JPH0351901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は低温区域である例えば低温庫等にて使
用される防水型電気接続具に関する。

(ロ) 従来の技術 例えば実公昭57−26547号公報には貯蔵室に間
隔を存して下面に照明灯を備えた複数段の棚を設
け、背板により貯蔵室と仕切られた冷気通路にお
ける冷却器の下流側に突出するソケツト保持具を
前記背板に取り付け、前記冷気通路を通り前記保
持具を貫通するリード線の先端に接続されたソケ
ツトを前記保持具内に挿脱自在に挿入して固定具
にて棚下面に固着された前記照明灯のプラグと接
続し且つ非接続時にはソケツトのカバーを設けた
照明装置が示されている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 上記従来の技術において、照明灯のプラグをソ
ケツトに接続しない際には、前記ソケツトの前面
にカバーを設けて該ソケツトの氷結等を防止して
いるが、前記ソケツトは前記カバーにより完全に
密閉されてないため、例えば背壁に結露が発生し
て表面を下方に伝わりソケツトに滴下した際に
は、結露はソケツト表面とカバーとの〓間を伝わ
り端子穴に達し、前記端子穴に結露による漏電又
は腐食が生じるという問題点があつた。また、ソ
ケツトとカバーを完全に密封した状態にすると、
ソケツトへの水分の侵入は阻止できるものの、ソ
ケツトとカバーの間に残存した空気がカバーの取
付により圧縮され、カバーの完全な取付が困難に
なつたりカバーが脱落しやすくなつたりする。

特開昭52−33094号公報には、ソケツトとそこ
に差し込まれるプラグの間に空気抜きの孔を設
け、両者の差し込みをスムースにする構成が示さ
れているが、かかる構成では空気抜きの孔からの
水分の侵入を防ぐことができない。

本考案はソケツトへの栓部材の取付を容易に行
うことができ、且つソケツトへの水分の侵入を防
止した防水型電気接続具を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案の防水型電気接続具は、プラグのピンを
受ける受刃を収納し、先端面に前記ピンを挿入す
るための開口を形成した接続部を有するコンセン
トと、前記接続部の先端面を相対向する対向壁及
び該対向壁の周囲に形成した環状の周壁を有する
栓部材とからなり、前記接続部の周囲に前記栓部
材の周壁の内面に接する可撓性の密封部材を設け
るとともに、前記栓部材の対向壁には前記密封部
材によつて閉塞される空気抜き用の小孔を形成し
たことを特徴とする。

(ホ) 作用 低温区域である例えば低温庫に設けられたコン
セントに栓部材を取り付けるとき、接続部の周囲
に設けられた可撓性の密封部材が栓部材の周壁の
内面に接する。栓部材を押圧してゆくと、接続部
の先端面と対向壁との間の空気が対向壁に形成さ
れた小孔から外部へ押し出されながら栓部材は取
り付けられる。栓部材が取り付けられた状態にお
いては密封部材が前記小孔を閉塞し、水分の侵入
を防ぐ。

(ホ) 実施例 以下、本考案の実施例を第１図乃至第５図に基
づいて詳細に説明する。

第４図の１は多段式オープンシヨーケースであ
る低温庫で、この低温庫の前面には開口２が形成
され、断熱壁３にて画成された庫内は背板４にて
貯蔵室５と冷気通路６とに分けられ、前記冷気通
路６には、冷却器７及び送風機８等が設けられて
いる。又、冷気通路６の両端は前記開口２の上下
端に対設した冷気吹出口９、及び冷気吸込口１０
に連通している。１１は商品展示用の棚で、この
棚１１は所定間隔を存して複数枚貯蔵室５に設け
られている。又、夫々の棚１１はその取り付け高
さを変更でき、且つその下面には貯蔵室５内を照
明するための蛍光灯等の照明灯１２が設けられて
いる。さらに照明灯１２からの接続線１３はプラ
グ１９に接続されている。

