JPH0345189Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

(a) 考案の技術分野 本考案は電気工事等にて配線した接地形２極コ
ンセントの配線誤りをチエツクするコンセント配
線試験器に関する。 (b) 従来技術と問題点 従来技術を図に沿つて説明する。 第１図は従来の接地形２極コンセントの配線図
であつて第１図Ａは正常接続、第１図Ｂは誤り接
続を示す。 第１図Ａにおいて、１は高圧電源、２は単相交
流電源となる柱上トランスであつて、高圧電源１
の供給電圧（通常AC6600V）を商用電圧、例え
ばAC100Vに逓降するが安全を確保するために
AC100Vの出力端子の一方を保安接地（第２種接
地）を施している。３は接地形２極コンセントを
示し、接地形２極コンセント３は通電極ホツト側
端子３ａと通電極接地側端子３ｂと接地極端子３
ｃの３極の端子にて構成されており、通常通電極
ホツト側端子３ａと通電極接地側端子３ｂの各刃
受けには識別用に、その形状を若干の大小に形成
すると共に、特に通電極接地側端子３ｂにはＷの
記号を付し、かつ接地極端子３ｃの刃受けには他
の２極の刃受けの方向あるいは形状との変形に加
えてＧの記号を付したものが多い。 そして配線工事に際しては、図示するように柱
上トランス２のホツト側と通電極ホツト側端子３
ａとを接続し、柱上トランス２の接地側と通電極
接地側端子３ｂとを接続し、また接地極端子３ｃ
には受電側に別途設けた保安接地（第３種接地）
から導出した受電側接地線を接続する。ところ
が、この配線工事では接続線に接地側を識別する
手段のない場合が多いため第１図Ｂに示すように
誤つて通電極接地側端子３ｂと接地極端子３ｃに
対する接続を逆に接続してしまう場合がある。 このような線工事の結果を試験する方法として
は、例えば電圧計おを用い、通電極ホツト側端子
３ａと通電極接地側端子３ｂの両端にてAC100V
を示すことを確認すると共に、通電極ホツト側端
子３ａと接地極端子３ｃとの両端にもAC100Vを
示すことを確認し、更に通電極接地側端子３ｂと
接地極端子３ｃとの両端が無電圧状態を確認する
ことによつて正常と判断する方法が採用されてい
た。しかしながら、このような試験方法によれば
第１図Ｂに示すような誤接続の場合も電圧計の内
部インピーダンスが高いため、接地抵抗を介して
正常接続の場合と同様の試験電圧が測定されるた
め誤接続の判定ができない欠点があつた。 (c) 考案の目的 本考案は上記従来の欠点に鑑み正確に配線結果
を試験することのできるコンセント配線試験器の
提供を目的とする。 (d) 考案の構成 そしてこの目的は本考案によれば、単相交流電
源と受電側に設けられた保安接地とからそれぞれ
導出された電源接続線と受電側接地線とを、それ
ぞれ通電極ホツト側端子３ａ、通電極接地側端子
３ｂおよび接地極端子３ｃに接続してなる接地形
２極コンセント３に対する配線誤りを検査する試
験器であつて、当該接地形２極コンセント３に着
脱自在に結合される差込プラグ４を介して前記各
端子３ａ，３ｂ，３ｃにそれぞれ一端を接続し、
他端を一点に集中接続してなる擬似負荷Ra，
Rb，Rcを設け、かつ当該各擬似負荷Ra，Rb，
Rcにそれぞれ流れる電流値の大小を表示する表
示手段５を設けたことを特徴とするコンセント配
線試験器を提供することにより達成される。 (e) 考案の実施例 以下本考案の実施例を図面により詳述する。尚
各図において第１図との対応部位には同一符号を
付してその重複説明を省略する。 第２図は本考案によるコンセント配線試験器の
一例を示す構成図である。この図において、４は
差込プラグであつて第１図に示す接地形２極コン
セント３と対となつて差込接続器を構成してい
る。RaとRbとRcはそれぞれ擬似負荷であつて、
各擬似負荷の一端を集中接続し、その集中接続点
を中心に外側へ３回路の広がりを形成するＹ字形
接続で各他端を差込プラグ４の３極の端子と接続
している。これら各擬似負荷Ra，Rb，Rcの抵抗
値は等しく、各擬似負荷Ra，Rb，Rcに流れる電
流値をそれぞれia，ib，icとする。 ５はこれらの電流値ia，ib，icの大小を表示す
る表示手段であつて、例えば各擬似負荷Ra，
Rb，Rcそのものをそれぞれ同一抵抗値を有する
白熱電球等の発光する電球にて構成し、各電流値
の比較を各白熱電球の輝度により目視判定する。 この他、Ｙ字形接続の各辺の擬似負荷Ra，
Rb，Rcにそれぞれ図示しない交流電流計を直列
接続にて挿入するか、あるいはＹ字形接続の各辺
の擬似負荷Ra，Rb，Rcにそれぞれ図示しない分
流器を直列接続にて挿入し、一つの交流電流計を
切替接続して各分流器の電流値の比較を行う方法
も考えられる。 第３図は本考案によるコンセント配線試験器の
作用を説明するための接地形２極コンセントの配
線図を示し、第３図Ａは正常配線の場合の代表
図、第３図Ｂ〜Ｆは誤配線の場合の配線図であ
る。 まず第３図Ａにおいて、接地形２極コンセント
３と差込プラグ４とは嵌合接続によつて破線で示
すように接続される。なお、RGは両接地間の等
価接地抵抗値を示す。通常柱上トランス２の接地
抵抗は第２種接地規格であつて10Ω以下が要求さ
れる。。また受電側における接地極端子３ｃの接
地抵抗は第３種接地規格であつて100Ω以下が要
求される。 計算を簡単にするためこれらの接地抵抗のほぼ
平均値を採用して、等価接地抵抗値RGを50Ω、
柱上トランス２の出力電圧をAC100V、擬似負荷
Ra，Rb，Rcは同一規格で内部抵抗50Ωの50W電
球を使用するものとすれば、 ia＝100／

