JPH03502502A - 複合材料で形成された弓楽器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるため要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 複合材料で形成された弓楽器 本発明は弓楽器、即ち、バイオリン、ビオラ、チェ口、コントラパス系に属する 楽器に関する。

長年にわたり、大きく成功することなく、この種の楽器に使用される木を長繊維 シートを基礎にした複合材料で置換する試みがなされている。かかる複合材料の 利点は木製と異なり湿度および温度変化に対して長期間完全に安定を維持する点 にある。他の利点はその材料の恒常的かつ精確な特性をもつことが理論的に可能 であり、木製の場合に不可能である生産の再現性を可能にする点にある。これは 木製バイオリンの工業的生産が未だ優れた楽器を生んでいないこと、およびかか るバイオリンが学習または練習のためにのみ使用されていることの理由である。

複合材料、即ち、少なくとも前部がある程度まで交差した層に配置された直線繊 維（カーボンまたは芳香属ポリアミド、等による）を基礎として樹脂と相互連結 した複合材料でバイオリンを形成することは常に失敗に終わっている。これは生 成されるサウンドが従来楽器により生み出されるサウンドの高度性を達成するこ とができなかったことによる。

本発明は従来楽器の欠点を解消してその構成材料の１として複合材料を使用する 楽器を提供することを課題とする。

上記課題解決のために、本発明は少なくとも前部が少なくとも２の交差した直線 状長繊維の重合シートからなる複合材料の薄い壁により構成され、上記壁が上記 繊維よりも相当に低密度の裏張り材で少なくとも１面を覆われた弓楽器であって 、上記繊維シートの配向は上記壁の横方向の弾性モジュールで割った長手方向の 弾性モジュールの比が楽器の側部の近傍でＯであるのに対して楽器の長手対称軸 の近傍の壁領域ではそれより大きいことを特徴とする弓楽器を提供する。

上記特性を有する振動壁は良質のバイオリンにより作られる特性に比べ優れたサ ウンドを作り出すことが観察された。

長繊維複合構造の属性により、弾性モジュールは実質的に繊維方向および所定方 向の繊維の数に依存する。

従って、上記壁の要素を断面にとり、上記断面領域の平面上およびそれに垂直な 平面上で上記壁の要素を通過する各繊維の単位長の突出部を検討した場合、その 長手で倍量される横方向の突出部の数の積と比較したその長手で倍量される長手 方向突出部の数の積はその縁部に近い壁の要素よりも上記断面領域の中心に近い 壁の要素のところで高くなっている。

換言すれば、本発明の２態様はアクションを上記壁内のシート数でとるか、この 数はその中心からその縁部へ変化するが、もしくはアクションを同一シート数の 各シート内の繊維方向に基づいてとるかに依存して形成できる。当然ながら、両 可能性が組み合わされてよい。

本発明の構成において、上記複合体は上記壁を部分的に、特に共鳴・ポスト領域 において、強化するための局部的変更が可能である。

本発明の他の特徴および利点を明らかにするため、以下に本発明の実施態様を説 明する。

添付図面において、図１は本発明の態様によるバイオリンの前面図である。

図２は図１の側面図である。

図３は図２の■−■線上の断面図であって、バイオリンの前部面を示す。

図４は図３の断面領域の要素の拡大図である。

図５と６はバイオリンの前部または背部として使用できる複合材料壁用の２態様 の基礎構造を示す点図である。

図１および２のバイオリンは、従来、前部１、背部２、および共鳴体の側部に近 接のリブ３から成る。ネック４は複数のベグによりその端部へ固定された弦５を 有する共鳴体へ結合されている。これら弦は前部内のｆ一孔７間にある駒６上を 通過し、楽器の緒止板８上まで延びる。

前部１はポリマー樹脂を含浸したカーボン繊維の重合シート（Ａ、Ｂ、Ｃ，Ｄ、 、、）からなる複合材料を成形して形成した湾曲壁である。上記シートは選択さ れた角度で交差している。この複合材料壁の各面は前部の振動特性（壁の全体密 度における防振、減少等）を決定するベニア板ＹまたはＺで覆われている。

図４は図３の前部の断面領域の要素ｄｓの線図である。この要素は説明のために 拡大されており、繊維シートに依存、またはシート内繊維の位置に依存する所定 方向を通過する繊維１０から１４（繊維束）を有する。

