JPH0344653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、合成樹脂の成形容器に関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

透明に合成樹脂を用いた成形容器において、高
級感を出すため種々な試みがなされている。例え
ばガラス感を呈せしめるのがそれである。

このようなガラス感は、厚手の容器では比較的
容易に実現できるが、例えば0.3mm程度の厚さで
はガラス感を出すことが非常に難しく、現在のと
ころ成功したものは見当たらない。

そこで、この考案は、0.1〜１mm程度の薄手の
成形容器であつて、ガラスと極めて近い外観を呈
するものを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を達成するため、この考案において
は、容器の底壁及び周壁の少なくとも一方に底壁
及び周壁の厚みよりもピツチ及び深さの大きな凹
凸を設け、さらにこの大きい凹凸の表面に細かい
凹凸を設けたのである。

〔作用〕

上記の比較的大きい凹凸は、容器全体に厚み感
を与え、またその乱反射により、半透明感を付与
し、これらの感覚が相まつて、容器にガラス風の
外観を持たせる。

更に大きな凹凸の表面に設けられた細かい凹凸
は、よりガラス感を与えるのに役立つている。

〔実施例〕

以下に、この考案の実施例を添付図面に基いて
説明する。

第１図及び第２図に示すように、容器１は、底
壁１０と周壁２０及び開口部周縁に設けられたフ
ランジ３０より成る。

前記底壁１０には、ほゞ全面にわたつて鋸歯状
の凹凸１１が設けられており、また周壁２０にも
同様の鋸歯状凹凸２１が縦方向に設けられてい
る。

これらの凹凸１１，２１は、ピツチ及び深さ共
mmオーダの比較的大きなものであつて、形状或は
パターンは、上記の鋸歯状に限定されないが、手
作り感を出し乱反射を効果的にするため、不規則
又は不整形なものが好ましい。

上記凹凸１１の表面には、第２図、第３図に示
すように前記凹凸よりさらに細かい凹凸１２が設
けられている。このような細かい凹凸を周壁２０
の凹凸２１の表面にも形成することができる。こ
れらの細かい凹凸を、大きな鋸歯状凹凸１１の頂
部（山）の近辺に細かい鋸歯状に形成すると、全
体としてのガラス感が極めて効果的となる。ま
た、この細かい凹凸１２も、形状及びパターンは
限定されないが、その大きさは大きい凹凸１１，
２１を壊さない程度のものであつて、不規則又は
不整形のものが好ましい。

さらに、前記周壁２０の開口部周縁即ちフラン
ジ３０の内側部分に大きな凹凸３１を形成してお
くと、開口部の補強と同時にガラス感を増す効果
がある。なお、この凹凸３１は、フランジ３０の
上縁よりも下方又は外縁より内側に位置するよう
にしておくのが好ましい。蓋（図示せず）を被せ
たとき、この凹凸３１がフランジ３０と蓋との密
着性を阻害しないようにするためである。

上述のような種々の凹凸による乱反射を特に強
調するため、部分的に平坦な部分即ち透明性の良
い部分を設けるのがよい。図示の場合、底壁１０
から周壁２０へ連なる部分が透明部１３となつて
いる。

なお、容器１の材料としては、できるだけ透明
で艶のある合成樹脂を用いるのがよい。

〔考案の効果〕

この考案の容器は以上の通りであつて、次にそ
の利点を述べる。

(1) 比較的薄く透明性のよい合成樹脂容器に、大
きな凹凸を設けることによつて容器全体に厚み
感を与えると共にその乱反射により、ガラス感
を付与する。

(2) 大きな凹凸の表面に細かい凹凸を形成するこ
とにより、両者が相まつてさらにガラス感を高
めることができる。

(3) 上記凹凸は薄い容器の補強効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の容器の実施例を示す断面
図、第２図は同上の平面図、第３図は大きな凹凸
の拡大断面図である。 １……容器、１０……底壁、１１，１２……凹
凸、２０……周壁、２１……凹凸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明性を有する合成樹脂より成り、底壁及び周
   壁が厚み0.1〜１mm程度の成形容器において、前
   記底壁及び周壁の少なくとも一方に前記厚みより
   もピツチ及び深さの大きい凹凸を設け、この大き
   い凹凸の表面に細かい凹凸を設けたことを特徴と
   する合成樹脂成形容器。