背板４の適所には、棚１１の取付可能位置に対
応して樹脂製のコンセント１５が複数設けられて
おり、このコンセント１５からは電源に接続され
るコード１６が延びている。また、複数のコンセ
ント１５のうちの貯蔵室５の最上部にあるコンセ
ント１５ａに対応する位置には、通常は棚１１ａ
は設けられておらず、その最上部のコンセント１
５ａの接続部２３には後述する栓部材２６が取り
付けられている。そして、最上部のコンセント１
５ａに対応する位置にオプシヨンの棚１１ａを設
ける際には、最上部のコンセント１５ａには照明
灯１２ａからの接続線１３ａが接続されることに
なる。

最上部のコンセント１５ａを含む全てのコンセ
ント１５は、いずれも同じ構成を有している。即
ち、第３図及び第５図に示すように、背板４との
嵌合部が形成された周縁の環状フランジ２０より
後方へ窪んで側壁２１が形成され、底壁２２の略
中央には前方へ突出してプラグの接続部２３が形
成されている。そして、この接続部２３の略中央
にはプラグ１９のピンを受けるための受刃２４が
設けられ、前記ピンを挿入するための開口が形成
されている。そして、受刃２４からコード１６が
冷気通路６へ延びている。又、接続部２３の先端
部の側壁には段部２３ａが形成され、この段部２
３ａには複数の可撓性環状ひれ片２５ａを形成し
た例えばゴム製の密封部材２５が設けられてい
る。

又、２６は樹脂等により形成された本考案にか
かる栓部材で、この栓部材２６はコンセント１
５，１５ａの接続部２３の先端面と相対向した対
向壁２８と、この対向壁２８の周縁部から延びた
環状の周壁２７と、対向部２８の外面から外方へ
突出したつまみ２９とから構成され、つまみ２９
下方の対向壁２８には、内面と外面とを貫通する
空気抜き用の小孔３０が形成されている。この小
孔３０は、栓部材２６をコンセント１５，１５ａ
の接続部２３に取り付けたとき、その密封部材２
５と対向してそのひれ片２５ａによつて閉塞され
る位置に形成されている。また、コンセント１
５，１５ａの密封部材２５は、その接続部２３の
栓部材２６が取り付けられたときに、密封部材２
５のひれ片２５ａがその栓部材２６の周壁２７の
内面に接するように構成されている。

而して、貯蔵室５の最上部のコンセント１５ａ
に対応する位置にオプシヨンの棚１１ａを設ける
際には、最上部のコンセント１５ａには照明灯１
２からの接続線１３ａが接続されるのであるが、
棚１１ａを設けない場合には、最上部のコンセン
ト１５ａの接続部２３には栓部材２６が取り付け
られる。

この場合、コンセント１５ａの接続部２３への
栓部材２６の取り付け時にあつては、栓部材２６
の周壁２７の内面と密封部材２５とは接触して栓
部材２６とコンセント１５ａとの間の空気は前記
接続具２６を押圧するのに伴い、小孔３０から外
部へ抜けていく。そして、前記栓部材２６をコン
セント１５に取り付けたときには小孔３０は密封
部材２５のひれ片２５ａに閉塞され、密封部材２
５は前記栓部材２６の周壁２７の内面と密着し
て、前記栓部材２６はコンセント１５ａを被覆す
る。

従つて、栓部材２６をコンセント１５ａに取り
付けるとき、栓部材２６とコンセント１５ａとの
間の空気は、栓部材２６の押し込みに伴い圧縮さ
れることはなく、小孔３０から抜けるため、栓部
材２６の内面がコンセント１５ａの先端と当接す
るまで、容易に栓部材２６を押圧することがで
き、又、栓部材２６とコンセント１５ａとの間に
圧縮空気が留ることはないため、低温庫１の輸送
時又は使用時等の栓部材２６の脱落をなくすこと
ができる。