例えば、異なるシートの繊維１０．１２および１４は断面要素ｄｓに垂直であり 、かつ楽器の長手対称軸９に平行である。

繊維１１と１３は上記シート間に配設されたシートに属し、かつ繊維１０．１２ および１４に対して所定角度にある。単位長Ｕはこれら繊維の各々から取り、第 １に上記断面領域の平面上へ、第２にこの断面領域に垂直な面上へ突出する場合 に、これら２面の各々における上記突出部の直線全長の比は横および長手の弾性 モジュールの比を表す。上記壁内のいずれの点の各断面要素ｄｓも同一方向でそ こを通過する繊維数が同一である場合には、上記弾性比率は一定である。反対に 、対称軸９から離れるところで長手方向の繊維シートが除去される場合には、楽 器の対称長手面における突出部の総数を表すマグニチュードは上記断面の平面に おける他のマグニチュードを変えることなく減少しくこれは除去された繊維がこ の平面で０長突出部を有するからである。）、それにより実際には変化しないま まの横の弾性モジュールに対する長手弾性モジュールの比が変わり（小さくなる ）、この比率自体がより小さくなる。

同様に、シート数が上記壁全体に保持されてるが、各シートの繊維方向が対称軸 から縁部へどんどん「横力向」へ離れるように変化する場合には、長手突出部の 総数は小さくなり、横突出部の総数は大きくなって、上記弾性モジュール比は次 第に小さくなる。

図５は繊維のシートのひとつＡが側方へ台形状にされた本発明による壁を示す。

この構成の壁はその中心よりも縁部で小さい弾性モジュール比を有する。当然な がら、シー）Ａはバイオリンの最終形状に適応する輪郭に沿ってカットされてよ い。

図６はシートの少なくとも１のＡを示し、その繊維方向は繊維が壁の対称軸にほ ぼ平行な中心よりも縁部で大きく「横方向」になっている。この種の１以上のシ ートを組み合わせかつ長手方向または一定角度をもって延びる直線状繊維層と交 差することによりこの方法は所望の特性を満足する壁構造を達成する。

図１において、点線は前部１が図６のシートＡのごときいくつかのシートを含む 場合を示す。また、図５のシー）Ａのごときシートをも含む。これらの配向は弾 性モジュール比がその長手対称軸９に沿って楽器の中心で最高であることを示す 。

上記前部についての説明は共鳴体の背部に同様に適用できる。

最後に、共鳴体の前部および背部は小領域上に付加的シートを加えることにより 局部的に強化されてよい。例えば、バイオリンは共鳴体の内側に設置されかつ前 部と背部との間に（僅かに）付勢して固定された共鳴ポストを有し、この共鳴ポ ストは駒の端部の１に近接して設置される。上記前部および背部が上記ポストキ 接触する領域はベニア板を張る前にそこへ部分的に付加シートを追加することに より強化されてよく、それにより上記ポストが応力を集中する領域を機械的に強 化する。当然ながら、これら領域における弾性モジュール比は壁の対称軸の近辺 におけるよりも大きく、従って、ａ　ｆｏｒｔｉｏｒｉ、楽器の側部に隣接する 領域よりも大きいが、この関係領域は小さい。このように、一般的に特定位置を 除き（特に後壁上の一定の長手ス）　ＩＪツブについて言える）、弾性モジュー ル比は連続的または中心から側部へ向かう過程で減少する。

国際調査報告 国際調査報告 ＦＲ９０００５０１ Ｓ＾　　　３８５１１

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. １．少なくとも前部（１）が少なくとも２の交差した直線状長繊維の重合シート （Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄ，．．．）からなる複合材料の薄い壁により構成され、上記壁 が上記繊維よりも相当に低密度の裏張り材（Ｙ，Ｚ）で少なくとも１面を覆われ た弓楽器であって、上記繊維シートの配向は上記壁の横弾性モジュールで割った 長手弾性モジュールの比が上記楽器の側部の近傍で０であるのに対して上記楽器 の長手対称軸近傍の壁領域ではより大きくなっていることを特徴とする弓楽器。
2. ２．上記壁の断面の要素（ｄｓ）、および上記壁断面の要素を通過する各繊維の 単位長（Ｕ）の突出部を考慮するとき、第１に上記断面の平面上、および第２に 上記断面平面に垂直な面上において、その長さで倍量される横突出部の数の積と 比較してその長さで倍量される長手突出部の数の積は上記側部近傍の要素よりも 上記断面中央近傍の要素（ｄｓ）で大きいことを特徴とする請求項１の弓楽器。
3. ３．上記断面の要素（ｄｓ）を通過する上記繊維の方向は上記要素の位置と無関 係に同一であり、上記積の変化は上記側部に近づく長手方向へ実質的に延びる上 記繊維シート数を減少させることにより得られることを特徴とする請求項２の弓 楽器。
4. ４．上記断面の各要素（ｄｓ）を通過する上記繊維数は上記要素の位置と無関係 に一定であり、上記比の変化は上記壁の長手対称軸に対してその角度で始まる各 シートの上記繊維角度を変化させることにより得られることを特徴とする請求項 ２の弓楽器。
5. ５．上記壁は少なくとも１の付加的部分繊維シートにより強化された少なくとも １領域を有することを特徴とする上記請求項のいずれか１の弓楽器。
6. ６．共鳴体の背壁は前壁と同様に形成されていることを特徴とする上記請求項の いずれか１つの弓楽器。