JPH0349505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、インデツクス信号により電子ビー
ムの照射位置を制御するビームインデツクス型カ
ラーテレビジヨン受像機に関し、画面のコントラ
スト比を向上することを目的とする。

従来、この種ビームインデツクス型カラーテレ
ビジヨン受像機は第１図に示すように、単電子銃
を有する受像管のフエースプレート内面に、電子
ビームの水平走査方向に垂直なストライプ状の３
原色螢光体、すなわち赤色螢光体Ｒ、青色螢光体
Ｂ、緑色螢光体Ｇが前記水平走査方向に垂直にく
り返し配列されるとともに、隣り合う原色螢光体
の間にそれぞれ非発光物質からなるストライプ状
の黒色ガード体Ｚが設けられている。

さらに３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇおよびガード体
Ｚの層の内面がメタルバツク処理されるととも
に、ストライプ状の短接続性螢光体からなるイン
デツクス螢光体Ｉが、３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇの
配列と相関を有する周期すなわち３原色螢光体
Ｒ，Ｂ，ＧのトリプレツトｐのＮ倍の周期で黒色
ガード体Ｚの内面に選択的に設けられている。

そして前記３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇおよび黒色
ガード体Ｚ、インデツクス螢光体Ｉにより螢光面
部が形成されるとともに、前記単電子銃の電子ビ
ームが前記螢光面部を内面側から一定の掃引速度
で掃引照射し、３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇの螢光に
よりカラー画像が再生される。

また、インデツクス螢光体Ｉの螢光により生じ
たインデツクス光信号が、受像管のフアネル部に
設けられた光電変換器により電気信号に変換さ
れ、光電変換器からインデツクス光信号にもとづ
くインデツクス信号が出力される。

さらに、光電変換器のインデツクス信号がフイ
ルタ回路に入力され、該フイルタ回路によりイン
デツクス信号のノイズ成分が除去され、フイルタ
回路からインデツクス処理回路にインデツクス信
号のみが出力される。

そしてインデツクス処理回路はインデツクス信
号の周波数をトリプレツトｐの周波数に変換した
変換インデツクス信号を変調回路に出力し、該変
調回路は入力された変換インデツクス信号を映像
信号により変調した変調信号を受像管に供給し、
受像管の電子ビームは前記変調信号により照射位
置が制御される。

なお、フイルタおよびインデツクス処理回路に
よりインデツクス処理部が形成され、変調回路よ
り変調制御部が形成されている。

すなわち、ビームインデツクス型カラーテレビ
ジヨン受像機は、単電子銃の電子ビームの掃引照
射により得られたインデツクス信号にもとづき、
電子ビームの照射位置が制御される。

そして変調回路に入力される変換インデツクス
信号のレベルが低くなると、電子ビームの照射位
置が制御できなくなり、再生が行なえなくなるた
め、インデツクス光信号の他の光信号に対する相
対的な光量を照射位置の制御できる光量以上にす
る必要がある。

ところでインデツクス光信号の光量が、インデ
ツクス螢光体Ｉを照射する電子ビームの強さと、
インデツクス螢光体Ｉの照射時間とにより設定さ
れ、また、電子ビームの強さが受像管のビーム電
流により設定されるとともに、ビーム電流が再生
画面の明暗、すなわち映像信号中の輝度信号のレ
ベルに従つて変化する。

したがつて、暗い部分、すなわちビーム電流が
ほぼペデスタルレベルの電流になる部分の再生時
にもインデツクス光信号の光量を照射位置の制御
できる光量以上にするためには、最小ビーム電流
を映像信号にもとづく本来の最小ビーム電流より
多く設定する必要があり、この場合、暗い部分の
明るさが前記本来の最小ビーム電流の明るさより
明るくなり、画面のコントラスト比が低下する。