さらに、栓部材２６をコンセント１５ａに取り
付けたとき、小孔３０は、密閉部材２５にひれ片
２５ａに当接して閉塞されるため、例えば低温庫
内の冷気循環により背板４に露が発生して栓部材
２６に伝わつたとしても、小孔３０からの接続部
２３側への露の侵入を阻止することができる。こ
の結果、コンセント１５ａ内部の受刃２４の腐食
を防止できるため、最上部のコンセント１５ａに
対応する位置にオプシヨンの棚１１ａを設けてコ
ンセント１５ａに照明灯１２ａからの接続線１３
ａを接続することになつたとしても、コンセント
１５ａ部分に於ける接触不良等の発生を防止でき
る。

又、栓部材２６をコンセント１５ａに接続した
とき、小孔３０がコンセント１５ａの受刃２４よ
り下方に位置するように形成することにより、栓
部材２６の外面を伝る露が小孔３０を通り前記受
刃２４へ達することはなく、受刃２４の腐食及び
絶縁不良を回避することができる。

又、栓部材２６に形成された小孔３０を水の表
面張力が発生するような直径例えば0.8mm位にす
ることにより一層内部への水の浸入を防止するこ
とができる。

尚、以上の実施例の説明においては、栓部材２
６はコンセント１５ａの非使用時の被覆部材とし
て使用されていたが、最上部のコンセント１５ａ
を含む全てのコンセント１５は同じ構造となつて
おり、栓部材２６は最上部以外のコンセント１５
にも同様に使用することができる。また第６図に
示す他の実施例のように、栓部材２６が例えば照
明灯等に接続されるプラグであるときにも、この
栓部材２６の対向壁２８に上記実施例と同様に小
孔３０を形成することにより同様な作用効果を得
ることができる。ここで、３１，３１は栓部材に
設けられたピンで、２７は周壁、１５Ａはコンセ
ント、２３は接続部、２５は密封部材、２４は受
刃である。

(ト) 考案の効果 本考案は上記の如く構成された防水型電気接続
具であるから、栓部材のコンセントへの取り付け
時、前記栓部材とコンセントとの間の空気は、前
記栓部材の押圧に伴い小孔から外部に抜けるた
め、前記栓部材の取付作業を短時間にて容易に行
うことができ、又、前記栓部材とコンセントとの
間の空気は圧縮されて留ることがないため、圧縮
空気の反発力による前記栓部材の抜けを防止する
ことができる。さらに、前記栓部材をコンセント
に取り付けたとき、前記栓部材の小孔が前記コン
セントに設けられた密封部材と接して該密封部材
により閉塞されるので、前記小孔を通しての内部
への水の浸入を阻止することができ、この結果、
前記コンセントを使用する際の接触不良等を回避
することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案の一実施例を示し、
第１図及び第２図は栓部材の縦断面図及び正面
図、第３図は密封部材を備えたコンセントの１部
切欠側面図、第４図は低温庫の縦断面図、第５図
は防水型電気接続具の縦断面図、第６図は他の実
施例として示した防水型電気接続具の要部断面図
である。 １……低温庫、１２……照明灯、１５，１５ａ
……コンセント、２３……接続部、２４……受
刃、２５……密封部材、２５ａ……ひれ片、２６
……栓部材、２７……周壁、２８……対向壁、３
０……小孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プラグのピンを受ける受刃を収納し、先端面に
   前記ピンを挿入するための開口を形成した接続部
   を有するコンセントと、前記接続部の先端面と相
   対向する対向壁及び該対向壁の周囲に形成した環
   状の周壁を有する栓部材とからなり、前記接続部
   の周囲に前記栓部材の周壁の内面に接する可撓性
   の密封部材を設けるとともに、前記栓部材の対向
   壁には前記密封部材によつて閉塞される空気抜き
   用の小孔を形成したことを特徴とする防水型電気
   接続具。