JPH0353681Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、淡水化装置に関し、特に冷却水が豊
富に採れない地方で効果的な淡水化装置に関す
る。

〔従来の技術〕

第２図ないし第４図は従来の淡水化装置を概略
的に説明する図で、第２図は海水利用冷却器の側
面図、第３図は淡水化装置の作用説明図、第４図
は第３図を−線矢視方向からみた側面図であ
る。第２図〜第４図において、１は内部に多数の
冷却用パイプ１０を配設された冷却器、２は同冷
却器１の入口側に一側が接続され管路にポンプ３
を有する冷却材輸送用パイプで他側（入口側とな
る部分）は海洋の海水面５を貫通して配設されて
いる。４は上記冷却器１の出口側に一側が接続さ
れ他側が海洋に開口するごとく配設された利用済
冷却材輸送パイプである。２０は淡水化されるべ
き海水、鹹水等の液体を入れる貯液槽、２１は同
貯液槽２０へ連通する液体輸送パイプ、２２は上
記貯液槽２０を下部に有し図示を省略した加熱手
段や減圧手段等を備え蒸発する蒸気の流路と前記
冷却器１と連通する蒸発室、２３は前記冷却器１
の下部に配設された淡水の貯液槽、２４は同貯液
槽２３に一側が連通した淡水取出し口である。

このような構成において、淡水化されるべき液
体は予め加熱や減圧等により蒸発室２２で蒸発す
る条件が整えられ、パイプ２１から貯液槽２０へ
導かれ蒸発する。蒸気は冷却器１内に配設された
多数の冷却用パイプ１０で冷却されパイプ外表面
で液化し貯液槽２３へ落下し淡水となつて取出し
パイプ２４から系外へ取り出される。この場合、
冷却用パイプ１０内を流過する冷却材としての海
水はパイプ２によりポンプ３を介して冷却器１内
へ供給され、パイプ４により海洋へ排出される。

〔考案が解決しようとする問題点〕

このように従来は冷却器１へは海面５の下から
パイプ２、ポンプ３によつて、海水を冷却材とし
て流していたので多量の海水を必要とし、淡水化
装置の設置場所は海岸付近に限定される欠点があ
つた。

又、冷却用海水が多量に得られ難い内陸地方
は、冷却塔を使用する必要があるが、砂漠等の熱
い地方では冷却塔も効率が悪い欠点があつた。

〔目的〕

本考案は、上記従来の欠点を解消することを意
図するものであつて、地下の冷熱を利用して冷却
液化させるようにした淡水化装置を提供すること
を目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

そして、本考案は、上記目的を達成する手段と
して、地下に放熱器を配設し、この放熱器を介し
て冷却材を循環使用する点にある。すなわち、本
考案は、淡水化されるべき液体の蒸発手段と、同
蒸発手段により発生した蒸気を冷却手段へ導き冷
却凝縮させて淡水を得る装置において、前記冷却
手段の出口部から排出される冷却材を冷却源とな
る地下に配設された放熱器へ導く手段と、上記放
熱器により放熱された冷却材を前記冷却手段の入
口部へ導く手段とからなることを特徴とする淡水
化装置である。

〔実施例〕

第１図は本考案淡水化装置の一実施例を示す概
略説明図である。第１図において、第２図ないし
第４図と同一付番の部材は同一の作用効果を奏す
るので説明を省略する。

第１図が第２図ないし第４図と相違する点は地
面６下の冷却源となる地下部に放熱器７を配設し
たことである。そして、上記放熱器７の入口部に
利用済冷却材輸送パイプ４の出口部を接続し、放
熱器７の出口部を冷却材輸送用パイプ２の入口側
に接続し冷却材を循環して使用するようにしたこ
とである。

このような構成において、冷却材はポンプ３を
駆動することによりパイプ２から冷却器１内の冷
却用パイプ１０へ流入する。冷却器１で蒸気と熱
交換され暖められた冷却材は、パイプ４を通つて
地面６下の冷却源となる地下部に配設された放熱
器７へ導かれここで放熱して冷却されパイプ２を
通つて再び冷却器１へ導かれ繰返し冷却材として
循環使用される。ここで使用される冷却材として
は、清水、蒸留水、脱塩水等を使用することがで
きる。

なお、海水淡水化においては、貯液槽２０へ流
入海水の塩度が高ければ、高い程、淡水化効率が
良くなる。それで、本考案の実施例として、日射
量の多い内陸部では、貯液槽２０へ流入する前に
太陽熱利用加熱器を設け、液を加熱したあと、貯
液槽２０へ流入させる場合もある。

〔効果〕

砂漠と言えども、地表面や空気は高温でも地下
の深い所は、比較的冷熱源があり、本考案では淡
水化用の冷熱源としてこの地下部を利用するもの
であつて、放熱器を冷熱源となる地下に配設した
ものであるから、冷却材を有効に放熱させ、冷却
させることができ、しかも循環使用することがで
きる効果が生ずる。その結果、本考案では、従来
の多量の海水を冷却材として使用することによる
前記欠点を解消でき、また、淡水化装置の設置場
所も、冷却材として海水を使用しないことから海
岸付近に限られることがなく、内陸部でも設置す
ることができ、さらには、冷却材の冷却用として
冷却塔も不要であるなど顕著な効果が生ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例である淡水化装置の概
略説明図である。第２〜第４図は従来の淡水化装
置を概略的に説明する図であつて、第２図はその
海水利用冷却器の側面図、第３図はその装置の作
用説明図、第４図は第３図−線断面図であ
る。 １……冷却器、２……冷却材輸送パイプ、３…
…ポンプ、４……利用済冷却材輸送パイプ、５…
…海水面、６……地面、７……放熱器、１０……
冷却用パイプ、２０……貯液槽、２１……液体輸
送パイプ、２２……蒸発室、２３……淡水の貯液
槽、２４……淡水取出し口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 淡水化されるべき液体の蒸発手段と、同蒸発手
   段により発生した蒸気を冷却手段へ導き冷却凝縮
   させて淡水を得る装置において、前記冷却手段の
   出口部から排出される冷却材を冷却源となる地下
   に配設された放熱器へ導く手段と、上記放熱器に
   より放熱された冷却材を前記冷却手段の入口部へ
   導く手段とからなることを特徴とする淡水化装
   置。