この考案は、前記の点に留意してなされたもの
であり、受像管のフエースプレート内面に、くり
返し配列されたストライプ状の３原色螢光体と、
隣り合う原色螢光体の間にそれぞれ設けられたス
トライプ状の黒色ガード体と、前記３原色螢光体
の配列と相関を有する周期で前記各黒色ガード体
の内面に選択的に設けられたストライプ状のイン
デツクス螢光体とからなる螢光面部を形成すると
ともに、前記螢光面部を電子ビームにより内面側
から掃引照射する単電子銃と、前記インデツクス
螢光体のインデツクス光信号を電気信号に変換し
てインデツクス信号を出力する光電変換器と、前
記インデツクス信号の周波数を前記３原色螢光体
の配列周波数に変換するインデツクス処理部と、
該処理部の変換インデツクス信号を映像信号によ
り変調し前記電子ビームの照射位置を制御する変
調制御部と、前記インデツクス信号の周波数を前
記黒色ガード体の配列周波数に変換した偏向制御
信号を出力する偏向制御信号形成部と、前記単電
子銃のビーム電流がほぼペデスタルレベルの所定
電流より少ない間にのみ前記偏向制御信号を通過
させるゲート部と、該ゲート部を介した前記偏向
制御信号により、前記ビーム電流が前記所定電流
より少ない間前記電子ビームの掃引速度を前記黒
色ガード体の照射位置のときに遅くするとともに
前記３原色螢光体それぞれの照射位置のときに速
める補助偏向回路とを備えたビームインデツクス
型カラーテレビジヨン受像機を提供するものであ
る。

したがつて、この考案のビームインデツクス型
カラーテレビジヨン受像機によると、ビーム電流
がほぼペデスタルレベルの所定電流になるとき、
すなわち暗い部分の再生時に、電子ビームの掃引
速度を、黒色ガード体の照射位置のときに遅く
し、３原色螢光体それぞれの照射位置のときに速
めるため、黒色ガード体の内面に選択的に設けら
れたインデツクス螢光体の照射時間が長くなると
ともに、３原色螢光体それぞれの照射時間が短く
なり、電子ビームを一定の掃引速度で照射する場
合の最小ビーム電流より少ないビーム電流に設定
しても、インデツクス光信号の光量が照射位置の
制御できる光量になり、従来より最小ビーム電流
を少なくして画面のコントラスト比を向上できる
ものである。

つぎに、この考案を、その１実施例を示した第
２図以下の図面とともに詳細に説明する。

第２図において、１は第１図の螢光面部の掃引
照射により得られたインデツクス信号が入力され
るインデツクス信号入力端子、２は変調回路に入
力される映像信号中の輝度信号が入力される輝度
信号入力端子、３は変調回路に入力される映像信
号中のカラー信号が入力されるカラー信号入力端
子、４は水平走査期間に論理１（以下“１”と称
する）になり、水平帰線期間に論理０（以下“０”
と称する）になる帰線信号が入力される帰線信号
入力端子である。

５は入力端子１に接続された周波数てい倍器で
あり、第１図の場合は黒色ガード体Ｚの配列周波
数がインデツクス螢光体Ｉの配列周波数の２倍で
あるため、インデツクス信号の周波数を２倍して
黒色ガード体Ｚの周波数に変換し、インデツクス
信号の２倍の周波数の偏向制御信号を出力する。

６は入力端子２に接続された輝度レベル検出器
であり、輝度信号のレベルがほぼペデスタルレベ
ルの所定レベルｖ以下のとき、すなわちビーム電
流がほぼペデスタルレベルの所定電流以下になる
暗い部分の再生時に“１”の輝度検出信号を出力
する。

７は入力端子３に接続された検出器であり、カ
ラー信号をエンベロープ検波して出力する。８は
検波器７に接続されたカラーレベル検出器であり
カラー信号がないときに“１”のカラー検出信号
を出力する。

９は帰線信号、輝度検出信号、カラー検出信号
が入力されるアンドゲート、１０はアンドゲート
９の“１”の出力信号によりオンして周波数てい
倍器５の偏向制御信号を通過出力するアナログス
イツチである。

