピツチで螺旋状のスリツ
トを形成させたガイド筒を用いることを特徴とす
るもので、このガイド筒内でスリツトに沿つて回
転しながら移動する回転把持具に押し出される形
材の先端を把持させるようにしたものである。回
転把持具はプラー等により押出し方向に引かれる
ようにしてもよい。その際には回転把持具は当然
プラー等には回転自在に取り付けられる。

（作用） 押出機から押し出された形材の先端をガイド筒
内の回転把持具に固定して押し出すと、この回転
把持具はガイド筒のスリツトに沿つて回転するの
で、押し出された形材が回転させられ螺旋状にな
る。ガイド筒に形成されたスリツトは一定のピツ
チで螺旋状にされているので、押出し速度に関係
なく回転把持具は一定のピツチで回転させられ
る。また、形材のねじり易い部分は押出しダイス
出口直後の高温部分である。従つて、形材は押出
し速度に無関係に一定のピツチの螺旋となる。

（実施例） 本実施例は第３図に示す螺旋状の形材１を押し
出すための治具である。この形材１の金型のダイ
ス孔２は第４図に示すように頂点が円形とされた
正三角形の各辺が内側に若干湾曲した形状であ
る。すなわち、この形材１は断面が略三角形のも
のをねじつた形状で、ねじりピツチは16mmで360
度とされている。なお、この形材の三角形の頂点
が内接する円の直径は40mmである。

本治具１０は縦型の押出機（図示せず）で押し
出した形材をねじるためのもので図示のように台
１１に円筒状のガイド筒１２を直立させてある。
このガイド筒１２には一定のピツチでスリツト１
３Ａ，１３Ｂが螺旋状に形成されている。この２
本のスリツトは同一高さの180度異なる位置から
同一ピツチで形成されている。このスリツトを有
するガイド筒１２を直立に支持するのが台１１に
直立させられた３本の支持柱１４である。これら
の支持柱１４から支持片１５を多数突出させてガ
イド筒１２を直立に支えている。

このガイド筒１２内を移動されるのが第２図に
示す回転把持具１７であり、ガイド筒１２の内径
より小さい直径の円柱体からなる回転体１８の一
端に前記押し出される形材１の先端を差し込む穴
１９を形成させ、この穴を形成させた筒所に外側
からボルト２０，２０を通すことができるように
なつている。すなわち、この穴１９へ形材１の先
端を挿入してボルト２０，２０で形材１を固定す
るようになつている。この穴１９を形成させた側
の反対側には回転把持具１７を引つ張るためのフ
ツク２１が回転自在に取り付けられている。この
把持具１７の回転体１８の任意の箇所にガイドピ
ン２２を貫通させて取り付けるようになつてい
る。また、ガイドピン２２がスリツト１３Ａの上
端に位置するときボルト２０，２０はガイド筒１
２の上端より上方にあるように回転体１８の長さ
が設定されている。

上記ガイドピン２２の長さはこの回転把持具１
７をガイド筒１０に入れたときに少なくともガイ
ド筒１０に設けた双方のスリツト１３Ａ，１３Ｂ
に掛る長さとされている。より長く両側のスリツ
トから外に出する長さであることが望ましい。こ
のガイドピン２２は回転把持具１７をガイド筒１
０に入れてスリツト１３Ａから回転体１８の孔を
通して他方のスリツト１３Ｂへと貫通させてあ
る。本実施例ではガイドピン２２は１本の棒で構
成させてあるが180度対称的な位置に形成させた
ねじ孔にそれぞれ別々のボルト等を固定するよう
にしてもよい。２本のピンを用いる場合、高さを
厳密に選択すれば180度対称位置でなく90度その
他高さの差に対応する位置にずらして取り付けて
もよい。直線状に貫通させるのが最も簡単である
のはいうまでもない。また、本実施例はガイドピ
ン２２が回転体表面から２本出ている形状である
が、これはいうまでもなくスリツトを１３Ａ，１
３Ｂと２本形成させたためである。スリツトが１
本の場合はガイドピンを片側にだけ取り付ければ
十分であることはいうまでもない。

上記ガイドピン２２がガイド筒１２のスリツト
１３Ａ，１３Ｂに差し込まれて回転把持具１７が
ガイド筒１２に入れられる。形材１の先端がガイ
ド筒１２の先端まできたときに回転把持具１７の
穴１９に入れボルト２０，２０で固定してフツク
２１で引かせる。ガイドピン２２がスリツト内に
あるので、回転把持具１７はスリツトに沿つてス
リツトの通りに回転する。従つて、形材１はダイ
ス穴２から出るときにねじられ、螺旋状の形材に
なる。この螺旋のピツチは押出し速度に無関係に
ガイド筒１２のスリツト１３Ａ，１３Ｂの螺旋と
等しくなる。従つて、ほぼ一定のピツチの螺旋形
の形材を得ることができる。

本実施例治具１０は縦型とされているのは縦型
の押出機のためで、押出機が横型の場合は当然横
にして配置されるものである。

［考案の効果］ 以上のように本考案は螺旋状にスリツトを形成
させたガイド筒内に形材の先端を把持する回転把
持具をスリツトに沿つて回転するように取り付け
るようになつているので、形材はこのスリツトの
螺旋と等しい螺旋にねじられながら押し出される
ことになり、一定のピツチの螺旋を形成させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のガイド筒の斜視
図、第２図は回転把持具の斜視図、第３図は本治
具を用いて押し出した形材の側面図、第４図はそ
の形材を押し出すダイの平面図。 １０……治具、１１……台、１２……ガイド
筒、１３Ａ，１３Ｂ……スリツト、１７……回転
把持具、２２……ガイドピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のガイド筒に一定ピツチの螺旋状のスリ
   ツトを設けるとともに、このスリツトを設けたガ
   イド筒内に押出機から押し出される形材先端を固
   定して前記スリツトに沿つて回転しながら移動す
   る回転把持具を収納したことを特徴とする治具。