JPH0351631Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、スラリー燃料燃料装置に関し、微粉
炭と水、微粉炭と油、或は他の微粉固体燃料と液
体燃料を混合、精製したスラリー燃料を燃焼させ
るボイラ或は各種工業用加熱炉等の技術分野で利
用される。

従来の技術 従来のスラリー燃料燃焼装置として、例えば第
２図に示されるものがある。

第２図において、１はスラリー燃料配管系、２
はこの配管系１の途中に設けたスラリー燃料移送
ポンプ、３は液体又は液体燃料配管系、４はこの
配管系３の途中に設けた液体又は液体燃料移送ポ
ンプ、５は同様にこの配管系３の途中に設けた流
量調節弁、６はスラリー燃料配管系１と液体又は
液体燃料配管系３とが接続されている混合装置、
７は一端がこの混合装置６の出口に接続さている
配管系、８はこの配管系７の途中に設けたスラリ
ー燃料噴燃ポンプ、９はこの配管系７の他端に接
続されているスラリー燃焼バーナである。

次にその作用について説明すると、スラリー燃
料移送ポンプ２によつて加圧されたスラリー燃料
は、スラリー燃料配管系１を圧送され、混合装置
６に流入する。一方、液体又は液体燃料移送ポン
プ４によつて加圧された液体又は液体燃料は、流
量調節弁５により所定量に調節され、液体又は液
体燃料配管系３を通して混合装置６に流入する。
そして、この混合装置６にて混合されたスラリー
燃料と液体又は液体燃料とは、スラリー燃料噴燃
ポンプ８によつて加圧され、配管系７を通してス
ラリー燃焼バーナ９へ供給される。

考案が解決しようとする課題 以上述べたスラリー燃料燃焼装置において、ス
ラリー燃料の燃焼性に大きく影響する粘度の調節
は、そのスラリー燃料製造時にサンプリングした
スラリー燃焼の粘度を計測して、所定の粘度にな
るように、液体又は液体燃料の流量調節弁５を調
整することにより、行つている。

この場合、スラリー粘度は、第３図に示すよう
に、スラリー燃料中の固体燃料濃度によつて大き
く変化する。また、このスラリー粘度とスラリー
燃料中の固体燃料濃度の関係は、スラリー燃料中
の固体燃料及び液体又は液体燃料の性状によつ
て、第３図に示すように、大きく異なる。

以上述べたように、スラリー燃料の燃焼性は粘
度によつて大きく左右され、また粘度はスラリー
燃料中の固体燃料濃度と共に減少し、かつその値
は固体燃料及び液体燃料の性状によつて大きく異
なる。

しかして、第２図に示した従来のスラリー燃料
燃焼装置では、前述した如く、製造時にスラリー
燃料をサンプリングし、その粘度を測定して、所
定の粘度になるように、液体又は液体燃料の混合
量を流量調整弁５により制御している。

しかし、この従来の方法では、数種類の性状の
異なるスラリー燃料を連続して単味又は混合して
燃焼させる場合には、その時々刻々にスラリー燃
料バーナへ供給されるスラリー燃料の粘度が不明
なため、混合すべき液体燃料の量が決定できない
という問題があつた。

本考案は、このような従来技術の課題を解決す
るためになされたもので、粘度の異なる数種類の
スラリー燃料を用いる場合でも、スラリー燃料が
常時燃焼に適した粘度となるように調節し得るス
ラリー燃料燃焼装置を提供することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために、本考案は、スラ
リー燃料配管系と液体又は液体燃料配管系とを混
合装置に接続し、この混合装置の出口を配管系を
介してスラリー燃焼バーナに接続してなるスラリ
ー燃料燃焼装置において、前記混合装置の出口を
スラリー燃焼バーナに接続する配管系の途中に、
この配管系を流れるスラリー燃料の粘度を検出し
て燃焼に適した粘度となるように前記混合装置へ
供給される液体又は液体燃料或はスラリー燃料の
流量を調節する連続粘度調節装置を設置したもの
である。

作 用 上記の手段によれば、連続粘度調整装置が混合
装置の出口からスラリー燃焼バーナへ流れるスラ
リー燃料の粘度を検出し、この検出粘度と予め設
定してある燃焼に適する粘度との差異に応じて、
混合装置へ供給される液体又は液体燃料或はスラ
リー燃料の流量を調節し、これにより混合装置か
らスラリー燃焼バーナへ送出されるスラリー燃料
の粘度を常時燃焼に適する粘度に調節することが
できる。