１１は受像管に設けられた補助偏向回路であ
り、アナログスイツチ１０を介した偏向制御信号
の入力により電子ビームの掃引を補助偏向制御す
る。

なお、周波数てい倍器５により偏向制御信号形
成部が形成され、検出器６，８、検波器７、アン
ドゲート９、アナログスイツチ１０によりゲート
部が形成されている。

そして入力端子２に第３図ａの輝度信号が入力
されるとともに、入力端子３に同図ｂのカラー信
号が入力されると、輝度レベル検出器６は同図ｃ
に示すように輝度信号のレベルが同図ａの破線に
示すほぼペデスタルレベルの所定レベルｖ以下の
ときに“１”の輝度検出信号を出力する。

またカラーレベル検出器８は第２図ｄに示すよ
うにカラー信号がないときに“１”のカラー検出
信号を出力する。

一方、入力端子４の帰線信号は第３図ｅに示す
ように水平走査期間に“１”になるとともに、水
平帰線期間に“０”になる。

そこでアンドゲート９の出力信号は第３図ｆに
示すように、水平走査期間内の輝度信号のレベル
が所定レベルｖ以下、かつカラー信号のないとき
にのみ“１”になる。

そしてアンドゲート９の“１”の出力信号によ
り、アナログスイツチ１０がオンし、周波数てい
倍器５から出力された偏向制御信号が第３図ｇに
示すようにアンドゲート９の出力信号の“１”の
ときのみアナログスイツチ１０を介して補助偏向
回路１１に供給される。

ところで補助偏向回路１１は入力された偏向制
御信号のレベルに比例して電子ビームの掃引速度
を遅くするような磁界を発生し、偏向制御信号が
インデツクス信号をてい倍して形成されるため、
電子ビームの掃引速度は黒色ガード体Ｚの照射位
置で遅くなるとともに、３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇ
それぞれの照射位置で速められる。

なお、インデツクス信号は、電子ビームがイン
デツクス螢光体Ｉの中心を照射するときに最もレ
ベルが高くなるほぼ正弦波形の信号である。

そして電子ビームの掃引をグラフ表示すると、
第４図の実線に示すようになり、黒色ガード体Ｚ
の位置を電子ビームが照射する時間T₁は、３原
色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇの位置を電子ビームが照射す
る時間T₂より長くなり、インデツクス螢光体Ｉ
の照射時間が３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇそれぞれの
照射時間より長くなつて相対的にインデツクス光
信号のレベルが高くなる。

なお、第４図の１点破線は補助偏向回路１１を
設けないときの電子ビームの掃引を示し、この場
合電子ビームの掃引速度が一定であるため、イン
デツクス螢光体Ｉの照射時間と３原色螢光体Ｒ，
Ｂ，Ｇそれぞれの照射時間とが等しくなる。

したがつて、補助偏向回路１１を設けた場合と
設けない場合とに、同一ビーム電流量の電子ビー
ムで掃引照射すると、第５図ａの実線に示すよう
に設けたときのインデツクス光信号の光量が、同
図ｂの破線に示す設けないときのインデツクス光
信号の光量より多くなる。

そこで補助偏向回路１１を設けたときの最小ビ
ーム電流を設けないときより少なくしても、イン
デツクス光信号の光量が照射位置の制御できる光
量になり、この場合、最小ビーム電流量が少なく
なるとともに、電子ビームによる３原色螢光体
Ｒ，Ｂ，Ｇの掃引速度が速くなるため、暗い部分
を再生したときの画面輝度は、第５図ｂの実線に
示すように同図ｂの破線に示す設けないときの画
面輝度より低くなり、コントラスト比を著しく向
上できる。

ところでビーム電流量がほぼペデスタルレベル
の所定電流以下になるときは、輝度信号のレベル
が所定レベルｖより低くなるときであるから、輝
度検出信号のみによりアナログスイツチ１０をオ
ンし、輝度検出信号が“１”のときに補助偏向回
路１１に偏向制御信号を入力すれば、電子ビーム
の掃引速度をインデツクス螢光体Ｉの掃引期間に
遅くし、かつ３原色螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇそれぞれの
掃引期間に速くして前述と同様の効果を得ること
ができるため、ゲート部を輝度レベル検出器６と
アナログスイツチ１０により形成すればよい。