【Ra＋〔Rb（Rc＋RG）／（Rb＋Rc
＋RG）〕】 ib＝ia×（Rc＋RG）／（Rb＋Rc＋RG） ic＝ia×Rb／（Rb＋Rc＋RG） 従つてia＞ib＞icとなつて必ずia≠ib≠icの関
係が成立し、柱トランス２のホツト側に接続され
る電球の輝度が最大で、柱トランス２の接地側に
接続される電球の輝度が中間値となり、また第３
種接地側に接続される電球の輝度が最低となつて
極性の識別が正確に行われる。 次に第３図Ｂは第３図Ａに比較して通電極の接
続が逆になつたものであつて、接地形２極コンセ
ント３に接続される負荷が特に柱上トランス２の
接地側を指定しない限り正常とみなされる接続で
ある。尚、ここで第３図Ｂ〜Ｆに示す接地形２極
コンセント３に対する本考案の擬似負荷を有する
差込プラグ４の接続位置は第３図Ａの破線にて示
す接続と同じであつてその記載を省略している。 即ち、各擬似負荷Ra，Rb，Rcはそれぞれ接地
形２極コンセント３の通電極ホツト側端子３ａ、
通電極接地側端子３ｂ、接地極端子３ｃと接続さ
れている。第３図Ｂ〜Ｆの接続例に対する電流値
の比較を次表に示す。

【表】 尚、第２種接地抵抗値と第３種接地抵抗値は場
所と工法によつて変化があるため電球の輝度の大
小を判定することが困難な場合には、電球の内部
抵抗値を適当に選ぶことにより判別可能になりま
す。 また、接地形２極コンセント３に対する接続線
の何れか一本が断線または接続不良の場合にはそ
の接続線に対応する電球は消灯状態となり、接続
線の何れか二本以上が断線または接続不良の場合
は全電球が消灯状態となつて異常の検知を行うこ
とができます。 (f) 考案の効果 以上詳細に説明したように本考案によるコンセ
ント配線試験器によれば、簡単な構成で電源線お
よび接地線の極性の判定及び断線、接続不良の検
知を正確に行うことができるので、誤接続による
機器の破損防止に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の接地形２極コンセントの配線
図、第２図は本考案によるコンセント配線試験器
の一例を示す構成図、第３図は本考案によるコン
セント配線試験器の作用を説明するための接地形
２極コンセントの配線図である。 第３図において、２は柱上トランス、３は接地
形２極コンセント、３ａは通電極ホツト側端子、
３ｂは通電極接地側端子、３ｃは接地極端子、４
は差込プラグ、５は表示手段、Ra，Rb，Rcはそ
れぞれ擬似負荷、ia，ib，icはそれぞれ擬似負荷
Ra，Rb，Rcに流れる電流値、RGは等価接地抵
抗を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 単相交流電源と受電側に設けられた保安接地と
   からそれぞれ導出された電源接続線と受電側接地
   線とを、それぞれ通電極ホツト側端子３ａ、通電
   極接地側端子３ｂおよび接地極端子３ｃに接続し
   てなる接地形２極コンセント３に対する配線誤り
   を検査する試験器であつて、 当該接地形２極コンセント３に着脱自在に結合
   される差込プラグ４を介して前記各端子３ａ，３
   ｂ，３ｃにそれぞれ一端を接続し、他端を一点に
   集中接続してなる擬似負荷Ra，Rb，Rcを設け、
   かつ当該各擬似負荷Ra，Rb，Rcにそれぞれ流れ
   る電流値の大小を表示する表示手段５を設けたこ
   とを特徴とするコンセント配線試験器。