実施例 以下、第１図を参照して本考案の一実施例につ
いて詳述する。なお、第１図において、第２図に
示したものと同一の部分には同一の符号を付し
て、重複する説明は省略する。

第１図に示すように、本考案によれば、スラリ
ー燃料配管系１と液体又は液体燃料配管系３とが
接続されている混合装置６の出口をスラリー燃焼
バーナ９に接続する配管系７の途中に、連続粘度
調節装置１０が設置されている。

しかして、スラリー燃料の粘度はそのスラリー
中の固体燃料濃度が低下するほど低下する。スラ
リーの粘度は低いほど燃焼面で有利といえるが、
スラリー粘度の低下はそのスラリー中の固体燃料
濃度の低下を意味し、経済面から不利となる。よ
つて、燃焼性と経済性の両面から、ある燃焼に適
した粘度が存在する。

したがつて、連続粘度調節装置１０により、配
管系７を流れてくるスラリー燃料の粘度を検出
し、スラリー燃料が常時前述した燃焼に適した粘
度となるように、配管系３を通して混合装置６へ
供給される液体又は液体燃料の流量をその調節弁
５により自動調節する。

連続粘度調節装置１０は、連続粘度計１１を有
する粘度検出部１２と調節部１３とから成り、ス
ラリー燃料の粘度を検出して、予め設定してある
燃焼に適した粘度との差異に応じて液体又は液体
燃料配管系３に設けられた流量調節弁５の開度を
調節し、その流量を増減して、自動的にスラリー
燃料の粘度を燃焼に適した粘度に調節する。

なお、本実施例では、連続粘度調節装置１０に
よつて、混合装置６へ供給される液体又は液体燃
料の流量を調節しているが、必要によつては混合
装置６へ供給されるスラリー燃料の流量を調節す
ることもできる。

考案の効果 以上述べたように、本考案によれば、スラリー
燃料と液体又は液体燃料とを混合する混合装置の
出口をスラリー燃焼バーナに接続する配管系の途
中に連続粘度調節装置を設置し、この連続粘度調
整装置により混合装置の出口からスラリー燃焼バ
ーナへ流れるスラリー燃料の粘度を検出し、この
検出粘度と予め設定してある燃焼に適する粘度と
の差異に応じて、混合装置へ供給される液体又は
液体燃料或はスラリー燃料の流量を調節して、混
合装置からスラリー燃焼バーナへ送出されるスラ
リー燃料の粘度を常時燃焼に適する粘度に調節す
ることができるので、スラリー粘度とスラリー燃
料中の固体燃料濃度の関係が不明なスラリー燃料
でも常時良好に燃焼させることができる。

そして、スラリー燃料を常時燃焼に適した粘度
に調節して燃焼させることにより、いかなるスラ
リー燃料を燃焼させる場合でも、スラリー燃料の
系統内での圧力損失が一定となり、運転が非常に
スムーズに行える。

また、スラリー燃料を燃焼に適した粘度に調節
することにより、スラリー燃料は低粘度となつて
スラリー中の固体燃料が分離・沈降しやすくなる
が、本考案によれば、この低粘度のスラリー燃料
は混合装置とスラリー燃焼バーナとの間の一般的
に短い長さの配管系を流れるだけなので、低粘度
スラリーの配管系内滞留時間をできるだけ短くす
ることができ、これにより低粘度スラリー中の固
体燃料が分離・沈降して配管系を閉塞する恐れを
なくすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるスラリー燃料装置の一例
を示す系統図、第２図は従来例を示す系統図、第
３図はスラリー燃料の粘度とスラリー燃料中の固
体燃料濃度との関係を示す図である。 １……スラリー燃料配管系、３……液体又は液
体燃料配管系、６……混合装置、７……配管系、
９……スラリー燃焼バーナ、１０……連続粘度調
整装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スラリー燃料配管系と液体又は液体燃料配管系
   とを混合装置に接続し、この混合装置の出口を配
   管系を介してスラリー燃焼バーナに接続してなる
   スラリー燃料燃焼装置において、前記混合装置の
   出口をスラリー燃焼バーナに接続する配管系の途
   中に、この配管系を流れるスラリー燃料の粘度を
   検出して燃焼に適した粘度となるように前記混合
   装置へ供給される液体又は液体燃料或はスラリー
   燃料の流量を調節する連続粘度調節装置を設置し
   たことを特徴とするスラリー燃料燃焼装置。