しかし、第２図の場合は、輝度信号のレベルが
所定レベルｖより低くてもカラー信号のあるとき
は偏向制御信号を補助偏向回路１１に供給しない
ようにしてカラー再生への補助偏向の影響を防止
し、また、水平帰線期間にも偏向制御信号を補助
偏向回路１１に供給しないようにして水平帰線期
間への補助偏向の影響を防止している。

したがつて、前記実施例によると、ビーム電流
がほぼペデスタルレベルの所定電流以下になり、
輝度信号のレベルが所定レベルｖ以下になりかつ
カラー信号がなく水平帰線期間でないとき、すな
わち色のない暗い部分の再生時に、インデツクス
螢光体Ｉの照射時間を長くするとともに、３原色
螢光体Ｒ，Ｂ，Ｇそれぞれの照射時間を短くし、
従来の最小ビーム電流より少ないビーム電流でイ
ンデツクス光信号の光量を電子ビームの照射位置
が制御できる光量にすることができ、コントラス
ト比を著しく向上できるとともに、カラー再生の
影響および水平帰線期間への影響を防止すること
ができる。

なお、前記実施例の場合は、黒色ガード体Ｚの
配列周波数がインデツクス螢光体Ｉの配列周波数
の２倍であるため、周波数てい倍器５によりイン
デツクス信号の周波数を２倍して偏向制御信号を
形成したが、黒色ガード体Ｚの配列周波数がイン
デツクス螢光体Ｉの配列周波数の２倍以外のとき
には、周波数てい倍器５のてい倍数を変更すれば
よいのは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図は螢光面部の模式図、第２図以下の図面
はこの考案のビームインデツクス型カラーテレビ
ジヨン受信機の１実施例を示し、第２図は要部の
ブロツク図、第３図ａ〜ｇは第２図の各部の波形
図、第４図は電子ビームの掃引説明図、第５図
ａ，ｂはインデツクス光信号の光量、画面輝度そ
れぞれの説明用波形図である。 １……インデツクス信号入力端子、２……輝度
信号入力端子、３……カラー信号入力端子、４…
…帰線信号入力端子、５……周波数てい倍器、６
……輝度レベル検出器、７……検波器、８……カ
ラーレベル検出器、９……アンドゲート、１０…
…アナログスイツチ、１１……補助偏向回路、
Ｒ，Ｂ，Ｇ……３原色螢光体、Ｉ……インデツク
ス螢光体、Ｚ……黒色ガード体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受像管のフエースプレート内面に、くり返し配
   列されたストライプ状の３原色螢光体と、隣り合
   う原色螢光体の間にそれぞれ設けられたストライ
   プ状の黒色ガード体と、前記３原色螢光体の配列
   と相関を有する周期で前記各黒色ガード体の内面
   に選択的に設けられたストライプ状のインデツク
   ス螢光体とからなる螢光面部を形成するととも
   に、前記螢光面部を電子ビームにより内面側から
   掃引照射する単電子銃と、前記各インデツクス螢
   光体のインデツクス光信号を電気信号に変換して
   インデツクス信号を出力する光電変換器と、前記
   インデツクス信号の周波数を前記３原色螢光体の
   配列周波数に変換するインデツクス処理部と、該
   処理部の変換インデツクス信号を映像信号により
   変調し前記電子ビームの照射位置を制御する変調
   制御部と、前記インデツクス信号の周波数を前記
   黒色ガード体の配列周波数に変換した偏向制御信
   号を出力する偏向制御信号形成部と、前記単電子
   銃のビーム電流がほぼペデスタルレベルの所定電
   流より少ない間にのみ前記偏向制御信号を通過さ
   せるゲート部と、該ゲート部を介した前記偏向制
   御信号により、前記ビーム電流が前記所定電流よ
   り少ない間前記電子ビームの掃引速度を前記黒色
   ガード体の照射位置のときに遅くするとともに前
   記３原色螢光体それぞれの照射位置のときに速め
   る補助偏向回路とを備えたビームインデツクス型
   カラーテレビジヨン受像機。